この記事で分かること
・ハイクラスの転職について
・コンサルへの転職について
・広義の管理職(管理職候補も含む)の転職について
ハイクラスへの転職はむずかしい?それとも…
ハイクラスの転職というワードは聞いたことがあっても、その実態について、把握されている方はどのくらいいるのでしょうか…
実際にハイクラス転職を複数回、成功させているT氏とご縁があり、現状やノウハウ、成功へと導くための勘どころをまとめていただきました。
今回は、その原稿をベースにお伝えしていきたいと思います。
ハイクラス・管理職転職成功者・T氏の経歴・スペック
経歴
IT業界→コンサルティング業界→飲食業界 いずれもハイクラスでの転職
スペック
・人事コンサルタントとしても活躍
このように華麗なる転身を成し遂げてこられた方です。
ハイクラス転職とは?
ハイクラスは明確な定義はありませんが、概ね以下のケースを指す傾向があります。
- 年収1000万円以上 (もしくは800万円以上という声も)
- 部長職以上の管理職
つまり、年収800~1000万円以上で部長職以上への転職が、ハイクラス転職だといえます。
一般的に、ハイクラスの求人は、公募形式で募集をかけると応募数は多くなることが予想でき、採用担当者が選考に苦慮するため、“非公開案件”として扱われることも多いのが実情です。
このシークレット性は、ハイクラス転職の1つの重要な要素だと私は考えています。
そして、管理職転職市場は以下のような根拠からとても狭い世界といえます。
- 年収4ケタや部長以上の職位についている人数はかなり少ない
- 外部から招へいされる部長以上の職位はその会社の職位数のごく一部
そして、一部のベンチャー企業などを除きますが、ハイクラスになるとハイクラス同士、
- 取引関係
- 所属団体関係
などを通じて横のつながりができていきます。
ですので、勉強会や祝賀会、懇親会、ゴルフなど、歓談の場でご一緒した際、何気ない会話のなかから「どのようなご縁があって転職したのか」など転職に関する話を共有することもあります。
今回は、そのような横のつながりから得た情報も織り交ぜつつ、ここからは、ハイクラス転職について、
- 成功しやすい人材像
- 必要な実力
- 勘どころ
ハイクラスへの転職が成功しやすい人材とは?
ハイクラス求人を出している企業は、はたしてどのような人材を求めているのでしょうか。
企業側は、
- 経験豊富・熟練で年齢を重ねている方
- 転職活動中現在の役職がハイクラスな方
- 転職活動中現在の年収もハイクラスな方
を求めているように感じますが、それは建前で本音はそこではありません。
ハイクラス転職では、やはり、実力(スペック)が伴っていることが必須です。
いくら年齢・役職・年収がハイクラスである人材でも、今、在籍されている会社内の評価であり、転職後、転職先企業が求める成果を出せるような仕事ができるかどうかは別問題なのです。
どういうことかといいますと、
いくら書類上の経歴や実績が華麗だとしても、実際に仕事ができる人材だとはかぎらない
採用担当者は少なくとも、そう考えています。そして、選考するときはこの点を見極めようと目を凝らします。
逆もしかりで、本当に仕事ができる人材だったとしても、転職活動中にそれを企業、面接官、採用担当者に伝えることができなければ、ハイクラス転職は成功しないでしょう。
伝える力がなければ、ハイクラスな人材にはなれないのです。
ハイクラス転職の成功に必要なこと
- 現年齢・役職・年収がハイクラス
- 実力がある
- 伝える力がある
しかし、この3つのうち、実力があるという項目、これは抽象的すぎると感じた方も多いと思います。
そこでこの部分をもっと掘り下げて、具体的にどのような実力が求められるのかお伝えしていきたいと思います。
ハイクラスへの転職に必要な実力・本当の意味での「ハイスペック」とは?
業界や職種、企業によって、重視される項目、ウェイトはさまざまだと思います。多少の差は出てくると思いますので、その点は最初にお断りしておきたいと思います。
ハイクラス転職において、ほぼ共通して求められる実力は、下記の2つの観点ではないかと考えています。
- 変革・改革・KAIZEN(改善)が実行できる
- 成果を提供できる
変革・改革・KAIZEN(改善)が実行できる
まず、変革・改革・KAIZEN(改善)ですが、“単になにかを変えた”だけで、それが私の成果です。とアピールする方が多くいらっしゃいます。
しかし、それは単なる“変更”です。
よく責任者ポジションが交代すると、いろいろな事柄や項目、システムがやみくもに変更されることがありますが、これは本質的な変革などではないと思っています。
よく“○○改善活動”といったアクションが、企業全体の取り組みとして行われることがありますが、この考え方やアプローチは、実は世界的に評価されています。
その証拠に、多国籍企業では、英語圏でも“KAIZEN”で通じることが多いです。そのほか、“HOSHIN/PLAN”というものもあります。
改善・方針、この2つは日本的アプローチだといえます。とくに多国籍企業で働いてみたいと考えておられる方は、これらの考え方に価値があることを見出しましょう。
これらを理解し実行できている人材こそが、ハイクラス転職を成功させることができる可能性が高いのです。
ハイクラス転職に求められることのまとめ
- ミッションに合わせた方向性や仕組みにKAIZENできる
- 経営陣に認められる現実的なHOSHIN/PLANが立てられる
- 常に三歩先の会社や組織のあり方を考えられる
三歩先というのは目先ではないという意味です。
そして、改善がみられ評価されてきた実績がこれまでにあれば、なおよいと思います。
成果を提供できる
「成果」を語るときには、その成果は、
- 誰のため
- 何のため
であるか、そして、会社や組織にとっての価値はあるのか否かについて、多角的視点で考えられることが何よりも重要になります。
ハイクラスになると、いろいろな立場の人と積極的に関わることになります。
「経営」「顧客」「現場」というように立場が違うだけで、あるひとつの成果に対し、評価内容は相反することが少なくありません。
- 今、必要な成果
- 成果を得るために必要な信念
- 信念にしたがった行動
をしっかり考え、実行します。そのうえで、不満をもつ立場の人たち、非協力的なグループや反対派には「粘り強く丁寧な説明をすること」が求められます。
このようにして成果を出していくことも、ハイクラス転職においては、人材に求められる能力ですので、兼ね備えている方はアピールできるようにしておきたいものです。
ハイクラス転職における職務経歴書のつくり方
転職活動において、履歴書・職務経歴書の作成は重要なタスクです。書類に記されるのは主に、
- これまでに、どんな仕事をしてきたか
- その仕事でどんな成果を出してきたか
です。経験者採用を長年、担当されてきた方から実際に聞いた話なのですが、着任後に戦力となりえた人も、戦力にならなかった人も、そこに書かれている内容は総じて変わりがなかったのだそうです。
何がいいたいのかといいますと
書類にはいかようにも書ける
ということです。もちろん、採用担当者もそれは知っているのです。
しかし、その経験を自らの「武勇伝」ととらえているか、それとも、その経験の「エッセンス」を認識しているかどうかが、その人材が本当にハイスペックなのかどうかの大きな分かれ目となります。
- 実際の経験をエッセンス化し今後に活かせる能力
- それを転職活動で相手にあますところなく伝えるスキル
これらは自然に身につくものではありません。本人の強い自覚や日々の意識によって培われていくものです。
ハイクラス転職を目指すのであれば、いちばん意識していただきたいのが「仮説力」です。つまりは、
会社がどういう人材を採用するつもりなのか?
その問いに対する仮説を立てる能力です。
「こういう人材を求めておられるのですよね?」という仮説をぶつけ、それが相手の求めていた人材像と合致していたとき、未来が開けるのです。
仮説を立てたなら、
- 自分が何をしたいのか
- 自分の仕事観
- 組織貢献や社会貢献のポイント
を当てはめ、採用担当者に響くようにアピールすることで競合力のある転職活動を実現することができるでしょう。
なお、業界や職種をかなり限定して転職活動をされる予定の方以外は、職務経歴書と自己PRについては、求人ごとに仮説に沿って作成されることを強くオススメいたします
事実のみを記載する履歴書以外の書類は、使いまわさないようにされてください。
ハイクラスの転職については以上です。後半は広義の管理職の転職についてお伝えしたいと思いますが、少し休憩をはさみます。
コンサルへの転職事情
ここでは、私が過去に経験したコンサルへの転職についても、少しだけお話しさせていただきます。
コンサルへの転職とは?(定義)
転職先がコンサルティング企業(もしくは職種がコンサルタント)である転職を指すのですが、コンサルティング業界は、業界別40歳モデル年収ランキングで1位。2位の総合商社に100万円以上の差をつけてTOPとなっています。
40歳モデル年収
コンサルティング…1240万円
総合商社…1115万円
(会社四季報業界地図 2018年版より)
そのため、コンサルタントは大変人気のある職種です。
また、新卒でのコンサルティング業界への就職は、とても競争が激しく狭き門であるため、まずは非コンサルティング業界で一定の知識や経験を身につけたあとに、コンサルティング業界への転身に挑戦される方が多いといえます。
コンサルへの転職には2パターンがあります。
・コンサルからコンサル
・非コンサルからコンサル
です。
在籍していた私からいわせるとコンサルティング業界はある意味、特殊な業界です。そのため、「非コンサル」の方は、業界の特色やリスクをよく認識しておくことが必要です。
そこで、コンサルティング業界に転身したら働き方はどうなるのかお伝えいたします。
コンサルに転職したらどうなる(実情)
わかりやすく箇条書きにして説明いたしますと、
・個人実力主義
・本当の意味での即戦力
・収入は見込めるが残業も多い
・成果主義
・やりがいが大きい
です。どういうことか詳しく補足説明していきます。
個人実力主義
実力主義という言葉に魅力を感じる方もいるとは思うのですが、競争が激しくシビアな世界です。もちろん育成はしてもらえませんし、指示を待っている人は役に立たないとみなされます。
今現在、自分で学ぼうとしない、与えられた仕事しかしていない方は、マインドから変える必要があります。
本当の意味での即戦力
コンサルでは、3カ月~半年で具体的な成果を出さなくてはなりません。そのために逆算をしていっても、育ててもらう、指示を待つ時間など、つくれないのです。
高収入は見込めるが残業も多い
とにかく激務です。時給換算だと見合わない場合もあるでしょう。仕事にトコトン打ち込みたい人なら合っているとは思います。
成果主義
成果主義ゆえに成果さえ出せれば、自分のやり方で仕事ができる場合が多いです。しかも、やりたくない領域の業務は減らせる場合もあります。
やりがいが大きい
私は「自分の価値を存分に活用して成果につなげられる」という理由から、そう思っています。
つまり、働き方についての考え方が合えば、やりがいがあり、高収入も期待できますので、天職となる場合もあります。
しかし、会社の文化や業務領域が自分に合うか・合わないかはとても重要で、ムリをして背伸びをしてまで合わせるのはオススメできません。私は、コンサルティング業界の人気の高さも出入りの激しさも見てきました。
・肩書がカッコいいから
・高収入
・(一見)自由な勤務体制
などが魅力的に見えますが、収入が高いのには理由があります。自分が本当にやりたい仕事かどうかをよく考えたうえで判断されたほうがいいでしょう。
私は幸い、コンサルティング業界に入る前は、成果は出していたのに評価にあまりつながっていなかったスキルがコンサルタントに転身してからは、かなり役に立ちました。結果として売り上げにも貢献、自分のやりたい仕事に取り組め、待遇も満足なものを得ることができました。
これは、転職活動時、前出のスキルをコンサルで発揮し成果を出したいと決めていたのがよかったのだと今では確信しています。
ぜひコンサルへの転職を目指す際は、
半年後、1年後、2年後、3年後ぐらいのスパンで「自分のなっていたい姿」をイメージ
していただきたいです。そして、覚悟も必要です。
関連記事
コンサルティング業界の動向・年収・大手企業の調査・比較(現在、鋭意執筆中)
—————
Tさんの貴重なお話でした。
コンサルタントと管理職、全部ではありませんが、一部、相通ずるものを感じました。例えばですが、本当の意味での即戦力。高収入が見込める点。成果主義、やりがい…
管理職は、部署をまとめ、部下を率いていきます。しかし、その立場であるのに成果が出ないとなれば収入は…
本当にシビアな世界ですよね。ここから後半となります。
—————
管理職への転職事情・ノウハウ・テクニック、すべてお話しします!
今度は、ハイクラスも含みますが、広義の管理職への転職についても、ご紹介していきたいと思います。
管理職への転職について
管理職への転職は、
・管理職から管理職
・非管理職から管理職
の2つのパターンが考えられます。
管理職から管理職に転職されるつもりで動かれる方は、業界が変わる場合などにその業界の文化や風習にいかに早く適応できるかが重要になります。しかし、それ以外は心配することは基本的にないと思いますので、大丈夫でしょう。
ここでは、非管理職から管理職の転職を目指す方にとって役に立つポイントを中心にお伝えしていきます。
管理職の実情、転職したらどうなる?
一般的に管理職は、
主任→課長→部長→本部長…
という階層構造になっています。
実をいいますと、この流れのなかで課長と部長の間には大きな壁があります。
主任→課長→(壁)→部長→本部長…
課長以下はいわゆる「中間管理職」に、部長以上が「管理職」とされています。そのため、多くの企業では待遇も部長から一気に上がることが多いです。
※余談ですが「担当部長」「副部長」「部長代理」「部長補佐」は部長職には区分されませんので、ご注意ください。
部長職以上の管理職はサラリーマンとはいえ、経営側の立場になります。部長職を拝命した以上は、従業員のためだけでなく、会社や組織の利を意識して判断を行う必要が出てきます。
つまり、一般従業員、部下にとっては、とても辛い選択をしなければならないこともあります。わかりやすい例が人員削減(リストラ)や組織変更人事などです。
とはいえ、YESマンになり、上から降りてきたことをそのまま実行する姿勢も考えものです。
経営に携わる立場ですから、会社のために正しいことだと思えば、社長や経営陣、株主や同僚ともやり合わないといけないときも当然、出てきます。
その場合、
・自分の信念を貫く力
・ネゴシエーションスキル
が非常に重要になってきます。
ネゴシエーションスキルとは?
“ネゴシエーション(交渉、折衝)とは合意や調整を目的とした議論のことで、これを成功させるための技術や手法を「ネゴシエーションスキル」と呼びます。日本語では、交渉術あるいは交渉力と訳されます。”
引用:日本の人事部 ネゴシエーションスキル
管理職は、自分の組織では権力があり、自由に采配できるということもありません。常に自分の組織のために表谷に立って外部や上位と建設的な戦いを展開しなければなりません。
また、管理職だからといって「やりたくない仕事」を部下に振ることはできません。管理職にしかできない仕事のなかには「やりたくない仕事」が多々あり、逃げられません。
これが管理職の実情ですが、とてもやりがいのある仕事だと思っています。これから管理職への転職を目指す方に向け、3つのテクニックを伝授していきます。
管理職への転職活動で実践したいテクニック3つ
テクニック1:採用側の求めているペルソナ(人物像)を掘り下げる
部長以上の管理職は、社運を左右する重要なポジションです。年収も高く設定していますので、採用する側はじっくりと人材を見極めます。
「この人物しかいない!」と感じてもらえなければ、最終選考まで進むことはむずかしいでしょう。
そのため、採用する側の求めるペルソナを鋭く掘り下げる必要が出てきます。
・在籍業界
・経験や知識
・人間性
・判断力や決断力
・和合(協調性)
など、重視する項目はさまざまなのですが、必ず求める人物像があり、それに基づき採用活動が行われているはずです。
企業情報、採用情報、会社の沿革、文化、雰囲気、業界内での評判など多くの情報から、そのポジションに求められているペルソナは何かの仮説を立てます。
仮説をもとに自分がいかにそのペルソナに合致しているかをアピールしていく必要があります。
テクニック2:現場、役員、社長面接での評価軸は異なることを考慮せよ
これが、テクニックとして、いちばん重要です。
外部から招へいする管理職の選考は、書類選考後、面接は少なくとも
・現場レベル
・役員レベル
・社長
と3回はあることが通常です。
そして重要なのが、
この三者が同じ方向性(評価軸)で面接選考をすることはほぼない
という意外な事実です。
管理職を経験されてきた方は理解できると思うのですが、各レベルでの意向は、ほとんどの場合、合致しません。
これは、私が聞いた話なのですが、
採用担当者は自分より有能だと感じない人材は落とす
という基準を採用している会社があったそうです。
しかし、この基準は現実的ではないような気がします。人は誰しもサラリーマンである前にひとりの人間ですので、嫉妬心や猜疑心もあります。自分より有能な人材が転職してくると自分の相対的評価が下がるのではというおそれを抱きます。
また、現場、役員、社長と立場がちがえば、重視する項目も異なります。そのため、それぞれの立場を考慮したアピールが必要になるのです。
選考書類は
・事実ベースでの記載
・~すべき
に留めておき、それらについて面接で質問があれば、そのときに相手に合わせて回答内容を変化させることです。
もちろん、職業観や自分の信念などは曲げないようにしてください。
三者に、それぞれちがう対応を行う…
非常にむずかしいコミュニケーション内容ではありますが、この能力は管理職として着任したあとも重要となるスキルですので、対応できるように自分とよく向き合って準備をしていきましょう。
テクニック3:管理職“候補”は要注意キーワード
採用した人材を、いきなり管理職に着任させることについて、リスクを感じている企業は少なくありません。
「まずは“候補”として着任していただき、時機を見て昇進いただきます」という求人をよく見かけます。
企業側の気持ちも痛いほど理解できますが、このような求人は注意が必要です。なぜなら、
この手の募集には2つの裏があり、
・重要ポジションゆえに慎重を期している場合
・管理職が務まる人材を安く手に入れようとする場合
があるからです。
真剣に管理職を目指す方が、後者のような企業に捕まってしまうと不幸な結果を招くことになります。転職活動中はそれを見抜く眼力が必要です。
いえ、眼力というよりも質問力が重要です。次の章でお伝えする方法で、避けるべき管理職候補求人を選択肢から削除することができるでしょう。
決めてはいけない管理職候補求人を見極めるための質問
ここでは、避けるべき求人を見極めるための質問をご紹介しておきます。
・いずれ昇進する前提のポジションに現在、人がいるかどうか?
→いる場合、その人はさらに昇格するのか? 転職するのか?
→いない場合、そのポジションの職務は誰がカバーしているのか?
・管理職候補時と昇進後の役職と待遇は? 昇進の時期・昇進の条件は?
・管理職候補として入社する旨のアナウンスをしてくれるのかどうか?
→管理職登用の件は、くれぐれもご内密にという企業からの申し出には少し疑問
これらは会社側に聞けば、答えてくれるはずですので、明確に答えてもらえるかどうか、納得のいく説明であるかどうかを見極めることになります。
窓口、担当者、社長などの反応、顔色、態度、物言い。これらを総合的に見て判断しましょう。
もちろん、業界や地域で何かにつけてよくないと噂される会社、ブラック企業として有名な会社なども注意が必要です。ここはリサーチ力が必要となります。
管理職候補求人企業が信頼できるかどうかを一発で見抜く方法
企業が最終的に管理職として昇進させるつもりなのかどうか、どうしても感触がつかめず、不安が払拭できない場合は、思い切って「候補ではなくはじめから管理職として就任できないものか」と最終選考あたりで正面から申し出てみると、その会社の思惑が見え隠れすると思います。
やはり、その申し出に対し、真摯に対応してもらえたと感じられる場合は信頼してもいいと思います。しかし、一点の曇りでもあれば、その企業は、あえて見送るほうがかしこいと思います。
真摯な対応による交渉の着地点としてよくあるパターンが
・役職はつけるが、待遇は候補レベルとする
・待遇は管理職レベルにするが役職は成果を出せてから
など、片方を据え置くものです。いわゆるリスク分散型です。
・規定上できない
・前例がない
といった回答がきたら、少し考えものです。最後は、やはり、自分の直感に頼りましょう。
なかには、人や会社を見抜いたりするたしかな眼力を持っているのかわからない、これまでの経験を糧に人や会社を見抜くことには自信があるけど失敗したらどうしようかと考えている方もいると思います。
そのような方に向け、次の章です。
転職エージェント・キャリアコンサルタントを活用する
ハイクラス転職においては「仮説を立てること」が重要であると力説してきました。
仮説を立てるために重要なのは、
・できるだけ多くの事前情報を得る
・自分を客観的に評価しておく
ことです。それを手伝ってくれるのが転職エージェント・キャリアコンサルタントなのです。
もちろん、避けるべき管理職候補求人も見抜いてくれるはずです。より充実した、後悔のない転職活動を実現するためにも、これらを活用することをオススメいたします。
私の経験では、支援を受けていたキャリアコンサルタントと転職先企業の結びつきが強く、それこそ長期にわたりお付き合い(人材を紹介)されていたため、転職先企業について多くの情報をいただくことができました。
とくに助かりましたのが、
・各選考レベルの面接官の考え方
・面接官のキャラクター
などの情報です。
その情報があったため、選考は通過できたのだと思います。かなり役に立ちました。
また、私自身のキャリアプランを見直すことや私のスキルをどうアピールするかについての貴重なアドバイスもくださいました。ぜひ転職エージェントの方の支援を得て自分の仮説を補強していきましょう。
まとめ:ハイクラス・管理職は仮説力が試されている
ハイクラス・管理職の転職では、企業側の
・求める人物像
・採用上の不安やリスク
を理解して自分を売り込む仮説を立てるようにしましょう。企業側の不安やリスクをつぶしたうえで、
・私を採用しないともったいないですよ
・私を採用するとこんないいことがありますよ
を訴求するのです。
間違っても、「雇ってください」という姿勢はとらないようにしたいものです。むしろ「雇わないと損ですよ!」と強気で売り込むほうがいいのです。
そのために「自分にしかないオンリーワンの経験やスキル」「他人が代用できない強み」は何かを考えるようにしましょう。
そうすれば、選択権は企業側ではなく、こちらに移ってくるはずです。
そして、応募した会社、面接を受けた会社が、自分のキャリアを預けるほどの価値がある企業かどうかを「評価する」ようにしてください。
これが理想的なハイクラス・管理職の転職です。みなさまの成功を心より願っております。
——Tさん、ありがとうございました。
転職とキャリアアップがオススメするハイクラスに特化した転職エージェント
JAC(ジェイエイシー)リクルートメント
実際に管理人セイジも利用したことがある転職エージェント
知る人ぞ知る屈指の転職大手です。東証一部上場。
私の経験では、2時間におよぶ面談で、履歴書や職務経歴書のチェックもしていただきました。指摘もかなり細かく驚くほど懇切丁寧でした。
ビズリーチ
“国内最大級”のエグゼクティブ向け会員制転職サービス
ビズリーチは、非公開案件を含む求人情報は選ばれた方だけにしか提供していないそうです。
スカウトも展開しており、国内外の優良企業と、厳正な審査基準をクリアした一流ヘッドハンターが転職志望者の職務経歴書を見て直接スカウトを行っているそうです。
インテグリティ
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外車メーカー・日本法人代表取締役社長も務めたことがある糸川俊氏が立ち上げました。
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金融・コンサルティング・情報通信など、幅広い業界のキャリア情報も保有しています。
求人企業と転職志望者の両方を1人のコンサルタントで担当する「1人担当制」が強みです。