人材派遣サービス業界の動向や魅力・大手企業の年収比較を就職・転職経験者のアドバイスを交え解説

業界研究
スポンサーリンク

学生時代「アルバイト」をしようと応募し、

・証明写真
・銀行通帳
・印鑑

を持参した先が、人材派遣会社の支社やオフィスだった。そういう経験をお持ちの方は少なくないでしょう。

「高時給アルバイトが実はハケンだった」は、あるあるですね^^

『ハケンの品格』のスーパーハケン、大前春子のような人って、本当にいるのかな?

今回はそんな人材派遣サービス業界の基本情報、主要企業と年収、動向、展望、経験者談、就職・転職のアドバイスについてもお伝えしていきます。

 

スポンサーリンク

業界全体図から見た人材派遣サービス業界

セイジさん、人材派遣サービス業界は全体図から見るとどういう立ち位置なのです?

人材派遣サービス業界は日経業界地図ではそのまま『サービス』に分類されています。単元は『人材サービス』です。

・求人広告業
・転職エージェントなどの職業紹介事業
・業務請負業

が類似業界といえ、これらをひっくるめ『人材サービス』といわれています。

転職エージェントについては各社、細かく取り上げた記事を『転職とキャリアアップ』で多数、ご紹介しています。

上部メニューバーの[転職エージェント紹介]でご確認いただけるようになっています^^

 

人材派遣サービス業界の基本情報

人材派遣サービスは、労働者を取引先に派遣するもので、

法律労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)
管轄厚生労働省及び都道府県労働局
最低資本金原則2000万円以上が必要

国が制度化している事業です。法律上、人材派遣会社(事業所)は『派遣元』。派遣スタッフが(毎日)働く会社、事業所を『派遣先』といいます。

労働者を派遣することができる資産や資質などがある者が申請でき、要件をクリアしているかなどの審査を経て、国からの許可を受けます。その許可を受けてはじめて業として労働者の派遣ができるようになります。

 

なぜ国の許可制に?

言うなれば労働者の命を預かる事業ですから、許可制となっているのですよ。

例えば港湾運送・建設・警備への人材派遣は労働者派遣法で禁止されており、

・事務
・製造業務
・軽作業

への人材派遣が現状、認められているところです。そのため人材派遣サービスは日経業界地図では、

・人材派遣系
・製造派遣系
・軽作業派遣系
・技術者派遣系

に分類されています。

悲しいことではありますが2020年代に入った今でも一部の人材派遣会社が、

・偽装請負
・二重派遣

に手を染めているのでは? という内容の疑惑報道がなされている現状があります。それが本当であれば違法行為であり、もしそのような会社と知らずに入社し、自ら手を染めてしまったとしたら…。

それはホント勘弁してほしいです…。

そのため人材派遣サービス業界を志す方は特に、企業の真贋を見抜く力が必要です。

 

人材派遣サービス業界の市場規模の変遷

厚生労働省の集計結果によると次のとおり推移しています。

年度派遣売上高
20155兆6,790億円
20166兆5798億円
20176兆4995億円
20186兆3816億円

2008年に7兆円後半台まで昇り詰め、2009年のリーマンショックで落ち込み以後5兆円台をキープ。2016年に6兆円後半台まで達したもののまた緩やかに落ち込んでいます。

 

人材派遣サービス業界の主要企業と平均年収

リクルートホールディングス 9,647,353円
パーソルホールディングス 6,507,139円
パソナグループ 5,967,000円

(各社有価証券報告書より抜粋)

【参考】その他の人材派遣サービス企業

東京海上日動キャリアサービス、ヒューマンホールディングス、アデコ、ランスタッド、マンパワーグループ、メイテック、テクノプロ・ホールディングス、WDBホールディングス、アルプス技研、フォーラムエンジニアリング、フルキャストホールディングス、日総工産など

 

人材派遣サービス業界の動向

度重なる法改正

2012年

・日雇い派遣、原則禁止
・グループ企業内派遣を8割以下に規制
・マージンなどの情報公開を義務化

など

2015年

・特定労働者派遣事業を廃止
・業務に関係なく派遣期間上限を原則3年に
・派遣終了時の雇用安定措置を義務化
・キャリア形成支援(教育・コンサル)を義務化

 

ここまでの参考文献

はたらこねっと 派遣法(労働者派遣法)改正の歴史

一般社団法人日本人材派遣協会 派遣の現状

 

2020年

・同一労働同一賃金(派遣労働者と正社員の賃金格差解消)

とここ10年で、上記改正が行われています。

シニアと外国人の派遣

本記事更新前の2017年版では、ベテラン世代の方を派遣するシニア派遣が増える旨、展望の項でお伝えしていましたが、

日本経済新聞 JR西日本、シニア派遣に参入 キャリアと新会社設立

 

ここにきて外国人の派遣も増えてきています。大手マイナビが

2020年の外国人採用実績は39.0%。今後の採用意向はホテル・旅館で大幅に減少。

シニア採用実績は63.3%。警備・交通誘導は9割を超え、人手不足感の強い業種は高い結果に。

などと調査結果を公表しています。

ニュースリリース 「非正規雇用の外国人・シニア採用に関する企業調査」を発表

 

人材派遣会社に入社したら、60代あたりの方、外国人の方と接する機会が増えそうですね!

 

人材派遣サービス業界の展望(予測)

在宅派遣が広がる

正社員だけではなく派遣にもテレワークが広がっています。日本経済新聞には“厚生労働省は派遣社員という理由だけで在宅勤務を認めないのは派遣法の趣旨に反する可能性があるとの見解を公表”との記載もあり、今後、派遣社員の多様な働き方が認められていきそうです。

日本経済新聞 広がる「派遣テレワーク」 働き方の多様化進める契機に

 

人材派遣サービス業界の大手企業3社を比較

リクルートホールディングス

業界最大手のリクルートホールディングスは、

・RGF OHR USA, Inc(HRテクノロジー事業)

・株式会社リクルート(メディア&ソリューション事業)

・RGF Staffing B.V. (人材派遣事業)

という3事業統括会社を持っています。国内では

・リクルートスタッフィング

・スタッフサービス・ホールディングス

が、人材派遣サービスを展開しています。特筆すべきは

・The CSI Companies, Inc.

・Staffmark Group LLC

など海外でも人材派遣事業を行っている点です。

基本情報
売上収益:2兆3994億6500万円(国際会計基準)
税引前利益:2261億4900万円(国際会計基準)
社員数:15983名(人材派遣)
平均年齢:37.5歳
平均勤続年数:5.5年

パーソルホールディングス

業界2位でdodaブランドでもおなじみのパーソルホールディングスですが、

・テンプスタッフ(事務系)
・チャレッジ(研究開発)
・パーソルテクノロジースタッフ(エンジニア)

などの人材派遣サービスを展開しています。

基本情報
売上高:9705億7200万円
経常利益:393億6100万円
社員数:27826名(派遣・BPO)
平均年齢:38.5歳
平均勤続年数:6.8年

パソナグループ

創業当初から女性、若者、シニアの雇用創造に取り組んできたのが、業界3位のパソナグループです。

人材サービス、グローバルサービス、教育・研修、地方創生、福利厚生、保育・介護・家事代行の6つの事業を行っています。

基本情報
売上高:3269億8400万円
経常利益:92億3700万円
社員数:5406名(エキスパートサービス・インソーシング他)
平均年齢:40.4歳
平均勤続年数:10.2年

 

参考文献

株式会社リクルートホールディングス第60期有価証券報告書
パーソルホールディングス株式会社第12期有価証券報告書
株式会社パソナグループ第12期有価証券報告書

 

人材派遣会社の元事務員から聞いたお話

今回、人材派遣会社で事務員をされていた方から人材派遣サービスのスタッフ管理のお仕事について教えていただけましたので、ご紹介していきます。

人材派遣会社のお仕事、転職のしやすさ

答えから先に述べます。人材派遣会社には正直、入りやすいです(転職しやすい)。これは派遣元とも呼ばれる人材派遣会社の8割を占める担当者、マネジャー(スタッフ管理)という役職に関してです。

派遣元に就職するとまずマネジャーという職位からスタートします。特に学歴は関係なく大学卒でなくても就けます。

以下マネジャーではなく、わかりやすくスタッフ管理という言葉を使います。

 

私が感じていたのは、派遣元業務は「体育会系」ということ。面接官はやる気を感じたらその人を合格させます。面接時は身だしなみを整え、常識のある受け答えさえできれば確実に受かりますよ。

その背景には人手不足であることとスタッフ管理の職務のキツさがあります。とにかく人並み以上の体力、鋼のメンタルが求められます。

しかしせっかく入社したのに連絡なく辞める方も多く「根性がないなぁ」と感じたりしていました。

そのため体力、精神力に自信があっても「正社員になれるなら」など甘い考えのある方は長続きしないかもしれません。

派遣スタッフには男女両方いるため、スタッフ管理社員も男女分け隔てなく必要とされています。もちろん女性も長く勤められますよ^^ 入るなら支社数、現場数の多い会社がオススメです。

目指すなら全国に支社がある大手です。知名度のある企業を狙いましょう。そんな私も全国に支社を持つ人材派遣会社に在籍していました。売上が多くその分、給料に反映されていました。

人材派遣会社における命令系統

人材派遣会社は全国を複数のエリアに分け、組織編制しています。主に全国を管轄する本社と各エリアを管轄する支社があります。

本社

本社には社長を筆頭とする幹部が上位にいます。そして幹部の下に地区エリア部長がいて、さらにその下に○○県エリア部長がいます。ただし県によっては人口、現場、働き手が少ないなどの事情があり予算上、1人の県エリア部長が複数(3つほど)統括していたりします。

地区はだいたい関東、関西、九州など10ほどに分けられていますが、やはり首都含む関東エリア担当者は高グレード扱いです。そしてやはり本社勤務の役職者は高給取りです。

支社

支社に在籍するいわゆるトップが支社部長です。支社部長はまさしく本社と支社の社員をつなぐ中間管理職であり、給料もそこそこいいです。10人ほどいるスタッフ管理その他営業、事務員の管理をその支社部長がひとりで行います。

もうお気づきとは思いますが、少なくとも私の在籍していた会社には支社長、課長、係長はいませんでした(今はどうなのでしょう…)。

私が人材派遣会社で担当してきたお仕事

私は関東在住で、事務職でした。そのため本社、支社、両方とも経験があります。主に

・スタッフ管理のサポート
・データ管理(求人媒体、派遣先情報、派遣スタッフ勤怠管理など)

を経験してきました。

私は事務員でしたがスタッフ管理サポート業務を通じ、スタッフ管理の大変さを身近に感じていました。今は働き方改革の時代ですが当時、会社携帯を24時間持たされ、夜中も何かあれば対応するなど超過勤務傾向が非常に強かったです。

スタッフ管理は複数の現場を任され、そこに派遣された100人近くの派遣スタッフを管理し、声をかけたり、話を聞いたり、面倒を見たりします。また派遣スタッフが問題を起こしたときなどは派遣先に足を運び事情確認、内容によっては謝罪し、支社部長に報告を入れます。

支社部長は(もちろん営業、事務員も)スタッフ管理の頑張っている姿だけではなくサボっている姿もしっかりと見ていますから、自動的に応援したくなる人と一緒に働きたくない人に分けられ、前者は周りに支えられ自然と出世し、後者は淘汰されていきます。

人材派遣会社で出世していくには、スキルを磨く方法

・研修、会議に必ず出る
・自社派遣社員枠を増やす
・書類を適切に管理する

ことができれば出世できると私は思います。

研修、会議に必ず出る

大手になると必ず研修が定期的にあります。しかし残念ながらその研修に参加できないスタッフ管理が一定数います。研修日程を失念し取引先とのアポイントを入れてしまい、ダブルブッキングで参加できないのです。

せっかく会社が設けた研修を平気ですっぽかす。そんな社員はスケジュール管理ができない、研鑽意欲がまったくない人とみなされます。研修はもちろん会議の時間に合わせ出社、帰社できないスタッフ管理もまた基本、出世できません。

自社派遣社員枠を増やす

自分が担当する現場でどれだけ自社派遣社員枠を増やし送り込めるか、具体的には現場に出入りする複数の人材派遣会社の枠を(言い方は悪いですが)略奪し、オセロゲームのように自社派遣社員で埋め尽くすかが重要です。

書類を適切に管理する

スタッフ管理は書類も適切に管理すべきです。なぜならスタッフ管理が書類を適切に処理せず机の引き出しの中で溜め置きしてしまうと、事務員も支社部長も何もできず迷惑を被るからです。

本社は送付されてくるべき書類が遅延したり届かなかったりすると、支社部長を注意します。スタッフ管理のランクを決める権限がある支社部長は支社全体に迷惑をかけるような部下のランクを落とすことはあっても、引き上げることはないでしょう。

また事務員としては書類管理もできないスタッフ管理を、助けたいとは思いません。もちろん普段から横柄な態度をとる人も周囲から応援されませんので、出世できません。

出世したいなら研修や会議に出る、時間や期限を守る、会社に貢献できるような実績をつくり、謙虚に振る舞うべきです。こういう基本的なことができてはじめてチャンスを掴む資格が出てきます。

 

最後に人材派遣会社のスタッフ管理のお仕事はキツいかもしれませんが、給料も高いため、やりがいはあると思います。

 

ありがとうございました!

たしかに横柄な人に手を差し伸べる方など、そうそういませんよね…。

これより管理人セイジが、就職と転職のアドバイスをお伝えしていきます。

 

人材派遣サービス業界への就職のアドバイス

人材派遣会社の職種はざっくりとですが、

・事務
・営業
・管理

に分けられます。事務は内勤で書類作成、データ管理、社会保険・雇用保険の手続、給与計算などを行うものですが、前章でお伝えしたようにスタッフ管理のサポートなども行います。内勤ですから派遣登録説明会、派遣スタッフの対応にあたることもあるでしょう。

営業は基本、外勤でさまざまな会社や工場、施設などの事業所を隈なく訪問して回り、主に派遣先の新規開拓を行います。そして管理(=スタッフ管理)は派遣スタッフはもちろん、派遣先のフォローにもあたります。

会社規模、支社勤務など人手が限られた環境では、事務、営業、管理すべてまたはいずれかを兼務することも十分考えられます。各社、募集要項をよく読み込み、仕事上のミスマッチを招かないように十分、注意したいものです。

 

人材派遣サービス業界への転職のアドバイス

業界問わず営業経験、人材のマネジメント(管理職)経験がある方は特に、人材派遣サービス業界では重宝されると考えます。

単独で転職活動するよりも転職エージェントを利用して、非公開求人紹介、模擬面接を受け準備を怠らなければ、内定への早道となるはずです。

 

関連記事

転職サイトエージェント比較おすすめランキング 年収1.5倍になった口コミ評判体験談

 

まとめ

人材派遣会社の営業、スタッフ管理は人と接するのが好き、人のお世話が好き。そんな人に向いているお仕事と思いました^^

そんな人材派遣サービス業界で、内定を勝ち取っていただきたいです!

就職と転職、共通していえることは人生の目的と就こうとしている仕事の方向性が合致していることが重要です。それがミスマッチを防ぐカギで、長続きできるかその明暗を分けます。

人生の目的についてその意味を、これまで考えたことがない方は関連記事で説明していますのでぜひ、併せてお読みいただけますと幸いです。

 

関連記事

【就職・転職共通】2020年以降の業界研究のやり方、手順、勘どころまとめ

コメント