近年、仮想通貨を発行して事業資金を集める「ICO」という手法が人気を集めています。

ICOは事業者にとっては効率的に資金を集めることができ、投資家にとっては将来大きく値上がりする可能性のある安く仮想通貨を買うことができる魅力的な仕組みです。これを利用して、100億円以上の資金を集めた企業も次々でてきています。

一方で法整備が不十分なことから詐欺まがいの案件も少なくないうえ、事業者側のノウハウも十分に蓄積されているとはいえないのが現状です。

今回はICOの仕組み、IPO(新規株式公開)との違い、注意点、ICOプラットフォーム「COMSA」の仕組みなどをまとめて解説いたしますので、ICOに参加してみたいという方は是非参考にしてください。

ICOで100億円集める企業たち

ICO(Initial Coin Offering)とは、企業やプロジェクトチームの事業者などが、その活動資金を稼ぐために仮想通貨を発行し、投資家はその仮想通貨の将来の値上がりを予想して買うという仕組みです。事業者は集めた資金を元にサービスを提供するほか、場合によっては、発行された仮想通貨での決済を受け付けることもあります。

その仮想通貨が世に広まれば、仮想通貨の価格も上がるので、ICOで仮想通貨を安く買っていた投資家は大きな売却益を得られます。

 

2018年1月25日現在、世界で最も成功したICOはFilecoinです。Filecoinは誰でもストレージ(データの保存領域)のプロバイダーになれる分散型ストレージプロジェクトで、個人や法人が余計に抱えているストレージを活用する仕組みです。

このICOではわずか1時間で約200億円、最終的には約257億円もの資金が集められ、その見返りとしてFilecoinという仮想通貨が20億枚投資家に対して供給されました。

これ以外にも資金調達額が100億円を超えたICOは多数存在しており、日本発のICO「COMSA」もその一つです。

 

ICOとIPOの違い

ICOの仕組みは、証券会社に未上場の企業が株式を発行し、投資家がそれを買ってから株式を上場するIPO(Initial Public Offering)と非常によく似ています。

発行するのが仮想通貨か、株式かという点以外は、ほぼ同じと言ってもいいでしょう。

しかし、無視できない違いも少なくありません。特に以下の3つの違いは把握しておく必要があるでしょう。

 

実施難易度の違い

ICOは、IPOよりもずっと簡単に行なえます。

IPOを行う場合、まずは公認会計士を雇って監査を実施し、次に証券会社からの審査を受けて、最後に証券取引所の審査を受けるという流れを踏むのが一般的です。文字にすると大して難しそうに見えませんが、実際にこれをこなすのはかなり面倒です。

例えば証券会社の審査の際には数百の質問に答えなければいけませんし、添付資料に矛盾がないかなどにも気を配らなければいけません。

また、証券取引所に上場するためには、一定の基準を満たさなければいけません。証券取引所によって上場の基準は異なりますが、比較的上場基準が緩いとされているマザーズでも株主200人以上、時価総額10億円以上が必要です。ある程度成長した企業ならばともかく、中小企業にとってはかなり高いハードルと言わざるを得ません。

一方、ICOにはそのような面倒な手続きや基準はありません。IPOのように証券会社や証券取引所と言った第三者はそもそも介入して来ないため、事業者と投資家の合意さえあれば成立します。この手軽さがICOの最大の魅力です。

 

株式と仮想通貨の違い

IPOで買った株式と、ICOで買った仮想通貨には、大きな性能の違いがあります。

株式を買ったことによって得られるのが、配当金や株主優待、そして議決権です。配当金は企業の収益の中から株主に還元される利息のようなものですが、銀行の利息と違って毎年必ず払われるわけではありません。また、お金ではなく物やサービスで支払われることもあり、これを株主優待と言います。

そしてそれよりも大きなものが議決権です。議決権とは簡単に言えば会社の経営に参加する権利です。会社の経営を直接行うのは経営者ですが、議決権を行使すれば経営者を指示することができますし、別の経営者に買えることも可能です。

ただし、議決権の大きさは全株主同じではなく、持ち株数に比例します。実質的には大株主が企業をコントロールします。

これは企業側から見た場合、デメリットにもなりえます。株式を持っているだけで経営に関しては素人の株主に従わなければならないからです。

一方、ICOで発行される仮想通貨には通常、配当金、株主優待、議決権のいずれも付いてきません。その代わり仮想通貨は通貨であるため、事業体の提供しているサービスに使えることが多々あります。

仮想通貨が爆発的に広まれば、事業体とは関係のない別の企業がサービスの決済手段として仮想通貨を導入したり、仮想通貨取引所が上場を認めたりする可能性もあります。もちろん、そうならないケースのほうが遥かに多いですが。

 

参加へのハードル

ICOは、IPOよりもずっと参加しやすいです。

IPOは参加者数が限られているため、人気の銘柄では抽選が行われることがほとんどです。当然、その抽選に当選しなければ、IPOに参加できません。一方、ICOは原則的に望めば誰でも当選します。確実に変えるため、労力が無駄になることはありません。

 

ICOが抱えるデメリット

ICOは事業体にとっては実施のハードルが低く、投資家にとっては参加しやすいというメリットがあることはお分かりいただけたかと思いますが、一方でICOにはデメリットも少なくありません。

ICOという仕組みを事業者側から見た場合は、実施難易度と、成功させるまでのハードルの高さがデメリットと言えます。

ICOはIPOよりも簡単であることは確かですが、仮想通貨を発行するというのは普通の企業にとっては簡単なことではありません。仮想通貨の発行に関するノウハウが有る企業は大して多くはないからです。

また、たとえ実施できたとしても、それが成功するとは限りません。ICOを行う企業の多くは、IPOを行える程の体力がない中小企業です。中小企業は当然知名度が低いのでそもそもICOを行っていることを知ってもらいづらく、したがって仮想通貨を買ってもらえず、失敗に終わる可能性が高いです。

一方、投資家から見た場合、詐欺や事業者の投資の失敗のリスクが有ることが最大のデメリットです。

ICOの中には、最初から資金を集めることだけが目的で、具体的な事業を行う意欲や技術がないものも少なくありません。

ICOはハードルが低い分、そのような低品質な事業者もどうしても紛れ込んでしまうのです。将来法整備が進めばそのような事業者は淘汰されるのでしょうが、それにはまだ時間がかかりそうです。

低品質なICOに引っかからないためには、ICOの企画書であるホワイトペーパーをよく読み込むことが大切です。しかし、ホワイトペーパーは大半が英語で書かれている上、内容も技術的なものが多く、初心者には理解しづらいことが多いです。理解できないものには、投資をしないほうが賢明です。

 

ICOのデメリットを解決する「COMSA」

上記のようなICOが抱えている問題点を解決するかもしれないのが、テックビューロ社の提供しているICOプラットフォーム「COMSA(コムサ)」です。

COMSAは簡単に言えば、企業がICOをするためのサポートサービスです。このサービスを使えば、仮想通貨に関する知識や技術がなくても企業はICOを実施てきます。そのため、企業はICOに関する勉強をすることなく、本業に時間を使えるようになります。

本業に集中できるようになれば利益が上がる確率も高くなるので、投資家にとってもメリットがあります。COMSAで発行された仮想通貨は、テックビューロ株式会社が運営する仮想通貨取引所「Zaif」でも取り扱われるため、買ったはいいけれど売れずに困る、ということもまずありません。

 

また、COMSAに参加するためには、テックビューロ社の審査に通過する必要があります。審査は大変厳しく、9割が審査落ちしています。厳格な審査基準を儲けることによって低品質なICOを一斉排除し、投資家を保護する狙いがあります。

COMSAのプラットフォームではまずCOMSA自体が仮想通貨「CMS」を発行し、100億円以上の資金を集めることに成功しました。集められた資金はCOMSAやZaifの整備などに使われる予定です。CMSは現在Zaifに上場されているので、誰でも売買できます。

2018年には自社ブランド「PREMIUM WATER」を中心とするミネラルウォーターの宅配事業を手がける「株式会社プレミアムウォーターホールディングス」がCOMSA上で独自の仮想通貨を発行する予定で、これが十分な成果を上げれば他の企業のCOMSA利用のはずみになるものと思われます。

 

まとめ

  • ICOは仮想通貨を発行して資金を集める仕組み
  • 投資家は将来値上がりする可能性のある仮想通貨を安く買える
  • ICOはIPOよりも実施しやすく、参加しやすい
  • 一方で詐欺的案件などのリスクも少なからず存在している
  • ICOのデメリットをまとめて解決するのがCOMSA

ICOは企業や投資家に大きな利益をもたらすかもしれない、画期的な仕組みです。

ですが現状は法整備が進んでいるとはいえず、実施も参加も自己責任です。ICOに参加する前に、情報をよく集め、精査することが大切です。