業界景気リサーチ 試薬系化学会社の動向 有名所を調査・比較

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今回は業界リサーチ記事です。

本記事では化学を取り上げていますが、化学分野は領域が本当に広く、一括りで書くと内容がぼやけてしまうので、分野を絞ることにしました。

今回は、試薬関係について纏めてみました。

 

化学試薬業界

  • 業界規模:2000億円程度

試薬(試剤)とは、化学実験で反応させる試験研究用薬品の呼称であり、メーカーが販売しているものを指すことが多くなります。

化学分析・実験などで、化学反応を起こさせるために利用されますので、商品の提供先は製薬・化学系メーカーや大学などの研究機関になります。製薬・化学企業は日々試薬を用いた実験を行い、新製品を開発・生産し、それを基に利益を得ています。よって、試薬はその収益を生み出す根幹を支えるものであり、その重要性は計り知れません。

また、研究開発分野で使用されるだけでなく、商品の開発から検品作業(品質チェック)に至るまで幅広い工程で使用されますので、必要なフェイズは多岐に渡ります。

ちなみに、試薬メーカー自体は試薬の研究・開発・生産を行い、実際の販売は代理店で行うビジネスが主流です。この商流は薬学・化学業界の基本ですね。また、大きな試薬メーカーは小さめのメーカーから仕入れて販売していることも多いなど、商社的な側面もあります。

試薬は、同一の化合物であっても、生体や組織に直接作用させる薬品は薬剤と呼ばれます。酵素や受容体そのものを生体より一旦外に取り出して、そこから作用させる場合は試薬と呼ばれることがあります。少しややこしいですが、ダイレクトに作用させるか否かの差ですね。

 

化学業界自体の売り上げ規模は26兆円、平均年収は780万程度ということで、自動車・電機とタメを張る規模です。

日本の中では、かなり安定した業界で高収入です。ただ、今後未来永劫にそうか? と言うとそれは甘い考えである、と転職エージェントからコメントを頂きました。製薬業界と共通していますが、M&Aで超巨大化した海外メーカーは強敵なので、世界を舞台にガチでぶつかった場合は苦戦・敗戦が予想されます。

化学業界自体の詳しい記事は後日、化成品業界の記事で書く予定です。

 

化学の中でも、こと試薬に限っては、2,000億程度とややこじんまりとした売り上げ規模です。実験材料なので常に需要はあれど、中間・最終商品として大量に市場に出回るわけでもないので、こんなものでしょう。それでも、業界全体の発展を支える立役者ですがから、何だか慎ましいというか、縁の下の力持ちと言われるようなポジションですよね。

 

有名どころの会社

この業界は、大きな会社はかなり限られます。昔からある大手が強く、取引関係、販路がしっかりしており、そこに喧嘩を売ろうという会社は少ないのかも知れません。

大手

  • 和光純薬工業
  • 関東化学

準大手

  • 同仁化学研究所
  • ナカライテスク
  • 林純薬
  • 純正化学
  • 東京化成工業

 

試薬メーカーの有名どころの会社

大きい会社は限られるので、ここでは大手2社について記載しています。

和光純薬工業

  • 天下の武田薬品工業の化学部門が過去に分社。子会社だが抜群の安定度
  • 試薬メーカーで国内TOP。海外にも広範囲に販売網を保持
  • 事業領域は試薬40%、臨床検査薬30%、化成品20%と3本柱を持つ
  • ゲノム研究所なども持っており、研究レベルも高度
  • 基礎科学分野の薬品関連の開発に今後は注力
  • 分析機器の製造販売も手掛けており、試薬や臨床検査薬と機器を併せた総合的なソリューション提案が可能

関東化学

  • 試薬メーカーで国内2位。関東では最も大きい試薬メーカー
  • 超LSI生産用高純度薬品ならびに薬品自動供給装置を世界に先駆け開発

2社比較ですが、関東化学の情報はあまり手に入りませんでした。サイトの作りこみや情報提供量などを見るに和光純薬工業の方がサービスの多様性はかなりある印象を受けました。

この2社は、試薬以外にも臨床検査薬、化成品(化学工業)分野を持っています。化成品は別の記事で扱う予定のため説明を省きますが、臨床検査薬については少し細くしておきます。

 

臨床検査薬

健康状態を把握するために行う健康診断や病院の診察などで主に使われている薬品です。例えば、インフルエンザの疑いがある場合などに検査薬でチェックしますよね? そのような薬品を指します。その他に、尿検査、血液検査などにも活躍します。

 

関西での立ち位置

関西では和光純薬の1強状態です。まあ業界自体が小さいのであまりコメントするところがないですね…

 

今後の動向

試薬は、今後拡大が予想される医療産業において、特に大きな需要が見込まれます。最近ではがん細胞を発光させ、判別しやすくする新しい試薬が開発されるなど、医療産業の必要性の拡大とともに、今後益々試薬業界へのニーズは高まっていくことが予想されます。

こじんまりとした分野ではありますが、化学・製薬業界の発展のためにはなくてはならない存在ですので、経営方針を誤らなければ生き残っていけるでしょう。

 

SE・社内SEとしての関わり方

基幹業務系システムの構築員として関わる形になると思います。

試薬品の生産から出荷までの幅広い範囲での業務を見ることになるので、一般的な業務知識が必要、若しくは習得できることになります。この分野の業務は、製品を沢山作り、検査をして出荷するという業務プロセスになっていますが、応用範囲がかなり広いため関わっておくと後々役に立ちます。

SAPなどを使っている会社も多いでしょうから、個人的には知識の習得という意味でもかなりうま味のある産業ではないかぁと思っています。また、先述の和光純薬工業では「Siyaku.Com」というサイトを公開し、60万件以上の試薬情報を公開しています。このようなWEB関係の事業などにも関われる可能性はあります。

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