胸を分厚く!自宅でできる腕立て伏せのコツや種類について徹底解説!

筋トレ

「腕立て伏せ」といえばトレーニングを好む好まざるに関わらず一度は耳にしたことのある超メジャー種目です。

「こんな記事読まなくてもできるよ。」

ちょっとお待ち下さい!
腕立て伏せがどの部位に向けた種目か正確に理解していますか?
そのためにどのような基本を抑えるべきか挙げられますか?

腕立て伏せは自宅でも省スペースでできる自重トレーニングであり、かつしっかりコツを抑えればこの種目だけで効果が出る非常に有力な種目です。

また、腕立て伏せで大胸筋に効かせる感覚を掴めば、他の種目にも応用できる胸の種目の超基本です!

記事中で正しく腕立て伏せを理解し、しっかり成果を出していくために

  • 腕立て伏せの効果
  • 大胸筋の構造と効かせるためのコツ
  • 腕立て伏せの多様な種類

などについて解説していきます。

既に理解しているという方も胸に効かせるのが苦手という方も、おさらいも兼ねてぜひこの記事に一通り目を通してみてください!
あなたのトレーニングライフを加速させるヒントが詰まっているはずですよ!

 

 腕立て伏せ概要

まず本題に入る前に、今一度腕立て伏せとはどのような種目なのかおさらいしていきましょう。

どんな種目なの?


「プッシュアップ」とも呼ばれるこの種目。
ご存じの方がほとんどですよね。
地面に手をついて押すようにして身体を持ち上げることで、主に大胸筋を鍛える種目です。

学生時代の部活動や思い立ってチャレンジしてみた。という方も多いかもしれませんね!

残念ながらイマイチ効果は出ませんでしたが、筆者も過去に自宅で身体を鍛えたいと考えて、3ヶ月ほど毎日100回というノルマをこなしていた時期がありました。

なぜこの時効果が出なかったのか、についても現在はしっかりわかっています。多くの方が犯してしまいがちな失敗だと思いますので、当時の自分にアドバイスするつもりで後ほど解説していきますね!

トレーニングにおける腕立て伏せの位置づけ

皆さんご存知の通り超メジャーな種目です。
「腕立て伏せ」「腹筋」「懸垂」と自宅や公園で取り組んだことがあるという方も多いはずです。

過去にネットで話題になったニュースで、素晴らしい肉体の囚人が出てきます。

刑務所にベンチプレスなどはなく、自重で作り上げた肉体としては素晴らしいバランスですよね!

私はこれを見て、自宅でもこれだけの肉体を作り上げることができるんだ、という証明をしてくれているように感じます。
この大胸筋はおそらく本記事のテーマである「腕立て伏せ」によって作り上げられたものでしょう。

しっかりコツを抑えて継続すれば、「腕立て伏せ」だけでもこれだけの大胸筋をつくることができるのですね!

メインターゲットとなる部位

大胸筋

上腕三頭筋

上記が主なターゲット部位です。

特にメインのターゲットとなるのは「大胸筋」、工夫次第で「上腕三頭筋」優位のトレーニングにすることも可能です。

大胸筋は分厚い胸板を形成し、上腕三頭筋は腕の裏側から太い腕を形成するのにそれぞれ役立っています。

上腕三頭筋上腕全体の筋肉の約6割〜程度の体積を持つと言われ、私生活ではあまり使わない為目に見えて成長しやすい筋肉です。

実はアームカールで上腕二頭筋を鍛えるよりも、上腕三頭筋を鍛えた方がてっとり早く腕を太くすることができるのです!

 

腕立て伏せの効果

腕立て伏せをおこなうことで期待できる大きな効果は以下の4つです。

  • 胸を鍛えて身体を分厚く見せる
  • 大胸筋系種目全てに共通する基本と感覚が掴める
  • フリーウェイト後の追い込みに最適
  • 自宅でもできる大胸筋ターゲットの種目

それぞれ詳しく見ていきましょう。

胸を鍛えて身体を分厚く見せる

これは大胸筋の筋肥大によって期待できる効果です。

特に夏場外へ出かける時やYシャツ一枚で仕事をする時など薄着で出かけるような局面で、分厚い胸板は男女問わず多くの目線を集めること間違いなしです!

また、スーツ姿というのも最近は日本人の体型に合わせたものが増えましたが、本来は洋服ですので大胸筋を鍛えることでかっこよく着こなせ、“決まった”スーツ姿が演出できることでしょう。

大胸筋系種目全てに共通する基本と感覚が掴める

「大胸筋を鍛える種目が苦手だ」
「胸をトレーニングする感覚が掴めない。」

というような悩みは、トレーニング初心者の方が最も抱いてしまいがちな問題かもしれません。

私も大胸筋で押すという感覚が掴めず腕ばかり太くなってしまい悩みました。

しかしこれはある種、仕方ないことなのです。
なぜなら普段生活していてよく使う腕の筋肉と比べて、胸の筋肉を使う場面というのはほとんどないからです。

ところがいざトレーニングの時だけ、大胸筋だけにフォーカスして進めたいと考えてしまうのですね。これは当然ほとんどの人ができません。

悩む必要はないのです。トレーニング初心者が大胸筋を意識して動かせないのはむしろ当然のこと、と割り切って良いのです。

問題はその先です。つまり、「どうすれば大胸筋をうまく使えるようになるか。」を考えなければなりませんね。

この問題の解決策の一つが「腕立て伏せ」なのです。

具体的な方法論についてはこの後順を追って一つずつ解説していきますね!

フリーウェイト後の追い込みに最適

既に大胸筋の種目をダンベルベンチプレスなどのフリーウェイトでおこなっているという方には、最終種目としてパンプアップを目的とした追い込み種目に腕立て伏せがおすすめです。

これは、腕立て伏せという種目が「負荷が軽く調整しやすい。」「潰れてしまっても安全」というように大胸筋の追い込み種目に適しているからです。

トレーニングは

  • 「物理的で直接的な刺激(重量による刺激)」
  • 「科学的で間接的な刺激(パンプアップ目的)」

の2つに分け、この種目はどちらの刺激を目的としているかを意識しながら進めると、スムーズに筋肥大に向かうことができます。

ここでは、

  • 「物理的で直接的な刺激」→ベンチプレス(リンク)、ダンベルフライなど
  • 「科学的で間接的な刺激」→腕立て伏せ、ケーブルクロスオーバー(リンク)など

に振り分けられますね。

自宅でもできる大胸筋ターゲットの種目

自宅でできる大胸筋の種目であることも重要な要素です。
実は大胸筋をターゲットにした種目で、自宅でかつ自重でできるものというのはほとんどなく、椅子や専用の器具を利用した「ディップス」「腕立て伏せ」に概ね絞られます。

もちろん自宅でもベンチ、ダンベル、バーベルなど器具が揃っているという方は別ですが、そうでないほとんどの方にとっては自宅で、省スペースで手軽に始められる腕立て伏せは貴重な種目と言えるでしょう。

どんな人にオススメ?

以上を踏まえて腕立て伏せが特にオススメな方を以下にピックアップしました。

  • 胸の種目が苦手
  • 自宅で胸のトレーニングをはじめたい
  • 大胸筋メニューの追い込み役がほしい
特に上のような方は腕立て伏せがオススメですよ!

これから具体的に説明していくので、しっかり読み込んで身につけていってくださいね。

 

ターゲットとなる筋肉の構造

具体的な動作の説明の前に、筋肉の構造について解剖図を見ながら理解しておくことでその先の理解が格段にしやすくなります。

ここでは細かい名前などは流し読みで構いませんので、筋肉がここからここにつながっていて、こんな動きをするんだな、という風にアバウトな理解で大丈夫ですよ!

大胸筋

起始:鎖骨、胸骨、腹筋の一部の三方向
停止:上腕骨外側
作用:腕を起始方向に動かす、腕を内側に捻る

筋肉というのは伸び縮みしかできません。
そしてその筋肉が「骨のどの部分に付着しているか」によって動き(作用)が決まっています。

解剖学において、この付着部分をそれぞれ体幹に近い付着部を「起始」、体幹から遠い付着部を「停止」と表現します。

筋肉が縮むことで「起始」に向かって「停止」が引きつけられることによって「作用」が起きると言うことですね。

つまり、起始停止の位置を知識として把握していれば、おのずとどのような動きをするための筋肉かがわかり、正しい鍛え方も導き出されます。

もう一度大胸筋の解剖図をここで見てみましょう

起始である三方向に向かって大胸筋が収縮することで、停止の付着している上腕骨が起始方向、つまり体幹部に向かって引きつけられるような動きをする、というのが大胸筋の主な働きであることがわかりますね。

大胸筋を鍛えたい、と考えた場合はこの働きに添った動作をしながら負荷をかけてやることで、この動作をより強くスムーズにおこなうために筋肉が強化、肥大されるわけです。

停止が上腕骨の外側についていることで、腕を内側に捻ることも可能になっています。

上腕三頭筋

起始:肩甲骨、上腕骨後ろ側
停止:前腕(尺骨)後ろ側 肘側
作用:肘関節の伸展

上腕三頭筋は、肩甲骨と上腕骨の後ろ側から前腕に向けて走っている筋肉です。

筋肉は収縮しないのに肘関節を伸ばすというのはどうしてだろう?と思った方もいらっしゃるかもしれません。
これは先程と同じ理屈で考えてみましょう。

上腕三頭筋は画像のように主に上腕骨の後ろ側についている筋肉です。
この筋肉が縮むことで肘関節の伸展がおこなわれるわけです。

つまり、肘を伸ばすという動作は上腕二頭筋が「伸びる働き」を利用したものではなく、あくまで上腕三頭筋が「縮む働き」を利用したものなのですね。

これは考えてみれば当然のことですが、トレーニングを始めたてでそんなことを考えたことがなかった私にとっては驚きの発見でした。

例えば腕を大の字に広げる動作は大胸筋だけに注目すると、伸ばされている動作ですが、実際には拮抗筋の背中の筋肉(広背筋、僧帽筋など)が働いた結果なのですね。

このように筋肉は縮む方向に働くという原則を理解して、その筋肉がどこに付着しているかを理解していれば、腕立て伏せに限らず、それ以外のトレーニングに取り組む上でも “ツボ”を抑えたトレーニングができますよ!

尚、三角筋前部に関してもプッシュアップでは負荷が少なからずかかりますが、あくまでかかってしまうだけでターゲットとは考えないのでここでは割愛します。

「胸ではなく腕に効いてしまう」何が起きている?

この2つの解剖図を見比べて頂いた上で、「胸に効かせたいのに腕に効いてしまう」という時、内部的にどんなことが起きてしまっているかここで説明します。

胸に効かせる→上腕骨を大胸筋の収縮によって体幹方向に引きつける
腕に効かせる→上腕三頭筋の収縮によって肘関節の伸展をする

本来大胸筋に効かせたい動作において、肘関節の伸展というのは必要ありません。
大胸筋には「肘関節の伸展」という作用はありませんね。

ところが、実際には腕立て伏せでもベンチプレスでも肘関節の伸展が伴ってしまいます。
これは、持ち手を移動することができないことで便宜上発生しているものです。

あくまで胸を鍛えるなら、そのトレーニングは上腕骨を起始方向に引きつける動作のはず。これが理解できていれば大きな問題は起きません。

しかし取り組むトレーニングの本来の意図を理解できていないと、
腕立て伏せ→身体を上に挙げる
ベンチプレス→バーを持ち上げる
というように動作そのものに注意がいってしまいがちです。

ここで問題が発生してしまいます!

上腕三頭筋の収縮による肘関節の伸展でも、同じような動作ができてしまうのです。

つまり胸ではなく腕に効いてしまう時、大胸筋の収縮ではなく上腕三頭筋の収縮による肘関節の伸展が起きてしまっているというのがここでの結論です。

頭ではわかっていてもどうしても腕に効いてしまう。という方もご安心下さい。具体的な対策についてこれから解説していきますね!

 

腕立て伏せの基本フォームとポイント(腕ではなく胸に効かせる)

腕立て伏せにも多くの種類があります。
先程もターゲットに大胸筋だけでなく上腕三頭筋も、挙げた通りやり方によってターゲットとする筋肉も変化します。

ここでは基本のフォームとして、大胸筋をターゲットとした基本の腕立て伏せについて解説していきますね。

その他のバリエーションについても後ほど解説していきますよ。

どうすれば腕でなく胸に的確に効かせられるか。そのヒントもここに盛り込んでいきますので、要注目ですよ!

腕立て伏せ|スタートポジション

  • うつ伏せで手を地面につく
  • 膝を持ち上げ身体を浮かせる

スタートポジションで意識するべき重要なポイントは

  • 掌を身体に対してどの位置に置くか
  • 身体を一直線に保つ

この2点です。

掌を身体に対してどの位置に置くか

腕立て伏せという種目は掌を置く位置によって大きく効果が異なります。
後ほど解説する腕立て伏せのバリエーションについても、ほとんどがこの掌の位置調整によるものです。

この章は最も基本的な腕立て伏せの解説ですので、ターゲットは大胸筋の中部です。

大胸筋中部をターゲットとする場合、掌の位置は掌底部分が肩のラインの直下になるようにして下さい。

手を置く位置は上下だけではなく左右の位置関係、つまり手幅も重要です。
手幅は肩幅の1.5倍を目安に広げましょう。

これで上半身の設定は完了です!

身体を一直線に保つ

頭の先から爪先にかけて全身を一直線に保ちましょう。

上の2枚の写真を見て下さい。

極端な例ですが身体が一直線を保てていないことで、負荷をかけながら動ける範囲(可動域)が減少してしまうということが理解していただけると思います。
これではトレーニングの効果は半減どころか、可動域が狭くなることで大胸筋にストレッチをうまくかけることができず、負荷を逃してしまうという結果を招いてしまいます。

大胸筋にストレッチをかけ、的確に効かせるために腕立て伏せ中は常に身体を一直線に保つことを意識しましょう!

腕立て伏せ|身体を落とす

  • 肘を曲げ身体を落としていく
肘を曲げ身体を地面に向けて落としていきましょう。
脱力して自由落下のように落としてしまってはもったいないですよ!
負荷がかかった状態で大胸筋が伸ばされていくのを感じながら、身体を落としていきましょう。

肩甲骨を寄せて下制する

これは大胸筋に効かせる為に最も重要なテクニックの一つです。既にベンチプレスの記事やチェストプレスの記事を読んでくださった方にはくどいかもしれませんが、今一度確認していって下さい。

 

ここが大胸筋に効かせる“肝”ですよ!

有効なトレーニングをするために重要なのは「起始」「停止」を把握した上で、対象の筋肉のもつ「作用」の中で動作を進めることである。と先ほどご説明しました。

上の文を読んだだけで勘の良い方であればピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。
しかし。この一文だけでモノにできるのであれば苦労はありませんね。

私自身もやはり、頭ではわかっていても体現できない。という時期がありました。

そこで打開策になった先の文章の“先”についてここで解説します。

それは「起始と停止をなるべく離す(ストレッチ)、なるべく近づける(収縮)これを繰り返すこと」です。

打開策という割に意外とシンプルでがっかりしましたか?
しかし本当に重要なのはこれだけなのです。

余談ですが、以上を踏まえて新しいトレーニングに挑戦する時に私がしているルーティンは以下のとおりです。

ターゲットとする筋肉の起始と停止を確認する

ウェイトを持たず、起始停止が最も近づくポジション、最も離れるポジションを、身体を動かしながら確認する

極端な低重量、高回数でまず実践し、実際に狙った部位に負荷がかかるかを確認

本番セット

話が少し脱線してしまいました。

さて、大胸筋の解剖図を今一度確認しましょう。

今回は特に大胸筋の中部をターゲットとしているので、上腕骨の外側から矢印で指し示した部分にかけて最大限離すにはどうすべきかという課題ですね。

ここで、肩甲骨が最大限開いた状態つまり猫背のような姿勢であった場合
逆に肩甲骨をしっかり寄せて下に保った状態
どちらが起始と停止が離れているでしょうか。

明らかに肩甲骨を寄せ下制し、胸を張ったような状態の方ですね!
この姿勢が腕立て伏せで身体を落としきった状態と一致するのが理想的です。

肘の位置

もう一点ここでチェックしておきたいのが肘のポジションについてです。

これを読んでいる今、近くに壁があるという方は試しに両手を壁に付き、体重を預けて立ったまま腕立て伏せをしてみましょう
その際に肘を開いてみたり(肘、脇、身体の関係の角度が90度)逆に閉じたり(肘、脇、身体の関係の角度が15度)してみて下さい。
肘の位置が変わるだけで随分負荷がかかる位置が変わることが体感して頂けたのではないでしょうか?

大胸筋を狙う場合は、肘の開き具合(肘、脇、身体の関係の角度)45度前後になるように心がけると良いでしょう。

これ以上開くと徐々に肩が上がってしまい、負荷は三角筋前部に、逆に閉じると大胸筋に負荷をかけづらく、上腕三頭筋に負荷が逃げてしまいますよ。

分かりづらい場合は「前腕が地面に対して垂直を保つ。」と意識すると正しい肘の角度になります。

腕立て伏せ|身体を持ち上げる

  • 一気にスタートポジションに戻る

【ポイント】
身体を落とす動作では大胸筋に負荷をかけながら動作を進める必要がある為、比較的ゆっくりな動作になりました。

・身体を持ち上げ、スタートポジションに戻る際の動作は行きしなとは打って変わって大胸筋を使って一気に力を爆発させましょう!
・ここでは素早く、力強くなるべく大きな力を発揮して身体を持ち上げることで、大胸筋に強い刺激を与えることが目的です。

同じ重量であっても動作のスピードを変えることで負荷は変化します。
ゆっくりとした動作の方が大きな負荷がいる。と勘違いされていることもありますが、実際は逆で、同じ重量ならば早く動かすほど大きな負荷がかかるのです。

大胸筋から負荷を逃さないために、肩甲骨を寄せて下制したまま保つことも忘れてはいけませんよ!

一見肩甲骨が開き、肩が前に出た左の画像のほうが起始と停止が近づいているのでは?と感じますが、
実際には、胸を張ったままの右の画像が最も負荷をかけたまま大胸筋が収縮されています。

大胸筋の起始と停止が離れ、ストレッチされているところから起始と停止が近づき、最大限収縮されているこのポジションに向かって思い切り身体を持ち上げましょう!

 

腕立て伏せの種類

腕立て伏せには基本の腕立て伏せ以外にも「大胸筋上部に効かせたい」「上腕三頭筋を太くしたい」など目的によって多くのバリエーションをもたせることができます

いくつかその種類となぜそうなるか?という理屈についてここでは説明していきますよ。
ここまでの内容をよく理解した上で読み進めることでスイスイ頭に入る内容のはずです!

負荷を減らす腕立て伏せ

  • 膝をついておこなう

【ポイント】
基本の腕立て伏せを正しいフォームでおこなうと、思っていたよりも難易度が高いトレーニングであることに気づきます。

目標とする回数に到達できないという方も多くいらっしゃるかもしれませんね。
ここで回数をこなすことを優先して、いい加減な腕立て伏せをしてしまっては本末転倒です。
ウェイトを扱うトレーニングであればウェイトを落とせば済む話ですが、自重でおこなう腕立て伏せではそう簡単にはいきませんよね。

この問題の解決策が、膝をついておこなう腕立て伏せです。

基本はスタンダードな腕立て伏せと全く変わりませんよ!

また、万全であればスタンダードな腕立て伏せができる方でも、最終メニューとなると話は変わります。既にしっかり追い込んでいれば、もう一回もあがらないというような状態になっているかもしれませんね。
そういった場面でもこの膝つき腕立て伏せは非常に有用ですよ!

大胸筋上部優位の腕立て伏せ

  • 足の位置を高くする
通称「デクラインプッシュアップ」とも呼ばれるのがこの種目です。
足元を高くすることで負荷が大胸筋上部にかかりやすくなります。

大胸筋上部をターゲットとする場合、起始は鎖骨部分となります。

起始と停止が最も離れたポジションをつくるためには、斜め下に上腕骨を引くような動作が必要ですね。

逆に最も起始と停止が近づいたポジションでは、基本よりも斜め上方向に力のベクトルが向かうはずです。

足元を高くすることで地面と身体の角度を変わります。
こうすることで斜め下→斜め上という力のベクトルになり、大胸筋上部に負荷がかかりやすくなるわけです。

注意点として、ここでは特に頭の先からかかとまでのラインを一直線に保つことを意識して下さい。せっかく足を高い位置にしても腰元が下がってしまっては地面と身体との実質の角度は変わりませんよ。

大胸筋下部優位の腕立て伏せ

大胸筋下部は鍛えることで腹筋との分け目をはっきりさせ、大胸筋の存在感を主張するのに重要です。

これに関しては、上部を鍛えるケースの真逆なのでほとんどの方がおわかりでしょう。

ストレッチ→斜め上方向
収縮→斜め下方向

というような力のベクトルが必要ですね。

・手元に台などを置いて高くする
・この種目でもしっかり胸を張ることを忘れないようにしてください。
・手元を高くすると肘、脇、身体の角度が狭くなってしまいがちです。これは後ほど説明する上腕三頭筋のトレーニングになってしまいます。
肘の角度も基本通り45度を目安にしておこなってくださいね。

大胸筋内側優位の腕立て伏せ

  • 手幅を狭くする

【ポイント】
肩幅よりも手の位置が内側に入るよう、手幅を狭くすることで大胸筋の内側を優位に鍛えることが可能です。

これは、力のベクトルをより内側方向に向けること、基本の形より大胸筋が更に収縮したポジションを取れることという狙いがあります。

この種目をおこなうにあたって重要なポイントが2点あります。

  • 肩甲骨を寄せて下制する
  • 肘、脇、身体の角度を狭くしない

手幅が狭くなるとどうしても肩が前に出てしまいがちです。
しかし、これでは大胸筋から負荷が逃げてしまい、最大限収縮したポジションをつくることができなくなってしまいます。

それを避けるために「肩甲骨を寄せて下制する」という基本をより強く意識しておこないましょう!
加えて、肘、脇、身体の角度を狭くしないようにしましょう。

脇が閉じてしまうことで大胸筋から上腕三頭筋に負荷が逃げてしまいます。

どちらもスタンダードな腕立て伏せにおいても基本ですが、この種目に取り組む場合は特にこれらを強く意識することで、的確に大胸筋内側に効かせられる様になりますよ!

上腕三頭筋優位の腕立て伏せ

  • 脇を締めておこなう

上腕三頭筋に効かせる方法は、大胸筋に効かせられない悪い例としてこれまで再三出てきましたね。

・ここでも起始停止を離し、近づけることを繰り返すという基本は同じです。
下ろす動作で腕の裏側に負荷を感じながら身体を落としていき、肘を伸ばす伸展動作で身体を持ち上げるようにしましょう。
・これまでとは違い大胸筋に負荷がかからないようにするために「肩甲骨を寄せて下制する」必要はありません。
・また、身体を一直線に保つよりも若干“くの字”“にして上半身を前傾させることでより深く肘が曲がり、上腕三頭筋のストレッチを最大限おこなえます。

これまでの基本とは真逆になるので戸惑うかもしれませんが、普段良く使う腕のトレーニングなのでコツさえ掴めばすぐに慣れてしまうはずですよ!

 

 まとめ

胸トレの基本「腕立て伏せ」の記事はいかがでしたか?

文中で解説した「起始、停止、作用」の関係は筋肥大を目的とした全てのトレーニングで重要になる原則ですよ!

それでは最後に腕立て伏せのポイントを再度おさらいしておきましょう。

  • 手を方のラインの直下に置く
  • 身体を一直線に保つ
  • 肩甲骨を寄せて下制する
  • 脇の開きは45度程度を保つ
  • ゆっくり落とし一気に持ち上げる

更に目的毎にバリエーションをもたせることで、大胸筋全体をバランス良く自重で鍛えられることも学びましたね。

自重で場所を選ばず取り組め、胸だけでなく腕を太くするのにも有効な腕立て伏せをマスターすれば、あなたの理想の身体に一歩ずつ確実に近づいていけるはずですよ!!

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