社内SEは業務効率を向上させるためにビジネス部門が使いやすいシステムを構築する必要があります。
この「使いやすい」というものが結構曲者で、日系企業の場合はかなり手厚いものを準備しないとすぐに不満が爆発します。
一方の外資系はITリテラシーが高い社員が多いこともあって、複雑な操作を要求するものでもスっと使ってくれることが多いです。
日系企業のシステム利用の現状
私はずっと日系企業で社内SEをやっています。
日系企業のビジネス部門の特徴として、
- 平均年齢が高い
- ITスキルが弱い
- 少し使いにくいとすぐ投げ出す
といった傾向があると感じています。
私の世代はパソコンに慣れ親しんでおり、特にITを専攻していない人でもパソコンやちょっとしたソフトウェアを簡単に使いこなす傾向があります。
ただ、それが普通と思っていると大間違いで、日系企業の社員の大部分はパソコンすらまともに使えません。
例えば、WORDやEXCELで少し難しいことをしようとするとお手上げ状態です。
EXCELのフィルタ機能を使って見せると、
「何これ? どうなってんの?」
と怪訝な顔をされ、幾ら説明しても理解してくれないことがあります。中高年はメカに弱く部下に強い、という冗談をモンスターエンジンさんのラジオで言っていましたが、本当にそんな感じです。
WORDやEXCELの段階で躓いてしまうので、況やシステムを導入し利用してもらおうとなると相当苦労します。
まず、操作が複雑なものは基本的に使ってくれません。少しでも多く手番が必要なものは、マニュアルで懇切丁寧に説明する必要があります。
また、自分のやっている業務がそのままシステムで再現できないと認めてくれないため、パッケージを導入して業務をシステムに合わせるよう促すと猛反発を受けます。
こうして、ものすごく使いやすいシステムをスクラッチで作り、サルでも分かるようなマニュアルを作りやっとこさシステムを運用することができます。
構築に時間とお金がとにかくかかるのが日本のユーザ企業の特徴です。
外資系はITリテラシが高いことが多く導入がしやすい
一方の外資系企業は一般的に社員のITスキルが高いことが多いです。
外資系のような環境では、新しい事を吸収できない人(応用力や適応力のない人)はそもそもやっていけないこともあり、平均的にスキルが高くなります。
ITスキルについても同様で、ITに疎いとされる営業でもEXCELのピポッドを使いまわし、BIツールなどでガンガン自分で分析を行っていきます。
知人から聞いた話ですが、日本マイクロソフト社はIT部門からトップダウンでシステムを導入し、それに社員がついていき使いこなしているといいます。日系企業でこんなことをすると、導入を阻まれるか誰も従いません。
個人的には注文の多い日系企業のシステム構築に面倒さを感じつつも、きめ細かい設計能力やユーザ目線で身につくため、決して悪くはないと思います。
ただ、時折トップダウン式で前衛的なシステムを導入してみたいと感じることもあります。
そういった意味で一度は外資系で働いてみたい気もしますが、既に転職2回目なので当面は動きたくないところです。
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