最初は小規模の会員制のサポート業務だったのが大手金融系企業のヘルプデスクリーダーと、数年の間に私を取り巻く環境は大きく変わっていました。そして、リーダーとしても、最初は後輩1人だったのがいつの間にか7名を管理する立場になっていました。
業務も順調だった頃、突然会社から話があるから一旦帰ってきて欲しいとの連絡を受け、日程を決めて帰社してみると「次の案件の面談を受けて欲しい」とのことだったのです。

見事合格!でも今の現場の退場を巡って……

詳しく話を聞くと、今のヘルプデスクのリーダーとしての評価から、次の大型案件について面談を受けて欲しいというのです。

その案件は、官公庁に常駐してのヘルプデスクで、初めて設置するためある程度の有識者が必要なためお声がかかったようです。

面談を受ける分には問題はありませんでした。
でも、万が一受かってしまった場合、今の現場をどうやって抜けるかの問題が発生します。現場での契約期間がまだ残っていたため、相手からすると契約違反になってしまうのです。

でも、私の中ではかなり興味がありました。
それは今までヘルプデスクに携わってきたことをすべて出すことで、あっているか間違っていたかの答え合わせができる場でもあり、足りなかったものを見つけ出せる場でもあるのです。だから、今の現場のこともあるけれど受かってやるという気持ちでいっぱいでした。

転職エージェント経由で転職してきたこんな仕事の機会まで得られた。自分の人生の頑張りを見せるときがきました。

 

その日から、現場と会社の往復が始まったのです。

会社が用意した人材にヘルプデスク業務に関する業務内容を説明したり、考え方などをレクチャーしたり、時には面接員としていっしょにヘルプデスク業務に携わる人材を選んだりしていました。今でも、面接というあの短時間の中で、その人の真偽を見抜き採用するという人事部の面接担当の人はすごいと思っています。

それは別案件で技術的な面接を依頼されていて面接した時、どうしても本人のやる気が感じられなかったので落としたことがあります。その時には、社長に「なんで落としたんだ」とか「あいつは俺が見込んだやつだったのに」と説教を食らった事がありました。社長からしてみればいい人に見えたかもしれませんが、面接を受けた本人にしてみれば「社長」と「一社員」ですから、扱いを変えたのでしょう。それを見抜いたのは私ですから、褒められてもいいところをむしろ怒られてしまったのです。

この出来事は後に会社や経営に対する不満につながり、とんでもない方法で退職する事態に発展します。それは後ほどお話しましょう。

こうして準備期間を経て、新しいプロジェクトの面談日を迎えることになったのです。

 

準備万端!でもとんでもないところに伏兵が!?

面談当日、プロジェクトの旗振りをする企業へ5名で出かけることになりました。

ヘルプデスクスタッフの要員としては4名だったのですが、なぜか社長がついてきたのです。ついてくるぐらいなら問題はありません。

今回、社長としてもかなり大きな案件で相当な売り上げになることから、挨拶しに同行したものだと思えば納得できます。この考え方、半分は当たっていたのですがもう半分は外れていました。

予期せぬ事態になりました。社長が面談に同席するというのです。

これはちょっと面をくらいました。まず相手企業の方からいろいろ質問を受け回答をするのですが、その回答にダメ出しを入れてくるのです。「お前、そんなこともできないのか」など、私が受ける分には良いのですが、それじゃなくても緊張している後輩社員はたまったものではありません。

その社長の攻撃をかわしつつ、後輩社員も守りながら、プロジェクトを進めていく会社の質問に答えるという超難易度の高い面談を終え、みんなで揃って帰社する道すがら、社長から「今回の面談はダメだったな」とか言い出す始末。さすがに文句一つでも言ってやろうかと思った矢先「腹も減っているだろう。ラーメンでも食ってから帰ろう」と言ってくれたのです。いろいろありましたが、社長も社長なりに気を使ってくれていたんだなと思います。

こうして合否の連絡を待つことになりました。

その後、会社から連絡があり合格できたのは私ともう1人のヘルプデスク経験者だけでした。後の2名はしゃべりがちょっとたどたどしく不合格でした。

その時ちょっと頭をよぎったのが、今の現場をどうするかという点です。

社長に相談をしたのですが、「お前が考えろ」というのです。それはおかしいでしょうと抗議しましたが、「自分で考えろ」の一点張りです。営業にも相談をしたり、先輩にも相談したりしたのですが、「それがうちのやり方」だからと言われてしまいました。

今ではこのようなことをして、現場を離脱した際は運良く会社が訴えられなかったとしても、狭い業界でそれを繰り返していたら、いつか必ず大きなペナルティを受けるでしょう。

こうして、いろいろとお世話になった現場を後にしました。

 

次のプロジェクト!最初のミッションはシステム説明の行脚の旅

無事に前の案件から離脱することができたのですが、現場に行っている後輩から聞いた話だと、現場の管理者の方は嘘をついているなというのがわかっていたとのことでした。いきなり会社で社長と意見が合わず喧嘩して辞めるというのが、ありえない状況だったのかもしれませんね。でも、そういうことを無理強いした会社に責任があると思っています。

次の同じようなことが行ってきた場合、私は洗いざらい現場の管理者の方に話すようにしようと思いました。

狭い業界だからこそ、嘘をついてやめたとしてもどこでいつ出会うかわからないからです。できるだけ、会社での行いは注意した方が良いかもしれませんね。

さて、新しい官公庁でのプロジェクトですが、前プロジェクト同じように現在導入しているシステムを刷新するプロジェクトです。その段階でヘルプデスクを設立して、パソコンを使った業務を円滑に進めるようにするといった目的があったようです。

そして、仕事開始となった時、統括リーダーから今度刷新するシステムを職員の方々に説明する会を開くので、そこで講師をやってほしいというのです。

私は最初のサポート時代に講師の経験もあるので、特に難しいと思いませんでした。でも、他のメンバーは経験がなく、戸惑っていたようです。
そこで、現在の完成しているシステムの手順書などを見せてもらい、説明するポイントをまとめて役割を分けて説明することにしました。そのための資料作りを毎晩、終電の時間ギリギリになるまで作成する作業をおこなっていたのです。そして、完成した資料を使った、官公庁側のIT管理部門の部長の前で披露する時がやってきたのです。

今まで、一生懸命遅くまで残って作成したストーリーラインは、部長に一蹴されすべてが無駄になってしまったのです。それは、統括リーダーがイメージしていたものとは、全く違ったのです。

それから、すべて作り直しえ官公庁の部長がいうストーリーラインで話を進められるように作り変え、休み返上で作業を行いました。リーダーとして統括リーダーとの調整が取れてないという、初歩的なミスを犯してしまったので取り返すかのように資料作りを1人でも遅くまで残り、まとめて他のメンバーが作ったものをレビューして、修正箇所を「こうした方がわかりやすい」という理由で、修正を依頼するなどあっという間に時間が過ぎて行ってしまいましました。

そして、再度部長の前で説明する場を設けてもらい、本番さながらの説明会を披露したのです。

そうして、合格をもらいファーストミッションは無事にクリアすることができたのでした。

 

ですが、そして次に職員の方々を会議室に集め新しくなるシステムについて、説明会を2ヶ月に渡って毎日繰り返し実施していました。空調の効いていない部屋で40名ぐらいの職員を集めて実施した説明会は、ちょっとしたサウナのような感じでした。メンバーの1人が軽い脱水症状で倒れそうになり、職員の方から途中で退室される方などが出たぐらいです。

それでも、きちんと説明会を行い、質疑応答で出た質問をまとめて回答を用意するなど、通常のヘルプデスクとは違うともて貴重な体験ができました。

本来ならヘルプデスクのスタッフが実施する仕事ではないのでしょうが、何もかも作り始めたばかりの環境ではその仕事だけをしていればいいという訳ではありません。できることは、なんでも率先してやることが大事なのです。
そして、この説明会でも色々な改善提案を出しました。配る資料の見直しやわかりやすくペイントしたり、今まで実施してきた説明会で上がった質問内容を参加された職員にも共有したりしていました。
特に、新システムの説明に書かれていることをイメージしやすく画像にしたものを配布して、わかりにくい言葉ではなくイメージでわかってもらえるように工夫をしていました。
他にも、我々の説明も「きちんと喋れているか」とか「わかりやすくなっているか」を確認するために、ボイスレコーダーを用意して説明会の喋りをチェックするなどして喋る速度やボリュームなどを確認しながら話す練習をして、常に前回の説明会より良いものにしようと一致団結して対応していました。
欠員が出ればきちんとカバーして漏れがないようにするなど、当たり前のことと言われてしまうとそうですが、それを一生懸命になってみんなでクリアしていったのです。

こうして、無事説明会が終わったころ、まだまだ新システムへの切り替えが終わっていたなかったのですが、私たちヘルプデスクメンバーには次のミッションが与えられました。

官公庁ともなると全国に関係機関がありどこも同じシステムを導入するため、地域にいる職員の方へも説明が必要になるということで、今度は全国にある関係機関での説明会を実施するというものでした。

必要なドキュメントを印刷したり、宅配便で送付したりして準備を整えて、1人で講習会を行ってきたのです。

 

心配事

人生初の出張を経験することができました。そのためか、緊張と心配事で、ご当地グルメなどを楽しむ余裕も全くありませんでした。せっかく会社のお金で普段いけない場所にいったのだから、ちょっとは楽しんでよかったのかしれませんが、何せ朝が弱い私は「朝、起きられずに遅刻する」ことだけを心配していました。

そのため、一度ホテルでチェックインを済ませてしまうと近くの定食屋というよりは、コンビニで買ってきたお弁当とちょっとしたお菓子を食べて、シャワーを済ませて早々に寝てしまうという状況でした。

それでも、寝付けなくて遅くなってしまい、朝まで眠れずに起きていたこともありました。そんな状況であっても、なんとか説明会をこなし私が担当したルートからはクレームもなく、無事に行脚の旅を終了させることができたのです。

 

説明会ミッションクリア!本番運用開始でとんでもない状況に・・・

いよいよ説明会ミッションもクリアして、本番運用開始を残すところとなりました。

ここまで1ヶ月で準備しなくてはならなかったので、徹夜をしたり終電を逃してタクシーで帰宅したりと大変な1ヶ月でした。でもヘルプデスクとしての活動も、いよいよ本番ですがまだまだ大波乱が待っていたのです。

その詳細は、次回にお伝えいたします。