「法人を設立しようと思っているけど、手続きが全くわからない…」という場合、ご自身で1つずつ調べながら手続きを進めていく必要がありますよね。しかしながら会社設立には「登記」や「税務」、「労務」といった複数分野の知識を要するため、なにから手を付けていいものかわからない方も多いのではないでしょうか。筆者自身も2019年2月に会社を設立したため、その気持ちが痛いほどわかります。ややこしいですよね、会社を作るって。
会社を設立するにあたり、私自身も「あ…これ先に知っておきたかった…」という情報のオンパレードでした。だからこそ、これから会社を設立する方には同じような苦労を避けていただきたいと思います。
当記事では、
- 法人を作る上での基本知識
- 株式会社か合同会社、どちらにすべきか
- 法人を設立する際の具体的な手続き
- 法人を設立する前に知っておいたほうが良いこと
- 「法人成り」する場合の注意点
- 法人を作るときに提携しておいたほうが良い専門家
- 法人を作ってよかったこと、悪かったこと
など、法人設立前~設立後にありがちな不安を徹底解決していきます。筆者が実際に体験した苦労ポイントも含めて解説していくので、これから法人を設立される方はぜひ参考にしてみてくださいね。
1.法人とは何のこと?個人事業との違いは?
「法人」という言葉を聞いて、どのようなものを想像しますか?法人=会社という認識を持てる人もいれば、「法人ってなに?」という疑問を抱いてしまう方もいらっしゃるかと思います。
まずは、「法人とはなにか?」「個人事業と法人の違いは?」という2点についてご説明していきますね。
法人とは「権利義務の主体として認められるもの」
法人を一言でいえば、「権利義務の主体として認められるもの」となっています。これをもう少し簡単にいえば、1つの人格として「法律上の権利行為を行うことができる」ということですね。
法人は1つの人格として扱われる
法人を「法人格」という言葉で表現するケースがあるように、法令上法人は1つの人格として扱われます。1つの人格として扱われるということはすなわち、法律上の権利行為である資産の所有や売却、契約等を法人名義で行うことができるわけですね。
もちろん、法人に自然人(人間のこと)と全く同じ権利が付与されるわけではなく、法令や性質、目的によって制限されることになります。このあたりの扱いは難解かつ本題からズレるので、ここでは「法人は1つの人格として扱われる」というポイントだけ覚えておきましょう。
個人事業は個人と事業が一体になっているもの、法人は別人格
ありがちな疑問として、「個人事業と法人は何が違うの?」というものがありますが、個人事業は個人と事業が一体になっているものを指します。対して法人は、個人とは別の人格という扱いになります。ここが大きな違いです。
具体的な違いでいうと、
- 個人事業は「個人の所得」として所得税を申告する
- 法人は「法人の所得」として法人税を申告する
- 個人の所得税は「累進課税」、法人は事業規模や種類、年間所得によって税率が定められている(※下記参照)
- 個人事業は個人の責任になるので「無限責任」、法人は法人格の責任になるので「有限責任」となる
などでしょうか。
特に税率の部分は非常に大きな違いになります。
わかりやすい例を挙げると、年間4,000万円超の所得があった場合、個人であれば所得税の最高税率である「45%」が課税されます。対して法人であれば、最高税率でも「23.2%」なので、累進課税のように「稼げば稼ぐほど税金が重くなる」というような状況にならないわけですね。このような背景から、節税のために法人を作る方も多いのです。
①資本金1億円以下…年間所得800万円以下までは15%、それを超える部分は23.2%(平成30年4月1日以後に開始する事業年度に適用。それ以前は23.4%)
②上記以外の普通法人…23.2%(平成30年4月1日以後に開始する事業年度に適用。それ以前は23.4%)
売上規模や信用によっては個人事業でも問題ない場合もある
「会社を設立しようか迷っている」という方も中にはいらっしゃると思います。筆者自身、個人事業を約7年続けた上で法人を作ったので、迷う気持ちはすごくわかります。
結論から言ってしまうと、「売上規模や信用によっては個人事業でも問題ない場合がある」のは事実です。個人事業=信用されにくいというデメリットは確かにありますが、だからといっていきなりランニングコストのかかる法人を設立するのは、リスクを伴います。
特に、売上規模が小さいうちは、法人よりも個人事業のほうが、税率が低くなる場合もあります。したがって、「法人を作るべき理由」がご自身でハッキリするまでは、個人事業も視野に入れつつ検討する余地があるでしょう。
一般的には所得の金額が500万円以下の場合は個人事業、500万円超になれば法人のほうが、税金面で有利とされています。しかしながら実際のところ、どの程度節税策を実施するかどうかや事業に仕入れが伴うかどうか等の状況によって、税金面の有利不利は異なります。不安な方は、税理士に税金のシミュレーションを行ってもらいつつ、慎重に検討してみてくださいね。
2.法人の種類は2つに大別!あなたはどれを選ぶ?
法人=会社、というように認識してしまいがちですが、法人には様々な種類が存在しています。多くの方が悩む「合同会社」や「株式会社」以外にも、様々な法人が存在しているのです。簡単にまとめると、下記のようになります。
<法人の種類>
【営利法人】
- 株式会社
- 合同会社
- 士業法人
など
【非営利法人】
- 一般財団法人
- 一般社団法人
- NPO法人
- 学校法人
- 宗教法人
など
上記を大別すると、「営利法人」と「非営利法人」の2つに分かれるわけです。ここでは、営利法人と非営利法人の違いを簡単に触れた上で、多くの創業者が悩む「株式会社」と「合同会社」の違いについてもわかりやすく解説していきますね。
法人の種類は2つに大別される
法人の種類は「営利法人」と「非営利法人」の2種類に大きく分かれます。それぞれの違いは、「経済的利益を目的としているかどうか」です。
営利法人は、経済的な利益を得る目的で設立されるものです。対して非営利法人は、経済的利益を目的としていません。このように、法人の種類は「経済的利益を目的としているかどうか」によって2つに分かれるのです。
大半の方が設立される法人は「営利法人」だと思いますので、こちらをもう少し深掘りしていきますね。
代表的な営利法人は「株式会社」と「合同会社」
代表的な営利法人でいうと、
- 株式会社
- 合同会社
の2種類です。以前までは「有限会社」という法人を設立することもできましたが、平成18年5月1日の会社法施行に伴い、新設はできなくなりました。したがって、多くの法人設立希望者は「株式会社か合同会社、どちらで作る?」という点で悩むわけです。一度会社を設立すると法人の種類を変えるのは大変ですから、悩むのは当然です。
しかしながら、皆さんは「株式会社」と「合同会社」の違いってご存知でしょうか?それぞれに特徴があるので、しっかりと違いを理解した上で判断しなければ、「思っていたのと違った…」と後悔する可能性も少なからずあります。
株式会社と合同会社の違い
株式会社と合同会社の違いを簡単にまとめると、下記のようになります。
<株式会社と合同会社の違い>
【株式会社】
- 登記費用に「登録免許税」として15万円かかる(設立コストが高い)
- 資本金の出資者が「株主」になる
- 株式を公開して資金を集めることも可能
- 役員の任期を設ける必要がある
- 株式の所有割合に応じて利益配分が行われる仕組みが基本
- 将来的に上場することもできる
- 複数人での経営向き
- 世間的にも知名度&信用度が高い
【合同会社】
- 設立費用が計6万円とコストが低い
- 代表者は「代表社員」となる
- 役員の任期を設ける必要がない
- 資本出資割合に関係なく、利益配分できる
- 上場はできない
- 少人数での経営向き
株式会社と合同会社はどちらも法人格としての節税メリットを受けることができます。ただし大きな違いとして、「世間での信用度」があります。ハッキリ言ってしまえば、合同会社はまだまだ知名度が低いため、法人設立による信用獲得は期待できない部分があります。逆に株式会社は知名度が非常に高いため、「取引先としても安心」というように信用を獲得しやすいのです。この点は、大きな違いでしょう。
もちろん合同会社が悪いというわけではありません。むしろ設立コストや事業運営面の自由度からすれば、株式会社よりも有利な面が多々あるといえます。
しかしそれでも、法人運営において信用は大きな武器になりますし、事業を拡大していく上で必要不可欠なものです。特に銀行からの融資を検討しているケースでは信用が重視されるため、株式会社のほうがベターですよ。
事業を拡大する予定なら株式会社のほうがベター
株式会社も合同会社も一長一短の部分がありますが、「これから事業をどんどん拡大していきたい!」という方は、信用を得やすい株式会社のほうがベターでしょう。株式会社であれば複数人での運営にも対応しやすいですし、株主と経営者をハッキリ分けることもできるからです。株式会社は合同会社よりも設立コストは高いですが、その分信用となって将来の自社を支えてくれます。事業を拡大する予定なら株式会社、1人会社など小規模で事業を継続していく予定なら合同会社、というように、ご自身に合った法人の種類を選択してくださいね。
3.法人を設立する際の具体的な手順
法人を設立する際の手続きは、
- 新しい法人を登記する
- 税務署へ届出
- 社会保険の加入
- 労働関係の届出(雇用保険等)
という4つに分かれます。
これだけを見ていると「そんなに難しく無さそう」と勘違いしてしまいがちですが、法律上義務付けられている手続きも多いため、当然ながら簡単な手続きではありません。
ここでは法人設立の具体的な流れや、個人事業から法人への「法人成り」の注意点についてもご説明していきます。これから法人を設立される方は一度目を通しておいてくださいね。
法人設立の流れ
法人設立の具体的な流れをまとめると、下記のようになります。
※株式会社を設立するケース
<法人設立の流れ>
- 会社の事業目的、名称、資本金、決算日を決める
- 発起人(会社を作る人)の印鑑証明書を用意した上で、司法書士に定款の作成や書類の作成を依頼する(★)
- 公証人役場で定款認証を行う(★)
- 発起人の口座に資本金を振り込み、通帳を持参の上司法書士に「払込証明書類」を作成してもらう(★)
- 公証人役場で定款認証後、会社の所在地を管轄する法務局へ登記申請を行う(★)
- 1週間~10日程度で登記完了
- 会社の登記簿謄本を利用し、銀行口座開設の申請
- 税務署、年金事務所、労働基準監督署へ届出する(詳細は下記)
<8の届出詳細>
- 税務署:法人設立届出書、青色申請の承認申告書、給与支払事務所等の開設届出書、源泉徴収の納期の特例の承認申請書など)
- 年金事務所:健康保険・厚生年金保険新規適用届、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届、健康保険被扶養者(異動)届
- 労働基準監督署(従業員を雇う場合のみ):労働保険関係成立届
大まかにまとめましたが、ハッキリ言って手続きはかなり複雑なものになっています。そのため、★の部分は司法書士へ代行依頼を出すのが一般的です。
司法書士の法人設立代行に必要な費用は下記のとおりです。
・定款印紙代 40,000円(※電子定款の場合は不要)
・定款の認証手数料 50,000円
・定款の謄本手数料 2,000円
・設立にかかる登録免許税 150,000円
必要実費合計 242,000円(※電子定款の場合は202,000円)
・司法書士の報酬分 100,000円前後
総合計 352,000円程度
上記は、必要最低限の実費と司法書士報酬の一般相場をまとめたものです。ただこう見ると、「司法書士報酬が高い」と思いますよね。
しかしながら、「所定の税理士と顧問契約を結ぶ」という条件で司法書士への報酬を割引してくれるようなサービスも存在しているので、そちらを上手く活用しましょう。そうすれば、会社設立前から税務も委託できますし、肝心の司法書士報酬も節約することができますよ。同じ方法で筆者が法人を設立した際も、必要実費+司法書士報酬で計25万円でした。
他にも「freee」というサービスを活用し、ご自身で定款を作ることも可能です。ただハッキリ言ってしまえば、手続きが非常に煩雑かつわかりにくいので、司法書士へ委託するのがベストでしょう。会社設立当初はやるべき手続きも多いので、上手く委託しつつ進めていくようになさってください。
「法人成り」の場合は契約の締結や資産継承に注意
個人事業から法人へ事業変更する手続きを「法人成り」と言います。法人成りのケースも新規法人設立と基本的な手続きは同じです。ただし、「契約締結」と「資産継承」の2点に注意してくださいね。
個人事業から法人へ事業を移すだけの手続きに勘違いしてしまいがちですが、当記事内でも触れたように、個人と法人は「別人格」です。つまり、個人事業の頃の契約は全て締結し直さなければなりませんし、個人事業で使用していた自動車等も資産継承の手続きが必要になります。一般的には「法人が個人から資産を購入する」という手続きになりますが、新規法人の場合はキャッシュも少ないですから、「賃貸」という扱いにするケースも多いです。
注意すべきなのは、法人への資産売却で個人に利益が出れば「譲渡所得」として確定申告が必要になる点ですね。賃貸にするのか売却するのか、詳細は税務の専門家である税理士へ相談するのが最善です。
4.法人を設立する前に知っておいたほうが良いこと
法人を設立するための手続きについて触れてきましたが、記載したのは基本的な手続きのみです。業種や事業規模、従業員の有無なども含めれば、手続きは多種多様になります。さらに、一連の登記や届出が終わったとしても、それで全ての手続きが完了したわけではありません。なぜなら、銀行口座の開設や支払い関係の手続きが残っているからです。
筆者自身も2019年2月に法人を設立しましたが、ハッキリ言って「これは事前に知っておきたかった…」という情報ばかりでした。そこで、「法人を設立する前に知っておいたほうが良いこと」をまとめておきたいと思います。
<法人を設立する前に知っておいたほうが良いこと>
- 銀行口座がすぐに開設できない
- 全てのサービスで法人はお金が必要
- クレジットカードの引き落としは法人口座不可のものが多い
いずれも法人設立の際につまずきがちなポイントなので、1つずつご説明していきますね。
①銀行口座がすぐに開設できない
法人を設立すると、「〇〇株式会社」というように、法人名称の口座を開設する必要があります。しかしながら個人で口座開設するケースとは違い、すぐに開設することはできません。なぜかというと、法人はマネーロンダリング等のリスクがあるからです。要は、個人よりも法人のほうが、圧倒的に慎重な審査が行われるということですね。
口座開設に要する期間は金融機関によって異なりますが、およそ1ヶ月~1ヶ月半程度です。もし記載間違いや書類不備があると再審査になります。したがって、ケースによっては2ヶ月以上要する可能性もあるのです。
銀行口座がないと入金先もないので、結果的に事業を開始できなくなります。さらに、取引先との契約書類に口座番号を明記しなければならないケースも多いので、契約すらも締結できなくなるリスクもあるわけです。
このように法人は、銀行口座の開設に多大な時間を要します。これから法人を設立される方は、「銀行口座の開設は登記完了から2ヶ月程度かかる」と想定しつつスケジュールを組んでくださいね。
②全てのサービスで法人はお金が必要
法人の場合、個人では無料だったものが、有料になるケースが多いです。代表例として「インターネットバンキング」があります。個人の場合、インターネットバンキングは無料ですよね。
しかしながら法人の場合、インターネットバンキングは原則として有料です。三菱UFJ銀行であれば1,728円/月、三井住友銀行であれば2,160円/月の月額料金がかかります。さらに、振り込み手数料も216円~756円がその都度必要になってしまいます。つまり、法人はどうしてもランニングコストが高くなってしまうのです。
その他、「個人は無料だけど法人は有料」というようなケースがかなり多いので、「ほぼ全てのサービスで法人はお金が必要になる」という認識を持っておいたほうが良いでしょう。
③クレジットカードの引き落としは法人口座不可のものが多い
「個人のクレジットカードで法人経費を支払いたい」と考えている方も多いですよね。たしかに、クレジットカードであれば入力も楽ですし、経理作業に対する負担も軽減することができます。
しかし注意しなければならない点があります。それは「法人口座から引き落とせるカードは限られている」というポイント。例えば、多くの方が愛用している「楽天カード」も、法人口座からの引き落としに対応していません。法人口座から引き落としするためには、個人名義で「楽天プレミアムカード(年会費10,800円)」を申し込みした上で、法人名義の「楽天ビジネスカード(年会費2,160円)」を申し込みしなければならないのです。なんと、ビジネスカードだけの申し込みは不可能という扱いなんですよ。
このように、多くのカードは法人口座での引き落としに対応していません。だからといって、設立したてほやほやの法人格は信用が全くないので、法人名義のクレジットカードを1枚作るのもかなり苦労するのが現実です。
筆者も非常に苦労しましたが、探しに探し回って、「個人の信用で作れる、法人口座引き落とし対応可能なクレジットカード」を1つだけ見つけました。それは「セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスカード」です。セゾンプラチナビジネスアメックスカードであれば、個人の信用で審査を受けられるので、設立ほやほやの法人でも作ることができますよ。
これから法人を設立される方は、「法人口座でも引き落としできるクレジットカード」を早めに見つけておきましょう。
or
これから法人を設立される方はぜひ参考にしてください。
※黄色はアフィリエイトリンク有りのパターンです。都合の良いほうをご活用いただければと思います。
5.法人は専門家との連携が命!連携すべき専門家は?
法人を設立する際は、「法務」「税務」「労務」という3つの分野が関わってくることになります。おそらく多くの方は、「さっぱり理解できない…」という状況に陥ると思います。筆者も全く同様でした。
これら3つの分野は、それぞれに専門家がいるほど深い知識を要します。したがって、「専門家との連携が命」なのです。
ここでは、「法人を設立する際に連携すべき専門家」について触れておきましょう。
法人設立で連携すべき専門家は「税理士」と「司法書士」
法人を設立する際に連携すべき専門家は、
- 税理士
- 司法書士
の2名です。
税理士はその名の通り「税務」に関わる専門家です。税理士と連携することで、法人設立届や青色申請の承認申告書の提出も代行してもらうことができますよ。さらに、法人を運営する上で必要不可欠な経理作業も委託できるケースがほとんどです。したがって税理士は、「事業に集中するために重要なパートナー」だともいえますね。
司法書士は、登記業務を委託する際に連携が必要になります。税理士のように法人設立後も頻繁に関わるわけではありませんが、登記内容の変更や定款の刷新など、法人を運営する上で大切な法的手続きを依頼することになります。
法人設立で連携すべき専門家は、「税理士」と「司法書士」の2分野です。加えて設立直後から従業員を雇うのであれば、これら2分野に加えて、労務の専門家である「社会保険労務士」との連携も検討すべきでしょう。
このように、法人の運営には専門家との連携が必要不可欠です。連携を上手く取りつつ、事業に集中できるような環境を整えてくださいね。
6.【実体験】法人を作ってよかったこと、悪かったこと
法人を設立する際、「手続きが大変そうだから迷っている」という方も多いのではないでしょうか。かくいう私もそのうちの1人でした。当記事内でも触れたように、法人設立の手続きはかなり煩雑です。銀行口座も開設しなければなりませんし、場合によってはクレジットカードも全て新規発行です。これだけでも非常に大変な作業ですよね。
しかしながらそれでも筆者が法人を設立したのは、やはり良い点もあるからです。
筆者の体験談として、「法人を作ってよかったこと、悪かったこと」を簡単にまとめてみますね。
法人を作ってよかったこと、悪かったこと
法人を作ってよかったこと、悪かったことは下記のとおりです。
<法人を作ってよかったこと、悪かったこと>
【よかったこと】
- 節税の選択肢が多い
- 社会的信用を得られる
- 社会保険に加入できる
- プライベート資金と事業資金を区別できる
- 事業に関わる責任は法人格が持つ(有限責任)
【悪かったこと】
- ランニングコストがかなり高い
- 手続きが大変
- 責任がプレッシャーに感じるときもある
- 会社の利益を自由に使うことができない
- 月給制になる
法人を作ってよかったことは、「信用面」と「節税」が大きいですね。筆者はもともと個人事業を経て法人設立を検討していたので「信用はすでにあるから法人化は必要ないのでは?」と思っていました。
今から思えば、これは大きな間違いだったと思います。なぜなら法人を設立してから、対企業の商談が明らかに増えたからです。
さらに、銀行の営業マンが向こうから事務所にやってくるようになりました。個人事業の頃には考えられないことですね。このように、信用面で法人を設立してよかったと思う機会が多いです。加えて法人の場合、節税の選択肢が非常に豊富なので、税金面でもメリットがありました。
対して悪かったことは、やはり「ランニングコスト」と「手続き」ですね。記事内でも触れたように、銀行口座1つにしても月額料金がかかりますし、税理士委託費用も年間数十万円と高額です。このようなランニングコストは、法人設立の大きなデメリットだと思います。
あとは手続き面ですね。やはり法人の手続きはいちいち複雑で大変です。これら2点は、法人を作って悪かったと感じた部分です。
このように、法人設立には良いところも悪いところもあります。いずれも事業を運営する上で無視できないメリット・デメリットですから、慎重に検討なさってくださいね。
7.まとめ
法人の設立にかかる期間は早くて2週間程度です。2週間程度は手続きや必要書類の準備で追われ、法人登記完了後は関係各局への届出で追われることになります。したがって、手続きを始めてから1ヶ月~2ヶ月程度は、事業を開始するのは難しいでしょう。それほど、複雑な手続きが多いのです。
しかしながら、税理士や司法書士と上手く連携すれば、ある程度の手続きを任せることもできます。任せるところは任せて、ご自身は事業に集中するのが重要です。
一度手続きさえ終わってしまえば、あとは事業運営に専念できます。わからない点は慎重に確認しつつ、着実に手続きを進めていってくださいね。
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