就職した時からヘルプデスクのような、IT業界に携わる仕事をしていた訳ではありませんでした。そこからどうしてヘルプデスクに従事して、サーバーエンジニアとして活動するまでに至ったのかをお話ししたいと思います。

パソコン好きのアピールから

初めて就職した会社は、大企業に協力会社として常駐して、ITとは無縁の電力会社向けに納品する制御装置を試験したり、設計書を直したりする業務を行なっていました。

この時一緒に仕事をしていた先輩が、今のようにインターネットが一家に一回線というのが当たり前ではない時代にインターネットを利用しているような大のパソコン好きで、その方がパソコンを自作することの面白さを教えてくれた私の師匠といっても過言ではありません。
その当時、パソコンを自作するとメーカー製パソコンよりも10万円近く安く作成できることから、興味が湧いた私は近くにあるパソコンショップでさらに自作パソコンのことを教えてもらいながら、実際に自分で作り上げるようになっていったのです。

その時の所属部長がパソコン好きで、自作したことやこんなトラブルがあったけど解決したことを雑談で話していたのです。

それから数年後、協力会社の業績が悪くなり、異動を余儀なくされた時、次はどのような仕事に着くのか不安もありました。その時、部長から「お前はパソコンに詳しいから、こっちの部署にしよう」とパソコンに関する部署へ異動することが決まったのです。

今思うと、これがIT業界への入り口だったのです。

でもその時は、諸先輩から「好きなことを仕事にするな」と聞かされていました。その理由は仕事に行き詰まった時、逃げ道がなくなってしまうからです。
好きなことは仕事であった嫌なことを忘れる良いきっかけなのですが、仕事と好きなことが重なってしまうと忘れることができず、いつまでも引きずってしまうからでしょう。

でも、よく考えてみれば、他のことで趣味や好きなことを見つければ良いのです。だから、私は、そのまま、用意された道をつき進む決心をしたのです。

 

はじめてのヘルプデスク業務

最初に所属した部署では、企業を相手にシステム的にサポートを提供するヘルプデスクとは違い、会員制度でサービスを提供しているサポート部署だったのです。その時のお客さんは、個人だったり法人だったり、環境は様々でした。

いろいろ話を聞いていくうちに、サポート体制もできておらず会員がどのようなパソコンを使っていて、インターネットの有無など環境情報は一切ありませんでした。何も揃っていない、行き当たりばったりのサポート部隊だったのです。

それでも数十人の会員がいるので、サービスを提供しなくてはなりません。その時「これは大変な部署に異動させられた」と思いました。その時は、部長を恨むことさえしました。

サポートも開設してから2年程度経過していたので、ある程度の問い合わせノウハウや会員を募集するWEBサイトや広告などを出しているのかと思ったのですが、一切そういう活動はしていなかったのです。

だから、会員は増えるわけもなく、また、一時サポートといった感じで受付も行っていましたが宣伝をしていないため、月に数件程度の連絡しかありません。

これでは年会費を払ってサポートを受けたいと思っても、まともなサポートを提供できるわけがありません。

そこから、まともなサポートができるように、私の改善計画が始まったのです。

 

改善活動

いっしょに業務を進める後輩といろいろな案を考え、まず、会員を募集するための公式サイトの改善から始めることになりました。その後輩がWEBサイトの構築ができたので、私はいろいろ提案をして、こういう風なサイトにしようと作り上げていくことにしたのです。

その作業と並行して、私がよく行っていたパソコンショップの店長に頼み込み、自作したチラシを店内に置いてもらえるようになりました。この時は店頭のチラシ置きではなく、レジの真横に置いてもらうことができたので、かなり効果的に会員を増やすことができたのです。

それ以外にも、できることを考えて、いろいろな行動をとりました。

近くに団地があったので、団地をターゲットとしてポスティングするためのチラシを作って配布したり、最寄り駅の売店にポスターを月額で利用できるスペースを提供していたので契約のために話を聞いたり、とにかく、お金をできるだけかけずに宣伝できる方法を試していったのです。

どうしてお金をかけることができないかというと、そのパソコン部の部長がバスなどで散々高い広告費を使って宣伝していたため赤字部署だったのです。

そして、次に考えたのが、現在会員になってもらっている人たちに

  • 現在のサポートの満足度
  • 現在のサポートの不満点
  • 追加してほしいサポート

アンケート形式で収集することを提案したのです。

それには後輩も大賛成で、実際にアンケートを作成し会員全員へ郵送したのです。そして現状の満足度や、不満点が次々とわかりました。

そこから、

  • 新しいサポートを提案して提供を開始
  • 使われないサポートをメニューから削除
  • メニューの統廃合

を繰り返して品質とサービス内容をブラッシュアップしていったのです。

そしてパソコンショップ経由で会員が増えていきました。その時、ふと思いついたサポートサービスがありました。それが自社製のパソコンを販売することです。

その当時は、まだBTOと呼ばれるパソコンショップブランドPCもあまりなく、メーカー製パソコンが主流の頃でした。
その時はメーカーパソコンが今のように価格が安く手に入る時代ではなく、10万円程度で自作PCを作ることができる時代でした。

そして、パソコンショップとの調整を進めて、

  • ベーシックモデル
  • ビジネス用モデル
  • ゲーム用モデル

を用意して、1年間の会員サポート付きで販売を始めました。

 

しかも、カスタマイズすることも可能で、その時はベースとなるパソコンはパソコンショップで組み立ててもらい、カスタマイズ部分はパーツを送ってもらいスタッフで組み立てるといった形で対応したりしていました。

これは数台売れて、ちょっとした利益になったのを覚えています。こうして自分が考えた方法で、利益がでるとちょっと嬉しいものですね。

 

結果的に……

こうして、いろいろな改善提案によって業績を少しでも回復できたかなと考えたのですが、うまくいかないようで、業績は回復することができませんでした。

できるだけ経費をかけずに宣伝をしたりしていたのですが、その努力は報われなかったんですね。

会社は赤字が回収できないことから、部署の閉鎖を決定したのでした。それまで一切口を出さずに、別の現場に出向していた部長がやってきて「ダメだったね」と言ったのに、さすがにイラっとしました。

サービス提供を終了することを通知するための封書を作り、会員に送付するのが最後の仕事でした。ホームページにも告知し、会員の募集を終了しました。それから、いろいろサポートしてくれたパソコンショップに出かけて、店長にサポート終了の挨拶をしにいきました。

こうしてパソコン部署は、終焉を迎えたのです。

それから、私と後輩は、次に行く部署を決める必要がありました。私が勤めていた会社はエンジニア以外にも、ゴミ焼却場の運営やビルメンテンスなどいろいろな業務がありました。選択肢としてはその中から次の仕事を選ぶが、転職するかの2択でした。せっかくITに携わったにもかかわらずパソコンを使った業務に満足していないことから、転職するという方法を選んだのです。

後輩もいっしょに、転職する道を選びました。後輩はHTMLなどが得意だったので、IT系に進んでも仕事に困らないだろうと思い転職することを選びました。

会社からは自宅待機扱いになったので、その間に次の転職先を見つける必要があります。そして、初心者でもWEB構築に携われるという内容の求人情報に応募し採用となり転職することができました。自宅待機になってから面接を受けた最初の会社ですぐに決まってしまったので、失業保険の手続きすら行っていませんでした。

会社都合での解雇だったためすぐに失業保険がもらえるはずだったのに、仕事を見つけることに躍起になってしまいすっかり失念してしまったのです。これは今でもちょっと後悔しています。

 

まとめ

こうして人生最初のサポートに携わったわけですが、手作り感がある大変なサポート業務でした。企専門業で行なっているようなサポートではないため、何かにつけ大変なサポート業務でした。

しかし、いろいろな経験を育ててくれたサポート業務でもありました。

サポートで出向いた先でOS再インストールをしようとした時にリカバリーディスクがなくOSディスクもなくOSを入れ直しできるような状況ではないのに、リカバリーするように言われたりしました。メディアはあるのですがライセンスがあるか聞いても、ライセンスとはなんだと言われてしまう始末です。無理にライセンスを購入してもらい、OSを再インストールしたりしたこともありました。

でも、このサポートで多くのことが学べました。

特に、サポートに対してどういったものが必要なのか?、相手が求めているものがなにか?などを深く考えるようになりました。そして、その発言の奥に本当に求めていることがいったい何かも把握することができるようになりました。

はじめはパソコン好きから始まったのですが、

  • 自分でサービスを作り出したり
  • そのサービスが利用者にとって必要なものなのか不要なものなのかを判断したり
  • 各サービスの提供価格は適正か

などを考えられるように成長したと思います。

次に転職エージェント経由で転職した会社では、WEB構築やデザイナーなどの道には進めず、ヘルプデスク経験者ということで、別の道が用意されていました。

具体的にはリクルートエージェントを使いましたが、転職エージェントの選び方は以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧頂けますと幸いです。

でも、今まで経験してきたことを話したところ、ヘルプデスクなどの経験者が少なかったせいか、リーダーとして活躍できるレベルと判断してもらえたのか、リーダーとして3名を引き連れヘルプデスク部署がある企業先に常駐して本格的なサポート業務に携わることになりました。

自分の勤めている今の会社がITと程遠い会社であっても、社内にIT関係の部署を持っている会社が大半です。
もし、ITに関わりたいと思ってすぐに転職するのもいいかもしれませんが、社内で配置換えを申請してみるというのも一つのやり方です。それが叶わない場合に、初めて転職してもいいかもしれません。

周りには色々なチャンスがありますが、そのチャンスを私は上司との雑談で掴み、まだ完成していないサポート部署への配属で成長することができたのかもしれません。
そういったチャンスはいろいろなところに転がっているということを忘れないで、突き進んでいきましょう。