東京や札幌、福岡など国内各地を結ぶ国内線、日本と世界各国を結ぶ国際線。私たちは飛行機に搭乗して、さまざまな都市に降り立つことが可能となりました。

また、航空貨物のおかげで世界各国からすばやく物資を輸入でき、また逆に商品を輸出でき、島国である日本の生活が豊かになっているといっても過言ではありません。

今回は、そんな生活を支えている航空業界(主に旅客)の基本情報、今後の展望、主要企業、年収、転職・就職のアドバイスをお伝えします。

この記事でわかること

  • 主要な航空業界関連用語:FSC・LCC・JV・アライアンス
  • 航空業界で求められている人材

航空業界の基本情報

旅客と貨物

人を運ぶ旅客分野と荷物を運ぶ貨物分野に航空業界は分けられます。2017年8月の国内定期航空旅客は1012万1689人で、貨物輸送は超過手荷物、郵便物含む87,448トンでした。

旅客座席利用率は79.6%、貨物重量利用率は55.5%でした。※国土交通省航空輸送統計速報(平成29年8月分)の数値

FSCとLCC

旅客分野は、さらに

  • フルサービスキャリア(FSC)
  • ローコストキャリア(LCC 格安航空会社)

に分かれます。

前者は、幅広い路線と手厚い機内サービスが特徴。後者は、機内食など多くのサービスを選択・有料化し運賃を抑えています。

国内LCCには、ピーチアビエーション、バニラ・エア、ジェットスタージャパンなどがあります。

なお、航空業界の市場規模ですが、2016年の国内における旅客数は9812万人でした。※国土交通省の数値

航空業界 ~今後の展望~

航空業界の今後の展望を語るうえで重要なキーワードは、『パイロット不足』『ジョイントベンチャー』です。

パイロット不足

航空路線拡充により、国土交通省は2022年時点のパイロットについて6700~7300人が必要と予測しています。

しかし、現在、約5700人といわれており、退役するパイロットもいることを考えると、今後5年間、全体で毎年平均300人のパイロットを確保しなければなりません。

パイロット不足により運休したLCCも実際にあります。

自社での養成はもちろん、各社いかに航空大学校、私大などで養成されたパイロットを自社に獲得・確保していけるかが今後の業績を握るカギとなりそうです。

JV

ANAは、

  • 2011年 ユナイテッド航空
  • 2012年 ルフトハンザ ドイツ航空

とJVをスタートさせています。

JALもまた、

  • 2011年 アメリカン航空
  • 2012年 ブリティッシュ・エアウェイズ
  • 2014年 フィンエアー
  • 2016年 イベリア航空

とJVを展開しています。※現在、ブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアー、イベリア航空についてはJAL含む4社でのJV

JVは、ジョイントベンチャーを指します。

本来、“複数の企業が互いに出資し、新しい会社を立ち上げて事業を行うこと。”を意味するのですが、航空業界における意味合いは少し違うようです。

ANAは公式サイトの記事で次のように説明しています。

“国際航空業界においてATI ※認可を得て実施される2社以上の航空事業者間の共同事業をジョイントベンチャーという。”

※ATI=独占禁止法適用除外 Anti Trust Immunity

共同事業によって、

  • 多様な路便銘柄
  • 低廉な運賃商品

を提供することが可能になり競争力を強化することができます。また、収入や利益をシェアでき、航空会社・利用者双方にメリットがあります。

JALは、ハワイアン航空とのJVも検討中としています。

今後も、新たなるサービス、共同運航(コードシェア)といった共同事業に注目したいところです。

 

航空業界主要企業と年収一覧(各社有価証券報告書より抜粋)

ANAホールディングス 818万円

└スカイマーク(出)

└スターフライヤー(出)

└ソラシドエア(出)

└AIRDO(出)

└アイベックスエアラインズ(共)

└ピーチアビエーション(子)

└バニラ・エア(子)

JAL 日本航空 859万円

└フジドリームエアラインズ(共)

└ジェットスタージャパン(出)

(出)=出資 (子)=子会社 (共)=共同運航

 

【補足】世界的アライアンス

アライアンスは、企業連合のことを指します。航空業界には

  • スターアライアンス
  • ワンワールド
  • スカイチーム

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という3大アライアンスがあります。

スターアライアンスにはANAが、ワンワールドにはJALが加盟しています。

 

航空業界を代表する企業の基本情報

ANAホールディングス

ANAホールディングスは、全日本空輸(ANA)などの株式を保有する持株会社です。ANAグループは、業界1位であり、年間輸送旅客数は5200万人で就航都市は94です。世界最多となる60機のボーイング787型機を運用しています。

社員の半数以上が女性であり、女性管理職比率は13.3%と公表しています。

2019年春からA380機をホノルル線に導入する予定としており話題となっています。

基本情報

  • 売上高:1兆7652億5900万円
  • 経常利益:1403億7500万円
  • 社員数:15797名(航空事業)
  • 平均年齢:47.2歳
  • 平均勤続年数:2.6年
  • 平均年収:8,184,000円

JAL日本航空

JALは、国際線571路線、国内線143路線を運航しています。ANAとともにこれまで日本の航空業界を牽引してきました。

2010年、会社更生法の適用を受け、会長に就任した稲盛和夫氏(京セラ・KDDI創業者)の下で、再上場、経営再建を果たしました。

JALグループは、観光振興と農水産物をテーマとした地域活性化プロジェクト「JAL 新・JAPAN PROJECT」を行っています。

基本情報

  • 営業収益:1兆2889億6700万円
  • 経常利益:1650億1300万円
  • 社員数:28720名(航空運送事業)
  • 平均年齢:39.6歳
  • 平均勤続年数:14.2年
  • 平均年収:8,594,000円

 

参考文献

  • ANAホールディングス株式会社第67期有価証券報告書
  • 日本航空株式会社第68期有価証券報告書

転職・就職のアドバイス

航空業界の業種・職種

ANAでは、職種が

  • グローバルスタッフ(事務)
  • グローバルスタッフ(技術)
  • 客室乗務
  • 自社養成パイロット

などに分かれています。また、グループ会社採用では、

  • 航空運送
  • 空港地上支援
  • 航空機整備
  • 車輛整備
  • セールス&マーケティング
  • コンタクトセンター
  • フライトケータリング
  • 貨物・物流
  • 商社・商業
  • IT
  • 人材派遣・ビジネスサポート
  • 不動産・ビルメンテナンス
  • 調査研究・シンクタンク

といった業種が用意されています。

理系は主に技術系で、文系は主に営業や事務系で、文理ともに幅広く活躍できるフィールドが用意されています。

学部と就職先の関係についての記事でもお伝えしていましたが、文学部・人文学部系卒業の方の進路例に航空会社があります。

やはり文系女子の多くが語学力を身に着け客室乗務員となっています。客室乗務については、

  • 裸眼またはコンタクトレンズ矯正視力が両眼とも1.0以上
  • 航空機乗務に際し必要な体力を有する
  • 呼吸器・循環器・耳鼻咽喉・眼球・腰椎等に支障がない
  • TOEIC600点程度以上の英語力を有する

という条件が付されています。

客室乗務員のほか、空港地上支援でも訪日客、商社・営業でも海外企業と接する機会がありますので、英語力は身に着けておきたいものです。

 

航空業界への転職

航空業界への転職を志す方にも門戸は開かれていて、中途採用枠が設けられており、4年制大学を卒業または大学院を修了し、企業における就労経験(5年以上の実務経験)を有する方で、とくに

  • 外国語堪能
  • プロジェクトリーダー、マネジメントの経験あり
  • エアラインビジネスに強い関心あり
  • 顧客志向が高い
  • チャレンジ精神旺盛

そのような方が求められているようです。

そのような人材になれるよう、日頃から研鑽・切磋琢磨していく必要があります。

転職とキャリアアップで紹介しているなかに、航空会社、航空代理店、空運業(国際物流業界)に強い転職エージェントとして「商船三井キャリアサポート」があります。

その他の転職サイトやエージェントについても以下で解説していますので、あわせてご覧頂けますと幸いです。