今回は、2017年の最新版としてコンビニエンスストア業界の動向と転職・就職に役立つアドバイスを紹介していきたいと思います。

経済産業省によるコンビニの定義も掲載されております2016年版も併せてお読みいただくと、ここ1年での業界の変化も読み取れると思います。

日常生活に、なくてはならない存在となっている、約4000アイテム以上の商品を取り扱っていて24時間営業をしているコンビニ。

ここ近年では、空港ターミナルや鉄道駅、オフィスビル、公的機関の建物、病院、ホテルなどに進出しており、

  • セブン・イレブン…JR西日本の駅など
  • ファミリーマート…JR九州の駅など
  • ローソン…東京メトロの駅など

と各社、特殊立地での店舗を順次、拡充していっております。

また、お惣菜商品などPB(プライベートブランド)商品の拡充も目立ちます。

そして、湖池屋やエースコックといった食料品メーカーがあえて販売チャネルをコンビニに限定もしくはコンビニから先行販売させるなど、コンビニ利用者を意識した商品販売戦略も打ち立てられているほど他業界にも大きな影響を与えています。

コンビニエンスストア業界の基本情報

昨年もお伝えしていたとおり、昨年9月、ファミリーマートとサークルKサンクスが経営統合し、ローソンを抜いて業界2位に浮上し、

  • セブン・イレブン
  • ファミリーマート
  • ローソン

の順で、大手3社が業界をリードするかたちとなりました。

業界4位のミニストップや5位のデイリーヤマザキがあとに続いていますが、売り上げ規模は大きく引き離されており、各社、強みを生かした戦略を立てて追随しているところです。

コンビニエンスストア業界の市場規模は10兆円越え。業界上位5社の社員の状況は、平均年齢40.2歳、平均勤続年数は13.7年、平均年収は629万円です。

 

コンビニエンスストア業界 ~今後の展望~

昨年、お伝えしていたポイントとしては、『M&A』と『海外進出』でした。

前述していたとおり、ファミリーマートとサークルKサンクスが経営統合しファミリーマートに一本化されました。

また、海外進出について、コンビニ大手3社の状況を各社公式サイトで見てみますと、

セブン・イレブンは2016年12月末現在、国内19171店舗、海外42383店舗、合計61554店舗で、うち、タイが9542店舗、アメリカが8563店舗、韓国が8556店舗となっています。そのほか、アラブ首長国連邦にも進出しています。

ファミリーマートは2017年4月30日現在、国内18066店舗、海外6428店舗、合計24494店舗で、うち、台湾が3084店舗、中国が1927店舗、タイが1134店舗となっています。

ローソンは2014年11月末現在、国内 12081 店舗、中国470店舗(上海332店・重慶98店・大連26店・北京14 店)、インドネシア 49 店舗、ハワイ4店舗、タイ31店舗となっています。2年半前の情報ですので店舗数などは増減があると考えられます。

2017年6月5日:共に公式ホームページより参照

これからも海外への進出状況に注目したいところです。

 

新・動向ポイントは『インバウンド対策』『レジ無人化』『値下げ』

2017年の新たな動向として、2020年の東京五輪開催に向けて、外国人観光客の来日は今後も横ばいまたは緩やかな右肩上がりで推移していくものと見込めます。

免税店や海外クレジットカードに対応したATMの設置などハード面での対応はすでに始まっており、今後は接客や各種サービスでのインバウンド対策が活発化していくのではないかと予想されます。

また、大手5社がセルフレジを2025年までに国内全店舗に導入することを公表しました。その背景には人手不足があり、早期解決を図るのであれば、各社、ここ数年で多大な導入コストの負担をしつつレジ無人化を順次導入していくことになりそうです。

さらにセブン・イレブンが2017年4月に日用品を値下げしたのを受け、各社、値下げを発表しています。今年はすでにコンビニによる価格競争が話題となっています。

 

コンビニエンスストア業界の主要企業と年収一覧(各社有価証券報告書より抜粋)

各社の年収一覧

  • セブン&アイ・HD(セブン・イレブン) 716万円
  • ユニー・ファミリーマート ホールディングス(ファミリーマート) 622万円
  • ローソン 653万円
  • ミニストップ 586万円
  • デイリーヤマザキ(山崎製パン流通事業) 569万円

コンビニエンスストア業界の主要企業(上記)の平均年収 629万円

 

コンビニエンスストア業界を代表する企業の基本情報

セブン&アイ・HD(コンビニエンスストア事業)

コンビニとして圧倒的な強さを持っているのがセブン・イレブンです。国内外ともに店舗数はトップ、売上高も業界全体で4割ほどをシェアしています。

店舗の特徴ですが、非食品とファストフードがよく売れており、日販も1店舗あたり65.6万円と業界最大値で好調です。

社員の年齢分布は30代が多く約6割を占めています。8割以上が20~30代と若いパワーがあふれる会社です。

同社は、昨年10月より子育て社員が活躍できる環境づくりを推進しており、今月よりセブン‐イレブン・ジャパンにおいて「スポット保育」の本格運用もスタートしています。

基本情報

  • 売上高:4兆2910億円
  • 営業利益:2350億円
  • 国内店舗数:19171店
  • 社員数:コンビニ事業24161名
  • 以下、セブン&アイ・HDのデータ
  • 社員数:545名
  • 平均年齢:43.9歳
  • 平均勤続年数:18.7年
  • 平均年収:7,166,697円

 

ユニー・ファミリーマート ホールディングス

ファミリーマートは、伊藤忠系コンビニエンスストアです。会社四季報は (経営統合による)一本化に伴う費用膨張。営業益伸び悩む。 としています。また、今年度は出店を抑制し看板統一(一本化)優先の動きを見せるようです。

店舗の特徴ですが、非食品と日配食品がよく売れており、日販も1店舗あたり51.6万円(ファミマ)となっています。

同社の新しい動きとしては、株式会社ジャコム石川とフランチャイズ契約を締結しています。Aコープとファミリーマートの一体型店舗の展開を軸としたもので、早ければ2017年6月には1号店がオープンする予定となっているようです。

基本情報

  • 売上高:2兆55億円(ファミマ)、9367億円(サークルKサンクス ユニーのコンビニ部門)
  • 営業利益:487億円(ファミマ)、70億円(サークルKサンクス ユニーのコンビニ部門)
  • 国内店舗数:18066店
  • 社員数:4304名
  • 平均年齢:39.0歳
  • 平均勤続年数:8.0年
  • 平均年収:6,222,544円

 

ローソン

業界3位となったローソンですが、あくまでも競合他社の戦略によるもので、同社の求心力が落ちたからではありません。日販も1店舗あたり54万円と既存店は堅調であり営業益は高水準となっています。

ローソンのほか、外資系レコードショップのHMVや映画館のユナイテッドシネマ、高級スーパーの成城石井と、多角的かつ手堅く事業を展開しています。

コンビニエンスストア・ローソンの大きな特徴としては、売上のうち半数以上が加工食品によるものとなっています。ローソンセレクトなどに根強いファンがついているものだと推測できます。

常識にとらわれない新しい発想で店舗や商品、サービスを開発しているのも特徴で、ネットスーパーのローソンフレッシュのほか、ローソンファーム(農業経営)やケアローソン(介護拠点併設)が誕生し話題となっています。さらに今後、OTC医薬品の販売も行うヘルスケアローソンも増えていくようです。

特筆すべきは、関東エリアを中心に約500店舗を展開する中堅コンビニエンスストアであるセーブオンとメガフランチャイズ契約を締結したことです。長野県以外の店舗が2018年末までにローソンにリニューアルするとしています。

また、神奈川県を中心にコンビニエンスストアを展開するスリーエフも今秋から1都3県で展開する348店のうち281店を「ローソン・スリーエフ」にブランド名を転換するとしています。

基本情報

  • 売上高:2兆3605億円
  • 営業利益:725億円
  • 国内店舗数:12081店
  • 社員数:4590名(国内コンビニエンスストア事業)
  • 平均年齢:40.0歳
  • 平均勤続年数:13.0年
  • 平均年収:6,530,000円

 

参考文献

  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス第11期有価証券報告書
  • 株式会社ファミリーマート第35期有価証券報告書
  • 株式会社ローソン第41期有価証券報告書
  • 会社四季報2017年2集春号 東洋経済新報社
  • 日経業界地図 2017年版 日本経済新聞出版社
  • 図解入門業界研究 最新コンビニ業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版] 根城泰 平木恭一著 秀和システム

 

転職・就職へのアドバイス

コンビニエンスストア業界で働くには、主に3つの方法があります。

まずは本部勤務、次に直営店での店長(オーナー候補)として、最後に独立してオーナー店長として経営を行うものです。

各社の公式サイトを見るかぎり、セブン・イレブンではオペレーション・フィールド・カウンセラー「店舗経営相談員」、ファミリーマートでは直営店店長、ローソンでは、SV(スーパーバイザー)、店舗開発、IT、店舗スタッフなどが中途採用の進路として用意されています。

どのサービス業・小売業の仕事でもいえることなのですが、人とのコミュニケーションや管理能力、数字を見る力がベースとして必要となります。

 

また、各社、今後も積極的に海外へと進出していくものとみられ、海外の方と接する際の柔軟性や適応力はマストです。ビジネス英語のスキルや海外企業との取引経験などがあればなおよく、転職活動において有利に働くでしょう。

また、レジ無人化に伴いIT関連で活躍できそうな人材も不可欠になってくるのではと考えられます。

最後に本部で活躍されたい方にアドバイスですが、本部勤務は人気職業であると考えられ、おそらく非公開求人として取り扱われるのではないでしょうか。

転職サイトに登録してキャリアコンサルタントから紹介を受けられるよう、早い段階から転職活動を始め、常にアンテナを張りめぐらせておく必要がありそうです。