コンビニエンスストア業界の動向や魅力・大手企業の年収比較を就職・転職経験者のアドバイスを交え解説

業界研究

・セブン-イレブン

・ファミリーマート

・ローソン

そういえばコンビニのお店って、昔はもっとたくさんありましたよね?

ですね。コンビニ勢力図が塗り替えられ、ほぼ全国展開している上記3社が相互に切磋琢磨しながら、凌ぎを削っている状態といえますね。

 

私は今、ファミマのお惣菜『お母さん食堂』が大好きです。

私は最近コンビニにある、プロテイン関連商品を必ずチェックしています。

昔はほぼ定価でお高いイメージがあったコンビニ。今は日用品もお手頃で、ラインアップも充実しています。

今回はそんなコンビニエンスストア業界の基本情報、主要企業と年収、動向、展望、経験者談、就職・転職のアドバイスについてもお伝えしていきます。

 

業界全体図から見たコンビニ業界

セイジさん、コンビニエンスストア業界は全体図から見るとどういう立ち位置なのです?

日経業界地図では「流通・小売」に分類されています。

百貨店やスーパーも同じ分類ですよね?

ですね。実は商社も同じくくりなのですよ!

 

コンビニエンスストア業界の基本情報

3500ほどのアイテム、商品、サービスを取り扱っているといわれている24時間営業のコンビニエンスストア、コンビニ。私たちの日常生活になくてはならないものです。気がつくと最近では、

セブン-イレブン…JR西日本の駅など

ファミリーマート…JR九州の駅など

ローソン…東京メトロの駅など

駅、空港ターミナル、オフィスビルやホテルの1階、公的機関の建物、病院などにも進出しており、立ち寄らない日はそうそうありません。

規模もいわゆる都市型、郊外型、ご当地のおみやげを多数置けるほどの大規模な店舗、売店並みの小規模な店舗とさまざまです。また販売チャネルとして、コンビニを活用するメーカーもあります。

さらに最近では介護相談窓口や調剤薬局を併設したコンビニも見られるようになりました。

やはり老若男女、一定数の来店利用が見込め、マーケティングも可能だからでしょうね^^

これだけ国民生活に密着している業界は他にないということですよ。

 

コンビニエンスストア業界の市場規模の変遷

日経業界地図によると次のとおり、好調に推移しています。

日経業界地図年度(実年度)売上高(2018-2020 日本経済新聞社調べ)
2017(2015)10兆8908億円
2018(2016)11兆1906億円
2019(2017)11兆4813億円
2020(2018)11兆7751億円

 

コンビニエンスストア業界の主要企業と平均年収

セブン-イレブン(セブン&アイ・ホールディングス) 7,439,465円
ファミリーマート 6,196,000円
ローソン 6,530,000円
ミニストップ 5,974,000円
デイリーヤマザキ(山崎製パン 流通事業) 5,589,838円

(各社有価証券報告書より抜粋)

日経業界地図を見るかぎり業界4位のミニストップ、5位のデイリーヤマザキは上位3社に売り上げ規模で大きく引き離されていますが、ミニストップはイオングループ、デイリーヤマザキは大手山崎製パンの運営で各社、その強みを活かした独自戦略を立て追随しています。

 

コンビニエンスストア業界の動向

経営統合でシェア変動、上位3社体制へ

セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンという大手3社で業界をリードするかたちとなったのは2016年、業界3位だったファミリーマートと業界4位だったサークルKサンクスが経営統合し、ローソンを抜いて業界2位に浮上したところからです。

日用品の値下げ

2017年4月、セブン-イレブンが日用品を値下げしました。それを皮切りに各社、追随。値下げを敢行しています。

日本経済新聞 セブンイレブン、日用品60品目値下げ 平均5%

日本経済新聞 コンビニ2社も値下げ ローソンとファミマ 日用品5%

レジ無人化

また同じ2017年4月、コンビニ大手5社が“セルフレジを2025年までに国内全店舗に導入する”ことを公表しています。

その背景は人手不足のようですね?

最近では外国人(留学生)アルバイトがレジに立つことも増えてきました。

日本経済新聞 全コンビニに無人レジ 大手5社、流通業を効率化 ICタグ一斉導入

脱24時間

これまでコンビニの絶対代名詞だった24時間営業が、一部店舗で変わりつつあります。新型コロナウイルスの影響で夜間の外出が減り、時短営業を行う店舗が出てきています。

24時間からの脱却、この動きには、引き続き要注目です。

日本経済新聞 コンビニ時短、半年で15倍 脱24時間が新常態に

 

コンビニエンスストア業界の展望(予測)

成熟期から衰退期へ?

衰退といってもコンビニ自体がオワコンという意味ではありません。今までのコンビニという概念が終焉を迎えるのでは? と思えるような大きな変化を伝える報道がここにきて相次いでいます。

 

セブン-イレブン

コンビニといえば全国どこに行っても同じような外観、内装、取り扱い商品でしたがそれには経営効率を高める効果があったからです。しかし今期、お店レイアウトを店舗オーナーが担うかたちにシフトしたようです。

日本経済新聞 セブン、全国統一の店作り転換 現場にレイアウト裁量

 

ファミリーマート

ファミリーマートは伊藤忠商事傘下でしたが、TOBで完全子会社となる(見込みである)ことが公表されました。また地域ごとの店舗づくりなどを、推進するとしています。

日本経済新聞 ファミリーマート、伊藤忠の完全子会社に

 

ローソン

ローソンは毎年掲げてきた出店目標を、2020年から取りやめました。またヒット商品を多く出している割に売り上げが伸びない現状を打破すべく『超コンビニ戦略』を打ち出しています。

日本経済新聞 ローソン「出店目標やめた」 脱コンビニへ経営見直し

 

コンビニエンスストア業界の大手企業3社を比較

セブン&アイ・ホールディングス(コンビニエンスストア事業)

コンビニとして不動の強さを持っているのが同社運営のセブン-イレブンです。国内外ともに圧倒的な店舗数を誇っています。

店舗特徴としては非食品とファストフードがよく売れており(全体の6割)、日販も1店舗あたり65.6万円と業界最大値で好調です。

2019年、ようやく沖縄県にも第1号店を出し、これで全国展開を果たしたことになります。

基本情報
売上高:5兆102億7300万円(国内チェーン全店)
営業利益:2539億8000万円
国内店舗数:20955店

以下、セブン&アイ・ホールディングスのデータ

社員数:10893名(国内コンビニエンスストア事業)
社員数:588名
平均年齢:44.7歳
平均勤続年数:19.3年

ファミリーマート

旧社名はユニー・ファミリーマート ホールディングスです。ファミリーマートは先述したとおり伊藤忠商事傘下のコンビニエンスストアです。

店舗特徴としては非食品と日配食品がよく売れており、日販も1店舗あたり53.8万円となっています。

基本情報
営業収益:5170億6000万円 (国際会計基準)
税引前利益:462億2100万円 (国際会計基準)
国内店舗数:16618店
社員数:13955名(コンビニエンスストア事業)
平均年齢:40.7歳
平均勤続年数:12.0年

ローソン

ライバルの経営統合で業界3位になったローソンですが、力及ばずということではありません。三菱商事の子会社でもありますが、

・HMV(レコードショップ)
・ユナイテッドシネマ(映画館)
・成城石井(スーパー)

を傘下に有しています。店舗特徴としては加工食品がよく売れています(全体の5割超)。日販も1店舗あたり53.1万円で、ファミリーマートと変わらない水準となっています。

基本情報
売上高:2兆5069億7000万円(チェーン全店)
経常利益:563億4600万円
国内店舗数:14444店
社員数:5426名(国内コンビニエンスストア事業)
平均年齢:40.3歳
平均勤続年数:13.1年

 

参考文献

株式会社セブン&アイ・ホールディングス第15期有価証券報告書

株式会社ファミリーマート第39期有価証券報告書

株式会社ローソン第45期有価証券報告書

 

コンビニスタッフから見た本社、社員

今回、数年前までコンビニスタッフをされていた方から、お話を聞くことができましたので、お伝えしていくことにします。

コンビニ店長、副店長のお仕事

コンビニには本部が運営する直営店とフランチャイズ店があります。

 

直営店では本部社員が店長副店長を務めています。

そして直営店よりも多いのがフランチャイズ店です。加盟店ともいい、例えば加盟先がセブン-イレブン本部なら、セブン-イレブンの看板、店舗で出店。その商品、資源、ノウハウを利用し店舗を運営します。

その代わり本部との契約条項・ルールに従い、ロイヤリティも上納します。国内のほとんどのコンビニがこのフランチャイズといえます。店長

スタッフ管理/銀行入出金/商品発注/本部社員との面談/トラブルやクレームへの対応

などを行っています。スタッフ管理はアルバイト・パートの採用、面接、教育、シフト作成などです。

 

本部社員とは各店を定期的に巡回する“スーパーバイザー”を指しています。普段は基本、スーツ着用で身だしなみも整っており、オフィス勤務のサラリーマンのようです。しかし店頭に顔を出すときは、制服(ジャンパー)を着て業務にあたっておられました。

店長ももちろんお休みをとらなければなりませんから、店長がお休みの日は副店長が店長に代わってその職務を遂行しています。なかには役割を分けて、うまく業務を分担している店舗もあることでしょう。

 

フランチャイズの場合、店長にも2種類あります。

・オーナー兼店長
・雇われ店長

です。オーナーが複数のコンビニ店舗を運営しているということもめずらしくありませんのでそのような場合、各店舗に店長が置かれているはずです。家族全員で協力して経営しているコンビニもあります。

またベテランの域に達したパートさんが店長に代わって発注したり、アルバイトリーダーがアルバイトを管理しシフトを作成したりするお店もあるでしょう。

 

引き続き見ていきます。

コンビニスタッフのお仕事

コンビニスタッフはアルバイト、パートが多く、もちろんレジが主業務ですが体力勝負なところがあります。なぜならレジカウンター内では商品販売だけではなく

・宅急便
・代行収納
・チケット
・メルカリ

への対応業務など、やらなくてはならない仕事がたくさんあるからです。

もちろん基本、レジや端末などに出る表示に従って操作していくだけで難しくはありませんが、宅急便として持ち込まれる荷物がたまに重たいときがありました。

またレジ以外にも揚げ物やおでんの提供のために使う調理器具の洗浄はなかなかの重労働で、手間のかかる油替えも3日に一度の頻度で行っていました。

もちろんずっとレジで立ちっぱなしであることはなく、スタッフが多くて来店者がそれほど多くない時間帯にはレジカウンターから離れ、店舗に届いた商品の検品と棚入れ、陳列を行います。

検品などではしゃがみ、棚入れでは立ちますので、一連の動作は足腰に来ますが、いい運動にはなります。

最もキツイ作業はウォークインと呼ばれる場所での業務でした。ウォークインはだいたいレジと正反対、ジュースがズラッと並んでいるガラスショーケースのところにあります。そうです。冷蔵庫内に入っての作業です。

 

夏はいいけど冬は寒そう…。

 

ジュースが並ぶ棚の裏は実は在庫置き場。バックヤードの通路から扉を開けて入れるようになっています。

検品したペットボトルの段ボール箱を搬入し積み重ね、棚に商品がなければ箱を開け補充していきます。やはり女性にはペットボトル2L×6本の箱はとても重たいです。冷蔵庫内はとても冷えているため結構、過酷なのです。

そのほか賞味期限チェックなどの鮮度管理や、商品の面を揃えるフェイスアップ、清掃も重要任務です。

コンビニスタッフから見たコンビニと本社の関係

コンビニと本社は、スーパーバイザーによって良好な関係が保たれているといっても過言ではありません。

スーパーバイザーは週1ほどのペースで来店し、店舗内の商品展開状態を確認するほか、プライベートブランド(PB)などの新商品のPRを直接、行うためにやってきているようでした。

店舗運営に関するアドバイスはもちろん、大きなトラブルなど困ったことが起きたら報告し、巡回予定日以外にも対応いただくようなケースもありました。

またここだけの話、半年ごとに展示会場を借り大規模な商品説明会も開催されていたりするのですよ。そこでPB商品の試食ができたり、展開の仕方を直接学べたり、これから発売予定の各メーカー新商品を一足早く見て試せ、サンプルをもらえることも。

展示会を通じどのような商品を入荷していくかなどスーパーバイザーとともに決めていくのです。

私が出会った本社社員のお仕事とその印象

私が勤務していた時間帯に訪れることもありましたが、残念ながら私がスーパーバイザーと仕事上、直接やりとりをすることはありませんでした。

スーパーバイザーは店舗をスルーし事務所に直行し店長を訪ね、裏でしばらく何か話しているなと思っていたら、そのあとは一緒に店舗内を確認しながら話し込む姿を見かけていました。

本社社員の多くがそうと思うのですが、店長とは「店舗売上と雰囲気をよくしていこう」という共通認識があるように感じていました。

私たちスタッフにも目が合ったときには必ずにこやかに挨拶をしてくれますし、よくシフトに入っているスタッフとは親しげに言葉を交わしていました。

実際に私が見てきた本社の方は、そういったタイプの方がほとんどでした。なかには稀に威圧的態度をとる人もいましたが多分、多くのスタッフから、いい印象を持たれていなかったと思います。

 

この記事は主にコンビニ業界で正社員を志す方向けと聞いています。もしスーパーバイザーを志し、仕事をされていくならコンビニオーナー、店長、スタッフのことを「仲間」と思って、やさしく寄り添える、そんな方でないと務まらないと思います。

 

ありがとうございました!

 

コンビニエンスストア業界への就職のアドバイス

コンビニエンスストア業界で働く場合、主に

・本部勤務
・直営店勤務
・加盟店オーナー

という3形態があります。今学生の方は卒業後、本部または直営店勤務を目指すこととなるのでしょう。

 

セブン-イレブンの新卒、募集要項を参考にお伝えしますと、総合職(OFC/オペレーション・フィールド・カウンセラー)、わかりやすくいえば本部の対加盟店経営コンサルティング職として活躍できる方を募っていました。普通自動車運転免許保有がマストで、

・人と接するのが好き
・動き回るのが好き
・経営や数字に興味がある

そのような方は、OFCに向いているように感じます。

また各社、海外にも進出しています。将来的に海外勤務を目指している方はビジネス英語のスキル向上を今のうちから図っておきたいものです。

 

コンビニエンスストア業界への転職のアドバイス

ファミリーマートの中途採用情報を参考にお伝えしますと、

・法務業務
・品質管理
・経理業務

などの仕事があるようです。

小売・流通に分類される業界では共通していえることですがヒト、モノ、カネが流れていきます。そのためコミュニケーション、商品管理、数字に強いほうが有利です。

またレジ無人化に伴いこれからIT関連人材の強化も見込めそうですから、IT職の募集も出てくるのではないでしょうか。

コンビニエンスストア業界にかぎっては各社、コーポレートサイトに中途採用情報が掲載されるようです(募集時)。直接エントリーして人事部からの返信を待ってみるのもアリかもしれません。

ただしはじめての転職活動でノウハウがなく、イマイチ自信が持てない方は、転職エージェントに登録して履歴書、職務経歴書の書き方指導、模擬面接を受けるようにしてください。

 

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まとめ

コンビニ、やはり私たちの生活に欠かせません! なくなったらこれほど困るものはありませんよね…。

そんなコンビニエンスストア業界で、内定を勝ち取っていただきたいです!

就職と転職、共通していえることは人生の目的と就こうとしている仕事の方向性が合致していることが重要です。それがミスマッチを防ぐカギで、長続きできるかその明暗を分けます。

人生の目的についてその意味を、これまで考えたことがない方は関連記事で説明していますのでぜひ、併せてお読みいただけますと幸いです。

 

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