ディップスは大胸筋下部、上腕三頭筋、三角筋前部といずれも上半身の中でも体積の大きな筋肉をメインターゲットとするトレーニング種目で、「上半身のスクワット」とも呼ばれている超有能種目です。
スクワットといえばキングオブフィットネスとも評されるほどメジャーなトレーニング種目です。しかし一方でディップスはというと知る人ぞ知る、というほどではないですが決してメジャーとは言い難いですね。
この記事では、非常に有用でトレーニング効果が高いながらも、マイナー種目に甘んじているディップスについて解説していきます。
正しくディップスを理解していただくために
・ディップスの効果
・確実に胸に効かせるためのフォームとコツ
・ディップスバーがない場合のディップス
などについて解説していきますよ。
この記事を読み込むことで、上半身の大きな筋肉を網羅的に鍛えられる「ディップス」をしっかり身につけられるはずです!
ディップスとは?
トレーニングにおけるディップスの位置づけ
ディップスは主に大胸筋下部、上腕三頭筋、三角筋前部をターゲットにした自重トレーニングです。
位置づけとして大胸筋種目としてメジャーなベンチプレスや、ダンベルフライ(内部リンク)などと比べるとマイナーで、特に初心者の方が大胸筋を鍛えよう!と考えた時に真っ先に思いつく、というような種目ではありません。
しかし一方で、中級者以上の方になると胸筋のメニューに入ってくる割合はぐっと上昇します。
初心者の方と中上級者の方で認知度に大きな差があるトレーニングだと言えるでしょう。
どんなトレーニングなの?
2本のバーに手をかけ体を支え、上げ下げするというシンプルな動作が基本になります。
体重をしっかり支えられる平行に並んだバーが2本あればウェイトも必要なく、ジムでなく公園でも自宅でもおこなうことができる、簡単なトレーニングながら強い刺激をターゲットに加えることができる種目ですね。
また、バーがない場合にはベンチなどでも代用することができ、負荷が大きすぎる場合には足で補助をすることもできるため、初心者の方でも実は取り入れやすいという特徴があります。
ターゲットとなる部位
・大胸筋下部
・上腕三頭筋
・三角筋前部
の3ヶ所が主なターゲット部位です。
それぞれの筋肉の起始と停止をしっかり把握し、収縮による動きを理解することでこれらどの部位にでも自重で強い刺激を与えることができますよ。
特に大胸筋下部に対して強いストレッチを与える動作は、ディップス以外のトレーニング種目では構造上難しい為、大胸筋のアウトラインをかたどる下部のトレーニングとしては欠かせない種目と言っても過言ではありません。
ディップスの効果
続いてこの章ではディップスに取り組むことで期待できる効果について見ていきましょう!
くっきりした大胸筋下部が手に入る
先述したとおりディップスは大胸筋下部をターゲットにしたトレーニングの中で、最大限ストレッチを加えることができる種目の一つです。
トレーニングにおいては基本的に起始と停止を最大限収縮、最大限伸展することが重要あり、これは後ほど大胸筋下部の解剖図を見ると直感的に理解できるはずですが、トレーニングの構造上大胸筋下部の筋肉を最大限ストレッチできるディップスは、大胸筋下部のトレーニングとして最適だと言えるでしょう。
大胸筋下部がしっかり鍛えられることでくっきりとした輪郭が手に入り、メリハリやボリューム感のある大胸筋が演出できます。
代謝アップが見込める
ディップスは上半身の前側についている筋肉の中でも体積の大きな、大胸筋下部、上腕三頭筋、三角筋前部を対象としたトレーニングです。
筋肉の体積ランキングTOP10
体積順位 | 筋肉名 |
1位 | 大腿四頭筋 |
2位 | 大殿筋 |
3位 | ハムストリングス |
4位 | 三角筋 |
5位 | 大胸筋 |
6位 | 上腕三頭筋 |
7位 | ヒラメ筋 |
8位 | 広背筋 |
9位 | 僧帽筋 |
10位 | 上腕二頭筋 |
いかがですか?
確かに下半身に位置するTOP3には及ばないものの、上半身だけに限定するとTOP3と言える筋肉を総合的に鍛えられる種目がディップスなのです。
こういった体積の大きな筋肉を鍛えることで、普段の生活に置いても消費される基礎代謝量の上昇が見込めるため、間接的なダイエット効果が期待できます。
体積の大きな筋肉を鍛えるというのは、車のエンジンを大きくしていくことと似ています。
軽自動車のように省エネの車に比べると、たとえ同じ距離を走ったとしても消費するガソリンの量が多くなりますよね。
これと同様のことが体でも起き、同じ運動量でも消費するエネルギー量が増えるわけですね。
ただ食べないだけのダイエットでもたしかに
消費エネルギー>摂取エネルギー
という図は成り立つので痩せていきますが、脂肪と一緒に筋肉も落ちていってしまい、基礎代謝が落ちていってしまうのです。
いざ食事量を戻した際に、筋肉が落ちたせいで以前よりも消費できるエネルギー量は減少しているためリバウンドが起きるわけですね。
筋肉をつけるだけでなく格好良い体づくりには現状とのギャップで減量も必要になる、という方もいらっしゃるでしょう。
そういった方はまず体積の大きな筋肉を攻めていく、というアプローチを覚えておくと良いかもしれませんね。
自重、省スペースで大きな負荷のトレーニングができる
ディップスは高負荷のトレーニングながら自重で、かつ省スペースでおこなうことができるトレーニングです。
ディップススタンドを家に購入すれば自宅でも取り組むことが可能で、手軽かつ網羅的で高負荷にできる上半身トレーニングという意味で非常におすすめです。
自宅でベンチプレスをある程度以上の負荷でやろうと考えた場合の必要なスペースや機材と比較すると、その手軽さは段違いですよ。
また、騒音が起きづらいのでマンション、アパートでもできるトレーニングという点も評価できます。
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ディップスの基本フォームとポイント
いよいよ具体的なディップスの基本フォームとポイントについて解説していきますね!
といってもそこまで複雑な動作はありません。
ポイントを抑えるだけでしっかり効いている感覚をつかめるはずですよ!
ここでは原則として大胸筋下部を狙う場合のディップスのフォームを解説しますので、上腕三頭筋を狙う場合には6章(記事内リンク)をご覧ください!
ディップス|スタートポジション
・肘を伸ばし体を浮かせる
ディップスは自重であり、ケーブルやスミスマシンのように力のベクトルを制限することはできません。
あくまで地面方向に対して重力によって引かれる力を利用しています。
このベクトルを変えることができないなら体の向きを変えるしかありませんね。
体を自然に浮かせた場合、地面に対して垂直に体が立ってしまうところですが、大胸筋を刺激するためにここでは少し前傾姿勢を保つことを意識しましょう。
直立した状態でディップスをしてしまうと、三角筋前部にストレッチが入ってしまい、うまく大胸筋に刺激を乗せることができません。
また、体を浮かした状態から少しだけクックッと腕を曲げ、大胸筋下部に負荷が乗っているか確かめてみましょう。
筋トレ全般に言えることですが、初動で負荷がかかっている部位がそのトレーニングを通して稼働されやすくなる傾向にあります。
このスタートポジションの段階でしっかりターゲットに負荷がかかっているかというのが、効かせたい筋肉にそのトレーニングでしっかり刺激をフォーカスできているかの一つの目安になりますよ。
ディップス|体を下ろす
スタートポジションからゆっくり体を下ろしていきます。
前傾を維持すること。そのために肩を前に持ってくるような感覚で体を下げることを意識すると良いでしょう。
また、動作中横から見た時に前腕が常に地面と垂直になっているかどうかが正しくディップスができているかの一つの目安になります。
地面に対して上半身が直立した状態では肘が後ろに下がり前腕が後継してしましますよ。
ディップスが大胸筋にうまく効かない、という方は自分のディップスを横から撮影し、チェックしてみてくださいね。
ディップス|スタートポジションに戻る
ここで重要なのは、胸を地面方向に締め上げるようにして体を持ち上げるような意識です。
トレーニングは狙った部位に負荷を入れるためのアプローチでしかありません。
ここで言うディップスであれば「体を持ち上げる」ことが目的ではなく、「大胸筋下部に刺激を与えること」が目的ですよね。
大胸筋に刺激を入れるのにたまたまディップスという形が適しているだけで、ディップスという競技にトライしているわけではないのです。
ここを曖昧にしてしまうとどのトレーニングもいまいちフォーカスしきず、なんとなく疲れただけのトレーニングになってしまいますよ。
体を浮かしておこなうディップスというトレーニングの構造上、どうしても上半身が揺れるようにブレてしまい、正しいフォームで連続してディップスをおこなうのが難しくなってしまいます。
大胸筋にしっかり効かせるためのコツと問題
前章で基本のフォームを解説しました。
ここではさらに大胸筋の構造から理解していただいた上で、更に一歩踏み込んだ解説をしていきますよ。
この章をしっかり抑えておくことでディップスの動作の意図やコツの意味が芯から理解できる様になるはずです!
大胸筋を構造から理解しよう!
大胸筋下部
停止:上腕骨
筋肉は「起始」に向かって「停止」を近づけるように収縮することで、その二点を動かすような構造になっています。
大胸筋下部で考えると、起始である胸骨の下付近及び腹筋の一部方向に上腕骨を引きつけるような動作をするための筋肉であるというわけですね。
停止が腕の骨についている、つまり腕を動かすための筋肉という点を意外に思われた方も多いかもしれませんね。
具体的にこのことを理解しているかどうかだけで、トレーニングの効果には大きな差が出ますよ!
大胸筋下部を鍛えるためには負荷をかけたまま起始、停止の2点を最大限離し、最大限近づけるといった動作が必要です。
大胸筋を鍛える種目に共通しますが、そのために重要なのは
・他の部位に邪魔させないこと
この2点です。
「肩甲骨を寄せる」というのは最大限胸を張るための工夫です。
また、ただ寄せるだけでなく下制することで肩へ負荷が逃げるのを抑え、大胸筋下部への刺激を最大効率化することができます。
何が邪魔をするか
なるほど、ディップスの動作は上の起始と停止を近づけ、離すという動作に付随しており、体重を使って負荷をかけ続けられるという点で非常に理にかなっている用に見えますね。
しかし、いざやってると思ったように大胸筋に効かすことができない場合があります。
最も多い原因は『大胸筋下部以外の筋肉が稼働される』という問題です。
特に大胸筋を使う感覚が身についていないトレーニング初心者の場合、どうしても普段よく使う上腕三頭筋や肩の前側が稼働されやすい傾向にあります。
もちろん上腕三頭筋を鍛える目的でおこなうディップスであればよいのですが、大胸筋を鍛えたくてやっているのに、上腕三頭筋にばかり負荷が逃げてしまうのでは問題ですよね。
フォーカスするか、ボリュームでせめるかという問題があります。
その種目において10という刺激があった場合、10を狙った部位に入れようというのがフォーカス。
対して、6しか狙った部位に入らず4は他の部位に刺激が流れてしまうとしても、トータル20の刺激扱えれば良いという考え方がボリューム重視ですね。
20×0.6=12
とフォーカスした場合より狙った部位にも刺激が入っているのだから良いよね。というわけですね。
この問題、実はどちらが良いと明確に断定できるものではありません。
特に狙った部位の神経が発達している場合、トータルボリュームを重視したとしても狙った部位にかかる刺激の割合を上げ、周辺部位を含めて効率よくトレーニングできる可能性も否定できないからです。
ただし、下手をすれば自分の得意な部位ばかりに効いてしまうというようなリスクもあります。
結局胸のトレーニングをしていても背中のトレーニングをしていても、得意な腕にしか効いていない。というような状況ですね。
つまり神経系の発達と技術、知識が不可欠なのです。
加えて高重量を扱うことによる怪我や故障のリスクも増加します。
故障をしてしまうとトレーニングを継続できなくなってしまったり制限されてしまったりしますよね。
トレーニングは穴の空いたバケツに水をため続ける作業に似ています。
抜ける水を上回るペースで水を入れなければ体は痩せていってしまうばかりです。
しかも一回のトレーニングで入れられる水の量には限界があり、それ以上入れても溢れてしまう。となれば継続が不可欠です。
筋肥大にとって最大のファクターである“継続”ができなくなってしまう故障は是が非でも避けるべきです。
以上の理由からフォーカス、つまり狙った部位に的確に刺激を集中させていくアプローチを継続していくことが最大の近道なのですね。
大胸筋下部以外の筋肉が主張する原因
大胸筋に刺激をフォーカスする邪魔をする他の部位の主張はなぜ起きるか、一通り見ていきましょう。
・筋力に対して体が重すぎる
・腕を伸ばすような感覚が先立っている
この3つがよくある原因です。
前傾姿勢が崩れてしまっている
前傾姿勢が崩れて体が直立した状態になってしまうと、初動から肩の前部がストレッチされ、そのまま三角筋優位のトレーニングになってしまいがちです。
トレーニングでは、初動で使われた部位がその種目を通して使われてしまいがちです。
前傾姿勢をスタートポジションからつくり、スタートポジションの段階ですでに大胸筋が張っている、刺激が感じられる状態を目指しましょう!
また、大胸筋がうまくストレッチされないことでディップスの恩恵を得ることができません。
大胸筋を狙う場合、前傾を維持することは基本中の基本ですので、対策というより、習慣化することで当然のようにできるようになりましょう!
筋力に対して体が重すぎる
次に自分の体重を大胸筋の筋力では扱いきれず、やむなく他の筋肉が稼働されてしまっているパターンですね。
これはどのトレーニングにおいても起きてしまいがちです。
例えば大胸筋のトレーニングを、腕が得意な方が今まで意図せず腕も使いながらやってきた重量と、純粋に大胸筋だけで扱える重量は驚くほど差があることがあります。
このギャップに耐えられず重量を下げられないでいつまでも得意な腕を使い、苦手な大胸筋は一向に良くならないわけです。
これではいけませんね!
ウェイトトレーニングであればただ重量を落とすという解決策で済みますが、ディップスは自重のため、急に体重を落とすわけにはいきません。
解決策として足で補助する方法と、6章で紹介するベンチディップスから入る方法がおすすめです。
本来ディップスは足を浮かして体重を支えておこなうものですが、足をついて補助することで負荷を微調整することができます。
また、ベンチディップスは足が浮いておらず必然的に負荷は体重よりも低くなるため、ディップスが筋力的に難しいという方にはおすすめの種目です。
腕を伸ばすような感覚が先立っている
トレーニングにおいて起始と停止を近づけ、離す意識というのは共通する基本です。
腕を伸ばすような意識でディップスをおこなうと、ただでさえ稼働されやすい上腕三頭筋を使おうとしている。というような状態になり大胸筋からは負荷が逃げてしまいますね。
ディップスにおいても傍目には体をただ持ち上げているというような動作に見えますが、より的確に大胸筋に効かせるためには、上の写真のように上腕骨(停止)を胸骨下部、腹筋(起始)の方向にひきつけた結果体が持ち上がる。という意識が最適なのです。
対して腕を伸ばすという意識は上腕三頭筋を収縮する意識です。
同じような動作に見えても意識次第で全くトレーニングの内容は異なってしまいます。
また、どうしても狙っていない部位に効いてしまう場合には逆療法的に効いてしまう部位に刺激をフォーカスするにはどうすればよいのかを試し、その逆をいくといった工夫も多くのトレーニングに通用するアプローチです。
上腕三頭筋に効かせる場合のディップス
ということで今度は逆に上腕三頭筋をターゲットにしたディップスを見ていきましょう。
上腕三頭筋は腕についている筋肉の中で最も体積が大きく、太い腕を作るためには欠かせない筋肉です。
こちらもまずは構造を確認した上で具体的な方法論を追っていきましょう!
上腕三頭筋の解剖図
停止:前腕(尺骨)の後面肘側
作用:肘関節の伸展
上腕三頭筋は上の画像の通り肩甲骨と上腕の上端付近から肘の骨をまたいで尺骨後面に走っています。
筋肉は起始に向かって停止が近づくように収縮するのでしたね。
上腕三頭筋の場合は
このように、前腕についている停止が肩方向に近づこうとすることで肘関節が伸展するような動きをする筋肉です。
曲がっている腕を伸ばすような動きです。
この作用はディップスでも活かせそうですね!
上腕三頭筋を鍛えるディップス
大胸筋をターゲットとしたディップスとの違いは当然ですが、大胸筋の収縮ではなく上腕三頭筋の収縮によって体を持ち上げることです。
そのため、先程良くないとした
・直立でディップスをおこなう
といった要素が上腕三頭筋を鍛えるディップスにおいては正解となります。
繰り返しになりますが、大胸筋を鍛えるディップスと上腕三頭筋を鍛えるディップスで内部的に何が起きているか考えてみましょう。
大胸筋をターゲットにする場合には、上腕をみぞおち辺りに引きつけるような動作の過程で体を持ち上げているのに対して、上腕三頭筋をターゲットにする場合、腕の曲げ伸ばしによって体を持ち上げています。
肘の角度の変化に大きな違いがあるはずです。
また、上腕三頭筋への刺激を狙う場合、前腕も垂直である必要はありません。
このように一見同じ種目でも全く違うことをやっている場合があるのがトレーニングなのでしたね。
意図せずそうなってしまうのは失敗ですが、意図して使い分けられるならトレーニングの幅は大きく広がりますよ!
ちなみにディップスは三角筋前部もターゲットに含まれていますが、三角筋前部を鍛えるために選択する種目としてはあまりおすすめできません。
更に優秀な種目が他にもありますし、三角筋前部に対してかける負荷としてはほとんどの人の場合大きすぎると思われるのです。
動きの中でどうしても負荷が肩にもかかってしまう。というだけであって、可能な限り三角筋前部への負荷は抑え、刺激を狙った部位に集中させるトレーニングがベストでしょう。
ディップスバーがない場合
ここまでディップスについて解説してきましたが、肝心のディップスバーがジムにない。という方も当然いらっしゃいますよね。
また、自宅にディップスバーがないけどやってみたい。
買うにしてもまずはトレーニング効果を試してからにしたい。
というのが本音ではないでしょうか?
ご安心ください!
ディップスバーが無い場合でもベンチさえあればディップスの代用ができる種目「ベンチディップス」で大胸筋下部を鍛える方法をご紹介します!
ベンチディップス|スタートポジション
・足と肘を伸ばし体を支える
必ず安定した土台を使用するように注意してください。
不安定な椅子などを使用してしまうと怪我の危険があり、オールアウトするまでトレーニングに集中するのが難しくなってしまいます。
通常のディップスと違い、足を前に投げ出した姿勢でおこなうので、前傾姿勢が取りづらく、上腕三頭筋に負荷が逃げやすい種目です。
そのため大胸筋に効かせたい場合は、肩甲骨を寄せてしっかり胸を張ることをより強く意識する必要がありますよ。
また、足をついているので負荷も通常のディップスより小さくなります。
ディップスが負荷が大きすぎて刺激が狙った部位以外に逃げてしまう、という問題を抱えている方にはもってこいですが、負荷が足りないという方の場合は
・足の位置を高くする
といった工夫によって負荷を増すことができるので覚えておいてくださいね。
ベンチディップス|体を下ろす
ぐっと胸を突き出すような意識で体を下ろします。
ここまでしっかり読んでいただいた方にはもうおわかりかと思いますが、腕を曲げていくのではなく、体重を支えながら大胸筋がストレッチされていく感覚がここでは必要ですよ。
通常のディップスと同様に肘が後ろに下がってしまうのを避け、横から見た時に前腕が地面と垂直になることを目指しましょう。
ベンチ ディップス|スタートポジションに戻る
大胸筋を絞るようにして体を持ち上げます。
ここでも腕を伸ばすことで体を持ち上げるのではなく、あくまで大胸筋の収縮によって体が”持ち上がる”という感覚を忘れないでください。
また、胸を張ったまま可能な限り最大限の絞り込みを毎回おこなうことで、大胸筋への刺激は最大限になりますよ!
まとめ
ディップスの記事はいかがでしたか?
最もと言っても良いほど著者の好きな種目であり、今回引っ越しに伴い、ジムを変更せざるを得ない中でディップススタンドがあるジムを探して契約したほど、個人的には重要度の高い種目です。
自重が上がらないほど疲れてしまってもマットに荷重することで補助をしてもらえるという優れもので胸の日、腕の日でなくても使ってしまうほど気に入っています(笑)
余談でしたね。最後にディップスのポイントを再度おさらいしましょう。
大胸筋を狙う場合
・ 前腕を垂直に保つ
・ 前傾姿勢を保つ
・上腕三頭筋、三角筋前部の稼働を抑える
上腕三頭筋を狙う場合
・直立でディップスをおこなう
・大胸筋の稼働を抑える為胸を張らない
高負荷ながら省スペースでおこなえ、自重トレのため安全性も高い。
同じ種目でありながら意識と姿勢を変えるだけで全く別の部位に有効なので、しっかりやり込むことでディップス単体ではなく、筋トレ全般に共通する重要な感覚が身につけられるので、初心者の方にこそ是非オススメしたい種目です!
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