デパート(百貨店)業界の動向・年収 2016年度大手企業の調査・比較

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デパート業界に属する会社の前身は呉服屋や鉄道会社などで、数百年といった非常に長い歴史を持つ会社が多くあります。

幅広い品揃えと丁寧な接客サービスで成長を続けてきたデパート業界でしたが、近年では業績不振や顧客の減少に対応するため大型の業界再編が幾つもありました。

そして、いまデパートにしかできない取り組みに各社ともに力を入れて、様々な小売業が乱立する中で生き残りを図っています。

ここでは、そんなデパート業界の動向と、転職や就職に役立つ情報を紹介しています。

デパート業界の基本情報

デパート業界は、都市部の駅周辺や繁華街に大規模店舗を構え、売り場に多種多様な商品を販売している小売形態のひとつです。

百貨店とも呼ばれるデパートは、”百貨を取り扱う店“という名のとおり、一流ブランドなどの高級品から良質な日用品まで幅広い品を揃えています。

小売業の中におけるデパート業界の特徴としては、高価値商品が多く取り揃えられていることに加え、消費者一人ひとりに丁寧に対応する対面販売や、細かな情報提供といった質の高いサービスが挙げられます。

近年は、大型のショッピングモールや郊外のアウトレットモール、高品質な製品を取り扱っている専門店やECサイトなど、他の小売業の拡大を受けてデパート業界は厳しい経営が続いてきましたが、デパート業界各社がそれぞれの店舗の魅力を高める取り組みを行ってきているため業界全体の売上高はプラス成長に転じてきています。

デパートの魅力を高めるために行われている取り組みのひとつは『体験型サービスの拡充』です。

実例としては、松坂屋名古屋店が、中日ドラゴンズのオープン戦の始球式参加権などを含めた福袋を発売していたことがあります。

 

このような商品という「モノ」だけではなく、体験という「コト」も購入することができるようにする取り組みは他の百貨店でも行われ始めています。

他にも、買い回りの便利さを重視した独自の売り場を展開するなど、様々な取り組みが行われています。

デパート業界の市場規模は、2013年7月~14年6月の決算において7兆6,012億円、経常利益は7,471億円、平均勤続年数は18.1年、平均年齢は42.3歳、平均年収は569万円となっています。

デパート業界が全盛の時の売上高は9兆7,000億円(1991年)もありましたので、ピーク時に比べると大幅な減収になっていることが分かります。

デパート業界 ~今後の展望~

デパート業界の今後を語る上でポイントになるのが、『店舗の選択』と『海外進出』です。

『店舗の選択』

デパート業界各社は、不採算店舗の閉鎖を進めるとともに、採算が望める店舗では増床やリニューアルに力を入れています。

例えば、2010年8月に、四条河原町阪急が閉店、同年12月には、西武有楽町店が、さらに2012年にはそごう八王子店が閉鎖されています。

そして、2013年6月には銀座最古の百貨店であった松坂屋銀座店も閉店しています。

不採算店舗の閉鎖が進められている一方で、増床・リニューアル・新規出店の動きも活発に行われています。

例えば、J.フロントリテイリングは、傘下の大丸東京店の店舗面積を2012年に1.4倍に増床させていますし、松坂屋銀座店を全面的に建て替えるプロジェクトも進めています。

また、三越伊勢丹HD傘下の旗艦店である伊勢丹新宿本店が2013年3月に全面改装して新規オープンしています。

業界3位の高島屋も、日本橋地区の再開発に合わせて東京店の新館を複合ビルに建て替える予定にしています。

『海外進出』

大手の百貨店は早くから海外、主にアジア圏に注目し出店を進めてきました。

例えば、業界首位の三越伊勢丹HDは、台湾で現地の財閥・新光集団と提携して「新光三越百貨店」を展開していますし、シンガポールや上海に伊勢丹を出店しています。

業界3位の高島屋も、シンガポールに大型店を構え、19億円もの営業利益を得ています。

今後、国内での売上高の減少に伴い、収益性の高い海外の大都市に出店していくことも考えられます。

デパート業界の企業一覧

  • 三越伊勢丹ホールディングス
  • J.フロントリテイリング
  • 高島屋
  • セブン&アイ・HD(百貨店事業)
  • エイチ・ツー・オーリテイリング
  • 東京急行電鉄(生活サービス事業)
  • 丸井グループ
  • 近鉄百貨店
  • パルコ
  • 小田急電鉄(流通業)

デパート業界を代表する企業の基本情報

【三越伊勢丹ホールディングス】

三越伊勢丹ホールディングスは、2008年4月に三越と伊勢丹が統合して発足した持株会社です。

合併と同時にデパート業界で首位に浮上し、現在も首位を維持しています。

三越は1673年に呉服屋「越後屋」として開業、伊勢丹も1886年に「伊勢谷丹治呉服店」を開業している老舗です。

基本情報

  • 売上高:1兆2,721億円(2015年3月実績)
  • 経常利益:345億円(2015年3月実績)
  • 店舗数:日本橋三越本店、伊勢丹新宿店など国内9店舗 海外36店舗
  • 平均勤続年数:22.3年
  • 平均年齢:45.8歳
  • 平均年収:815万円

【J.フロントリテイリング】

J.フロントリテイリングは、2007年9月に大丸と松坂屋ホールディングスが統合して発足した持株会社です。

全国の主要都市を中心に大丸、松坂屋を展開しています。大丸は300年、松坂屋は400年という長い歴史を持つ老舗です。

基本情報

  • 売上高:1兆1,495億円(2015年2月実績)
  • 経常利益:404億円(2015年2月実績)
  • 店舗数:大丸心斎橋店、東京店、松坂屋名古屋店、豊田店など15店舗
  • 平均勤続年数:21.4年
  • 平均年齢:45.7歳
  • 平均年収:815万円

【高島屋】

老舗の百貨店で、東京・日本橋、新宿、大阪、横浜、京都などに大型店を展開中。

百貨店の新しい価値を提供するため、リアルとヴァーチャルの融合したオムニチャンネル化(顧客との接点をあらゆるチャネルで持つこと)を推進しています。

また、アジアグローバル企業となるべく、中国、ASEANの2軸で新規店舗を展開していくことを計画しています。

基本情報

  • 売上高:9,125億円(2015年2月実績)
  • 経常利益:359億円(2015年2月実績)
  • 店舗数:日本橋(東京)、新宿、横浜、大阪、京都など国内外で22店舗
  • 平均勤続年数:22.4年
  • 平均年齢:44.7歳
  • 平均年収:655万円

転職・就職へのアドバイス

デパート業界に転職もしくは就職を考えている方は、どんな分野で会社に貢献できるかをはっきりさせておく必要があります。

今までの経験や発想力、企画力など、店舗で発揮できるどんなスキルを持っているかはっきりさせておき、それを論理的に説明できるようにすると良いでしょう。

特に、いまのデパート業界は顧客の減少や業績不振などの問題も多く抱えていますので、問題を客観的に分析し、解決策を提示することができる人材を求めています。

もし、以前にデパート業界に携わった経験があり、再びこの業界で働こうと思っている方であれば、その時のマイナスの経験を面接担当者に伝えてみるのも効果的です。

華やかな世界にみえても、実際には大変なこと辛いこともある職場だと分かっている人というのは、強い意欲がある人、簡単にはやめない人いう印象を与えるため、面接官にとって魅力的な人材に映ります。

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