・ブラック企業の悪行
・ブラック企業回避・自衛転職術
いじめ・嫌がらせ(セクハラ・パワハラ・モラハラ)があるだけでその会社や職場をブラック企業と考えている方がとても多かったです(転職とキャリアアップ2020年6月1日実施アンケートより)。
アンケート結果詳細は後半お伝えしますが、実は私、セイジもパワハラ上司が恫喝しまくるブラックな職場にいた経験があり過去に一度、それが原因で転職しています。
ブラック企業でココロやカラダを壊すくらいなら、転職を決意したほうがずっといいのですが、本当に悪質なブラック企業を辞めるときは一筋縄ではいかないことも多く、覚悟が必要です。
・いじめ・嫌がらせをエスカレートさせ精神的攻撃をしてくる
そんな人たちがブラック企業の手下にいます。
会社側はただこき使いたいだけ、上司や同僚らは劣等感や嫉妬心を昇華させたいだけですよね…。
ですね。またブラック企業を辞めたあと再び、ブラック企業を引き当ててしまう可能性もあります。
2020年版の更新にあたって5月、体験談を募集し、とある20代女性から5回も転職し、いずれもブラック企業を引き当てた体験談をいただきました。
あらら、在籍した6社ともブラック企業だったのですか!?
そのようです。長文で少し読み応えがあるのですが、かなり参考になると思いましたので、ご紹介いたします。
6社中3社に絞って、エピソードを寄せてくださったそうですよ…。
※以下、寄稿者及び登場する会社のプライバシーを考慮し、特定を避けるため敢えて一部、設定、文章も読みやすく変えています。何卒ご了承願います。
6つのブラック企業を転々とした体験談
ブラック企業はホワイト企業のぬいぐるみをかぶっている、そう思いました。
今回6社のなかでもかなり辛く、苦しい経験をした職場を3社ピックアップして、ご紹介いたします。
A保育園
保育士は薄給といわれがちですが、A保育園(公立ではない)副担任での手取り給与は10万円以下で、ボーナスはたったの8,000円でした。もう個人経営の保育園で働くのはコリゴリです。
面接は太陽光がやさしく差し込む部屋で、ほがらかな雰囲気で進みました。しかし採用され働き始めると、その印象とは真逆、過酷な現場が待ち受けていたのです。
給料は約15万円。そこから社会保険料天引き、おまけに後述の研修費用も差し引かれ、奨学金を返済すると手元には6万円(ひどいときは3.5万円)ほどしか残りませんでした。
「これでは生活が成り立たない」と園に相談したところ「ほかの先生方も同じ経験をしてきた」と謎の主張をされ、まったく聞き入れてもらえませんでした。また入職後の研修は強制
・参加
・費用徴収
でした。薄給なうえに費用を強制徴収され余裕はなく毎月カスカスでした。たまらず一度、研修担当主任に「生活に余裕がないため今月の研修は中断してほしい」と嘆願したことがありました。
しかし主任からは「お母さんにお金を出してもらえば?」という冷たい返事がきました。
その後「(私自身に)問題がある」と事実を捻じ曲げられて評価され、園(経営者)から私は副担任なのに受け持ちクラスへの立ち入りを禁じられたうえ、いつの間にか契約社員に区分変更されていました。正社員だったはずなのにです。
あらら、それはツラいですね…。
入職時の契約書がどうだったか見てみないと何ともいえませんが…。
一般的に正社員から契約社員に変更となるのは不利益なことです。法律上、使用者が勝手に労働者の同意なく契約内容を不利な方向に変更することはできないようになっていますから、これが事実なら争えたはずです(労働契約法第8条、第9条)。
でももうそんな保育園や経営者とは関わりたくなかったのかも…。
引き続き見ていきましょう…。
そして怒鳴られたり、うそつき呼ばわりされたり、保育士失格という宣告まで受け、そのうえ私だけではなく大好きな母の人格まで否定してきました。自尊心を傷つけるようなブラックな人たちなのになぜか当時の私は彼女らに「汚名返上し認めてもらおう」と必死でした。
他の先生たちからは温かく接していただきました(同情されていると百も承知でしたが、それでも当時の私には大変ありがたかったです)が、1年で退職しました。
B社
次は保育園を辞めたあと、営業職として転職した会社でのできごとです。いわゆる
・テレアポ営業
・飛び込み訪問
を行う女性が多い会社でノルマあり。インセンティブで高給を狙えました。しかしかなり精神をすり減らす職場でした。
また取扱商品の世間からの評価(風当たり)は想像以上に厳しく「しつこい!!」と電話をガチャンと切られる、その場で追い返されることもしばしば。いわゆるクレームが多い会社でした。
クレームを受けるたびに「このサービス要る?」「需要あるの?」と考え、思い悩むように。そんななか唯一の救いは社長、専務、同僚などがやさしかったことです。
しかしこのB社で、人生で絶対、無縁であってほしかった最悪な研修を、受けさせられることになります。
初日早朝、家を出て朝5時台発のバスに乗り、指定会場最寄り駅へ。そこからタクシーに乗り1時間。山奥にある研修会場に到着しました。
「ここまできたら自力で帰れない…」とぼんやり考えていると、研修講師3名が出迎えてくれました。他企業からの参加者も来ていてホッとしつつ、定刻にスタートします。
研修はグループワークメインと聞いていましたが最初は座学でした。座学が終わって担当講師から「これから実践に移る」と言い渡された瞬間、私は突然「お前、なにニヤニヤしてるんだっ?!」と別の講師から怒鳴られました。
「えっ、えっ? 私?」
もちろんニヤニヤなどしていませんし、座学に集中していました。私の背筋と心は一瞬で凍りつき、そこから次々と起こる想定外のできごと群に萎縮と困惑を繰り返すことになったのです。例えば「仕事とは~である」といった感じの文章をひたすら唱和させられ
「声が小さい!!!」
「もっと全力で気持ちをぶつけろ!!!」
などと罵声を浴びせられ続けました。また「我々が許すまで、ここから帰さない」と言われ、心は恐怖でいっぱいになり喉が潰れると思えるくらい、声を長いこと張り上げ続けました。
研修中は怒鳴られ続け、本当に怖くて終盤には人前で怯え、狂ったように泣き叫びました。
こんなやり方って、ちょっと問題では?
うーん、噂には聞いていましたけど。あまりにも非合理な研修で言葉が出ません…。
研修が終わり通常業務に戻ってからも私にとっては、地獄の再来が定期的に待ち受けていました。なぜなら忘れた頃にその研修講師らが会社に顔を出し、私たちの勤務態度をチェックしに来ていたからです。ときに睨まれ「また研修するか?」と凄まれることもあったのです。
やだ、部外者が公然と社内でパワハラ? 社長や専務は黙認していたの?
その可能性は十分ありますね…。
今だから言えるのですが、その研修は業務上、日常茶飯事のクレーム対応に慣れさせるため、なんとも思わなくさせるための“洗脳のようなもの”だったのでは? そう感じています。
C社
A保育園、B社を経験したのち、C社に入ります。いわゆるSES(システムエンジニアサービス)事業の会社でしたが、ここは本社・出向先ともにブラック企業でした。今思えば偽装請負だった可能性も感じています。
入社後1カ月は新入社員研修があり、その期間含め最初の3カ月間は仕事がなく、社会保険未加入、給料も出ませんでした。ブラックですよね…。
3カ月経って、ようやく出向先が決まりました。私はまったくの未経験者でしたがPHP、JavaScriptを改修する担当者になりました。
出向先もまたブラック企業で残業は当たり前、心当たりのない失敗(自分が書いた覚えのないコードのミス)で怒られてはやり直しを命じられ、チャットで暴言を吐かれる日々が続きました。
1カ月程度でプログラミング言語をなんとか習得できたと思っていましたが、どうやら出向先の求めるレベルに届かなかったらしく「なんであんな未経験者を採用したんだ!?」と職場で大きな問題となり「できもしない業務を引き受けるなんて」と責められ追い詰められました。
わずかな期間でしたがストレスで抜け毛が増え、不眠になり私は最終的にメンタルをやられうつ病を発症しました。
ありがとうございました!
こんなにうまいことブラック企業に当たってしまうものなのでしょうか…。
それだけブラック企業は多いのかもしれません。
転職活動でブラック企業を避けるいい方法って何かありませんか?
そうですね…。
・ブラック企業を見抜く
・人生の目的を決めること
が大切と私は思っています。体験談を読んで正直
を感じました。保育士→営業→エンジニアと業界・職種を大胆に変えていて、かなりムリのある転職をされてきた感じがします。
また研修費用は使用者と労働者どちらが負担すべきか(それは労働者だと)知っていれば、SESとはどのようなシステムになっているのか(自宅待機となるおそれ、その間の給与が満額発生しない可能性もあり)を調べていれば入社前に考え直して回避もできたはずです。
まあまあ^^ どの仕事にも臆せず果敢に挑戦してきたわけですから、私は彼女、えらいなと思いますけどね。
たしかに。そして大切なのは今後同じことを繰り返さないことです。次章、これからブラック企業を引き寄せないための3つの方法を詳しくご紹介していきます。
ブラック企業を引き寄せない3つの転職活動術
あくまでも私の持論ですが、ブラック企業を知る、見抜く、そして人生の目的を決めることで、ブラックな会社や職場を回避することができるはずです。
1.ブラック企業を知る
ブラック企業とは何かを知ることで、転職活動時、ブラック企業を回避できるはずです。
ねえセイジさん、ブラック企業を知るということですが、ブラック企業がどのようなことをやっているのかを調べればいいのでしょうか?
概ね合っています。
でもどうやって…。
そうですね。提示したほうがよさそうですね。
これまで転職、就職、労働、職場などをテーマにさまざまな記事を取り扱ってきた私が、自身の経験や聞いたこと、調べたことからブラック企業の悪行をピックアップしてみました。
・長時間労働
・残業代不支給
・年間休日法律上最低限
・いじめ・嫌がらせ(セクハラ・パワハラ・モラハラ)
・クラッシャー上司黙認
・ワンマン経営者
・法律を守らない
・昇給がまったくない
・自殺者が出た
残業代不支給なら証拠を揃えて、あとから時効に間に合うよう請求するだけですけどね。
年間休日、合法なら最低限でも問題なさそうですけど…。
たしかに。でもワーク・ライフ・バランスが叫ばれている今、なんとなく時代を逆行していると思いませんか?
なるほどです…。
法律を守らない会社とは具体的には、厚生労働省が公表している『労働基準関係法令違反に係る公表事案』に掲載されるようなことをしている会社です。
https://www.mhlw.go.jp/content/000534084.pdf
例えば
・資格のない者に要資格の業務をさせる
・安全策を講じずに危険な業務をさせる
などです。
そのような会社、本当にあるのですね…。
はい。残念ながら…。
守るべき法律は労働基準関係法だけではありません。憲法、民法、税法、建設業法など日本(国際業務も行っている会社なら各国)に存在するありとあらゆる法律を守るべきです。
人材は使い捨てと考えている企業は、従業員を大切にしません。もちろん仕事を教えることもしません。教育制度もありませんから会社も自分自身も成長を見込めません。
私はワンマン経営者がイヤかな…。
ところでこれら10の悪行、世間的に許せないのはどれなのでしょうか。そこでアンケートを実施し世間一般の考えはどうなっているのか検証することにしました。
アンケート概要
アンケート実施サイト:Lancers
アンケート実施期間:2020年6月1日
アンケート有効回答:100
質問内容
「許せないブラック企業の行いに最低1つ最大10でチェックを入れてください(複数選択可)」
アンケート結果(世間の声)
レベル1(34人) | ワンマン経営者 |
レベル2(37人) | 年間休日法律上最低限 |
レベル3(43人) | 昇給がまったくない |
レベル4(44人) | クラッシャー上司黙認 |
レベル5(62人) | 自殺者が出た |
レベル6(64人) | 長時間労働 |
レベル7(66人) | 人材を使い捨てと考えている |
レベル8(67人) | 法律を守らない |
レベル9(76人) | 残業代不支給 |
レベル10(84人) | いじめ・嫌がらせ(セクハラ・パワハラ・モラハラ) |
ワンマン経営者は100人中34人が許せない、自殺者が出たは100人中62人が許せない、法律を守らないは100人中67人が許せない、いじめ・嫌がらせ(セクハラ・パワハラ・モラハラ)は100人中最多の84人が許せないという結果となりました。
しかしながら大切なのは自分がどう思っているかです。自分が許せないブラック企業の悪行はどれか、紙などに書き記して可視化されてみてください。
はい。書き記しました。そこからどうするのです?
2.ブラック企業を見抜く
実は書き記した許せない悪行は、実際に入社しないとわからないことだらけなのです。
自分がされたら嫌と思えることがわかったのはよかったですけど、知るだけではいけないといいたかったのですか?
はい。知るだけでは足りず見抜こうと努力することも求められます。
体験談にも“ブラック企業はホワイト企業のぬいぐるみをかぶっている”とありましたがやはり、ブラック企業を入社前に何もせず見抜くのはほぼ困難でしょう。
えーっ、そんな…。
とはいえブラック企業もデータ、リアクション、スペースという3つの視点で、見抜けると考えます。
えっ? データ? リアクション?
詳細は関連記事でお伝えしていますので、こちらもご参照いただけますと幸いです。
関連記事見てきました(私も登場しているんですけどね^^)。こちらを読まれて今、働いている会社がブラック企業だったことに気づく方もいるのかなと。そう思いました。
そうですね。今の会社や職場が
・間違っている
・おかしい
・居心地が悪い
と感じるなら、十中八九ブラック企業である可能性が高いです。
また
・スキルが身につきそうにない
・生活にメリハリがない
・精神的・肉体的に限界が来ている
・楽しくない
なら長居は無用のような気がしますので、1日も早く転職を決意いただければと思います。
セイジさん、3つ目は人生の目的についてでしたよね。
「人生の目的って何よ?」と思われている方も多いでしょうから、次章で説明することにします。
3.人生の目的を決める
『転職とキャリアアップ』では2020年以降、就職活動、転職活動をされる前にこれまでマストだった自己分析、業界研究、会社研究のほかに『人生の目的』を決めてから挑まれることをオススメしています。
人生の目的は就職、転職系のYouTube動画で有名なUtsuさんが提唱している概念です。また『人生の目的論』という書籍も出版されていて、関連記事でもご紹介しています。
人生の目的を導き出すと7つのメリットがあるのですが、そのうちの2つが
・ライバルに差をつけられる
です。これが何を意味するかですが転職が有利になるということです。具体的には
・高給与、好条件、希望する仕事に就きやすくなる
・転職がなかなか決まらないという状況に陥ることは減る
ことにつながり、ブラック企業からしか内定をいただけない事態は回避、安易にブラック企業に飛びつかなくても済むようになるはずです。
ここまで読み進めて今、ブラック企業で働いている方は「転職活動をしなきゃ」と思ったかもしれません…。
そこで必要になるのがブラック企業に負けない転職活動術でしょう。
ブラック企業に負けない4つの転職活動術
早速ですが4つ、お伝えしていきます。ポイントはスルー、期限、モーレツ、退職です。
1.スルースキルを身に着ける
スルースキルはイヤなこと(特にいじめ・嫌がらせ)をされても右から左に受け流すこと、鈍感力ともいえます。またブラック上司やブラック同僚と同じ土俵に上がらない、真っ向勝負をしないことが重要なのです。
上司や同僚を上から見下ろす。実際に態度に表す必要はありませんが、そのような心持ちで過ごすようにします。
2.期限を決めて転職活動
オススメは3カ月と決めて転職活動を始めることです。「離脱するんだ」という思いでこれからの日々を過ごすと、心に支えができ、心は軽くなります。メンタルもやられにくく、会社内でも理不尽なできごとに動揺することは少なくなるはずです。
心ないハラスメントでお悩みなら、こちらもご参考ください
また転職エージェントを活用すると早く離脱できるかもしれません。
3.とにかくモーレツに働いてみる
ブラック上司やブラック同僚は常にターゲットを探し、元気がない、覇気がない姿を見て、攻撃をしても大丈夫(仕返しのおそれがない)という人にロックオンし、理不尽な攻撃を仕掛けてきます。
この際、ブラック企業にありがちな仕事自体が違法行為なら話は別なのですが、真っ当な仕事ならスイッチを入れ、モーレツ社員になって働いてみてはどうでしょう。
転職が決まったあと案外、辞めるのを惜しまれる、そんな結果になるかもしれません。
4.決まらなくても退職する
3カ月で転職先が決まればもちろん退職へ。モーレツに働いても会社も職場も相変わらずならメンタルをやられる前に、そのまま離脱しましょう。
相手がブラック企業でまともな会社ではないなら出勤をストップさせて、そのまま退職届を送り付けてもいいと考えます。自分からはアクションを起こしにくい、辞めにくい、そう考えるなら、退職代行サービスに依頼をしてもいいのです。
まとめ
体験談のようにムリのある転職活動をしてしまうとブラック企業の毒牙にかかってしまうおそれがあります。
ブラック企業を知ろう、見抜こう、人生の目的を決め転職活動に挑もうと決意すればきっと、ブラック企業を引き寄せずに済むはずです。
また今まさに在籍しているブラック企業から精神的、肉体的に押し潰されないようにするためにはスルースキルを身に着け、期限を定め転職活動、惜しまれて辞められるよう積極的に仕事をしてみるといいです。
そして転職先の有無にかかわらず最初に設定した期限が来たら、辞めます。辞めにくい場合は退職代行サービスに頼むといいでしょう。
次こそはホワイト企業に^^
ブラック企業に負けず、そして引き寄せない、何よりも自分に合った会社や職場に転職ができることを心より願っています!
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