携帯電話キャリア業界の動向・年収・大手企業の調査・比較【2017年度】

業界研究

大人はもちろん小学生まで持っているとされる携帯電話。私たちの生活になくてはならないアイテムとなりました。

今回は、そんな携帯電話業界の基本情報、今後の展望、主要企業、年収、転職・就職のアドバイスをお伝えいたします。

この記事でわかること

  • 携帯電話業界の現状
  • MVNO
  • 大手3社の沿革・契約数

携帯電話業界の基本情報

携帯電話業界は、通信キャリア

  • NTTドコモ(docomo)
  • KDDI(au)
  • ソフトバンクグループ(Softbank)

の大手3社が牽引しています。携帯電話だけではなく、光通信の回線提供、コンテンツ配信などのさまざまなサービスも展開しています。

携帯電話には、Android、iPhoneなどのスマートフォン(スマホ)、ガラケー・フィーチャーフォンがあります。

携帯電話各社、携帯電話番号ポータビリティ(MNP)などを活用しようとする顧客を獲得するため、キャッシュバック、ポイント付与、端末の実質0円での販売を行ってきましたが、総務省は、2016年4月に大手3社に端末の「実質0円」販売をやめるよう要請しました。

その影響で、新規契約が減少したものの、解約もまた減少し、激しい競争が落ち着いたともいえます。

携帯電話業界の市場規模は、1億5574万契約となっています。ただし、大手3社の合計契約数であり、格安スマホなどの契約者も考えると、その規模はさらに大きくなります。

 

携帯電話業界 ~今後の展望~

携帯電話業界の今後の展望となるキーワードは、『MVNO』『楽天参入』『スマートスピーカー(AIスピーカー)』です。詳しくみていきます。

MVNO

MVNOは、Mobile Virtual Network Operatorの略です。仮想移動体通信事業者のことを指します。大手3社(キャリア 移動体通信事業者)から通信インフラを借り受けてサービスを展開している会社のことです。格安スマホ、SIMフリーといわれることもあります。

多くのMVNOは、NTTドコモのネットワークを使用しているのが現状で、つながりやすさや対応エリアは一緒です。端末によっては高速通信も利用できます。

価格設定が格安である点は、大手3社にとっては脅威でしたが、KDDIがBIGLOBEを買収するなど、実質0円端末での競争が終わり、顧客獲得の舞台はMVNO市場に移りつつあります。

 

楽天参入

2017年12月、“楽天は14日、携帯電話事業者への参入を発表した。通信規格「4G」の周波数帯の取得に向け総務省へ申請する。現在は大手から設備を借りることで通信事業を運営している。”と日本経済新聞が報じています。

楽天は、2014年に「楽天モバイル」を立ち上げ、堅調に顧客を獲得しており、MVNO契約でトップシェアとなっています。FREETEL(フリーテル)を買収するなど規模拡大を続けており、これまで携帯電話業界を牽引してきた大手3社がどう動くかも気になるところです。

 

スマートスピーカー(AIスピーカー)

新しいものが好きな方なら、いち早く取り入れているかもしれませんが、最新のスマートデバイスといえば、このスマートスピーカーです。

2017年10月以降、

  • LINE「Clova WAVE・Clova Friends」
  • Google「Google Home」
  • Amazon「Echo」

が発売されています。

スマートスピーカーは、通話機能も有しており、Google Homeはアメリカとカナダで固定電話・携帯電話との無料ハンズフリー通話に対応可能となっています。Clova Friends は、LINE無料通話ができるとしており、携帯電話各社のスマートスピーカーへの対応(取り扱い)も注視したいところです。

 

携帯電話業界主要企業と年収一覧(各社有価証券報告書より抜粋)

大手3社

  • NTTドコモ 873万円
  • KDDI 953万円
  • ソフトバンクグループ 1164万円

 

MVNO

  • NTTコミュニケ―ションズ ocnモバイルone
  • インターネットイニシアティブ IIJmio
  • 楽天 楽天モバイル
  • ケイ・オプティコム mineo
  • ビッグローブ BIGLOBEスマホ/SIM

 

 

携帯電話業界大手3社の社員の状況ですが、平均年齢は40.9歳、平均勤続年数は14.4年、平均年収は997万円でした。詳しくは下図のとおりです。

 

業界を代表する企業の基本情報

NTTドコモ

前身は、国営だった日本電信電話公社で、日本電信電話株式会社として民営化後、エヌ・ティ・ティ・移動通信企画として設立されました。NTTドコモへ商号変更したのは数年前です。「Xi」(クロッシィ)サービス、dポイント、dTVも展開しています。

携帯電話契約数は、

  • 2016年3月期 7096万4000件
  • 2017年3月期 7488万件
  • 2018年3月期予想(見直し後) 7620万件

と大幅に増えています。シェアは46%で国内最大手です。

中国のメーカー、ZTE社(北米ではアップル、サムスン、LGに次ぐシェアを持つ)とコラボをし話題となっています。

基本情報

  • 営業収益:4兆5845億5200万円(米国会計基準)
  • 利益:9495億6300万円(米国会計基準)
  • 社員数:26734名(連結会社)
  • 平均年齢:40歳
  • 平均勤続年数:17.1年
  • 平均年収:8,739,000円

 

KDDI

auを展開しているKDDIは、1953年に設立された国際電信電話 (KDD)がはじまりです。セルラーグループ7社が合併、株式会社エーユーが発足したのち、合併し現在に至ります。au WALLET、au VoLTE、au STARを展開しています。

携帯電話契約数の推移

  • 2016年9月累計 4723万6900件
  • 2017年9月累計 4966万5200件

ケーブルテレビ、インターネット、電話サービスを展開しているジュピターテレコム (J:COM)に資本参加しています。

基本情報

  • 売上高:4兆7482億5900万円(国際会計基準)
  • 税引前当期利益:8958億9700万円(国際会計基準)
  • 社員数:35032名(連結会社)
  • 平均年齢:42.2歳
  • 平均勤続年数:17.4年
  • 平均年収:9,532,136円

 

ソフトバンクグループ

パソコン用パッケージソフトの流通事業からスタートしたソフトバンク。その後、共同出資により日本法人ヤフー設立。福岡ソフトバンクホークスを子会社に。ボーダフォンを買収し携帯電話事業に参入しました。

携帯電話契約数の推移

  • 2016年3月期 3203万8000件
  • 2017年3月期 3240万件

携帯電話とモバイルデータ通信端末は減少。スマートフォン・タブレットが増加し前期末を上回っています。

アップルから独占販売権を獲得しiPhoneをまず日本国内に広めたのは同社でした。

基本情報

  • 売上高:8兆9010億400万円(国際会計基準)
  • 営業利益:1兆259億9900万円(国際会計基準)
  • 社員数:68402名(連結会社)
  • 平均年齢:40.5歳
  • 平均勤続年数:8.7年
  • 平均年収:11,647,660円

 

参考文献

  • 株式会社NTTドコモ第26期有価証券報告書
  • KDDI株式会社第33期有価証券報告書
  • ソフトバンクグループ株式会社第37期有価証券報告書
  • 会社四季報業界地図2018年版 東洋経済新報社

 

転職・就職のアドバイス

携帯電話業界の仕事

NTTドコモの新卒採用情報サイトを参考にお伝えしますと、

携帯電話だけではなく、光ブロードバンド、衛星電話、国際関係、動画配信、音楽配信、電子書籍、金融・決済、ショッピング、生活関連事業などに着手。

エンターテイメント、コンテンツ、ネットワーク、ポイント、教育、ツアーリズム・地域活性化、クルマ社会、ヘルスケア、農業といった分野にも可能性を広げています。

具体的な仕事内容

【事務系】マーケティング&プロモーション、販売店コンサルティング 、法人コンサルティング

【技術系】ネットワークデザイン、法人ソリューション開発、サービス開発、先端技術研究

【事務・技術共通】サービスクリエイト&マネジメント、コーポレート

国内だけではなく海外、たとえば、アメリカ、中国、イタリア、ドイツ、フランスなどで働けるチャンスもあります。

文系の方で英語、第二外国語に精通している方はグローバルな人材候補として面接官から評価されます。また、理系の方は自分自身が専攻・研究している内容が携帯電話業界にどのように活かせるか考えると就職を有利にできるでしょう。

余談ですが、管理人セイジは新卒時にドコモへの入社を希望しました。受けましたがあえなく落ち、その後は結構悲惨な人生を過ごし、転職の末今はまともな起業で働いています。

 

携帯電話業界で求められる人材

  • 新しい価値を生み出していける
  • 社会のさまざまなジャンルに飛び込める
  • 課題解決に取り組める

挑戦と進化に取り組むことができるような人材です。

また、中途入社で携帯電話業界に転職しようとする方は、これまで在籍していた業界・職種での経験を今後どのように活かしていくのかを深く研究し、面接官にわかりやすく伝えていくことが大事です。

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