今回は少し趣きを変えて、業界リサーチ結果を纏めてみたいと思います。対象は、通信販売(カタログ系)会社の情報です。
基本的に私が受けている業界のみをメモ書き・備忘録という形で記載するので、範囲が思いっきり偏ります。
しかも、私が受ける場合はほとんどのケースで職種が「社内SE」なのでシステム視点での話題が入ってきます。
ということで、あんまり役に立たないかも知れませんが、読み物程度にお付き合い頂けますと幸いです。
通信販売業界
- 業界規模:1兆447億円
- 平均勤続年数:7.6年
- 平均年収:571万円
(平成24年3月31日現在)
通信販売業界とは、小売業態のうちの無店舗販売の一つで、店舗ではなく、メディアを利用して商品を展示し、メディアにアクセスした消費者から通信手段で注文を受け、商品を販売する業種です。
メディアというと具体的には、カタログ・インターネットが挙げられます。以前までは、カタログが中心でしたが、昨今はインターネットの売り上げ高の方が大きくなってきているようですね。一般的には無店舗型ですが、専門店のような店舗を持つ場合や、卸売りややメーカーによる直販まで、色々な流通チャネルを通信販売網として持つ会社まで様々な形態があります。
業界の売り上げ規模は1兆円を超え、平均年収は570万程度ということで、そこそこではないでしょうか。
ただ、景気の影響をモロに受けやすい業種なので、安定産業とは言い難く、収入はやや不安定である、と転職エージェントからもコメントがありました。
有名どころの会社一覧
売上高1,000億円超えの企業のみ記載しています。
ネット通販
- 楽天
- ヤフー
テレビ通販
- ジャパネットホールディングス
- ジュピターショップチャンネル
カタログ通販
- ニッセンホールディングス
- 千趣会
- ベルーナ
オフィス通販
- アスクル
- 大塚商会
外資系
- アマゾン
- アップル
- デル
カタログ系の有名どころの会社
通信販売業という括りだと色々な企業がありますが、通信販売業界のカタログ系に絞るとある程度有名どころは限られてきます。
以下程度をご紹介します(カタログ系だけを掘り下げて、掲載している理由は私が採用試験を受ける候補になっていたためです。今後様子を見てネット通販系などを追加していくかも知れません)
ニッセンホールディングス
- 年齢や性別を問わず、アパレル・インテリア・雑貨・食品と幅広い商品を販売
- 会員の約9割が女性。20代から50代を中心に、幅広い層を全国的なスケールでカバー
- ネット通販業界売上ランキングでは2位だが携帯ネット通販売上ランキングでは1位
- UCC上島珈琲株式会社の子会社であるシャディを買収しギフト通販を強化
- テキストマイニングツールなど顧客情報分析が得意
千趣会
- 通販「ベルメゾン」のカタログ年間購入者は約409万人、ネット会員は約1,300万人
- 商品開発力があり、女性向けサービスが中心
- ベルメゾンとはフランス語で「美しい館」という意味
- 通信販売カタログで業界2位、WEBカタログでは業界1位
- ネットでの販売力が強く、ニッセンよりやや進んでいると推測
- 30~40代をターゲットとしつつも、若年層向けのECサイトも続々投入
- ファッション、インテリア、日用雑貨、マタニティ、子供服、食品など多彩
- 顧客DBに基づいた情報分析力、生活者の消費意識を的確に把握した商品開発力
- 顧客ニーズを細分化し、ターゲットに応じたカタログ戦略を実施
- アジアを中心に海外展開も実施。
ベルーナ
- 事業の幅が広く、カタログ通販以外に金融、受託、不動産事業なども展開
- 専門通販の比率が20%程度と大きく、他社と傾向に差異あり
- カタログ通販の割合が多く、ネット販売に出遅れていたが急拡大中
- メインターゲットが60代前後の女性などやや高め
売り上げ高、ならびに社員年収はニッセン>千趣会>ベルーナの順ですね。
特徴を書くと、ニッセン・ベルーナはやや値段が安くお手頃です。千趣会(ベルメゾン)は値段が高いですが、その商品開発力の高さから見栄えが良い見える商品が多いです。
関西での立ち位置
私が関西出身・在籍なので関西圏での評価を書いてみます。
関西には通信販売事業者が多いのですが、その分生き残りをかけた戦いも熾烈です。例えば、総通(日本通販)は2012年の11月に民事再生法を適用して倒産しました。
敗因は、インターネット通販に対応できなかったためです。現状を危惧してか、同じく関西大手のニッセンと千趣会はネットビジネスへと販路を転換しています。
今後の動向
消費低迷の中で、いかにして顧客ニーズを喚起し、囲い込みを行うかがポイントです。
お客さんは高いものは買い渋りますが、品質については年々うるさくなっています。つまり、ローコストで高品質な商品を揃え、販売できる体制を整えることが必須です。
また、要求レベルがガンガン上がるお客に対して、いかに商品をPRし売り込んでいくかの力「販売力」の養成が最大のカギです。
対策としては、商品の企画や販売方法の工夫が求められるようになります。例えば、カタログの誌面編集の工夫や、ネット販売の場合はどのように集客し、どのようなストーリーをサイト上で展開して成約い結びつけるかが重要です。
ネットの普及で新たな層にサービスを提供できる機会は増えたものの、
- 年齢層などの顧客属性に応じた戦略展開
- 過去の購買傾向に応じた商品の推薦
など、ユーザのニーズに応じた対応をきめ細やかに施していく必要があります。
SE・社内SEとしての関わり方
私自信が現在、カスタマーサービス関係のシステムを担当していたり、WEBマーケティングやECサイト構築、アフィリエイト活動を行っていることもあり、この業界への興味関心、適性はそれなりにあると思っています。SEOなどもキーワードとして上がるかも知れませんね。
加えて、ネットなどの普及でサービスを提供できる母数が大きくなったため、より多くのユーザに自社サービスを提供できるようになりました。多くの人の幸せに貢献できるということは何事にも代えがたい喜びですし、色々なビジネス企画に携わることでマーケティングスキルも向上します。
また、こういった企業では、カスタマーサービスに関するノウハウが貯まっていることも多く、その情報を学べるのはありがたいです。BIツールなども充実していることが推測されますし、まさに宝の山です。経営視点でのシステム構築を経験されたい方にとっては、まさにうってつけの産業だと思います。
また、事業基盤(物流センターやコールセンター)を受託サービスとして他社に提供できる可能性もあります。最近では大手企業ですら自社のコールセンター業務も外部委託する傾向が強く(コストが原因)、いわんや多くの中小規模企業ではこういった需要は多くあると思います。そういった部分でも、SEが活躍できる可能性はあるでしょう。
まとめ
仕事的にはかなり面白い要素が多い業界です。特に、WEBマーケティングに興味のある人は活躍できるでしょう。
ただ、人々の購買意欲は日々低下していく傾向があり、パイも限られているため競争は激化しそうです。
(この記事は2013年5月時点で収集した情報です)
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