転職先で前の会社の仕事のやり方・ルールを提案しても大丈夫なのか?NGなのか?

学生時代に多数のアルバイトや仕事を経験されている方や社会人になってから一回は転職をされた経験がおありの方であれば、会社の仕事のやり方、ルール(しきたり)って会社ごと、いえ、職場ごとに違うというのは既にわかりきっていることでしょう。

このように、転職サイトなどを通して新しい会社に入ると、覚えるべきことは、職場の場所、職場内の使い勝手、上司や先輩、同僚の顔や名前、仕事内容だけではありません。

それらと同じくらい仕事のやり方、ルールをインプットすることは重要なのです。

前の会社の仕事のやり方、ルールを転職先に提案するのはNG行為!

ステップアップを果たすつもりで転職した会社。もちろん、年収も上がったし、条件も申し分ない。ポストも用意してくれていた。

しかも、転職先(新しい会社)は、人間関係やコミュニケーション上、

  • 毎朝、掃除は全員がローテーションで行う
  • 年齢や立場にかかわらず、必ず「さん」づけで名前を呼び合う
  • 昼礼を行い、全員で定時退社できるように作業分担する

福利厚生関係では、

  • 毎月、書籍代のレシートを提出すれば経費として落とせる
  • 出張をしたときには昼食代は会社が全額負担してくれる
  • 残業代は1分単位でカウントされる
  • 仕事中でも飲食自由で、お腹が減っても喉が渇いても大丈夫

と、こんなにいいことだらけでした。しかし、実務上では…

  • 社内に行動予定表のホワイトボードがない
  • 業務進捗などの報連相や情報共有のフォーマットがない
  • 直属の上司が何人もいて命令系統が定まっていない
  • PDCAの体制がまったくなっておらず機能していない
  • 仕様書がわかりにくいものだった…

と最悪なルールのオンパレードという場合もあるのです。

自分にとって働きにくいルールに遭遇してしまうと、疑問を持ったり、戸惑ったり、家に帰って愚痴って批判をしてしまうこともあり、「前の会社のほうがよかった」と思うのも、いわゆる“転職あるある”だといえそうです。

 

PDCAも仕様書も前の会社のやり方のほうが性に合っていたし、まともだったな…

そうだ! 前の会社の仕事のやり方を今の会社のためにそのまま提案してみよう!

 

などと考えていませんか?

たとえば、管理職として部署の変革をと経営陣や人事部から使命を与えられての転職、新しいプロジェクト立ち上げのために、その業界の経験者もしくはスペシャリストとして中途採用をしていただいたのであれば、しっかりと提案を行わなければならないのかもしれませんが…

 

それ以外の方が転職して間もないうちから、そのような提案をするのは危険です。

いえ、あえて強く言わせていただきますが、絶対にやったらダメなことです!!

では、どうしてダメなのでしょうか? その理由についてお伝えします。

 

前の会社のルールを転職先で提案すべきではない3つの理由

1.人間関係に亀裂が入る

転職先で1日も早く仕事に慣れたい、みんなの役に立ちたいという気持ちから、何か功績をあげたいと考えるでしょう。その気持ちよくわかります。

そして、前の会社のやり方のほうがどう考えても効率的なので、会議で提案しようと決意します。

 

上司に「あの、このやり方では非効率です。前の会社はこうでした」と勇気をもって提案したところだとします。

 

ここから、どうなるのか想像されてみられてください。

あなたが提案したレベルの高い実務上のテクニックは称賛され、みんなが賛同し、会社の新ルールとして採用されました。

あなたは、その会社でヒーロー的存在となり、優秀な中途採用社員として認識され順風満帆な転職先での仕事人生がスタートしたと思われたでしょう。

 

しかし、実際はそうではありません。新ルールが採用された瞬間、ある人たちとの人間関係に大きな亀裂が入ることになります。

かつて、ルールをつくり上げ、提案し、これまで、これが効率的だと信じ、運用してきた人たちとの人間関係です。

その人たちは、まちがいなく自分たちの仕事のやり方や考えを根本から否定されたという受け取り方をするでしょう。

もし、その中にあなたの直属の上司やこれから一緒に重要な仕事を担っていく仲間がいたとしたら…

その先の展開は説明しなくてもわかりますよね。

 

また、Lancersに登録しているクラウドワーカー50名にアンケートを実施したところ、4名の方が転職してきた社員から言われてムカついたことについて、次のように回答をしています。

  1. 「前の会社は細かくて大変だったけど、ここの会社は適当でラクですね」
  2. 「戦力にならないから自分でもイヤになるでしょ」
  3. 「前の会社の社員は優秀だったけど、この会社は優秀な社員がいない」
  4. 上から目線で「以前の職場ではああだったこうだった」

少なくとも1と4は、仕事のやり方、ルールについて言及しているものだということがわかります。

そして、1~4、すべてに共通しているのが、もとより転職先で働いている人たちを否定する発言であるということです。

 

どういう理由であれ、自分たちのことを否定する人に、親近感や仲間意識を持つ奇特な人はまずいません。

前の会社のルールのほうがよかったと提案するということは、転職先の社員たちがこれまで正しいと思ってやってきた仕事のやり方を否定するのと同じことだということを頭の片隅に入れておかれてください。

 

2.どんなルールにも存在意義が必ずある

会社組織はもちろん、ビジネスを拡大しながら営利を追求していく集団です。

会社は社会の縮図です。会社のため、自分のためと日々、自己研鑽し労力を惜しまない方もいれば、プライベートや趣味を楽しみ「お給料の範囲だけの仕事をすればいいや」と考えている方もいます。とにかくいろいろなタイプの方がいらっしゃいます。

しかし、どのようなタイプであれ、会社が求める人材として、学歴など応募条件をクリアし、採用面接を突破し、会社で新人研修を受け、中堅社員となり、なかには管理職として部下を任されている人だっています。

 

何が言いたいのかといえば、ルールの多くは、優秀な人材によって考え抜かれてそこに存在しているということです。

優秀な人材がつくったルールですから、適当なものではなく、きちんとその存在意義があるのです。

もしかすると、あなたが提案しようとしている前の会社のルールは、かつて、転職先でも運用されていたものなのかもしれません。

 

もっとシンプルなほうがいいと結論付けられた、トラブルが生じたため廃止された、そして、今のルールに変更となり運用されているものなのかもしれないのです。

そうです。どんなに非効率でスマートではないルールでも、それが生まれた背景には何かしらのきっかけやできごとがあって、それを解決するためにルールとして採用され、以来、長いときを経て運用され、幾度となく話し合われ、変更や改善を重ねてきて、今のかたちになっているのかもしれないのです。

 

つまり、ルールには、それなりの理由と歴史があるのです。

それを、途中から、あとから入ってきた新参者の社員が、このルールは、どうのこうの言う姿は、上司や先輩社員たちの目にはどのように映るのでしょう…

 

3.ひととおり慣れないとそのよさや理由はわからない

転職して、1週間、1カ月、3カ月と日も浅いからこそ、前の会社のルールがまだ抜けきれておらず、体が覚えてしまっているため、転職先でも前の会社のルールに基づく所作が自然と出てしまったり今の職場でも同じやり方をと提案してみたくなったりするのもまた事実です。その気持ちもよくわかります。

もしかすると、転職先のルールにちょっとした違和感や「やりたくない」というささやかな抵抗心や拒否反応が出ていて、それを修正したくて、ただ提案したいだけなのかもしれません。

 

最悪な事例をここでお伝えしておきますけど、一番やってはいけないことは、上司や先輩から業務の指示を受け、何も聞かずに前の会社のやり方でやってしまうことです。そして、上司や先輩に対し「前の会社ではこうやっていました!」と悪びれず発言することです。

上司や先輩から指示を受けたら(わかっていても)あえてどのようにやるのかを聞きましょう。これで上司や先輩とひとつコミュニケーションがとれ距離が縮まります。

 

アスクルから送られてきた文房具を保管庫に配置するように指示された転職3日目の若手社員のAさん(総務部)、前の会社では、そのまま箱やパッケージごと直し込んでいました。

しかし、保管庫を開けてみたところ、ボールペンや消しゴムなど、すべてパッケージから出され、棚に無造作に置かれていたのです。そこで、Aさんは、文房具を大きさ順に並べ替えてキレイに積み重ねスペースを省略化して1番下の棚に空きスペースをつくり、そこに箱に入れたまま直し込みました。

 

しかし、Aさんは、指示を出した上司に作業完了報告をして保管庫を見せたときに、こっぴどく注意をされてしまいます。

  • 無造作に置いているのではなく注文時の品番順に並べられていた
  • パッケージから出していたのは、ほかの社員がパッケージを開ける手間を減らすため
  • パッケージから出しておけば残数が一目で把握でき発注漏れがなくなるから

と教えられたのです。

 

強く反省をしたAさんは、その後、備品発注担当者になったそうで、在庫確認をして発注する過程において最初は無造作に置かれていたように見えた保管庫の中が、いかに考え抜かれて配置されていたのかを痛感したそうです。

ルールが存在するその理由と経緯・歴史を知らずに「前の会社ではこのようにやっていました」といっても、上司や先輩社員から「何も知らない者が偉そうに語るな!」と内心、思われてしまうのが関の山です。

ヘタすると、同僚たちと仲良くなる前に問題社員として敬遠されてしまうことも十分あり得ます。転職先で仕事に慣れないうちから人間関係に亀裂を走らせてしまうことほど損な話はないのです。

 

ただ、既存の会社のルールが100%正しいものかといえば、そうではありません。本当に誰がつくったものかよくわからない、その理由や経緯、歴史について尋ねても誰もわからない、その管理運用方法も人によって違い、上司が「いいよ、いいよ、適当で。仕事が回りさえすればいいんだからさ」と発言するような場合も少なからずあります。

そのような場合でも、転職して仕事に慣れるまでは、いえ、慣れてからも前の会社のルールを引き合いに出してはいけないのです。

 

でも、前の会社のルールも、よく考え抜かれていたもので、転職先でも導入すれば、絶対、効率が上がって、みんながラクになると思うし、逆に感謝されると思うんです。

そのように考えておられる方、仕方ないですね…

そういった方のために、誰からも反感を買わずに、前の会社のルールを今の会社のルールとして採用してもらえるかもしれない手順を考えてみました。

 

転職先で円満に前の会社のルールを採用してもらう手順

①転職先のルールを徹底的に体で覚えて慣れてしまう

②上司や先輩、同僚と積極的にコミュニケーションをとって信頼関係を構築する

③たまには一緒に飲みに行って仕事・会社のルールについて意見を聞く

(自分が意見を言うときは、相手やルールへの批判や否定は絶対にしない)

④一生懸命働いていれば会社のルールについて議論をする場面に必ず出くわす

⑤そのときに「自分の発案として」こうしたほうがいいのでは? と提案します

④のタイミングを待つのにどれだけ時間がかかるのかといわれそうなのですが、そのタイミングを待っているうちに転職先のルールの存在意義がよくわかって、前の会社のルールなんてどうでもよくなるはずなのです。実はそれが狙いなのです。

つまり、④のタイミングが転職してから半年後なのか、1年後なのか、3年後なのかわかりませんが、そんなに時間が経っても忘れられないようなルールなら、きっと本当によい仕事のやり方なのでしょうから、そのタイミングが目の前に現れたら自分が発案者となって提案すればいいのです。

ただし、変えようとするルールの発案者がわかっていて、今も働いておられる方なのであれば、その方にまずは相談するのが礼儀だと思います。

 

まとめ:転職先で「前の会社」に功績を与える必要なんてないんです!

「前の会社では」という言葉は、せっかく新しい仲間として迎え入れてくれた会社や上司、先輩、同僚をムカつかせるNGワードで失礼な言葉なのです。

前の会社に不満があったか、未練がないから、うちに転職したのではないのか?

そんなに「前の会社では」というのだったら、前の会社に戻ればいいのに…

と思われるだけです。

 

自分の発案にしてしまえば「前の会社ではこのようにしていたんですけど」という前置きは使う必要がないんです。

はじめのほうで、転職先で1日も早く仕事に慣れたい、みんなの役に立ちたいという気持ちから、何か功績をあげたいと考え、前の会社での仕事のやり方を提案するんだと述べていたのですが、考えてみると、それは、自分の功績ではなく前の会社の功績になってしまいます。

だったら、なおさら「前の会社では」なんて、発言すべきではないのです。

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