新卒で公務員・民間から公務員への転職 私は過去2回試みました

製薬会社での会社員生活

公務員から民間へ転職する話を書きましたが、実は私は過去2回公務員になろうとしました。

いずれも未遂で終わっていますが、実際に公務員試験の対策本を購入し勉強していました。

私がなぜ何度も公務員になろうとし、その度に思いとどまった(失敗した)のかを振り返ってみたいと思います。

 

実は高校の時から公務員志望でした

私は教員ばかりの家系に生まれ、祖父母両親叔父叔母共に小学校で仕事をしていました。

(叔父は事務員なので皆が教諭というわけではありませんが)

そんな一族を見てきたため「民間企業に就職する」ということを大学まで一度も考えたこともなく、高校でも「将来の夢は公務員」と書くような安定志向の子どもでした。

文才がなかったため大学は工学部を選択しましたが、学科は土木工学部(都市工学、と言う方が最近は多いですね)という市役所や公団に技術職で入りやすい学科を選択しました。

公務員になりやすい学科であったことに加えて、私が通っていた大学の土木工学部では旧日本道路公団系や小さな市役所であれば教授の口利きで採用される傾向が強かったため(実際は公平な採用試験を受けるのでテストで便宜が図られるわけではなく「面接までいければ多少は有利になる」という程度です)、先輩同期後輩を含めてかなりの人数が公務員になっていきました。

そして、私もそのようになる予定でしたが…

大学でうっかりIT(コンピュータ)に興味を持ったことで人生が180度変わりました。

 

ITに興味を持ったことで人生が変わる

私が学生をしていた頃は丁度インターネットが流行りだしたころで、その流れに乗って私もどっぷりハマってしまいました。

プログラミングにも興味を持ち、大学ではマイナーなコンピュータ系のサークルに入り、自分でプログラミング言語を勉強していきました。

ITの世界に完全に魅了されたきっかけはC++を勉強している時に出会った「ポリモフィズム」でした。これで、プログラミングの美しさに魅了され、その道に卒倒してしまいました。

しかしまあ、ポリモフィズムなんて就職してから一度も使ったことがありませんが…

 

そうこうしている内に「公務員になるのは辞めようかな」と思い出し、大学の3回後半になっても公務員対策を始めませんでした。

ただ、「土木系の地方上級の公務員試験は3か月くらいで受かる」という話を4回生になり配属された研究室の先輩に聞き、3か月だけ勉強をしてみることにしました。

そして、試しに和歌山市役所を受けてみましたが、アッサリと落ちてしまいました。まあ、正直舐めすぎでした。

その半年後に地元の役所の試験があったので、それまで勉強しようかと考えていましたが…

たまたまその時に見つけた情報系の大学院の募集要項を見て受験。受かったのでそのまま入学してしまいました。

 

電機メーカーに入社し公務員転職を考えるまで

その後、情報系の大学院を出たことでアッサリと電機メーカーに就職できました。

ただ、選択した職種は「社内SE」でした。

情報系に入学して初めて「SEは死ぬほどしんどい」ことを知りました。

顧客のシステムを請け負って開発することはものすごく大変です。

凹んだ私は、「それならば顧客の相手がない社内SEで楽をしよう」と考えて社内SEになりました。

それ以外にもたまたまThe Goalなどを読んで業務改善の面白さに引き込まれ、社内SEとして自社の業務を変えていきたい。と感じたという背景もあります。

NTT系のSIerなども受けて合格はしていましたが、メーカーの社内SEを選択しました。

元々公務員になろうとしていたような奴が、バリバリ頑張れるわけがありませんので、この選択は何だかんだで正しかったと思っています。

ただ、私が入社したメーカーの社内SEはベンダー並にバリバリ開発をしていたので、実際はそこらのSIer並の苦労はしていました。もちろん、金融や公共系のSIerに比べると赤ちゃんみたいなものですが。

 

…ただ、私はこの社内SEすらも辞めようとしました。

社内SEは確かに楽ですが、それはSEと比較した時の話であり、他の職種から見ると結構大変です。

システム入れ替えで連休は潰れますし、大きなプロジェクトを担当するとプレッシャーで病みます。

そこで、就職した最初の年に、私は再び公務員試験の勉強を開始しました。このタイミングでは既に土木工学部で学んだ知識は吹き飛んでいたので、事務系の受験に切り替えました。

大学の時に利用した参考書は残してあったので、引っ張り出してきて再び勉強を始めると共に、公務員学校の社会人コースに通おうともしました。

ただ、途中で勉強の大変さに根を上げてしまい、そこでストップしました。

2か月ほどは頑張りましたが、根気のない私にはそれが限界でした。

 

公務員にはなった方が良いのか?

新卒で公務員、民間から公務員へ転職、という2つのパターンを経験した私なりの意見ですが…

もしも、公務員の仕事にやりがいを感じていて、それ以外は考えられない人は新卒・既卒に関わらず勉強して公務員になると良いと思います。

 

ただ、そうではなくて、待遇や安定性のみに魅力を感じている場合は、状況に応じて考え方を調整しても良いでしょう。

 

新卒で公務員になりたいのであれば相当勉強して受けた方が良いと思います。

かなり大変ですが、待遇や安定性の面で見返りは確実にあります。

ただ、「公務員でなければ困る理由がない」場合は民間も受けていくつか内定を取っておいた方が良いでしょう。

 

既卒で働きながらなる場合は、かなり辛いことを理解しておいた方が良いでしょう。

実際にやってみて思いましたが、毎日定時で帰れるような仕事でもなければ体力・精神的にやってられません。

公務員に是が非でもなりたい、若しくは職場がブラックすぎたりリストラ後に再就職ができず、公務員しか逃げ場がない人は必死にやっても良いと思いますが、緊急性の低い人はわざわざ公務員にならなくても良いと思います。

それよりも、民間で今よりも楽だったり、自分の性に合う仕事を探す方が望ましいです。

2回転職してみて分かりましたが、世の中には思ったよりも楽だったり、割に合う職場が存在します。

公務員より働きやすく、割に合う職場もあります。

 

私は「民間は絶対にしんどい。公務員は絶対に楽」と思っていましたが、実際に社会で働いてみるとその限りではありませんでした。

確かに民間は一般的に公務員より大変ですが(私もリストラされています)、面白い仕事ができるチャンスも多いです。

 

公務員になる必要があるかよく考えて選択を…

  • 新卒で公務員として就職
  • 民間から公務員へ転職

私は公務員になることを過去2回試み失敗しましたが、良い企業に巡り会えたこともあり、結果的に民間で良かったと思っています。

もちろん、リストラや給与カットのリスクは常に潜んでいますが、良い会社で良い経験を積ませてもらっているため、今後も何とか生きていけると思います。

一応は「ネットで起業」という方向性も検討してはいますが、そういったノウハウを貯めれているのも、今の民間企業での勤務があってこそです。

 

公務員になろうかどうか悩んでいる方は、本当にそれが必須なのかよく考えて決定されると良いでしょう。

必須かも知れませんし、もしくは別の良い答えがあるかも知れません…

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