ビールに日本酒、焼酎、ワインなど。結婚式に同窓会、コンパ、もちろん会社の飲み会でも。人が集まる場所には必ずといっていいほど美味しい料理と一緒にアルコール飲料は添えられます。

今回は、そんなアルコール飲料業界の基本情報、今後の展望、主要企業、年収、転職・就職のアドバイスをお伝えいたします。

この記事でわかるアルコール飲料業界のこと

  • カンタンなアルコール飲料業界地図
  • キーワード①:海外展開
  • キーワード②:酒蔵ツーリズム ほか

アルコール飲料業界の基本情報

アルコール飲料業界は、大きく

  1. ビール・発泡酒・新ジャンル
  2. 日本酒・焼酎・泡盛
  3. RTD、ワイン、ウイスキー

の3つに分けることができます。

ビール・発泡酒・新ジャンル

サントリー、アサヒグループ、キリン、サッポロの大手4社のほか、地ビールメーカーなどが存在します。

国内ビール系飲料出荷量は1994年をピークに減少傾向で2016年の出荷量は過去最低を更新しています。発泡酒も10年の間に大幅に減っています。

近年、苦みを嫌う若い世代が増えビール離れが叫ばれていますが、その若者に支持されているのがクラフトビールです。サントリーのクラフトセレクト、アサヒのTOKYO隅田川ブルーイング、キリンのスプリングバレーブルワリーと大手各社、多様な味わいが楽しめるクラフトビールにも注力しています。

日本酒・焼酎・泡盛

奈良時代に編纂されたといわれる「播磨風土記」に米原料酒の記載が残っており、日本酒については1000年以上前から今と変わらない製法が確立していたといわれています。

日本酒は、高齢化、食生活・嗜好の変化、日本酒以外のアルコール飲料の多様化などで需要が長期低落傾向にあります。

日本酒が醸造酒なのに対し、焼酎は蒸留酒です。宮崎県・鹿児島県が焼酎の県別売上高2トップとなっています。泡盛は沖縄県で伝統的に作られてきた蒸留酒で、タイ米が原料となっています。

RTD、ワイン、ウイスキー

※RTDとは、Ready To Drinkの略で、缶酎ハイや瓶入りカクテルなど水で割る必要などなくフタを開けたらスグに飲めるようなお酒のことです。RTDを含む、ワイン、ウイスキーの消費量は増加しています。

そんなアルコール飲料業界の市場規模は、矢野経済研究所のプレスリリースによると、3兆5,738億円(見込)となっています。

アルコール飲料業界主要企業6社(後述)の社員の状況は、平均年齢44.4歳、平均勤続年数17.9年、平均年収864万円となっています。

アルコール飲料業界 ~今後の展望~

今後のアルコール飲料業界における重要なキーワードは、『海外展開』と『酒蔵ツーリズム』です。

海外展開

ここ近年の海外における動きですが、業界首位のサントリーは、アメリカ蒸留酒最大手のビーム社を買収しています。

アサヒは、ビールメーカー世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)から、東欧と西欧のビール事業を買収し、業界2位に浮上しています。

そのキリンもミャンマー・ブルワリーマンダレー・ブルワリーを買収し、ミャンマー現地において市場の9割をシェアしています。

政府は税制改正大綱でビール系飲料の税額を一本化する方針を固めています。そのため各社、国内ブランドの集約をし、収益を高め、海外展開に投資する動きが予想できます。

 

酒蔵ツーリズム

観光庁によると、酒蔵ツーリズムとは、酒蔵解放や酒蔵体験、日本酒をテーマにしたイベント、スタンプラリーなどの仕組みづくり、外国人向けツアーのプロデュースなど実施規模も運営主体も異なる様々な取組や他の観光資源との連携を目指すものとしています。

関連して酒税免税制度が2017年10月に創設され、訪日外国人旅行者が酒蔵や酒類製造場などの免税許可店で、日本産酒を消費税・酒税の負担なく安く買えるようになっています。

今後、訪日外国人旅行者も意識した魅力的な商品・サービス・イベントの創出などが課題となるでしょう。

 

アルコール飲料業界主要企業と年収一覧(各社有価証券報告書より抜粋)

  • サントリーホールディングス 1065万円
  • アサヒグループホールディングス 996万円
  • キリンホールディングス 963万円
  • サッポロホールディングス 819万円
  • 宝ホールディングス 643万円
  • オエノンホールディングス 699万円

アルコール飲料業界主要企業6社(上記)の平均年収は864万円でした。詳細は、下図を参照ください。

 

アルコール飲料業界を代表する企業の基本情報

サントリーホールディングス

遡ること1899年、創業者の鳥井信治郎が大阪で鳥井商店を開業。ぶどう酒の製造・販売がはじまりです。赤玉ポートワイン、サントリーウイスキー角瓶、そして、サントリービールを販売し半世紀以上が経っています。

現在は、プレミアム・モルツ、金麦、ALL-FREE、登美などを発売し、飲料・食品のリーディングカンパニーとして業界1位となっています。

基本情報

  • 売上高:2兆6514億7900万円
  • 経常利益:1758億2500万円
  • 社員数:438名
  • 平均年齢:43歳
  • 平均勤続年数:17.9年
  • 平均年収:10,657,132円

 

アサヒグループホールディングス

1889年に設立された大阪麦酒会社がはじまりで、吹田村醸造所ができ、1892年にアサヒビールが発売されました。びん生ビール・缶ビール、ビールギフト券を日本ではじめて発売したのも同社です。

アサヒスーパードライ、クリアアサヒ、かのか、もぎたて、ゼロカクなどを製造・販売しています。

現在は、ニッカウヰスキー、オリオンビール、なだ万などを傘下に有しています。

基本情報

  • 売上収益:1兆7069億100万円(国際会計基準)
  • 税引前利益:1500億6800万円(国際会計基準)
  • 社員数:5906名(酒類)
  • 平均年齢:42.2歳
  • 平均勤続年数:13.7年
  • 平均年収:9,961,548円

 

キリンホールディングス

1885年、ジャパン・ブルワリー・カンパニーが設立されたのがはじまりです。1888年にキリンビールが誕生。おなじみの麒麟のビールラベル原型は、坂本龍馬などと交流があった同社の重役だったグラバーの提案で1889年に作られたものです。

キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャンを傘下に、キリンラガービール、キリン一番搾り、のどごし<生>、ボン・ルージュ、氷結などを製造・販売しています。

基本情報

  • 売上高:2兆750億7000万円
  • 経常利益:1406億7600万円
  • 社員数:11830名(日本綜合飲料)
  • 平均年齢:40.9歳
  • 平均勤続年数:11.9年
  • 平均年収:9,632,538円

 

 

参考文献

  • サントリーホールディングス株式会社第8期有価証券報告書
  • アサヒグループホールディングス株式会社第93期有価証券報告書
  • キリンホールディングス株式会社第178期有価証券報告書
  • 日経業界地図2018年版 日本経済新聞出版社
  • 会社四季報業界地図2018年版 東洋経済新報社

 

転職・就職のアドバイス

清涼飲料業界の研究記事でもお伝えしていたように、アルコール飲料業界を志す方も同様に、

  • まずは自分自身がどのような役割を担いたいのか?
  • そのためのスキルや経験は持っているのか?

を確認するところから入る必要があります。また、応募する段階では、

  • その企業ではどのような製品が取り扱われているのか?
  • その職種ではどのような役割をもって、どのような作業を行っていくのか?

などの研究を終わらせておいたほうがいいでしょう。

サントリーホールディングス 新卒採用 2018を参考にお伝えしますと、仕事は、

  • ビジネス部門
  • 財経部門
  • 生産研究部門

に分かれており、

【ビジネス部門】

・酒類営業(家庭用営業、業務用営業、営業企画etc)

・食品/酒類/健康食品マーケティング(商品開発、ブランド育成、宣伝etc)

・スタッフ(財務・経理、法務・知財、人事、広報、情報システム、生産企画、SCM、調達etc)

・海外ビジネス(食品/酒類営業およびマーケティング、経営管理、事業開発etc)

【財経部門】

・財務・経理

【生産研究部門】

・基盤研究

・商品開発

・技術開発

という内容になっています。

転職を志す方は、転職エージェントに登録して、キャリアコンサルタントから求人情報を提供してもらえるようにあらかじめ手配しておくと、アルコール飲料業界への早期転職成功の可能性を高めることができます。

関連記事

転職サイトエージェントの口コミ比較

※私が転職した体験談を基に転職エージェントやサイトの選び方を解説しています。

今後の展望でもお伝えしていたように、今のアルコール飲料業界は、海外展開・インバウンドにも力を入れていますので、グローバル人材になれるようキャリアを構築したいと考えている方は、語学を強化するようにしたいものです、