「タクシー業界で働きたい!」このように考えている方も多いと思います。実際に私もタクシー業界で働きたいと思っていました。
とはいえ、
- タクシー業界の仕組み
- タクシー業界の働き方
など、タクシー業界は会社と違う所が多いので、知らないことが多いと思います。
ここでは、そんな悩みを実際に大手タクシー会社に勤めていた私の視点から解決していきます。
具体的には以下の流れで紹介していきます。
- タクシー業界の概要
- タクシー業界の仕組み
- タクシー業界の働き方
- タクシー会社へ入社してから運転手になるまでの流れ
- まとめ
数分で読める記事ですし、タクシー業界の働き方や仕組みが分かるので、就職・転職する際に役に立つと思います。
タクシー業界の概要
タクシーとは、運転手と車両を貸し出してお客様を目的地までお送りする日本の公共交通機関のことです。
東京の大手タクシー会社
- 大和自動車交通
- 日本交通
- 帝都自動車交通
- 国際自動車 kmタクシー
以上の4社で、それぞれの頭文字をとって「大日本帝国」と呼ばれています。
この大手4社で、東京四社営業委員会を組織し、全国で約400のタクシー会社と提携しています。タクシーチケットは、この提携会社で利用することができます。
現在では、お客様を目的地までお送りするだけではなく、様々なタクシーのおもてなし方法が存在しています。
具体的には、
- 観光タクシー
- 介護タクシー
- 陣痛タクシー
- キッズタクシー
など、新たなタクシーの活用方法が次々登場しています。
近年、日本企業では人材不足が問題となっていますが、タクシー業界でも運転手の高齢化問題とも重なり、人材不足が問題となっています。
タクシー運転手は高齢のイメージが強いと思いますが、この問題を解決するために、2011年頃から大手タクシー会社で新卒採用を開始し、タクシー運転手の若返りを目指しています。
現在では、毎年大手タクシー会社で約100人の新卒が入社しています。
タクシー業界の仕組み
タクシー会社の仕組みは、労働時間や給料など、一般企業と違うのでイメージしにくいと思います。
実際に私も、最初はイメージできませんでした。
タクシー会社に入社を考えている方は、タクシー業界の仕組みについて把握することで、働くイメージが付きやすくなるので、事前に把握しておくことをおすすめします。
ここでは、タクシー業界の仕組みを以下の内容で紹介していきます。
- タクシー業界の仕組み①:労働時間
- タクシー業界の仕組み②:休暇
- タクシー業界の仕組み③:給料
- タクシー業界の仕組み④:1日の流れ
タクシー業界の仕組み①:労働時間
タクシー運転手の勤務形態は大きく分けて
- 日勤
- 夜勤
- 隔日
の3つから選ぶことができます。
それぞれ特徴があるので、自分が働きやすい勤務形態を選ぶことをおすすめします。
日勤では、一般企業と同じように8時〜17時頃までの労働時間です。
1日の拘束時間は、8時間〜10時間となっていて休憩時間は1時間です。
日勤の特徴は、働きやすさにあります。
明るい時間に運転を行えるので、事故の心配も減ります。
とはいえ、タクシー運転手の稼げる時間帯は、午後から深夜なので売り上げは低くなります。しかし、日勤では女性ドライバーや運転が苦手な方など安心して業務を行うことができます。
私が勤めていた会社でも、女性や運転が苦手な方は日勤で業務を行なっていました。
運転に慣れてくると、夜勤や隔日勤務に変更する方もいました。
夜勤では、夕方17時頃〜深夜3時頃までの労働時間になります。
1日の拘束時間は、8時間〜10時間となっていて休憩時間は1時間以上です。
夜勤の特徴は、稼げる時間帯に業務を行えることです。
夜勤では、終電を逃した方や飲み会の帰りなどが増えるので、長距離のお客様が狙えます。
また、基本運賃も割増になるので稼ぎやすくなります。
私が勤めていた会社では、夜勤で月の収入が60万円の先輩運転手がいました。
とはいえ、夜勤は深夜の時間に営業するので事故の確率が高くなるのと睡魔に襲われる場合があります。しかし、夜勤に慣れてくると運転もしやすくなりますし、休憩の時間も日勤と比べて長いので質のいい仮眠ができれば問題ありません。
夜でも問題なく運転できて、売り上げを上げたい方にはおすすめです。
隔日では、朝の7時頃〜深夜の3時頃までの労働時間です。
1日の拘束時間は、約20時間で休憩時間は、3時間あります。
休憩時間では、車を止めて必ず休まなくてはなりません。休憩時間を営業に使いたいと思っても、お客様の命を預かっているので、安全に業務をこなすことが第一優先です。
隔日の特徴は、次の日が明番で休みになることです。
とはいえ、1日の労働時間が約20時間もあるので体力に自信がないとできません。しかし、休みの日を増やすことができるのでプライベートの時間が欲しい方にはおすすめです。
実際に隔日勤務と休日を利用して、旅行などにも行くことができました。
タクシー業界の仕組み②:休暇
タクシー運転手の休暇は、隔日勤務以外であれば、一般企業と同じで月8日程度あります。
隔日勤務は、働いた次の日が明番で休みになるので月の半分は休みになります。
有給休暇も、もちろんあるので隔日勤務と合わせて使うと 4日・5日は休暇が取れます。
また、シフト制を導入している会社もあります。
シフト制では、勤務日を変えることも自由にできるので、相談次第で休暇を取ることもできます。
実際に私の勤めていた会社では、隔日勤務と有給休暇を合わせて海外旅行に行っている方もいました。
組み合わせ次第では、一般の会社よりか休暇を取ることができるので、魅力的です。
タクシー業界の仕組み③:給料
タクシー運転手の給料は、完全歩合制です。
歩合制とは、自分で稼いだ売上で給料が変わります。会社によって比率は異なりますが、売り上げの60%がタクシー運転手の給料になります。
とはいえ、最初の頃は稼ぐことができるか不安ですよね。しかし、多くのタクシー会社では最初の3ヶ月間は保障給があり、月収30万円程度が保障されます。
また、保障期間中は売上を気にしなくていいので、どうしたら稼ぐことができるのか。
- 稼ぎやすいエリア
- 稼ぎやすい時間帯
など把握することができました。
タクシー業界の仕組み④:1日の流れ
タクシー会社の1日の流れを紹介します。
・7時〜会社に出社
会社に出社後は、アルコールチェックや点呼、車の点検などを行って出庫します。
・9時〜営業開始
9時頃から営業を開始します。
この時間帯は、通勤客や病院など移動する人がほとんどです。
・12時〜休憩
朝の忙しい時間がすぎると、約1時間休憩します。
・13時〜営業開始
午後の営業を開始します。この時間帯は、病院などから帰る人や営業などで外回りしているビジネスマンがほとんどです。
・17時〜帰庫
帰庫後は、アルコールチェックや日報、納金、洗車などを行います。
基本的なタクシー運転手の1日の流れでした。
タクシー運転手は、休憩が必須となります。日勤は1時間程度ですが、夜勤や隔日勤務の場合は、1時間〜3時間の休憩が必要です。
どのタイミングで休憩を取るのか、休憩をする時間帯次第では1日の売上にも影響してくるので重要になります。
タクシー業界の働き方
タクシー業界の働き方は、運転手としてのイメージが強いと思います。
しかし、実際には運転手以外にも様々な働き方があり、運転手として事故を起こしてしまった場合や運転手という仕事が合わなかった場合でも、他の働き方ができるので安心して働くことができます。
私の勤めていた会社でも、事故を起こしてしまった人は他の働き方をしてから、運転手として復帰していました。
ここでは、タクシー業界の働き方について以下の内容で紹介していきます。
- タクシー業界の働き方①:運転手
- タクシー業界の働き方②:人事採用
- タクシー業界の働き方③:法人営業
- タクシー業界の働き方④:無線センター
- タクシー業界の働き方⑤:DSP(ディスパッチャー)
タクシー業界の働き方①:運転手
タクシー運転手としての働き方です。
タクシー運転手として働く魅力は、休日が多いことや頑張り次第で月収が上がることです。
タクシー運転手は、隔日勤務だと次の日が明番となっていて休みになります。
有給休暇や休日の組み合わせることで4・5連休取ることも難しくありません。
また、月の売上次第で給料が上がります。タクシー運転手の給料は歩合制で売上の約60%が給料になります。
とはいえ、月の売上が低くて収入が安定しないと心配な方もいると思います。しかし、
タクシー運転手の給料は、どんなに売上が低くても最低でも約18万円は保障されます。
そこから、歩合で給料が増えていくので心配ありません。
タクシー運転手を経験して、
・人事採用
・運行管理
・ハイヤー
などに関わるケースもあります。
タクシー運転手として、経験した知識は他の部署でも無駄になることはありません。
実際に私の会社では、タクシー運転手を経験して人事採用に移動した方もいました。
人事採用では、タクシー運転手の魅力を経験を通じて伝えていて説得力がありました。
タクシー業界の働き方②:人事採用
タクシー会社の人事採用としての働き方です。
タクシー会社業界では、近年人手不足やタクシー運転手の高齢化など様々な問題を抱えています。
そのため、今では、新卒採用も始めた会社も多くあります。
タクシー運転手の若返りや新卒採用を始めたことから、人事採用では若い社員が任されています。
実際に私の同期では、タクシー会社の人事採用として新卒で入社している方もいました。
タクシー会社の人事採用の業務内容は、
- 合同説明会や会社説明会
- 面接官
- インターンシップの主催
- 内定式の主催
- 入社式の主催
など様々です。
実際に何人の新卒が入社したのか見えた形で会社に貢献することができるので、やりがいがあります。
私も、会社説明会や内定式・入社式の主催などを行った経験がありますが、就活生に会社の魅力を伝えることや内定式・入社式で喜んでもらえて、とてもやりがいを感じられました。
会社に直接貢献したい・今後のタクシー業界を変えていきたいと考えている方にはおすすめです。
タクシー業界の働き方③:法人営業
タクシー会社の法人営業としての働き方です。
法人営業では、ハイヤーを利用したい・大人数で利用したい・営業回りや挨拶回りで利用したい企業を対象に営業をしていきます。
タクシー会社の法人営業の業務内容は、
- ハイヤーのご案内
- タクシーチケットのご案内
- ハイヤーやイベント会場などの現場管理
など様々です。
営業に興味がある・自信がある方におすすめの働き方です。
タクシー業界の働き方④:無線センター
タクシー会社の無線センターでの働き方です。
無線センターは、お客様からのタクシーの予約や配車、クレームなど電話で対応します。
タクシー会社の無線センターの業務内容は
- タクシーの配車手配
- 忘れ物対応
- 乗務員のお問い合わせ対応
など様々です。
無線センターでは、タクシーを利用したいお客様を待たせてはいけないので、どこにタクシーがいるのか常に把握して手配しなくてはいけません。
無線センターでは、1日の配車台数が把握できるので、数字の動きが具体的に分かります。会社が成長できているのがわかるのでやりがいがあります。
運賃値下げや新型車両の導入など、会社が行なっている新たな取り組みに対して、数字で把握して実感することができます。
コールセンターでの経験がある方や管理が得意な方におすすめです。
タクシー業界の働き方⑤:DSP(ディスパッチャー)
タクシー会社DSP(ディスパッチャー)での働き方です。
DSP(ディスパッチャー)とは、病院やホテルなどの専用乗り場を管理します。
DSP(ディスパッチャー)の業務内容は
- お客様のドアサービス
- タクシーの手配
- タクシーの誘導
など様々です。
私は、タクシー会社に入社する際に第二種免許の条件である普通自動車免許の取得から3年経っていなかったので、様々な専用乗り場のDSP(ディスパッチャー)を経験しました。
DSP(ディスパッチャー)業務を通じて、専用乗り場でお客様が多くなる時間帯や、どの専用乗り場にお客様が多く集まるのかなど把握することができました。
この経験は、タクシー運転手として営業する際にも役に立つことができました。
タクシー会社へ入社してから運転手になるまでの流れ
タクシー会社に入社したいと考えている方の中には、入社してから運転手になるまでの流れについてわからない方がほとんどだと思います。
事前に、入社してから運転手になるまでの流れについて把握することで、入社してからスムーズに運転手になることができます。
ここでは、タクシー会社へ入社してから運転手になるまでの流れについて以下の内容で紹介していきます。
運転手になるまでの流れ①:普通自動車第二種免許の取得
運転手になるまでの流れ②:地理試験
運転手になるまでの流れ③:社内研修
運転手になるまでの流れ①:普通自動車第二種免許の取得
普通自動車第二種免許は、タクシー運転手になるために必須の資格です。
普通自動車第二種免許の取得には、
・教習所への通学
・合宿
の方法があります。
運転に自信がない方は、合宿での取得することをおすすめします。
合宿では、1日に多くのことを学ぶことができるので覚えるのが早いです。
普通自動車第二種免許の取得するまでに流れとして
第1段階で、技能8時間・学科7時間
第2段階で、技能10時間・学科12時間
そして、学科・技能で試験を行います。
運転が苦手な方で、普通自動車第二種免許を取得できるか心配な方も多いと思います。
実際に私も運転が苦手で心配でした。
そんな私が行った対策は以下の2点です。
・普段から運転する
・普通自動車免許合宿で取得する
普通自動車免許の取得には、通学と合宿で通うパターンがありますが、通学の場合は長期間で1日に受けられる講義も少ないので集中的に学ぶことができません。
合宿の場合では、1日に多く講義を受けられ集中的に学ぶことができます。
実際に、私は運転未経験で普通自動車免許を取得できるか不安でしたが、合宿で短期的に学ぶことで取得することができました。
また、普段から車を使うことで、緊張することなく運転ができ、未経験でもタクシーの運転に慣れることができました。
運転手になるまでの流れ②:地理試験
東京都内でタクシードライバーになる場合には、地理試験を受けなくてはなりません。
地理試験はタクシーセンターで研修して取得します。
内容は、エリア内の交差点の名前や有名な建物の名前、目的地までの最短ルートや運賃などを学びます。
地理試験では、覚えることも多いので合格できるか心配でした。
内容も難しく、合格率が約50%ほどと言われています。
そんな私が行った対策は、入社する前に事前に勉強することです。
事前に地理試験の勉強することで、合格率が上がります。
実際に私が勤務していた会社でも、2回〜5回は再試験をしている方がいました。
しかし、入社前に事前に勉強したおかげで1回で合格することができました。
同期でも、事前に勉強した方は合格率が高かったです。
運転手になるまでの流れ③:社内研修
研修では、座学と実技を行いました。
座学では、
- 道路交通法などの法律
- マナーなどのロールプレイング
- タクシーチケットやクレジットカードの払い方
など、タクシー運転手としての基礎知識を学びます。
実技では、先輩ドライバーが同乗して
- 接客の仕方
- 機器の使い方
- 乗客を拾いやすいエリア
など、乗務時に必要な知識を学びます。
タクシーでは、一般の車と違いタクシーチケットやクレジットカードの支払いなど機器の使い方を覚えなくてはなりません。また、運転と接客の両方行わなくてはなりません。
そんな私が行った対策は、入社前にDSP(ディスパッチャー)などの業務を体験する
ことでした。
私は、入社前にDSP(ディスパッチャー)をアルバイトとして行っていました。
DSP(ディスパッチャー)のアルバイトを行うことで、タクシー運転手の接客の仕方やタクシーチケットやクレジットカード機器の使い方など知ることができました。
事前に知ることで、社内研修をスムーズに行うことができました。
他の業務で情報収集することで、タクシードライバーで営業する際に役に立ちます。
DSP(ディスパッチャー)以外にも、
・無線センター
・営業所事務
など、様々な業務を体験することができます。
このような業務で得た知識と言うのは、社内研修だけではなく運転手として営業する際に役に立つので、事前に体験しておくことをおすすめします。
まとめ
ここまで、タクシー業界の仕組みは働き方について紹介してきました。
タクシーとは、運転手と車両を貸し出してお客様を目的地までお送りする日本の公共交通機関のことです。
東京の大手タクシー会社では、
- 大和自動車交通
- 日本交通
- 帝都自動車交通
- 国際自動車 kmタクシー
以上の4社で、それぞれの頭文字をとって「大日本帝国」と呼ばれています。
タクシー会社の仕組みは、労働時間や給料など、一般企業と違うのでイメージが付きにくいと思います。
労働時間は、勤務形態によって様々で大きく分けて
- 日勤
- 夜勤
- 隔日
の3つがあり、それぞれ特徴があるので自分が働きやすい勤務形態を選ぶことができます。
休暇は、隔日勤務以外であれば、一般企業と同じで月8日程度あります。
隔日勤務は、働いた次の日が明番で休みになるので月の半分は休みになります。
給料は、完全歩合制です。歩合制とは、自分で稼いだ売上で給料が変わります。会社によって比率は異なりますが、売り上げの60%がタクシー運転手の給料になります。
1日の流れ
・7時〜会社に出社
会社に出社後は、アルコールチェックや点呼、車の点検などを行って出庫します。
・9時〜営業開始
9時頃から営業を開始します。
この時間帯は、通勤客や病院など移動する人がほとんどです。
・12時〜休憩
朝の忙しい時間がすぎると、約1時間休憩します。
・13時〜営業開始
午後の営業を開始します。この時間帯は、病院などから帰る人や営業などで外回りしているビジネスマンがほとんどです。
・17時〜帰庫
帰庫後は、アルコールチェックや日報、納金、洗車などを行います。
となっています。
タクシー業界の働き方は、
- 運転手
- 人事採用
- 法人営業
- 無線センター
- DSP(ディスパッチャー)
など、実際には様々あります。
運転手として事故を起こしてしまった場合や運転手という仕事が合わなかった場合でも、他の働き方ができるので安心して働くことができます。
タクシー会社へ入社してから運転手になるまでの流れは
- 普通自動車第二種免許の取得
- 地理試験
- 社内研修
の順番で行います。
普通自動車第二種免許の取得では、運転が苦手で、取得できるか心配な方も多いと思います。
その対策は、以下の2点です。
・普段から運転する
・普通自動車免許合宿で取得する
地理試験では、覚えることも多く合格できるか心配な方も多いと思います。
その対策は、入社する前に事前に勉強することでした。
社内研修では、タクシーチケットやクレジットカードの支払いなど一般の車にはない機器の使い方などを覚えなくてはならないので心配な方も多いと思います。
その対策は、入社前にDSP(ディスパッチャー)などの業務を体験することでした。
今後タクシー業界へ就職・転職する際の役に立てれば幸いです。