香港の交通機関乗り方・切符の買い方完全ガイド 電車・タクシー・フェリーを乗りこなして10倍お得に楽しもう

香港

日本から飛行機で4時間程。気軽に訪れる事ができて人気の香港。
1997年に中国に返還されましたが、50年間は香港特別行政区として一国二制度を取り入れ、中国とは違う独自の国際都市として発展を続けています。
また香港はイギリスの植民地時代の影響を受け、中華的思想を持ちながらも西洋文化の影響も色濃く残っているため、食事も観光も他のアジアの国とはまた一味違う楽しみ方ができます。

そんな香港は狭いエリアながらも観光地があちこちに点在しているため、歩いて全てを周る事はまず不可能です。しかしながら、交通機関が発達していて値段も日本よりずっと安いので、ぜひ香港の交通機関を最大限に活用してみましょう

香港タクシーの種類と乗り方

便利さ:★★★
楽しさ:★
難易度:★★
良い点:乗降場所を選ばず、ピンポイントで目的地に行ける。大きな荷物での移動も便利。
悪い点:他の交通機関に比べて料金が高め、言葉が通じない場合や遠回りされる心配も。

https://www.td.gov.hk/en/transport_in_hong_kong/public_transport/taxi/taxi_fare_of_hong_kong/index.html

まずは定番のタクシー。香港のタクシーは「的士」と表記され、料金は日本よりもずっと安く、台数も多いので、香港人も気軽に利用する交通機関の一つです。
行きたい場所へ直接乗り入れてもらえるので、上手に活用すれば時間の節約にもなりますよね。

香港のタクシーは、赤色・緑色・青色の3種類あります。
赤タクシーは空港のあるランタオ島の一部エリアを除き香港の全エリア緑タクシー空港とニューテリトリー(新界)エリア青タクシー空港を含むランタオ島内のみで、赤・緑タクシーが入れないランタオ島の南西エリアに行く事ができます
観光でタクシーを利用する場合は、天壇大仏や大澳に行く時のみ青タクシーを利用して、それ以外は赤タクシーを利用すればまず間違いありません。空港から乗る際も、行き場所によって並ぶタクシーの色もはっきり表記されているので、迷う事もないと思います。

料金はタクシーの種類によって多少変わりますが、初乗り料金が2kmまでHK$19~24。後は200m毎または待ち時間1分毎にHK$1.2~1.7追加されていきます
またトランクに荷物を入れる場合は1個当りHK6が追加され、九龍半島と香港を結ぶ海底トンネルや空港と市内を結ぶ青馬大橋などを通る場合はそれぞれHK$10~30程メーター料金に上乗せになるので、料金が不明な場合は遠慮なく運転手に尋ねてみましょう。
空港や駅などタクシー乗り場がある場合は列に並んで待ちますが、特定のタクシー乗り場がない場所では、ダッシュボードに赤い丸ランプで「空車」の表示が出ていれば、手を挙げるとどこでも停車してくれます。ただ、車道脇に2本線が書いてある場合やバス停・信号付近などでは止まってくれないので、気を付けてください。

香港のタクシーは、比較的安全でぼられる事も少ないのですが、観光客の多いエリアなどで運転手がメーターを使わずに値段交渉してくる場合は、速やかに降りて他のタクシーを探しましょう。
また、広東語しか話せない運転手も多いので、特に初めて訪れる場所に行く場合は、携帯電話やガイドブックで地図や住所を示して、行き先を伝えた方が安心です。

香港の電車・列車の種類と乗り方

日本ではあまり知られていませんが、香港の鉄道システムはイギリスの調査会社が世界主要100都市を対象に行ったランキングで第6位を取った事があり、運行の定時安定率も99.9%と言われる程、その技術管理の高さが認められています。
現在は、香港島・九龍半島・ランタオ島などを網羅している地下鉄(MTR)と新界エリアを運行している軽鉄(ライトレール)そして、中国本土と香港を結ぶ高速鉄道が主要な鉄道として香港内を網羅しています。
地下鉄には全駅でホームドアが完備され、車内も清潔で安全。近年、ルートもどんどん伸びていて、ますます庶民の手軽な足として活躍しています。

エアポートエクスプレス

便利さ:★★★
楽しさ:★★
難易度:★
良い点:空港~市内間の移動に便利。駅とホテルを結ぶ無料シャトルバスサービスや、市内チェックインサービスカウンターを併設している。
悪い点:駅の場所が少し不便なので、シャトルバスが通っていない場所との接続が悪い

香港の空港に降り立って、最初に目に入るのはエアポートエクスプレスではないでしょうか?
空港の機場駅と終点の香港駅をおよそ24分で結び、列車も10~15分毎に運行しています。席も自由席のみで事前予約が必要ないので、出発時間を気にする事なくいつでも気軽に乗車する事ができます。
その上、観光客がよく利用する九龍駅と香港駅には、市内チェックインサービスカウンターがあり、フライト時間の1時間半までなら事前に駅でチェックインを済ませ荷物を預ける事もできるので、帰国の際もとても便利です。
また、九龍駅と香港駅から主要な有名ホテルへの無料シャトルバスも出ているので、シャトルバスの止まるホテルへ宿泊予定の場合はエアポートエクスプレスが断然便利です。

参考までに乗車料金は、空港~九龍駅間HK$105、空港~香港駅間HK$115が基本料金ですが、団体料金やICカード(オクトパスカード)での乗車など、条件によって若干安くなる事もあります。
乗車券は、空港到着ロビーや各駅の自動券売機で購入する事ができます。またクレジットカードでの購入や、団体割引チケット(3人以上のチケットパックもあります)を購入したい場合は、サービスカウンターでの購入が必要になります。

MTR(地下鉄・港鉄)

便利さ:★★★
楽しさ:★
難易度:★
良い点:路線図もはっきりしていて、行き先も分かりやすい。本数も多く、乗り換えも便利で速い。
悪い点:現地の人達も観光客も利用するので、いつも混んでいる

MTR(Mass Transit Railway)は、中国語表記で「港鉄」と表記されます。1979年に開業して以来、現在11路線が香港全土を結んでおり、現在も路線を伸ばし続けています。市内中心では地下鉄として地下を運行していて、新界(ニューテリトリー)エリアでは地上や高架上を運行しています。
街中のあちこちに、MTRの赤いトレードマークが描かれたサインがあるので、簡単に駅を見つける事ができます

↓MTRのトレードマーク

観光客が良く利用する主要なMTRの駅は、ほとんどが大きなショッピングモールと地下で繋がっているので、大雨の日や暑い日でも快適に移動ができます。主要駅の構内には、ATMやコンビニエンスストア、スターバックス、ベーカリーなどがあり、必要最低限のものの手に入り便利です。
11路線全てにそれぞれの色があり、地図や看板も色分けしてあるので、乗りたい線をすぐ見つける事ができ、乗り換えの際も迷わず移動できるはずです。

また、香港ディズニーランド行きのDisney Lineは一駅区間のみの運行ですが、ミッキーマウス型の車窓やつり革、ディズニーキャラクターの銅像などが車内を飾り、人気の路線の一つとなっています。

チケットはエアポートエクスプレス同様、駅にある自動券売機またはサービスカウンターでの購入が可能です。

MTRの自動券売機は日本のものとまるっきり異なるので、最初は戸惑うかもしれません。まずスクリーンにMTRの全路線図が表示されているので、目的地の駅をタップしてから、購入したいチケットの種類(大人か子ども)や枚数を選ぶと、合計料金が表示されるのでお金を投入します
紙幣もコインも使えて、お釣りもちゃんと出るので、安心です。

チケットはクレジットカードを少し薄くしたような磁気チケットで、まず乗る際はオレンジの「八達通(OCTOPUS)」と表記された部分にかざすとゲートが開き、降りる際は黄色の挿入口に入れるとそのままチケットが回収され、ゲートが開きます
駅構内はホームドアが全完備されており、次の電車の到着時間も表示されており安心です。
車内にも、電光掲示板やスクリーンで現在の駅などが明記されるので、降りる駅も分かりやすいと思います。
ただ一つ、MTRはとても混み合うので、スリにだけは気を付けてくださいね。

トラム(路面電車)

便利さ:★★
楽しさ:★★★
難易度:★★★
良い点:昔からの車体をそのまま使用しているので、香港らしさが味わえる。ともかく安い。
悪い点:香港島のみの運行。お釣りが出ない。いつも混んでいる上、空調がないので夏場はとにかく暑い。

実は香港で「電車」と言うと、このトラムの事を表します。
ガイドブックやテレビの旅行番組などで必ず映し出される香港の象徴のような乗り物と言ったら、このトラムではないでしょうか?
香港に来たら一度は利用してみたいと思いながらも、他の乗り物と少し勝手が違うため、乗るのに躊躇してしまう方もいるかもしれません。
でも一度乗り方さえ覚えれば、気軽に乗り降りできて楽しいのでぜひ試してみてください

トラムの乗り場はたいがいの場合、車道の真ん中にあります。
大抵の駅は上りと下りの駅がほぼ向かい合って車道の中央にあり、横断歩道で中央に渡れるようになっているので、行きたい方向のトラム駅を見つけたらトラム駅まで道を渡りましょう
香港のトラムは、後ろから乗車して前から下車します。
トラムが停車したら後ろから乗車して、降りる際に乗車料金を支払います。料金はどこまで乗っても一律大人HK$2.60、子どもHK$1.30と格安。お釣りは出ないので、ちょうどぴったりのコインがない場合は、料金以上を払う事になります。

トラムは二階建てなので、目的地まで時間に余裕がある場合は、ぜひ二階に上がってみてください。ただ、トラムやバスのような二階建ての乗り物の上層階は、安全のため走行中立っている事ができないので、二階に空席を見つける事ができない場合はすぐに一階に降りなくてはなりません。

トラムは必ず各駅に停車していくので、降りる際に停車ボタンを押す必要がありません。目的地が近づいたら、一階前方の運転席近くに移動しておくと降り損ねる心配もないと思います。
車内はクーラーも扇風機もないので、夏場の利用はかなりの暑さを覚悟してくださいね。

香港バスの種類と乗り方

香港のバスは、イギリス植民地時代の名残りを受けてダブルデッカー(二階建て)式になっています。乗客があまり多くない路線では一階建てバスも使用していますが、エアポートバスや主要路線は二階建て式がほとんどです。
最近は、無料Wifiが繋がるバスやUSBポートが各席に完備されているバスなどもあり、車内もとてもきれいで乗りやすいので、ぜひ二階建てバスに乗って上からの眺めを楽しんでみてください

市バス

便利さ:★★★
楽しさ:★★
難易度:★★★
良い点:2階建てバスだと観光気分で景色を楽しめる。MTRが走っていないエリアも網羅している。
悪い点:乗降駅が分かりづらい。お釣りが出ない。

香港のバスは路線や乗り場が分かりづらく複雑なので、慣れていないと通常の路線を乗りこなすのは大変かも知れません。
しかしながら、観光客が良く利用する路線も何種類かあり、これらの路線を上手に利用できれば、観光にもとても役立つと思います。
香港のバスは全て、前方から乗って後方から降りるシステムです。
料金は日本同様、乗車する際に運転席横の料金箱にお金を投入します。お釣りは出ないので、バス停の案内板で乗りたい路線の料金を確認して、事前に小銭等を準備しておく方が良いかもしれません。万が一、細かいお金がない場合でもお釣りはもらえないので、コンビニエンスストアなどで事前に小銭に崩してもらったり、後で説明するオクトパスカードなどを活用すると良いかも知れません。
香港のバスは、トラム同様二階に立っている事はできないので、もし二階に空席がない場合は速やかに一階に戻りましょう。
降りたい時は、車内の停車ボタンを押します。停車ボタンを押すと車内前方または後方ドア上の赤いランプが点灯して次の停車駅で止ってくれます

詳しいバス路線を知りたい場合は、香港運輸局のウェブサイト(http://hketransport.gov.hk/?l=1)やスマートフォンアプリ(http://www.nwstbus.com.hk/en/uploadedFiles/ETA/eta.htm)も色々充実していますが細かい設定が必要なので、香港の地理に詳しくないと使いこなすのは難しいかもしれません。
とは言え、ほとんどのバス停には路線図も料金も分かりやすく表示されているので、慣れたらとても移動に便利な乗り物の一つなのは事実です。

下記に、観光客がよく行く場所で分かりやすい路線をいくつかリストアップしましたので、チャンスがあればぜひ挑戦してみてください。

≪観光客向け便利なおすすめのバス路線≫

エアポートバス…バス番号の頭にAが付く、A系統バスはシティーフライヤーというエアポートバスになります。料金は行き先によってHK$15~HK$48。空港に隣接したバスターミナルから出発しているので、行き先にあったバスがあれば気軽に市内までアクセスできます。

No.15ピーク(山頂)行きバス…観光客向けのバスと言えば、この15番バスが有名です。中環(セントラル)のスターフェリー乗り場近くとピークを結ぶバスで、セントラルからピークまでたったHK$9.80で行く事ができます。通常ピークを訪れる場合は、ケーブルカーのピークトラムを利用する方が多いと思いますが、こちらは大人片道HK$84、往復HK$99と料金も10倍近くかかる上、待ち時間も長いので、時間やお金を節約したい方はこの15番バスを利用すると良いかもしれませんね。

6番系統スタンレー行きバス…もう一つ、観光客向けの人気スポット行きバスにこのスタンレー行き路線があります。スタンレーは香港島の南東側に位置し、MTRも伸びておらず距離も遠いので、バスでのアクセスが断然おすすめです。6番系統バスは、中環(セントラル)エクスチェンジスクエア下のバスターミナルから出発していて、スタンレーエリアが終点になります。
6、6A、66番は香港人も日常的に利用するスタンレー行き路線なので、途中あちこちを経由して行きますが、料金が若干安め。
6Xや260番はエクスプレス線で止まるバス停が少ないため、他の6番系統バスよりも10分程早くスタンレーに到着する事ができます。

15番バスも6番系統バスも二階建てバスで、曲がりくねった道をどんどん進むのでスリル満点です。絶景ポイントも多いので、できれば二階の一番前席を取るのがおすすめ。途中かなり揺れるので、乗り物酔いしやすい方にはあまりおすすめできないかもしれません。

ミニバス

便利さ:★★
スリル:★★★
難易度:★★★
良い点:路線によっては好きな場所で乗り降りできて便利。とにかく小回りが利いて、速い。
悪い点:降りたい時は、運転手に降りたい場所を叫ばなくてはならない。かなりスピードが出るのでスリル満点。

かなり上級者向けですが、香港ではミニバス(中国語表記で「小巴」と言います)という乗り合いバスも走っています。主にMTRや大型バスが入れないような細い道や駅から郊外方面など向けに運行していて、香港人にとってなくてはならない交通機関の一つです。
ミニバスは16から19人乗りで、全席シートベルトの着用が義務付けられています。以前はかなりのスピードを出して走行していましたが、ミニバスの交通事故が多発したため、現在はスピードメーターが車内に備え付けられ、乗客も一目で現在の走行速度が確認できるようになり、安全管理が向上してきてはいますが、いまだにヒヤリとする場面に出くわす事があります。
ミニバスには、緑の屋根の緑バス赤い屋根の赤バスの二種類があります。
緑バスは停留所や運行スケジュールがだいたい決まっていて、赤バスは好きな場所で乗り降りができ、ある程度の乗客が集まったら出発します。
料金は乗車の際に支払いますが、こちらもお釣りが出ない上、古い車体の場合交通系ICカードにも対応していないので、事前に小銭を準備しておく必要があります。

また、両ミニバスとも車内に停車ボタンはなく、降りたい場所が近づいたら、降りたい場所を運転手に大声で告げて停車してもらいます。
ほとんどの運転手は広東語しか話せないので、香港に詳しくないとかなり降りるのが難しい交通機関ですが、中環(セントラル)と山頂(ピーク)を結ぶミニバスは始発から終点まで乗るため分かりやすいので、ミニバスのスリルを味わってみたい方はぜひこの路線を試してみてください。

香港フェリーの種類と乗り方

香港には、香港島を始めとして、チェプラコック空港のあるランタオ島や海鮮料理で有名なラマ島など、たくさんの島が点在しています。主要な島は橋や海底トンネルでつながっていますが、いくつかの島はフェリーが島民にとって唯一の交通手段となっています。
香港人の足として生活に密着しているフェリー、ゆったり海から香港の景色を眺めてみたい方はぜひチャレンジしてみてください

スターフェリー

便利さ:★★
楽しさ:★★★
難易度:★
良い点:香港観光の定番。ビクトリア湾の風景を気軽に楽しめる。
悪い点:フェリー乗り場が不便な場所にあるため、MTRの駅などから少し歩く。

香港の乗り物と聞いて、トラムと並んで思い浮かんでくるのは、このスターフェリーではないでしょうか?
1888年に開業したこのフェリーは、中国語で「天星小輪」と表記され、スタッフの制服や船内のあちこちに星のマークがデザインされている上、それぞれの船の名前も全て星にちなんだものになっています。
尖沙咀と中環(セントラル)、湾仔(ワンチャイ)を10分弱程度で結ぶこのフェリーは、ビクトリア湾をのんびりと渡りながら景色を気軽に楽しめるので、観光客だけでなくローカルにも愛されています
朝6:30から夜23:30まで運行しているので、夜には香港の夜景も楽しめます。
スターフェリーは上層階と下層階の2段に別れていて、料金もわずかに違い、乗り場もそれぞれ別になります。ちなみに上層階は一部クーラーが効いていて、席も座りやすくなっています

比べて下層階は、空調設備がなくオープンになっていて、すぐ下にエンジン室もあるので夏場はとても暑いです。
それでも重油の匂いが漂う下層階は昔ながらの雰囲気を味わえるので、スターフェリーの歴史を肌で感じてみたいという方には、下層階がおすすめかもしれません。

スターフェリーの乗り方はシンプルです。

スターフェリー乗り場に行くと自動券売機があるので、先にチケットの種類を選んでから、お金を投入します。
スターフェリーの自動券売機は、トークンというプラスティック製のコインが出て来るので、ゲートの投入口にトークンを入れてゲートを通ります

尖沙咀・中環(セントラル)間は、上層階の大人料金がHK$2.70(土日祝HK$3.70)、下層階の大人料金はHK$2.20(土日祝HK$3.10)とかなりお得です。
尖沙咀のフェリー乗り場は、香港島の摩天楼が見えるプロムナードに隣接しています。また、中環(セントラル)のフェリー乗り場近くには、ピーク行きのバス停や他の離島行きのフェリー乗り場があるので、観光のスケジュールに上手くスターフェリーを組み込むと良いでしょう。

周辺諸島行きフェリー

便利さ:★★
楽しさ:★★★
難易度:★
良い点:香港の違った一面を見てみたい方におすすめ。離島ののんびりした雰囲気が楽しめる
悪い点:行き先によっては、1時間に1~3便と便数が少ないので、事前に時刻を確認しておいた方が良い。

香港は、観光客が多く滞在する香港島や九龍半島以外にもたくさんの観光スポットが点在しています。そしてその中でも一日掛けてゆっくり訪れてみたいのが、香港周辺の島々です。
主な周辺諸島へのフェリーは、全てスターフェリーと同じ中環(セントラル)の周辺諸島行きフェリー乗り場(Central Ferry Piers)と並んで、ピア2からピア7に割り振られています。
それぞれ異なるフェリー会社が運航しているので、フェリー乗り場の雰囲気も行き先によってまちまちです。

各ピアの行き先は以下の通りです。

  • ピア2…珀麗湾(パークアイランド)
  • ピア3…愉景湾(ディスカバリーベイ・ランタオ島)
  • ピア4…南Y島(ラマ島)
  • ピア5…長洲(チュンチャオ)島
  • ピア6…坪洲(ペンチャオ)島、梅窩(ムイオー・ランタオ島)
  • ピア7…尖沙咀(スターフェリー)

※ピア1は、政府用のエリアです。

≪ピア2≫珀麗湾(パークアイランド)行き乗り場

http://www.pitcl.com.hk/en/
パークアイランドは、空港から市内へ行く際に渡る「青馬大橋」の下に広がる島で、空港からも直通バスが出ています。もともと住居目的で開発され2002年にオープンしましたが、「Noar’s Ark(ノアの箱舟)」というホテルを併設したテーマパーク

(https://www.noahsarkhotel.com.hk/en/main/index.html)も完成して、週末には香港人も多く訪れるスポットとして人気があります。

≪ピア3≫愉景湾(ディスカバリーベイ)行き乗り場

http://www.visitdiscoverybay.com/icms2/template?series=699&article=9200

ディスカバリーベイは空港のあるランタオ島南部に位置し、一般車両の乗り入れが制限され、外国人が多く住んでいる特別なエリアです。
ディスカバリーベイには住居だけではなく、ゴルフクラブやビーチ、おしゃれなレストラン・バー、ホテルなどがあり、香港に居ながらリゾート的な雰囲気が味わえる上、夜にはディズニーランドの花火が見えるスポットとして、香港人の家族連れやカップルにも人気の場所です。

エリア内には、空港から直通のエアポートバスも出ていますが、専用のバスや乗り合いタクシー、住民用のゴルフカート以外の一般車両は許可なく乗り入れる事ができません。近辺へのハイキングコースも色々あり、一体どこの国にいるのか分からないという錯覚を覚えるような、香港らしくないゆったりとした雰囲気が楽しめます。

≪ピア4≫ラマ島(南Y島)行き乗り場 

http://www.hkkf.com.hk/index.php?op=show&page=home&style=en

ラマ島と言えば海鮮料理が有名で、ガイドブックにもよく紹介されている人気の観光スポットの一つです。
中環からラマ島には、榕樹灣(Yung Shue Wan)行きと索罟灣(Sok Kwu Wan)行きのフェリーが出ています。榕樹灣は住民が多いエリアで、メインストリートには多くのレストランやお土産物屋さんが並んで週末は観光客でにぎわいます。索罟灣はフェリーを降りるとすぐ海鮮料理レストランが並び、生簀(いけす)から好きな魚介を選んで、料理をしてもらえます。
島内は狭い道しかなく、島民は徒歩か自転車または運搬用の荷台付き三輪バイクで移動します。
また、榕樹灣と索罟灣はハイキングコースで結ばれていて、両方のフェリー乗り場間を2時間程度で歩く事ができます。コース中、山の上からの絶景が楽しめたり、海水浴場のあるビーチ沿いを歩いたりと色々な風景を楽しめるので、一日中たっぷりと時間を取ってラマ島を訪れる事をおすすめします。

≪ピア5≫長洲(チュンチャオ)島行き乗り場

http://www.nwff.com.hk/public/getitem.php?lang=zh-hk&id=87db4884-17fa-4642-a327-31664d524869&v=5&submenu_num=5
長洲島は、ラマ島や坪洲島のように昔から住民が住んでいて、古き良き香港を味わえる島の一つです。毎年太陰暦の4月5~9日(5月頃)に行われる「饅頭祭り」はとても有名で、開催日には中環の長洲島行きフェリー乗り場に長蛇の列ができて、フェリーに乗るのに数時間待ちという事もあるほどです。
長洲島でも海鮮料理や海水浴が楽しめますが、フェリーで一時間程掛かってしまうので、外国人観光客にはラマ島の方が親しみがあるかもしれません。

≪ピア6≫坪洲(ペンチャオ)島および梅窩(ムイオー・ランタオ島)行き乗り場

http://www.nwff.com.hk/public/getitem.php?lang=zh-hk&id=9e4a3e68-3034-4f84-9a6b-1f1e3a537c1d&v=4&submenu_num=5
坪洲島…ランタオ島のすぐ近くにある島で、ディスカバリーベイからも小型船が出ています。島にこれと言った観光スポットはないのですが、島の中心に標高95メートルの手指山(フィンガーヒル)という山があり、頂上の見晴らし台からはディズニーランドや近隣の島々が見渡せます
島のメインストリートには、懐かしい雰囲気の茶餐亭(香港の食堂)や生活雑貨屋などが並び、麻雀を楽しむお年寄りの姿なども垣間見れます。
香港の街中では巡り会えない、懐かしい雰囲気を味わいたい方は足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
梅窩…ランタオ島南部にある小さな町で、週末は海水浴や潮干狩り、サイクリングやバーベキューを楽しむ人達で賑わいます。また梅窩フェリー乗り場前のバスターミナルからは、ランタオ島の主要観光地の天壇大仏や大澳行きのバスも出ています。

香港の交通機関を使うなら、あると絶対便利なオクトパスカード

ここまで香港の交通機関について紹介して来ましたが、乗り物によってはお釣りが出なかったり、慣れていないと戸惑ってしまったりで「やっぱり交通機関に乗るのは心配」と思われたかもしれません。

そんな方の強い味方が、交通系ICカードのオクトパスカード(八達通)です。

https://www.octopus.com.hk/en/consumer/octopus-cards/about/index.html

香港は1997年に世界で初めて交通系ICカードシステムを導入し、現在オクトパスカード普及率が95%と言われる程、香港人にとって生活に欠かせないアイテムの一つになっています。
チャージ式で、駅などのチャージ機やコンビニエンスストアでチャージする事ができ、クレジットカードなどと連携して、残額がゼロになると自動的に一定額がチャージされるオートチャージシステムなども導入されていて、電子マネーカードと同じような扱いになっています。
オクトパスカードは、交通機関だけでなくコンビニやファーストフード店、ドラッグストア、スーパーマーケット等でも使う事ができて、日本の交通ICカードよりもさらに使用範囲が広くなっています。

オクトパスカードはどこで買える?

オクトパスカードは、各MTRの駅の「客務中心(カスタマーサービスカウンター)」で購入する事ができますが、みなさんが一番利用しやすいのは、やはり空港にあるエアポートエクスプレスのサービスカウンターだと思います。
オクトパスカードはHK$150で、HK$50がデポジット分・HK$100がチャージ分になります(子ども用のカードはHK$70で、HK$50がデポジット・HK$20がチャージ分です)。
返却する際にデポジットも返金されますが、購入してから90日以内に返金手続きをする場合は手数料としてHK$11がデポジットから差し引かれます。
オクトパスカードは、3年間使用しないと使用休止状態になり、再び使用する場合は手数料を払ってカードの復旧をしてもらう必要があります
また、旅行者向けのツーリストオクトパスカードというものもあります。

https://www.octopus.com.hk/en/consumer/tourist/choices/index.html
ツーリストオクトパスカードはデポジット制ではなく、HK$39でカードを購入して、HK$50単位で自分の必要な金額だけチャージする事になります。
こちらも、使用後に余った金額をサービスカウンターで返金してもらえますが、その時点でツーリストカードは失効してしまい再びチャージする事はできなくなります。
使用後のカードは持って帰る事でできるので「オクトパスカードを記念にとっておきたい」という方にはツーリストカード、香港を何度も訪れる予定があるという方には通常のオクトパスカードがおすすめです。

実際にどうやって使うの?

MTRのゲートやバス、トラム、フェリーなど、タクシーと一部ミニバスを除く全ての交通機関には、必ずオレンジ色のオクトパスカードの模様が描かれたカードリーダーが設置されています。
使い方は、日本の交通系ICカードとまるっきり一緒で、このカードリーダーにオクトパスカードをかざすだけです。
オクトパスカードでの支払いが可能なお店やレストランでは、クレジットカードの機械などと一緒にカードリーダーが置いてあるので、オクトパスカードで支払いたい旨を告げて、カードリーダーにスキャンします。
また、オクトパスには専用アプリ(https://www.octopus.com.hk/en/consumer/mobile-payment/octopus-app/about/index.html)もあり、自分のスマートフォンにオクトパスカードをスキャンするだけで、各種支払いをする事もできます。

 

オクトパスカードを利用すると、MTRの乗車料金も割引になりますし、バスやトラムのようにお釣りが出ない交通機関でも安心して乗車する事ができるので、香港の交通機関を利用する予定の方はぜひオクトパスカードを活用してみてください。

香港は交通機関の種類も多彩なので、乗り物好きの方や旅好きの方はぜひ色々な交通機関に挑戦してみてください。きっと普段見る事のできない香港の一面を味わう事ができて、あなたの香港滞在が10倍楽しくなる事でしょう

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