どこか海外旅行に行くとき必ず知っておきたいことの一つが、現地のインターネット事情。ましてや、カンボジアのような、一般的に「途上国」と言われているような国だとなおさら心配になってしまいますよね。
そこでこの記事では、カンボジアのWi-Fi事情とSIM事情をプノンペン住みの筆者が詳しくお伝えしていきます。
カンボジアのWi-Fi事情
まず、カンボジアのWi-Fi事情についてお伝えしていきます。
カンボジアと聞くと、やはり「途上国」のイメージが強くなってしまうため、Wi-Fiもあてにならないと思っている方も多いかもしれません。
しかし体感で言うと、プノンペンやシェムリアップといった都市部では、ほとんどのカフェでフリーWi-Fiを使用することができます。
東京ですら、一部のチェーンのカフェでしかフリーWi-Fiは使えない(それも時間制限あり)ので、Wi-Fi難民になることもしばしばですが、プノンペンやシェムリアップではその心配がないくらい、東京よりはるかにWi-Fiに接続しやすいです。
もちろん時間制限なんて野暮なことはせず、一日のうち好きなだけ使用することができるのです。
そのため、プノンペンやシェムリアップでは、移動しながらweb関係の仕事をする「テックノマド」と呼ばれる外国人もかなり多く住んでいます。
しかし一方で、プノンペンやシェムリアップを除いた地方となってくるとそうはいきません。
特に、カンボジアの農村部ではいまだに電気すら通っていないところも少なくないため、そういったところでは、Wi-Fiを使用するのは困難です。
おすすめのWi-Fiはどれ?インターネットプロバイダーのそれぞれのメリットとデメリット
カンボジアでは、現在20社を超えるインターネットプロバイダー会社があるそうですが、多くの人から長い間評価を得ている会社は以下の5社。
- Opennet
- Metfone
- Digi
- Ezecon
- Smart
それでは次に、主要インターネットプロバイダー会社各社の料金と特徴を見ていくことにしましょう。(すべて光回線の値段を表示してあります。というのも、多くのプロバイダー会社では従来の形式の回線も提供していて、そちらの方が3,4$安いですが、あまりに遅くて使い物にならないからです。)
Opennet
速度 | 一ヶ月あたりの料金 |
7 Mbps | 16$ |
10 Mbps | 23$ |
12 Mbps | 30$ |
15 Mbps | 33$ |
25 Mbps | 69$ |
35 Mbps | 88$ |
50 Mbps | 118$ |
回線工事費:30$
Opennetはカンボジア国内の数あるインターネットプロバイダー会社の中でも特に大手で、プノンペンなど中心地だけでなく、地方都市までカバーしています。
また他の会社と比較すると値段も安価なため、ローカルのお店では、Opennetを採用しているところが多いですね。
しかしOpennetには欠点があり、それは回線が不安定になりがちであるという点です。
繋いだと思っても急に回線が切れてしまうことが度々あるので、そこには注意が必要ですね。
また、Opennetは2年以内に解約してしまうと60$の違約金が発生します。2年以内に解約する可能性が高い人は別のWi-Fiを契約した方がよさそうです。
Metfone
速度 | 一ヶ月あたりの料金 |
8 Mbps | 30$ |
10 Mbps | 35$ |
12 Mbps | 40$ |
16 Mbps | 65$ |
20 Mbps | 90$ |
30 Mbps | 180$ |
50 Mbps | 350$ |
回線工事費:初回利用の場合は無料、それ以外は20$
Metfoneも多くのユーザーが利用している大手のインターネットプロバイダー会社で、地方もカバーしています。
Metfoneの回線はとても安定していて、突然回線が落ちてしまったり遅くなってしまったりすることがほとんどありません。
しかし、ここでネックとなるのが料金で、中には他社の倍近くの料金がかかってしまうプランもあります。さらにMetfone を契約する場合は6カ月分を前払いする必要もあるのです。
しかし、回線は非常に安定しているため、仕事などでWi-Fiを安定的に使いたい人には特におすすめできるインターネットプロバイダーです。
Digi
速度 | 一ヶ月あたりの料金 |
6 Mbps | 16$ |
9 Mbps | 20$ |
12 Mbps | 30$ |
30 Mbps | 59$ |
60 Mbps | 89$ |
100 Mbps | 149$ |
回線工事費:無料
Digiはプノンペンやシェムリアップといった都市部のみで開通することができるインターネットプロバイダーです。
Digiの魅力は、速いWi-Fiを比較的安価な値段で設置できるところです。100 Mbpsという爆速Wi-Fiも、Metfoneで一番回線が速いプランの半額で設置することが可能なんです。
ちなみにわたしもDigiを愛用しています。
しかしDigiは、夜間になると回線が遅くなったり不安定になりがちです。なので夜間メインでWi-Fiを使いたい人は先述したMetfoneをおすすめします。
Ezecon
速度 | 一ヶ月あたりの料金 |
10 Mbps | 118$ |
20 Mbps | 230$ |
30 Mbps | 338$ |
回線工事費:75$
Ezeconは「ハイクオリティの回線」を謳っていて、非常に安定感のあるWi-Fiが魅力です。
しかし速度は標準的で、かつ値段は他社に比べてかなり高額になっています。また都市部以外の場所はカバーしていません。
そのため、安定感を何よりも重視する人以外は、先述したDigiやMetfoneの方をおすすめします。
Smart
4 Mbps | 12$ |
6 Mbps | 15$ |
10 Mbps | 18$ |
Smartは元々SIMの会社ですが、最近Wi-Fi事業も行っています。Smartの最大の特徴は回線工事が不要な点です。
なので、頻繁に引っ越したりする方はSmartがおすすめです。
ただ回線はMetfoneなどに比べると不安定になりがちで、かつ速い速度の回線はまだ用意されていないため、仕事などでよくWi-Fiを使うという人にはあまり向きません。
Wi-Fiのつなぎ方
「おすすめのWi-Fiはわかったけど、どうすれば家にWi-Fiをつなげるのか?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。
そこで、Wi-Fiをつなげる方法をお伝えしていきます。
方法は非常に簡単なので安心してください。
Wi-Fiを家につなぎたい場合、まず契約したいインターネットプロバイダー会社に電話で連絡し、家まで来てもらいます。
そこでWi-Fiをつなげるかどうかが判断され、OKだった場合は契約書にサイン。
そして後日、業者が上の写真のようなルーターを設置(Smart以外)し、完了です。簡単ですね。
また、こういった会社に勤めている人の多くは英語もわかるので、コミュニケーションも問題ありません。
ポケットWi-Fiを日本から持参するのもあり
この記事を見ている方の中には、カンボジア渡航が観光目的だったりして、現地のWi-Fiを契約するほど長くカンボジアに滞在しない方もいるかと思います。そういった方はポケットWi-Fiを日本から持参してもよいでしょう。
費用は安くはないですが、安定感のあるWi-Fiをいつでもどこでも使えるのはやっぱり安心です。
たとえば、SIMフリーのスマホを持っていない状態で道に迷ったとしても、ポケットWi-Fiがあればgooogle map使えますからね!
Wi-Fiを買うのが難しい場合、通信手段はどうする?
この記事を読んでいる方の中には、Wi-Fiを借りたり買ったりすること自体が金銭的に厳しい方もいるかもしれません。そういった方は、ホテルやカフェなどでWi-Fiを繋ぐしかありません。
しかしカンボジアの都市部は、日本よりはるかにフリーWi-Fiを繋げる場所が多いので、多少の不便さはあるものの普通に生活することができます。
実は私も、2か月ほどWi-Fiなしの生活をプノンペンでしたことがありました。
そのときはWi-Fiをつなげたいときにカフェに行ってそこでしばらく作業して家に帰るという生活をしていましたが、案外普通に過ごすことができました。
先述した通り、プノンペンではほとんどのカフェでWi-Fiを使用することができ、かつ何時間でもいられたので、そこまで不便には感じなかったです。ただ、もちろん家にWi-Fiがあった方がいいに越したことはありません。
おすすめのWi-Fiが早いカフェ選
そうは言っても、どのカフェがWi-Fiが速いのかわからないという方もいると思うので、私がよく使うWi-Fiが速いおすすめのカフェをお伝えしていきます。
Ponchentong cafe
空港と市内の間にあるカフェで、フードメニューもあります。さらに、ここはジェネレーターがあるため、プノンペンが停電してもWi-Fiを使えて私は重宝しています。
住所 | St Russian Federation Blvd. (110), Phnom Penh 12502 |
営業時間 | 6:00-21:00 |
行き方 | 空港からトゥクトゥクで25分 |
DOILAR CAFÉ
プノンペン大学の近くにあるカフェです。ここもフードメニューがあり、Wi-Fiも安定しているということもあって、連日多くの学生で賑わっています。
住所 | Phnom Penh Hanoi Friendship Blvd. (1019), Phnom Penh |
営業時間 | 6:15-21:00 |
行き方 | 空港からトゥクトゥクで30分 |
BLEND CAFE
BLEND CAFÉはプノンペン大学内にあるカフェで、ここもWi-Fiが安定して速いカフェです。大学の中にあるからか、メニューは他のカフェに比べて安め。ここもフードメニューが充実しています。
住所 | Str110 Sangkat Teuk Laak 1, 12156 |
営業時間 | 7:00-20:00 |
行き方 | 空港からトゥクトゥクで45分 |
カンボジアのSIM事情
先述した通り、カンボジアの都市部はWi-Fiが日本以上に発達しており、お店に入れば大体フリーWi-Fiを利用することができます。
しかし、Wi-Fiが通っていない路上などでスマホを使いたくなる場面もあるでしょう。
たとえばトゥクトゥクをアプリで呼び出したり、道に迷ったときに地図アプリを開いたりもしたいですよね。また、誰かと待ち合わせしたりするときは、通信手段がないと連絡を取ることができません。
その場合は、SIMカードを現地で買ってSIMフリーのスマホに入れる必要があります。
では、プノンペンでSIMはどこで買えるのでしょうか。
それを次にお伝えしていきます。
SIMはどこで買える?
SIMカードは各キャリアショップか携帯ショップで入手することができます。
旅行目的でプノンペンに滞在する方は空港のキャリアショップで買うと丁寧に対応してくれるので安心です。
もしプノンペン市内でSIMカードを購入したい場合は、ショッピングモールの中に入っているキャリアショップか、携帯が陳列している携帯ショップで購入したい旨を告げれば大抵購入できます。特に都市部で多く流通しているSmartなら、写真のようなコンビニでも入手することが可能です。
逆に、シェアが小さいキャリアだと、購入できる場所が少ない可能性があるので注意が必要です。
おすすめのSIMはどれ?それぞれのメリットとデメリット
カンボジアにはいくつか携帯キャリアがありますが、SIMカードの購入しやすさと通信の快適さを考えると、ほぼMetfone、Smart、Cellcardの三択になります。
では次に、それぞれのSIMカードの特徴をお伝えしていきます。(なお、SIMカードの値段はどこもほとんど同じで、2$くらいで買うことができます。)
Metfone
カンボジア全土で大きなシェアを誇っているMetfoneは、地方でも電波が安定しているというメリットがあります。ただ一方で、プノンペン市内のシェアは低く、ショッピングモールなどではSIMカードが買えなかったりすることも多く、少し不便に感じるかもしれません。
なので、地方の方も観光したいなどといった方は、Metfoneを検討するとよいでしょう。
Smart
都心では、圧倒的に多くの人がSmartのSIMカードを使っています。ちなみに私もSmartです。
多くの人が使っているので、何かトラブルにあっても情報を共有しやすいといったメリットがあります。ガイドもプノンペンやシェムリアップならほとんどSmartを使っているので、観光中は彼らに聞くこともできます。
また、標準の通信スピードも他社に比べて早く、色々なプロモーションも行っているので、プノンペンやシェムリアップでほとんど過ごす予定の方は、Smartが一番おすすめです。
逆に地方だと通信が不安定になりがちです。わたしが以前モンドルキリ州というプノンペンから6時間ほど行ったところにある地方を訪れたときは、ほとんど通信することができませんでした。
Cellcard
Cellcardを使っている人は先述した二つのキャリアに比べると、かなり少ない印象です。ローカルの一部の人はCellcardを使っている場面を見かけたことがありますが、情報が少なく、トラブルがあったときに対処しにくいのがデメリットです。
なので、差し当たった理由がなければ、先述したMetfoneかSmartの方をおすすめします。
SIMのチャージ方法
SIMのチャージ方法をお伝えします。ここでは、私が使っているSmartを例に出して説明しますが、基本的にはどのキャリアも同じ感じだと思います。
①ショップにてカードを購入
ショップにて写真のようなカードを購入します。値段は1$ほど。
②裏の銀紙をコインなどで削って番号を入力
買ったときは、裏は銀紙が貼ってあります。コインなどで擦るとこのように番号が出てくるので、*888*を携帯に入れた後に番号を入力、その後#と発信ボタンを押すとチャージが完了します。
スマホが買えない場合、連絡手段はどうする?
カンボジアでSIMフリーのスマホを買おうとすると、大体300$くらいが相場です。
日本よりは安いイメージですが、それでも結構な額には変わりありません。
金銭的に厳しくて買えないという方は、非常用の連絡手段として、写真のような小型電話を持っておくことをおすすめします。
電話料金もSmartで前もって支払えばよく、電話そのものの代金も日本円で2000円程度ととてもリーズナブルです。
契約書などにはカンボジアの電話番号を記入する必要があるので、そういった意味でもひとつ持っておくとよいでしょう。
まとめ
以上見てきたように、カンボジアは東南アジアの中でも通信環境が発達している国なんです。
ライターなどリモートでできる仕事をしている方は、カンボジアでノマド生活してみてはいかがでしょうか。
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