インドネシアのスカルノハッタ空港から市内への交通機関(ブルーバード・Grabタクシー・エアポートトレイン)やMRTの乗り方解説

インドネシア

人口が2億6,000万人を越えるASEANの大国の1つであるインドネシアは、同国で市場開拓を図る日本企業がジャカルタへ工場進出するなど経済的側面だけでなく、ボロブドゥール遺跡やプランバナン寺院群などのいにしえの王宮文化を味わえる古都ジョクジャカルタや、ヒンドゥー教にもとづく伝統文化が根付き、豊かな自然を満喫することができるバリなどを有し、人気の観光地としても世界中の観光客から注目が集めています。

そして外国を観光する際に気になるのがタクシーや電車といった現地の交通事情が挙げられるかと思います。そこで今回は、インドネシアの首都ジャカルタを中心とした交通機関について解説します。

インドネシアの代表的な交通機関

はじめに、インドネシアの代表的な交通機関をご紹介しましょう。

今回はジャカルタバリジョクジャカルタの3都市を訪問しましたが、観光客にとって便利な足となるタクシーはもちろん、ジャカルタの幹線道路を走るエアコン付きバスの「トランスジャカルタ」、乗り合いバスの「ベモ」、複数の会社が運営している市内バス、近・中距離移動に利用される準タクシーの「バジャイ」、バリ島などでは観光客向けのシャトルバス、インドネシアの田園風景を眺めながらのんびり観光を満喫することができるジャワ鉄道などがあります。

また、インドネシアではバイクタクシー「オジェッ」も全国的に普及しているほか、ジョグジャカルタなどの観光地を中心に三輪自転車の「ベチャ」や、バイクを活用した「ベチャマシーン」、馬車などもあり、観光客の多様なニーズに合わせて多種多様な交通機関を利用することができます。

今回インドネシアの3都市を訪問して、街中の人々の流れを観察していましたが、いずれの都市でも自家用車やタクシー、バイクなど乗り物移動が中心で、東京のように運動がてら歩いて移動することはあまり念頭に置かれていないようです。特に、朝夕の通勤時間やスコール時などは幹線道路を中心にひどい渋滞となります。

日中は日差しが強くなるため、バリのビーチ沿いやジョグジャカルタの広大な遺跡をじっくり観光する際には、帽子や手ぬぐい、日焼け止めクリーム、飲料水などを事前に準備しておくとよいかと思います。

 

まずは、ジャカルタのスカルノハッタ国際空港から市内中心部への移動手段を見ていきましょう。

ちなみに、同空港はアジアの交通ハブとして知られるシンガポールのチャンギ国際空港よりも年間旅客数が多く、経済・観光の両面でインドネシアに注目が集まっていることに加え、同国の国民が国内および海外旅行を楽しむまでに生活水準が向上してきたことがうかがえます。

〈空港タクシー(エアポートタクシー)〉

スカルノハッタ国際空港からジャカルタ市内へ向かう交通機関の一つ目が、最も便利な乗り物といえる「空港タクシー(エアポートタクシー)」です。

同空港の到着ロビーに、エアポートタクシーカウンターがあり、そちらでチケットを購入することですぐに出発できます。

(空港タクシー購入カウンター)

同空港では複数のタクシー会社が運行していますが、なかにはぼったくりなどの悪質タクシーも存在します。空港の到着ロビーにおいて、多くのタクシー運転手が客引きをしていますが、それらを利用するのは避けるようにしましょう。

比較的安心・安全といわれているのが、下記の写真のとおり、車体が青色の「ブルーバード」や車両がベンツを使用する「シルバーバード」です。

(ブルーバードタクシー)

タクシーカウンターを利用する場合、定額でチケットを購入できます。
ブルーバードとシルバーバードはともにメーター制を導入
しています。

  • ブルーバードの場合、市内中心部まで200,000ルピア(1,550円)ほど
  • シルバーバードでは300,000ルピア(2,311円)ほど

加えて、高速料金使用料として130,000ルピア(1,000円)ほどを、タクシードライバーが支払い時に手渡すか、後でまとめて精算する必要があります。

なお、インドネシアのタクシー運転手のなかには、英語が苦手な方もいますが、シルバーバードはブルーバードと比較して料金は高くなりますが、英語を話せる運転手が多いようです。ちなみに、一部の高級ホテルでは、いつでも宿泊者などが利用できるように、シルバーバードが何台も待機していました。

下の写真のようにブルーバードと車体の色が酷似したタクシー会社が複数ありますので、乗車する前には、車体側面に記載されている会社名を確認するようにしましょう。

(ブルーバードと車体の色が酷似しているPUKASA)

〈Grabタクシー〉

そして今回は、インドネシア市内で頻繁にタクシーを乗り降りするという前提で、スマートフォンを活用してタクシーの手配から決済までできる、非常に使い勝手の良い「Grabタクシー」を利用しました。

スカルノハッタ国際空港の到着ロビーを出ると、下の写真のようにGrabタクシーの乗車場所が決まっていますので、タクシーが来るまでそこで待つことになります。なお、

乗車する際には、スマートフォンで入力した行き先に間違いがないか、タクシードライバーに事前に確認するようにしましょう。

(Grabタクシーのピックアップポイント)

また、ジャカルタで最大手クラスのブルーバードは、保有車両が同地でナンバーワンを誇るようですが、その分利用も非常に多く、長蛇の列に巻き込まれることもあります。今回、Grabタクシーを利用した際は、一組先に待っていましたが、ほぼ同時に2台のタクシーが来て、スムーズに出発することができました。

市内中心部から少し離れますが、新興開発地域の「ポドモロシティ(Podomoro City)」までの料金は、高速料金を含めて162,000ルピア(1,253円)でした。

(Grabタクシー)

〈空港鉄道(エアポートトレイン)[*1]〉

また、スカルノハッタ国際空港とジャカルタ市内を結ぶ空港鉄道である「エアポートトレイン(Airport Train)」があります。比較的定刻通りに運行されており、スカルノハッタ駅から市内中心部のBNIシティ駅(BNI City Station, BNC)まで約50分です。

運賃は片道70,000ルピア(約540円)となります。

(スカルノハッタ国際空港 エアポートトレインの標識)

なお、同空港はターミナル1から3まであり、国内便や国際線(すべての国際線はターミナル2DからE)によって到着するターミナルが異なりますが、各ターミナル間を連結したスカイトレイン(Skytrain)と呼ばれる新交通システムを利用して、空港鉄道駅へ行くことが可能です。

〈空港バス〉

そのほかにも、交通費を節約したい方はダムリ社が運営している「エアポートバス」もあります。

スカルノハッタ国際空港から市内中心部のガンビル駅西口やブロックMなど市内のバスターミナルを連結しています。空港から市内までのエアポートバスは、午前5時から午後11時30分まで15分から30分間隔で運行されています。

料金は20,000ルピア(約154円)です。

(ダムリ社の空港シャトルバス)

 

《ジャカルタ市内の交通手段》

ジャカルタ市内においては、タクシーやバス(トランスジャカルタ)、市内バス(ダムリやメトロミニなど)、MRT(大量高速輸送)、郊外電車のコミューター、オート三輪車(バジャイ)、バイクタクシー(オジェッ)、自転車タクシー(ベチャ)、乗り合いバス(ベモ)など多種多様な手段がありますので、時間や予算に合わせて交通機関を乗りこなすことが可能です。

〈タクシー〉

インドネシアの旅に慣れていない場合には、空港タクシーの項目でお伝えしたブルーバードタクシーや、車体が白の「エクスプレス・トランジット・ウタマ」などのメータータクシーを利用するのが安心できるかと思います。

初乗り料金は6,500ルピア(約50円)と、日本のタクシーと比較すると非常に安く感じるかと思います。多くの観光客が訪れるジャカルタ随一の大型ショッピングモールである「グランドインドネシア」や「プラザインドネシア」などでは、タクシーのピックアップポイントが決まっていますので、インフォメーションカウンターで確認することで効率的にタクシー乗り場にたどり着けると思います。

タクシーに乗車する際は、メーターが戻っているか確認したうえで出発しましょう。ごく近距離であると、メーターを使ってくれないタクシードライバーもいるようです。
ジャカルタではタクシー強盗が増加傾向にあるようなので、深夜に流しのタクシーの利用は避けるようにして下さい。
近くのホテルなどでメータータクシーを呼んでもらうか、Grabタクシーを利用する方が安全といえるでしょう。
今回実際にタクシーを利用した際にも体験しましたが、大きな金額で支払いをしようとすると、お釣りを払えないことがありますので、20,000ルピアや10,000ルピアなど小さめの紙幣を準備しておくとよいかと思います。
おつりが10円や20円ほど足りない場合でも、タクシー運転手へのチップとして考えてみてはいかがでしょうか。さらに、クレジットカードに関しては乗車するタクシーによって使用できるか否か確実ではないため、最低限の現金は持参しておくと安心かと思います。

Grabタクシーに関してですが、料金体系が明瞭でぼったくりもなく安心して利用できますが、やはり運転手のなかには英語が苦手の方がいらっしゃいます。そのため、行き先変更や別途目的地を加える場合などは、Grabアプリを十分に使いこなせる状態にしておいた方がよさそうです。英語が苦手で、なおかつ運転中のドライバーに、アプリの使い方を聞いても、満足のいく回答を得られるとは限りません。

〈MRT(大量高速鉄道)〉

タクシーはジャカルタ市内を観光するうえで、非常に便利な乗り物ではありますが、「ヒト・モノ・カネ」が集中するインドネシアの首都ジャカルタは、世界でも有数の交通渋滞が発生するといわれています。

ジョグジャカルタなど観光地は土日を中心に交通渋滞が発生するようですが、経済と観光においても数多くの人が往来するジャカルタでは、平日も交通渋滞がひどく、特に朝夕の通勤時間において車移動はできることなら避けたいところです。

そこで、ジャカルタ経済圏の渋滞解消を図るべく、同国初となるMRT(大量高速鉄道)が2019年3月末に開通されました。

(MRT Bundaran HI駅)

開通されたばかりのMRTは、日本人向けのショップが立ち並ぶ「ブロックM」などがある南ジャカルタから、日系企業や高級モール、日本人の多くが住むコンドミニアムなどが密集する「スナヤン」地区を通過し、中央ジャカルタに位置する「ホテル・インドネシア(HI)」前のロータリーまでを結んでいます。

さらにインドネシア政府は、北ジャカルタの観光スポットである「アンチョール」まで延伸する第2工期に加え、東西に伸びる路線の建設を計画している模様です。

今回MRTに乗車する際に利用した駅は、プラザインドネシアの目の前にある「ブンダラン HI(Bundaran HI)」駅です。ジャカルタを訪れる方にとって、一度は行く可能性が高い大型ショッピングモールであり、まさに観光客にとっては便利な立地でしょう。まだ開通されたばかりということもあり、駅のなかはやや殺風景ではありますが、小ざっぱりとした感じでした。

下の写真の通り、MRT駅には券売機もありますが、なぜか皆チケットカウンターで購入していました。

(MRT Bundaran HI駅内のチケットカウンター)

(MRTの券売機)
インドネシア語に加え英語に対応しています

下記の画面の通り、タッチパネルで行き先をクリックします。なお、MRTは90cm以上の人の場合、チケットを購入する必要があるようです。また、日本の駅名とは異なり、「BNI」や「Mandiri(マンディリ)」などインドネシア企業名も掲載されていました。

(片道チケットの購入画面)

今回は、ブンダラン HI駅からブロックM駅まで乗車しましたが、下記の内訳です。

「Fare 8,000ルピア(約62円)」が乗車料金になり、
「Card Cost 15,000ルピア(約116円)」がデポジット

日本でいうSuica(スイカ)にデポジットするのと同じ仕組みといえます。また、MRTの乗車カードは、マンディリやBNI、BCA、BRIなど銀行ブランドのものを発行することもできるようです。

さすがに開通したばかりということもあり、MRTの車内も汚れが目立ったり、窓にひびが入っていたりすることはなく、綺麗な状態でした。

(支払い画面)

MRTの料金に関しては、タクシーの初乗りと大して差はないですが、たとえばブロックMのショッピングモールである「プラザ・ブロックM」とは直結しているなどの利便性があります。また、夕方の帰宅ラッシュ時にはどの幹線道路もひどい渋滞になるため、時間に融通が利く観光客のメリットを活かして、時間帯や行き先に応じてタクシーMRTを使い分けてもよいかもしれません。

交通渋滞の解消を目指すメガシティのジャカルタでは、毎週日曜の午前6時から午前11時まで「カーフリーデー」が開かれています。
徒歩や自転車の利用を促進し、健康と商いの場を提供する同イベントは、プラザインドネシアやグランドインドネシアなどショッピングモールや一流ホテル、大手企業などが集結した地域にあるホテルインドネシア(HI)前ロータリーのタムリン通りにおいて、屋台や衣服、靴などの多くの露天が軒を連ね、カーフリーデーに合わせたマラソン大会やイベントなども催されるようです。

〈バス(トランスジャカルタ)(*2)〉

ジャカルタの幹線道路を専用レーンで走るのがエアコン付きバス「トランスジャカルタ」です。

東南アジア最大規模を誇る「イスティクラル・モスク(Mesjid Istiqlal)」や、ジャカルタ北部に位置しオランダ統治時代の面影が残る「コタ(Kota)」地区、ジャカルタ南部の自然豊かな「ラグナン動物園(Kebun Binatang Ragunan)」などのスポットをつないでおり、観光客にとって便利な乗り物の1つです。

(専用レーンを走るトランスジャカルタ)

基本的にはバス専用レーンを走るため、ひどい渋滞に巻き込まれる心配はなく、途中での乗降車ができない仕組みになっており、市内バスと比較してスリなどの被害にあう確率も低いようです。また、2016年4月からは女性専用席が設けられたほうか、バリアフリーへの取り組みも積極的な模様です。

トランスジャカルタの乗車料金は、

午前5時から午前7時までは2,000ルピア(約15円)、
午前7時から翌日午前5時までは一律で3,500ルピア(約27円)と一律で、
路線を複数乗り継いでも料金は変わりません。

また、日中は3分おきに、早朝と夜の時間帯は5,6分おきで運行しており、チケットは各停留所でICカードを購入することになります。

〈オート三輪車(バジャイ)〉

交通の要所であるガンビル(Gambir, GMR)駅周辺や主要観光スポットなどを中心に、近・中距離の移動手段として用いられるのがオート三輪車「バジャイ」です。

ただし、乗車料金はメーターではなく交渉制となるため、インドネシア観光になれていない方にとっては、少し労力のいる乗り物かもしれません。

(オート三輪車バジャイ)

料金はドライバーによって、また道路の込み具合や行き先までの距離によって大きく異なり、徒歩10分程度であれば15,000ルピア(115円)ほどとするケースが多いようです。

なお、2006年以降は、環境に配慮し、国内生産が可能な圧縮天然ガス(CNG)を燃やした青色バジャイが中心となっています。

〈鉄道電車(コミューター)〉

近・中距離にはバジャイやタクシーが便利ですが、ジョグジャカルタやソロ、スマラン、スラバヤなど中・長距離移動には鉄道電車を利用することが可能です。

ジャカルタでは北ジャカルタの「コタ」駅や、ムルデカ広場の東側にある「ガンビル」駅、ジョグジャカルタやソロへの急行列車が発着する「パサール・スネン(Pasar Senen)」駅などが主要な鉄道駅となります。

(鉄道Stasiun Gambir駅)

それぞれの長距離電車によって終着駅が異なりますので、乗車チケットを購入する際に確認するようにしましょう。

ちなみに、インドネシアの高原避暑地として知られるボゴール(Bogor)には1時間から1.5時間ほどの所要時間を要し、インドネシア初代大統領であるスカルノの出身地であり、日系企業も多数進出している同国第2の商業都市であるスラバヤ(Surabaya)には、10時間から13時間ほどかかります。

〈オジェッ(バイクタクシー)〉

ジャカルタの道路で頻繁に見かけるのが、タクシーなどの乗用車に加えて、この「オジェッ」です。

近距離移動の際に、特にひどい渋滞が発生した場合には、渋滞をすり抜けていくことができるバイクタクシーは非常に便利です。

主要駅前やバスターミナル、ショッピングモール周辺などが、オジェッのピックアップポイントになっています。また、インドネシアの地方都市でタクシーがあまり運行していないエリアやバスのルート外の目的地へ行く際は、利用価値が高いといえるでしょう。

(Stasiun Gambir駅前のオジェッ乗り場)

料金は基本的に交渉制となりますので、事前にホテルや観光インフォメーションセンターなどで確認しておくとよいかと思います。

最近では、上記の写真のように、Grabのバイクタクシーも利用する人々が増えてきています。Grabは乗用車タクシーと同様に、スマートフォンでバイクタクシーの手配から決済まで一括してでき、乗車料金もメータータクシーと異なり、渋滞につかまり多くの時間を乗車していたとしても値段が変わることはありませんので安心して利用することができます。

また、インドネシア地場の「ゴジェック(Gojek)」などオンライン配車サービスを提供する企業も出てきています。ゴジェックは、Grabと同様に、乗用車やバイクによるタクシー送迎だけでなく、ブルーバードタクシーの配車や食事のデリバリー、出張マッサージサービスなども展開しています。料金の支払いは、スマートフォン用アプリ内の電子マネーサービス、クレジットカード、銀行送金、現金で決済することが可能です。なお、1kmほどの近距離の乗車であれば、タクシーよりもゴジェックを利用したほうが料金を抑えられる模様です。

下の写真はジャカルタ随一の目抜き通りです。ジャカルタでは、車だけでなくバイクの利用も多いと感じました。バイクタクシーのゴジェックも、街中で沢山見かけ、男性だけでなく、多くの女性も利用している模様です。
ジョグジャカルタのベテランガイドにヒアリングしたところ、同地ではバイクが主な交通手段であり、バイクタクシーよりもゴジェックやGrabの方が料金としては安い傾向にあるようです。

(ジャカルタ随一の目抜き通り)

〈バス〉

ジョグジャカルタやバンドゥン、スラバヤ、バリ、スマトラなど行き先によって、プロ・ガドゥン、ラワマングン、カンプン・ランブータン、カリデレスといったバスターミナルがあります。ただし、いずれも市内中心部から外れたところにあるため、ジャカルタを拠点に観光する方にとっては、少々不便な交通手段といえるでしょう。

バスターミナルでは置き引きやひったくりが多発しているようですので、バスを利用する際には注意が必要です。

乗車料金は、運行するバス会社やバスのグレードによって異なり、一番安いグレードだと車内が人であふれ返り、すりに遭う可能性も高まる模様です。そのため、長距離を移動するバスを利用する場合、エアコンが付いたグレードの高いバスに乗った方が安心といえるでしょう。

やはり近距離移動であれば、先ほどお伝えしたトランスジャカルタを利用した方が、すりの被害も少なくなるようです。

 

《バリ市内の交通機関》

ここからは、インドネシアのなかでも大自然を満喫し、観光客から絶大な人気を誇るバリ市内の交通機関をお伝えします。

まず、バリのデンパサール(グラライ)国際空港に到着後、ジャカルタ同様にエアポートタクシーやバスなどで市内まで移動することになります。

今回、筆者はグラライ国際空港からサヌールへ訪問する予定であったため、事前に目安となるエアポートタクシーの値段をリサーチしました。そして、宿泊したホテルの空港送迎サービスの料金の方が安かったため、今回はそちらを利用しました。値段は1,900円ほどでした。

しかし、下の写真のようにタクシー運転手や旅行代理店スタッフなどが待つスペースは、非常に混雑しており、事前予約したホテルのドライバーを探すのに少々苦労しました。

(グラライ国際空港到着ロビーで待合スペース)

写真の右手がタクシーなどの駐車場で、左手に進むとバス乗り場となります。

(グラライ国際空港 空港バス標識)

ホテル送迎車内のエアコンが利きすぎていて非常に寒かったので、乗車と同時にエアコンを止めて下さいとお願いしました。ただし、今回は3人でスーツケース3つでしたが、ゆとりをもって乗車できました。

(ホテルの送迎車)

〈バリ市内の交通機関〉

ジャカルタと同様に、バリ市内観光の交通手段としては、やはりタクシーが挙げられます。これまで何度かご紹介してきたように、バリでもブルーバード車がたくさん道路を走っているのを見かけました。

ただし、写真のように、ブルーバードと車体の色が似た「TAXI BALI」という車も街中でよく見かけましたので、乗車前にはブルーバードが否か車体側面部の会社名を確かめてから乗るようにしましょう。

(TAXI BALI)

バリ島の複数個所を効率的に観光したい場合、毎回タクシーを呼ぶ手間や時間を考えると、車のチャーターは非常に便利です。
今回筆者は、日本語のできる運転手付きで9時間チャーターしたところ、5,500円(70万ルピア)でした。

現地のベテランガイドに確認しましたが、その都度タクシーを呼んだ方が多少値段は安くなるようですが、利便性においてチャーターカーは非常に便利といえます。

3人で乗車しましたが、車内はゆったりとしていて、予定とは異なる場所へも臨機応変に対応して下さり、工程が終了するまで快適に利用することができました。

夕方ころに空港へ向かう場合は、渋滞につかまる可能性がありますので、30分から1時間ほど時間に余裕をもって旅程を組むとよいでしょう。

(チャーターカー)

《その他》

今回筆者は、首都のジャカルタに加え、バリとジョグジャカルタを訪問しました。

たとえば、ジャカルタからジョグジャカルタへはバスや鉄道を利用していけますが、バスステーションは市内中心部から離れた場所にあることに加え、市内の渋滞の影響を大きく受けることもあり、時間も非常にかかります。その点、インドネシア・エアアジアなどのLCCを利用するのが効率的といえるでしょう。

飛行機であれば、ジャカルタからジョグジャカルタまでの所要時間は約1時間ほどであるのに対し、バスの場合では、ジョグジャカルタの中心部から4kmほど離れたギワガン・バスターミナル(Terminal Giwangan)まで12時間から14時間ほどかかります。鉄道でも7時間から9時間ほど要します。

また、ジャカルタからバリ・デンパサールには飛行機で1時間40分ほどですが、バスでは28時間から30時間と丸一日以上かかります。

そのため、効率的にインドネシアの各都市を回ることを検討しているのであれば、インドネシア・エアアジアなど極力費用を抑えたLCCを利用されるのが良いかと思います。

(インドネシア・エアアジア)

インドネシアには3つの時間帯があり、バリ島が日本と1時間遅れであるのに対し、首都のジャカルタやボロブドゥール遺跡やプランバナン寺院のあるジョグジャカルタジャワ島は、日本と2時間遅れの時差となります。
インドネシアの島々を巡る旅程を立てている場合には、それぞれ日本との時差がどのくらいか事前に調べておくことで、無用な失敗を避け、充実した旅にすることができると思います。

家族やグループ旅行でジャカルタからジョグジャカルタまで行く場合、インドネシア・エアアジアを利用し、アディスチプト空港からは運転手付きのチャーターカーを活用してもよいかと思います。

また、ジャカルタからジョグジャカルタ間では、時期や利用する航空会社のプロモーションなどによって、鉄道の1等よりも料金が安く済むこともあるようです。

ただし、LCCを利用する場合には、機内に持ち込む手荷物のサイズや重さ制限を大幅に超えると超過料金を取られてしまいますので、各航空会社のルールを事前にチェックしておきましょう。

 

《まとめ》

今回は、世界中の観光客から人気の高いインドネシアのジャカルタを始め、バリなどの交通機関を解説してきました。

ジャカルタのブロックMやジョグジャカルタの繁華街、市内バス、駅構内など、人の往来が激しい場所では、スリの被害が多いようです。そのため、旅行者が多数集まる場所へ訪れる際には、貴重品をホテルのセーフティボックスで管理しましょう。
また、バリ島においては旅行者を狙ったバイクによる引ったくりが発生しているようです。出かける際は貴重品を金庫に置いておくとともに、リュックは体の前に、バッグは道路側とは反対の方にかけるなどの工夫をしてください。

インドネシアには多種多様な交通機関がありますので、旅程や予算などに合わせて使い分けることで、より充実した旅を送りましょう。

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