近年、仮想通貨の時価総額に占めるビットコインの時価総額の割合は低下傾向にあります。

ビットコインの時価総額も長期的に見れば上昇傾向にあるのですが、それ以上にビットコイン以外の仮想通貨(アルトコイン)の時価総額が上昇したためです。

成長著しいアルトコインの中でも代表格といえるのがイーサリアムとリップルですが、その裏でもう少しマイナーな仮想通貨が急激に成長しています。その1つが「DASH」という仮想通貨です。時価総額はビットコインの約30分の1ほどですが、トップクラスの匿名性と送金スピードの速さで、根強い支持を受けています。

今回の記事ではDASHの特徴、仕組、長所、短所、購入可能な取引所などをまとめて紹介していきたいと思います。ビットコインや超メジャーなアルトコイン以外への投資も初めたいという方は、是非参考にしてください。

仮想通貨DASHの基本性能

  • 取引承認スピード:約4秒(ビットコインは約10分)
  • 発行枚数:2200万枚
  • 通貨単位:DASH
  • 時価総額:約6700億円(2018年1月24日現在)

DASHは2014年に誕生した仮想通貨です。当初はDarkcoinという名前で呼ばれていましたが、2015年に改称されました。

改称の理由は明らかになっていませんが、Darkという単語の印象が悪かったため、と推測されています。

 

仮想通貨は匿名性と送金スピードに優れた仮想通貨

先程も少し触れましたが、DASHの2つの特徴は「匿名性」と「送金スピードの速さ」です。

仮想通貨はもともと匿名性も送金スピードも銀行振込などと比べるとずっと優秀なものばかりですが、その中でもDASHは頭一つ抜けています。

DASHの匿名性を支える「ダークセンド」について

DASHの匿名性は、ダークセンドという技術によって確保されています。ダークセンドとは簡単に言えば、複数の送金者の送金した仮想通貨を一旦プールしてから着金者の手元に届けることによって、誰が誰に払ったのかをわからなくする仕組みのことです。

ビットコインやライトコイン、ビットコインキャッシュなどのメジャーな仮想通貨の場合、送金者と着金者はそれぞれ1人しか存在せず、送金者→着金者という流れで直接送金されます。

送金・着金に使うアドレスは名前や住所などの個人情報とは紐づけされていないため、外部から見られても通常は匿名性が保たれるのですが、万が一アドレスと個人情報が紐付けられてしまった場合は匿名性がなくなってしまいます。

現在の日本では仮想通貨取引所の口座開設の際には本人確認が必ず行われるため、以前と比べるとメジャーな仮想通貨の匿名性は下がっているといえるでしょう。

 

一方、DASHは送金者と着金者が複数存在し、送金者→容器(マスターノード)→着金者という流れで送金されます。イメージとしては以下のような感じです。

複数の送金者の払ったDASHは、1つの大きな容器にプールされます。次に、そのお金を誰が払ったかわからなくなるまで、容器の中にプールされたDASHをかき混ぜます。十分混ぜてどれが誰のお金だったかわからなくなったら、着金者のもとに送金されます。送金者は自分が送ったお金が実際に誰の手元に届いたかはわかりませんし、着金者も自分の手元に届いたお金がもともと誰のものだったかはわかりません。

第三者から見た場合、マスターノードからどのアドレスに送金されたかはわかりますが、誰がマスターノードに送金したかはわかりません。

実際にはこの仕組はすべてコンピュータ上で処理されています。容器の役割を果たすコンピュータはマスターノードと呼ばれます。マスターノードになるためには1000DASHを担保にした上で、24時間稼働し続ける必要があります。その見返りとして、マスターノードはブロック報酬の45%を受け取れます。

 

DASHの送金スピードは約4秒!

DASHは送金の際にマスターノードを挟むので、ビットコインなどと比べると送金に時間がかかりそうにも思えますが、実際はその逆で、送金スピードはトップクラスに早いです。他の仮想通貨と比べてみると、それがよくわかります。

  • ビットコイン:10分
  • ライトコイン:5分
  • イーサリアム:15秒
  • リップル(XRP):5秒
  • DASH:4秒

ビットコインやライトコインはもちろん、イーサリアムやリップル(XRP)も上回っています。送金スピードが早いということは、それだけ店舗決済で使いやすいということです。実店舗での使いやすさが向上すれば、当然値上がりも期待できます。

DASHがこれだけ高速な送金を実現できるのは、インスタンスセンドを採用しているからです。インスタンスセンドとは、ネットワークに接続されている複数のコンピュータの中からランダムでマスターノードを選び、そのコンピュータに取引の承認をすべて任せるシステムです。

ビットコインの場合、取引の承認を行うコンピュータは競争によって選ばれます。ビットコインの記事ではないので詳しい説明は避けますが、難しい計算を真っ先にクリアしたコンピュータが取引の承認を行うと考えていただければだいたい問題ありません。この方式は競争に負けたコンピュータの行っていた計算が無駄になるという欠点があります。

 

一方、DASHの場合は競争ではなくランダムで取引の承認を行うコンピュータを決めるので、無駄な計算が発生せず、したがって高速な取引の承認が実現できます。

前述の通り、マスターノードとして選ばれるためには「1000DASH保有」「24時間稼働」という高いハードルがあるので、性能の低いコンピュータがマスターノードに選ばれてしまうリスクは極めて低くなっています。

 

DASHは規制のリスクが高い?

DASH自体は非常に優秀な仮想通貨ではありますが、それでも欠点がないわけではありません。特に問題なのが、

匿名性の高い仮想通貨は、そうではない仮想通貨と比べて、外部からお金の流れが追いづらいです。これは利用者本人にとってはメリットになりますが、国家にとってはデメリットになります。薬物、武器などの違法な取引、マネーロンダリング、脱税などに使われる恐れがあるからです。

そうした国家にはコントロールできない仮想通貨は、規制される可能性があります。日本は比較的仮想通貨に対して前向きで、なおかつある程度の法整備も勧められていますが、2018年1月24日では、DASHを取り扱っている仮想通貨取引所は1つも金融庁から認可を受けていません。取扱のあるcoincheckは未だに審査中です。

coincheckの審査がやたらと長いのは、DASHを始めとする匿名性の高い仮想通貨を取り扱っているからだ、と推測することもできます(匿名性の高い仮想通貨を取り扱っていない他の国内仮想通貨取引所は早々に認可を得ています)。国内の取引所で規制されても海外の取引所で買えばいい、という考え方もできますが……。

そして、2017年1月26日の時点で後述の問題を起こしたので、coincheckは今後利用する対象に挙がることはないでしょう。

 

DASHを買うならBinanceがおすすめ

現状、日本でDASHを取り扱っている仮想通貨取引所はcoincheckのみです。

ただし、販売所形式で売買されているため、手数料は割高です。また、以下の記事で解説している通り、NEMの不正流出事件があったため、今後利用することは避けた方が望ましいです。

 

一方で、海外の仮想通貨取引所では取引所形式で売買されているため、手数料は割安です。

数あるDASHを取り扱っている仮想通貨取引所の中でも最も使いやすいとおもわれるのがBinanceです。Binanceは中国の仮想通貨取引所ですが、日本語にも対応しています。

日本円の入金は受け付けていませんが、ビットコインでDASHを取引できます。まずは国内の仮想通貨取引所でビットコインを購入し、そのビットコインをBinanceに送り、それでDASHを買う、という流れになります。

 

DASHのおすすめの保管方法は?

DASHは仮想通貨取引所に保管することもできますが、海外の取引所であるBinanceに多額のDASHを保管しておくのはやや不安です。

多少面倒でも、できればウォレットに移すことをおすすめします。

DASHに対応したウォレットは色々とありますが、その中でも最もおすすめなのがTREZOR(トレザー)です。

TREZORは海外製のハードウェアウォレットの1つで、ハッキングの心配なくDASH保存できます。DASHだけでなくビットコインやNEM,ライトコイン、イーサリアムなどにも対応しており、複数の仮想通貨を保管するにはピッタリのハードウェアウォレットと言えます。

DASHさえできれば問題ない、という場合は、Dash walletがおすすめです。Dash Walletはアプリ形式のモバイルウォレットで、iPhone版、Android版がリリースされています。The Dash Foundationによる公式ウォレットで、使いやすく設計されています。堅牢性が高く、万が一スマートフォンが壊れてしまっても、事前にメモしておいたパスフレーズを使えば新しい端末で問題なく復元できます。ある程度まとまった額が溜まってきたら、必ず取引所からは避難させましょう。

 

まとめ

  • DASHは匿名性と送金スピードに優れた仮想通貨
  • ダークセンドという技術によって高い匿名性を実現
  • 送金スピードは約4秒、ビットコインやライトコインよりずっと早い
  • その匿名性の高さ故に、将来規制されるリスクはやや高い
  • DASHを買うならBinanceがおすすめ
  • 保有額が増えてきたら、念のためにハードウェアウォレットに移すといい

DASHは匿名性と送金スピードという、2つの長所を兼ね備えた仮想通貨です。

それ故に将来性もありますが、一方で規制のリスクは無視できません。投資をする際には、そのあたりもしっかりと勘案しましょう。