壮絶!うつ病患者多数!17時間勤務大手スーパーマーケットの闇

業界裏話
私が勤めていたスーパーマーケットは毎年100名以上の新入社員が入るほどの地方で圧倒的な売上と人気を誇る有名店であり、毎年10店舗以上出店するほど波に乗っている会社でした。
24時間営業で新鮮な食品を扱っていると評判で、学生の頃から毎日お世話になっているスーパーマーケットでした。

地方で圧倒的勢力を誇る食品スーパー

新卒募集の時は、「この会社に入れば10年で店長になれ」、「幹部の道も近い」と言われているほどの会社でしたが、私は食品系の学部で商品開発を専攻しており、食品メーカーの開発部を志望していたのであまりスーパーマーケットに興味がありませんでした。

実際にアイスクリームメーカーと今回紹介するスーパーマーケットに内定をもらっていました。
もちろんアイスクリームメーカーに行こうと思ったのですが、仮にブラック企業なら大変なことになるので評判や口コミを調べたのです。
すると、あまりのブラックさに掲示板が荒れているほどひどい有様で、アイスクリームメーカーを辞退せざるおえませんでした。

卒業までまだ時間はあるのでスーパーマーケットの内定を保留にしつつ就職活動を再開しましたが、他の会社から内定が出ることはありませんでした。
内定をもらっていたスーパーマーケットは倍率も高く、私の大学からは何年も内定者が出ていなかったほど人気があったので、行きたくはなかったですが入社をすることに決めました。

入社すると決まってからは、絶対に幹部まで上り詰めてやるという気持ちでやる気に満ち溢れていました。

 

スーパーの入試対策と内定への道のり

実際に、スーパーの入社試験はトントン拍子に進んでいったのを覚えています。

最初は筆記と面接で、適正検査をかなり重視するらしく、ほとんどの人がここで落ちてしまうそうです。
適正検査はよくある内容で、「落ち込みやすい」や「信号赤でも渡ったことがある」など、そんな質問がある定番のやつです。
適正検査が終わると面接に入ります。面接はきっちりしたものではなく、フランクに会話するというものでした。
受ける人数も多いので1部屋に何箇所も仕切りをつけて面接が行われました。

  • 志望動機
  • どこに住んでいるのか?
  • アルバイトの話す

など、基本的なことを聞かれました。

ちょうど面接官の人と家が近く、アルバイト先の飲食店にもよく行っているとのことでほとんどその話で盛り上がりました。
自慢ですが、私は面接がとても得意で、1次面接では落ちたことがありません。
コツとしては、大きな声でハキハキとできるやつを演出することです。
自分は仕事ができてバリバリな男だという雰囲気を漂わせていれば基本通過できます。あとは、志望動機をしっかりと言えれば大丈夫です。

2次試験は店長面接で、お店の店長が面接官で色々な質問をされました。

  • 希望の部署は?
  • 大学でどんなことを学んだ?
  • 長所と短所

など、聞かれることは基本的なことが多かったです。

私の希望部署はお弁当やお惣菜を作る総菜部で、そのことも話しました。
なぜ総菜部かというと、昔から料理が好きで大学でも調理の勉強をしたのでその経験を生かしたいという理由です。
その想いが伝わったのかその面接を通過することができました。

最後は幹部による最終面接でした。幹部3名による面接でやはり突っ込んだ質問が飛んできました。

  • 第一志望であるか?
  • 内定を出したら入社するか?
  • 将来はどんな仕事がしたいか?

など、第一志望ではない自分には答えづらい質問ばかりでした。

しかし、幸いなことに、このスーパーマーケットが就活を始めて最初に受けた企業だったので、「まだ大学3年生ですし、就活も始まったばかりなので、いろんな企業を見てから決めたい」と素直に言いました。

なぜかこの面接を受けたあとは妙な自信があり、受かっているだろうなと感じていました。
案の定すぐに内定通知が届きました。
大学の中でも一番最初に内定が出た学生として広報にも載ったりしました。

基本、スーパーなどの接客業の面接は明るい笑顔と大きな声が重要だと感じました。ハキハキと質問に答えてマナーがきちんとしていれば大丈夫だと思います。

 

勤務時間17時間のうつ病地獄

私が最初に配属になったのは全店舗で売り上げNo.1を誇る店舗でした。
この店舗は出世街道に乗った社員がくる店舗であり、自分もそれに選ばれたらしくそこに配属されました。
部門は青果部で野菜や果物を扱う部門でした。
最初は総菜希望でしたが、入社前に知り合いの社員の人に情報をもらったところ、青果部がゆるくて勤務時間も短いとのことだったので急遽希望を変更して青果部にいれてもらいました。
しかし、売り上げNo.1の店舗なのでほとんど意味はなかったですが‥。

店舗に配属されると新入社員は部署の主任に仕事を教えてもらいながら勤務をします。
勤務時間は7〜16時30分(休憩1時間半)で、やはり、スーパーマーケットの朝は早く、24時間営業なので品揃えを充実させなければなりません。
自分は商品の品出しや売り場のレイアウト変更、野菜の品質チェックを教えてもらいました。
自分の直属の上司である主任は全店舗で一番の出世頭であり信頼も厚い人で最初は優しく丁寧に教えてもらっていましたが、数ヶ月経つと厳しい指導に変わっていきました。
最初は優しかったですが、だんだんと小さなミスでも徹底的に心が折れるまで怒鳴られるようになってきていました。

特に、この上司は新入社員時代に相当過酷な指導を受けてうつ病になった経験があり、「うつ病になって人は強くなる」という意味の分からない信念を持っていたのです。
そのため、新入社員はうつ病になってこそ成長すると思い込んでおり、徹底的に追い込まれるまで怒鳴られたり長時間労働をさせられ始めました。

ひどい時の勤務時間は朝4時から深夜10時までの勤務で休憩はなしの時もあり、精神的にも体力的にも限界がきていました。
休みも少なく勤務時間中はとにかく「死んで楽になりたい」というのが口癖になるほど追い込まれており、休みの日もうつ状態が続いてきていたのです。

ある日、40度の高熱が出てしまい立つことすらもままならない時があり、職場に電話をして休もうとしたところ上司に「いいからとにかく来い」と言われ意識が朦朧としながら車を走らせて職場に向かいました。
到着すると上司が「休むか仕事するかはお前が決めろ」とものすごい形相で言ってきたのを覚えています。
もう「仕事します」としか言えず、そのまま仕事をすることになりました。
もはや立っていることすら不可能に近い状況なのに、過酷な仕事をどんどんとふってくる上司は悪魔だと思いました。
そんな中、パートのおばさんが自分の異変に気付き休憩室に連れて行ってくれ、体温を測ってくれました。
すると、案の定、体温計は40度になっており、すぐに店長に知らせてくれ病院へ行けることになったのです。
店長が言うなら仕方がないと思った上司はとんでもないことを言い始めました。
「俺の彼女(同じ店舗)も体調悪いから、家まで迎えに行って病院に連れて行ってやってくれ」と言い始めたのです。
40度の高熱で車の運転もままならないやつを彼女の家まで行かせて病院まで送迎する馬鹿がどこにいるのかと思いましたが、一応その彼女に電話をかけることにしました。
すると、「大丈夫なので心配いりません」と返答がもらえたので一人で病院へ向かいました。
診断を受けた結果「過労による熱」とのことで点滴を打ってもらい帰宅しましたが、なかなか熱が下がらずに夜までもがき苦しんだのを覚えています。
次の朝には熱が下がっており少し楽になっていましたが、上司からメールが来ており「出勤して下さい」と鬼畜な文書が来ていたので重い体に鞭を打って出勤しました。
職場に着くと「休んだ分しっかりと働かんとな」と病人に向かって睨みつけている上司の姿がありました。

本当に逃げなければ殺されてしまうと心から思い、何度も夜逃げしてしまおうかと思ったのを覚えています。

ある日「死にたい、もうダメかもしれない」と思い、休みの日に心療内科に駆け込みました。
そこで職場の環境や上司のことを全て話し診断を受けると、「軽度のうつ病」と診断されました。
軽度のうつ病の症状としては「記憶障害」と言うものがあり、受診するまでもの忘れが激しいなと悩んでいたことの原因がわかりホッとしました。

上司に言われたことを次の瞬間には忘れていると言うことが多々あり疲れているのかなと思っていましたが、うつ病の症状ということだったので、本当にうつ病は怖いなと感じました。

そのことを上司に伝えるとやっとうつ病になったかと嬉しそうな顔で笑っていました。
うつ病なので仕事がうまくできないかもしれませんと伝えたので、上司は1週間くらい優しかったですが、その後は「もううつ病は治ったよな?」と勝手に言われ元の仕打ちに戻りました。

実際に、この店舗で働いている社員の半数がうつ病になっているのが現状で、突然泣き出したり、急に叫び出したりなど悲惨なものでした。
他の店舗では、定時退社が徹底されており、基本的にはホワイトな部類に属するスーパーマーケットだったのですが、ここの店舗だけは地獄のような場所でした。

ある日パートさんもうつ病にかかってしまい、うつ病社員がうつ病のパートさんを励ましているのを目撃しました。
この時、本当に会社を辞めなければこの会社に殺されてしまうと感じ退職を決意したのを覚えています。。

 

この仕事をしてみてよかった点、悪かった点

よかった点

・流通の仕組みが理解できた
スーパーマーケットで働いていると、モノがどのように流通しているか理解することができました。
自分は青果部門だったので、バイヤーさんが市場で野菜や果物を仕入れて各店舗に配送の手配をしているところを見せて見せてもらうこともでき、スーパーマーケットの仕組みやどのようにして安く仕入れているかなど知ることができました。
時には少し形が悪いものを市場で仕入れて店舗で格安で売ってみたりする戦略などをみれたのでその点では良かったです。
また、多くの野菜を果物を取り扱うことで、どの都道府県がどんな野菜や果物が有名でどんな美味しさなのかわかるようになり面白かったです。
その反面、台風などで野菜が不作の時は悪い品物しか届かず、大変なこともありました。

・接客がうまくなった

毎日多くのお客様と接することで会話が上手くなりました。
優しい方からとんでもないクレームを言ってくる方まで、様々な人と会話をすることにより会話力のレベルは格段に上がりました。
もともと会話することが苦ではなかったので、お客様とおしゃべりをする時間はとても楽しいものでした。
お客様の中には自分がいるからここに買い物にくるんだよという人もいて、とても嬉しかったのを覚えています。

・多くの仲間に出会えた
大手のスーパーマーケットであるうちの会社では、毎年100名前後の新入社員が入社してきます。
同じ会社に入った者同士、悩みや喜びを共有できるので、仲良くなるまでに時間はかかりませんでした。
男女比も女性の方が多く新入社員同士で恋愛に発展する人も多かったです。
今でも仲の良い人もいるので、そういう面ではこの会社に入ってよかったと感じています。

 

悪かった点

・休みが少ない
スーパーマーケット業界は総じて休日が少ないです。
自分の店舗では休みは月8日でしたが、休日も出勤している人が多いのが現状で、年中無休のスーパーマーケットだったので年末年始やお盆なども休みなしで働いていました。
そのため、友人などと休みが合わず遊びに行くことが減りました。
また、疲労が溜まっていくので休みの日は寝るだけという過ごし方になっていることが多かったです。

・勤務時間が長い
24時間営業年中無休のスーパーマーケットだったため、勤務時間がとてつもなく長かったです。
基本は7時〜16時30分ですが、そんな概念は存在せず4時〜22時まで働くこともありました。
睡眠時間も日々削られる中で働くのは消耗も激しく、朝はエナジードリンクを飲んでみたり、夜はお風呂に浸かってみたりしましたが、あまりの長時間労働で回復することはありませんでした。

・ブラック体質な人が多い
話にも出た通り、スーパーマーケットなどの接客業は勤務時間も長く休みも少ない中で働いてきた人も多いので、ブラック体質な人が多いです。
特に、「苦労することが美徳」と考えている人も多いので、プライベートを重視したいという人には向いていません。
休みの日も上司から説教の電話が来たり、最悪の場合出勤しなければなりません。
自分の上司もとにかく追い込んでうつ病になるのが一番と考えていたほどなのでそういった考えを持った人も少なくないでしょう。

・とんでもないクレーマーが必ずいる
自分がいた店舗にはおかしなお客様がたまに来店されていました。
その中でも苦労したのが、素手でアボカドを潰して青果コーナーをめちゃくちゃなことにするおじさんです。
アボカドを潰しては「この店のアボカドは柔らかいので腐っている」と意味不明なことを言いながらアボカドを握り潰します。
そして、キャベツコーナーへ行き葉っぱをちぎり店内へばら撒き出します。
キャベツの葉っぱは水分も多く、それが床に落ちると濡れて滑りやすくなり、お客様が転んで骨折でもすれば賠償しなければなりません。
何度も同じことを繰り返すこのおじさんは出入り禁止にせざるをえませんでした。
また、明らかにモノがいい野菜にも関わらず「ここに斑点があるから劣化品よ安くして!」と言うおばちゃんは山ほど出会いました。
とにかく、値引きシールを貼ってもらいたい一心で僕ら店員のところに野菜を持って来ます。
特にバナナなどは斑点がついてしまうので「劣化品よ!」と散々言われたのを覚えています。

 

これからスーパーマーケットを志す人へ

自身の体験談を書いてきましたが、自分以外の同期などは比較的ホワイトな環境で働いており運が悪かったという一言に尽きると思います。
このスーパーマーケットの経験から、スーパーマーケットに向いている人はどんな人か解説していきたいと思います。
・平日休みが苦ではない
スーパーマーケットなどの接客業は土日休みはほとんど無く、ほとんどが平日休みです。
友人や家族との予定も合わせることは難しいので、それでも大丈夫という人にはおすすめです。
また、平日休みは旅行や買い物に行っても空いていて快適というメリットもあるので人が少ない時に活動したい人にもいいでしょう。
・モノを売るのが好き
モノを売るのが好きな人には、スーパーマーケットは最適な場所と言えます。
自分で仕入れたモノをどんな風に売っていくか考えて、売り場のレイアウトを変えたりポップを作成したりするので、そういったことが楽しいと感じる人は仕事の覚えも早くなりますし、働いていて楽しいと思います。
また、季節ごとに商品も変わっていくので、モノによってどんな売り方をしようか考えたり、季節感を出した売り場にしたりするのはやっていて楽しかったです。
・人と話すのが好き
スーパーマーケットは老若男女問わずいろんなお客様が来店されて、多くの人に話しかけられます。
「この商品はどこ?」「トイレはどこ?」などから「この商品が腐っていた」「店員の態度が悪い」などのクレームまで様々です。
大変なことも多いですが、何気無いお客様との世間話などが本当に楽しかったのを覚えています。
また、社員同士やパートさんとのコミュニケーションも取らなければならないので、会話が好きでないと難しい仕事かもしれません。
・体を動かすのが好き
スーパーマーケットはとにかく体力勝負のところがあります。
一日中立ちっぱなしですし、自分がいた青果部門では重いキャベツのケースや大量に箱詰めされたじゃがいもやたまねぎを運んだり陳列しなければなりません。
それを何時間もしなければならないので体力に自信があったり、立ち仕事が得意でないと体調を崩してしまうかもしれません。
体を動かすのが好きな人でも疲労感は大きいので、日頃からストレッチや湯船に浸かるなどの体調管理が必要と感じた面もあります。
・朝が強い
スーパーマーケットの朝はとにかく早いのが特徴です。
なぜなら、お客様が来店するまでに商品を陳列しなければならないですし、24時間営業では常にお客様がいる状況で陳列もしなければならない状況だったので、とてもしんどい想いをしました。
青果部門の朝7時出勤は早いとは言っても他の部門に比べれば遅いほうで、鮮魚や生肉部門は朝4時に出勤の場合もあったのでとにかく朝が早かったです。
そして、夜も19〜20時まで仕事をするのでとにかく睡魔との戦いが待っています。
朝が相当強くないと今後働くのが大変になるでしょう。
・数字を追いかけるのが好き
売り上げを上げるのが仕事と言っても過言ではないスーパーマーケットの仕事は、数字を追いかけるのが好きな人にはもってこいだと思います。
自分が作成した売り場で売り上げが伸びたり、試食を出して数量が売れたりすると楽しいですし、それによって部門の売上が伸びるわけですから、数字が増えていくことに快感を覚える人にはおすすめです。
自分の働き次第でお店の数字が変わるのは面白いと感じました。

向いている向いていないは個人差もあり、自分の経験だけでは計りきれません。
スーパーマーケットでは店長やバイヤー、スーパーバイザーなどの仕事もあり幅広い知識を身につけることもできます。
まずは、スーパーマーケットで何がしたいかしっかりと考えてから決めてみると良いでしょう。

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