試薬系化学業界の動向・年収 2016年度大手企業の調査・比較

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石油化学、無機化学、油脂、電子材料、塗料、肥料、農薬など、幅広い素材を手掛けている化学業界。

今回は、その中から『試薬』に絞って、市場の現状や今後の動向を紹介していきたいと思います。

また、試薬化学会社に転職・就職を考えている方に役立つ情報も紹介します。

試薬系化学会社の基本情報

試薬とは、化学・生物・材料分野における研究や分析、臨床検査の際に使うために、小分けされた化学薬品のことです。

化学会社からも試薬となる薬品を購入することができますが、化学会社では100㎏単位やトン単位での販売しかしていません。

試薬会社は、大手化学会社から薬品を仕入れ、25gや500gといった単位で小分けにすることで、少量の注文をしたい大学や研究機関のニーズに応えています。

また、化学会社が販売している薬品は純度が低いものもあるため、試薬会社で純度を上げるなどの処理を行ったうえで販売しています。

試薬の種類は、化学的性質、無機化合物、有機化合物の3つです。

試薬は、用途や品質から以下のように分類することができます。

【一般用試薬】

一般用試薬とは、アルカリや有機溶剤といった大学の研究室で利用される試薬のことを指します。

用途に限らず利用できる試薬で、試験目的、分析目的などに応じて幾つかの等級と規格に分類されています。

【特定用試薬】

特定用試薬とは、分析用機器を用いて行われる研究や検査の際に利用される試薬で、機器と用途によっては、特別な品質精度が求められることもあります。

【標準物質・標準液類】

標準物質・標準液類とは、名称のとおり、さまざまな分析値の基準となるものです。

化学分析で濃度決定、検量線作成、機器校正などに用いられる薬品です。

【生化学用試薬】

生化学用試薬とは、動物、植物、微生物の生体成分であるアミノ酸、タンパク質、酵素、糖、脂質、核酸などの研究に用いられる薬品です。

また、免疫化学研究、組織培養研究、ペプチド合成研究、生理活性物質の応用研究などにも利用されています。

【臨床検査用試薬】

臨床検査用試薬とは、患者に直接行われる生体検査、生体由来試料を用いて行れる検体検査の際に用いられる試薬のことです。

試薬系化学会社 ~今後の展望~

試薬系化学会社の今後の動向でキーワードになるのが、『海外事業の拡大』です。

試薬メーカー最大手の和光純薬は、1968年にはパリに駐在所を開設するなど、海外進出を積極的に行ってきました。

1974年には、ドイツに現地法人ドイツ和光純薬有限会社を設立、2000年代に入ってからも、米国リッチモンド工場の新規生産設備、米国和光純薬株式会社ロサンゼルス営業所などを、次々に開設しています。

最近では、経済発展著しいアジア地域での事業拡大を見据えて、中国上海市に現地法人を2012年に設立しました。

 

和光純薬と双璧をなす関東の試薬メーカー関東化学も、積極的に海外事業を展開しています。

すでに、半導体用薬品の世界有数の開発メーカーとしては、アジア・欧米で高く評価されています。

1990年に米国オレゴン州ポートランドに現地法人会社を設立したのを皮切りに、1998年にはシンガポールに現地法人会社を設立、2000年には台湾に現地法人会社を設立しています。

準大手の試薬メーカーも海外に拠点を持っている企業があり、今後とも日本の高い技術力を生かした製品で海外でのシェア拡大を目指していくと思われます。

試薬系化学会社の企業一覧

【大手】

  • 和光純薬工業
  • 関東化学

【準大手】

  • 同仁化学研究所
  • ナカライテスク
  • 林純薬
  • 純正化学
  • 東京化成工業

試薬系化学会社を代表する企業の基本情報

【和光純薬工業】

和光純薬工業は、武田薬品工業グループに属する国内トップの総合試薬メーカーです。

取扱品目は、ライフサイエンス関連から有機、環境試薬まで70万品目以上に及び、究開発を総合支援する体制を整えています。

  • 売上高:742億円(2014年度3月期)
  • 平均勤続年齢:16.2年
  • 平均年齢:40.2歳
  • 平均年収:711万円

【関東化学】

関東化学は1944年以来、高品質・高品位の追求をテーマとして、試薬の研究開発、製造、販売に携わっている総合試薬メーカーです。

現在は、試薬、電子材料、臨床検査薬、化成品の4つの分野で、競争力の高い製品を開発し続けています。

  • 売上高:688億円(2015年3月期)
  • 平均勤続年数:20.3年
  • 平均年齢:42.3歳
  • 平均年収:465万円

【ナカライテスク】

ナカライテスクは、大学の研究室や企業の研究部門で行なわれる試験や分析、研究等に用いられる試薬を提供しているメーカーです。

自社で試薬を開発しているため、顧客のニーズに応じて試薬を提供できる体制が整っているという強みがあります。

  • 売上高:153億円(2015年9月期)
  • 平均年齢:34.9歳
  • 平均年収:325万円

【同仁化学研究所】

同仁化学研究所は、大学や医療機関、研究所や工場などで行われている様々な研究・開発・製造に不可欠な「試薬」を取り扱っている準大手の試薬メーカーです。

東京、アメリカ、ヨーロッパ、中国など7つの拠点があるグローバルな試薬メーカーでもあります。

  • 売上高:26億円(2015年5月期)
  • 平均年齢:39.0歳

転職・就職へのアドバイス

化学業界全般にいえることですが、試薬メーカーも非常に幅広い化学薬品を取り扱っています。

試薬メーカーに転職することを考えるのであれば、化学構造式に関する高度な知識がすでにあることが、面接を突破する必須条件となります。

新卒採用を受けることを考えている方であれば、生化学、バイオ、薬学といった理系学部・理系学科を専攻した方のほうが向いている業界です。

試薬は大学や研究機関からの依頼に応える形になるため、顧客のニーズに合わせて様々な製品を組み合わせながら、柔軟に商品開発に対応できる能力も必要となります。

また、技術営業職に関わらず、コミュニケーション能力も求められる業界でもあります。

生産の仕事に携わる場合でも、顧客と化合物の生産方法を打ち合わせたり、品質管理の場面で他社の製造工場で打ち合わせを行ったりと、コミュニケーションを取りながら進めていく仕事が多くあるからです。

最後に、試薬メーカーは取り扱う製品数は数十万点以上に上ることもあるため、新しいものに興味を持ち、常に知識を取り入れることが好きな人でなければ、なかなか続けていくことが難しい職業でもあります。

ここで上げた条件をクリアしているのであれば、知識があれば、試薬メーカーに勤めても問題なく業務をこなしていくことができるでしょう。

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