保険にはざっくりと生命保険と損害保険があります。
〇〇生命保険会社、〇〇損害保険会社とか、明確に分かれていますものね^^
保険は3つの分野に分かれていて実は、生命保険会社と損害保険会社ともに取り扱える保険もあります。
それは初耳です! 私みたいに知らない方は多いと思います^^
もちろん3分野について解説します! そのまま読み進めていただければ幸いです!
今回はそんな生命保険業界の基本情報、主要企業と年収、動向、展望、経験者談、就職・転職のアドバイスについてもお伝えしていきます。
業界全体図から見た損害保険業界
セイジさん、生命保険業界は全体図から見るとどういう立ち位置なのです?
日経業界地図では意外にも金融に分類されています。
金融にはもちろんほかに銀行、信用金庫、信用組合、証券会社があります。
保険もお金ですものね。
生命保険のおかげで私たちは、経済的、心理的に救われることがあります。
生命保険業界の基本情報
生命保険の定義
生命保険とは一般社団法人生命保険協会によると“生死や病気、ケガなど人にかかわる保険”と定義しています。
保険3分野
生命保険、損害保険どちらにしても保険業界を目指す方は下記表の内容は覚えておいていただきたいです。
取り扱える会社
第1分野 | 生命保険会社のみ |
第2分野 | 損害保険会社のみ |
第3分野 | 生命保険会社・損害保険会社 |
定義
第1分野 | 人の生死に関する保険 |
第2分野 | 損害に関する保険 |
第3分野 | 人の生死でも損害でもない中間に位置する保険 |
各分野保険例
第1分野 | 生命保険(定期保険、終身保険、養老保険、収入保障保険など) |
第2分野 | 自賠責保険、自動車保険、火災保険、地震保険、個人賠償保険など |
第3分野 | 医療保険、がん保険、介護保険、傷害保険、個人年金保険など |
生命保険の3タイプ
生命保険は契約内容により
・死亡保険
・生存保険
・生死混合保険
があります。
死亡保険は死亡した場合に保険金が支払われる生命保険で、生存保険は一定期間生存していた場合に保険金が支払われる生命保険。生死混合保険は文字通り死亡保険と生存保険の両方が組み合わさったものです。
生命保険会社の組織形態
生命保険会社の組織形態は大きく
・株式会社
・保険業法に基づく相互会社
があります。
・第一生命保険
・大同生命保険
・三井生命保険
などは現在、株式会社に変更していますが、存続している相互会社は
・日本生命
・朝日生命
・住友生命
・富国生命
・明治安田生命
の5社となっています。
生命保険業界の市場規模の推移
一般社団法人生命保険協会 2019年版 生命保険の動向(以下、資料)によると、2018年度末時点の個人保険契約件数は1億8129万件で、収入保険料は次のとおり推移しています。
年度 | 収入保険料 |
2014年 | 37兆2223億円 |
2015年 | 37兆7481億円 |
2016年 | 33兆4591億円 |
2017年 | 32兆4424億円 |
2018年 | 33兆9159億円 |
意外。収入保険料は減っているのですね…。
そうなのですよ…。
そして新型コロナウイルスによる募集人の訪問自粛により、新規契約も減っていますので、今後の生命保険会社各社の動向に注視したいところです。
生命保険業界41社
相互会社
朝日生命保険 住友生命保険 日本生命保険 富国生命保険 明治安田生命保険
株式会社
アクサ生命保険 アクサダイレクト生命保険 アフラック イオン・アリアンツ生命保険 SBI生命保険 エヌエヌ生命保険 FWD富士生命保険株式会社 オリックス生命保険 カーディフ生命保険 かんぽ生命保険 クレディ・アグリコル生命保険 ジブラルタ生命保険 ソニー生命保険 ソニーライフ・ウィズ生命保険 SOMPOひまわり生命保険 第一生命保険 第一フロンティア生命保険 大樹生命保険、大同生命保険 太陽生命保険 チューリッヒ生命 T&Dフィナンシャル生命保険 東京海上日動あんしん生命保険 ニッセイ・ウェルス生命保険 ネオファースト生命保険 はなさく生命保険 富国生命保険 フコクしんらい生命保険 プルデンシャル生命保険 PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険) マニュライフ生命保険 三井住友海上あいおい生命保険 三井住友海上プライマリー生命保険 みどり生命保険 メットライフ生命保険 メディケア生命保険 ライフネット生命保険 楽天生命保険
生命保険業界の動向
保険金支払いは増加傾向
前出の資料によると、
死亡・満期保険金→3年連続(2018年度5兆9035億円)
入院・手術給付金→14年連続(2018年度1兆1609億円)
で増加しています。
それだけ助かっている人がいるということでもありますね。
収入保険料が減っている点が個人的に気がかりではあります。
かんぽ生命が不祥事
通信業界研究記事をチェック済みであれば、詳細理解されているとは思うのですが、2019年、大手日本郵政グループのかんぽ生命が不祥事を起こしています。
いわゆる不適切販売があったということでしたよね…。
ですね。
2448人が保険業法に基づいて、募集人資格取り消し、業務停止などの処分を受けています。
金融にカテゴライズされる保険業界、一歩やり方を間違えると不適切、不正につながります。保険会社社員は法令を遵守することを念頭に置き、たとえどんな状況に遭遇したとしても正しい行動の実践が求められています。
生命保険業界の展望
標準利率がゼロに?
標準利率とは大和証券によると“生命保険会社が契約者から預かった保険料を運用する際の目安となる利率”と、ニッセイ基礎研究所によると“1996年の保険業法改正により導入された標準責任準備金制度において、責任準備金を積み立てる利率”と説明されています。
うーん、どちらも難しいですね…。私の理解力のなさよorz
要は私たち契約者から預かった保険料を将来、保険金、給付金として支払うために積み立てたのが標準責任準備金です。
その利回りということですよ。
あぁ、国債なんかの利回りと同じようなものですか!
毎年のように利息がついて増えていきます。本来、長期運用だと最終的な額も期待を持てそうです…。
ところが標準利率が1996年2.75%、1999年2%、2001年1.5%、2013年1%、2017年0.25%(2020年現在も同じ)と減ってきているのです。
これから積み立てをどううまく運用していくかが各社、課題なのでは?
さすがです。
今後ゼロ金利になるのでは? ネット上ではそのような憶測も飛び交っており各生命保険会社、契約者に保険料負担増を転嫁しないで済む、そんな方法がないかを探す企業努力が求められています。
標準利率と併せ、2018年に改定された標準生命表もネット上で探して確認できますので一度、見ておくといいです。
見てきました^^ 生命保険会社に入れば、仕事で使っていくのでしょうね!
生命保険業界を代表する企業の基本情報
日本生命保険
日本生命保険は、民間首位・業界最大手です。同社の2017業績ハイライトによると、個人の保有契約件数は3134万件(三井生命も含む)、総資産は72兆4642億円となっています。
生命保険のほか年金保険なども販売。今夏、在宅療養も保障してくれる就業不能保険を10月に発売することを公表しています。
基本情報
保険料等収入:5兆2360億円
経常利益:4584億円
社員数:70651名
平均年齢:44.9歳
平均勤続年数:10.3年
第一生命ホールディングス
日本初の相互会社であった第一生命保険は、2016年10月に持株会社化し「第一生命ホールディングス」と名称変更しました。
アメリカのプロテクティブを買収するなど海外事業の拡大にも力を入れ、フランスのアクサやドイツのアリアンツなどのような保険グループの形成を目指しています。
基本情報
保険料等収入:4兆4687億3600万円
経常利益:4253億2000万円
社員数:542名
平均年齢:41.7歳
平均勤続年数:15.8年
平均年収:9,857,000円
T&Dホールディングス
T&Dホールディングスは、太陽生命、大同生命、T&Dフィナンシャル生命などを傘下に持つ持株会社で、Try & Discover(挑戦と発見)による価値の創造を通じ人と社会に貢献することを目指しているとのことです。
保有契約高は2010年以降、右肩上がりで推移しており、現在は業界6位となっています。
基本情報
保険料等収入:1兆5052億3400万円
経常利益:1572億2700万円
社員数:95名
平均年齢:44.5歳
平均勤続年数:20.9年
参考文献
日本生命の現状2017 統合報告書
第一生命ホールディングス株式会社第115期有価証券報告書
株式会社T&Dホールディングス第13期有価証券報告書
日経業界地図 2017年版 日本経済新聞出版社
2017年夏、かつて生命保険業界に総合職として勤務していた友人からアドバイスをいただきました。その内容を2020年ブラッシュアップし、以下お伝えしていきます。
生命保険会社で実際に働いていた友人の話
生命保険会社のお仕事
在籍中は、
・企業などへの職域営業
・個人宅への営業
・官公庁などへの団体保険営業
・支社事務
などの業務を担当しました。
生命保険業界は女性社会
生保業界に入って「意外だな」「おもしろいな」と感じたのは、生命保険会社は“女性社会”ということです。総合職は男女関係なく採用されますが、いわば花形として活躍している営業職の多くは女性なのです。
私の友達も「生保レディー」として活躍してますね!
その名称からも生命保険業界が女性によって支えられているかが読み取れますね…。
男性社員は女性方と仕事上、良好な人間関係を維持できるよう努めなければならないと感じましたし、常日頃心がけていました。
将来的に保険数理人(アクチュアリー)や管理業務などを目指す方は別として、多くの方が営業から携わっていくことになります。
アクチュアリー、そんな職業があるのですね。カッコいい^^
保険営業はノルマがあり、言い換えると「数字を追いかける」仕事といえます。所属部署ごとに「契約件数」と「保険金額」の目標が設定され、さらに個人にそのノルマが割り当てられます。
この場合、件数か金額のどちらかをクリアすればいいのではなく、どちらも達成しなければなりません。片方達成できたのにもう片方が達成できなかったら「目標未達」という厳しい評価を会社は下します。
金額は達成したものの件数がわずか0.5件足りず未達と評価され、とてもくやしい思いをしたこともありました。
友人によると、保険種類により件数換算され0.5というカウントになることがあるそうです。
営業はキーマンを探し出せ!
私がいた会社は官公庁団体保険に強く、私も背中を押してあげるようなイメージで団体保険契約獲得に動いていました。そこで学んだことは「営業はむやみに誰彼、声をかければいいのではなく、まずはキーマンを探し出せ!」ということでした。
例えば官公庁で私を気に入っていただいた方に照準を合わせ、信頼関係を築くようにしました。そして申し込み用紙に記載いただき1件獲得できました。多くの場合そのあと「あの人が加入したのだから私も!」と次々と申し出があり契約につながったのです。
顧客が顧客を連れてくるパターンですよね^^
もちろん逆風が吹き、この手が通用しないときもありました。営業の大変さも身をもって知れたいい機会となりました。
特に個人宅への訪問営業は信頼関係構築が、想像以上にむずかしかったです。まずまともに取り合ってもらえませんし、庭先から水をかけられたこともありました。断られるたびに慣れていきますから、精神的にはタフになれました。
今は9割の方が生命保険に加入しているようなご時世なのですが、そのなかで
・前の生保担当者が売りっぱなし
・アフターフォローを受けられていない
方もいます。そのような方に出会い、生保営業としてもそうですが“人”として気に入っていただけたときは提案のチャンスと考えてください!
提案し「内容はあなたに任せるよ」との言葉が返ってきたときのことは今でも覚えています。
営業も顧客も勉強して保険を選ぶ時代
今は豊富に生命保険に関する情報が流通しているため、多くの方はかしこく損をしないように自分でいろいろと調べています。営業先でお客様のほうが詳しかったということがないようにしたいものです。
もちろん入社後も勉強をしていきます。しかし生命保険業界に入る前段階から勉強を始めておくべきです。当然、
終身保険/定期保険/養老保険/医療保険/特約
など生命保険の大まかな種類や仕組みは知っておいたほうが有利です。また周辺知識として、
・厚生年金や健康保険などの公的保障の内容
・受取保険金に課税される税金の関係
などをおさえておくとよいでしょう。
おわりに
営業はお客様の
・所得水準
・貯蓄水準
・家族構成
・将来設計
をヒヤリングし、必要と考える保険商品や保証額を提案していきます。コミュニケーション能力しかり、それ以上に生命保険を通じて人々の生活に寄り添うんだという強い意志をもつことが大事です。
自分の提案が誰かの役に立つことがあるんだと信じて、果敢に生保に臨んでいただければと思います。
ありがとうございました!
生命保険会社への就職へのアドバイス
同じく日本生命保険の採用情報を参考に見ていきますと、
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新卒学生はもちろん、中途入社を目指す社会人も基礎知識はあったほうがいいのですが、生命保険の知識がなくても入社後、研修教育機会がありますので、そこでしっかり勉強していけば大丈夫です。
まとめ
生命保険、9割の方が入っているなんて知りませんでした。
そんな生命保険業界で、内定を勝ち取っていただきたいです!
就職と転職、共通していえることは人生の目的と就こうとしている仕事の方向性が合致していることが重要です。それがミスマッチを防ぐカギで、長続きできるかその明暗を分けます。
人生の目的についてその意味を、これまで考えたことがない方は関連記事で説明していますのでぜひ、併せてお読みいただけますと幸いです。
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