2005年ごろに「ホワイトカラーエグゼンプション」という制度が取り上げられ、ニュースでも大変話題になりました。
その後、マスコミで報道されることはほとんどなくなりましたが、その後どうなったのでしょうか?
2005年に話題になったホワイトカラーエグゼンプション
ブルーカラーにせよホワイトカラーにせよ、就業規則で労働時間は決まっているのですが、ホワイトカラーエグゼンプションでは前者の労働時間枠を廃止、もしくは緩和して個人の裁量で働く時間を調整します。
「一律に時間で成果を評価することが適当でない労働者の勤務時間を自由にし、有能な人材の能力や時間を有効活用する」
という目的があるらしいのですが、労働者の多くは「残業代を払わずに長時間労働をさせる法律」と見なし、物議を醸しました。
素人目から見ても、人件費を削減したい意図が前面に出ていることが露骨に分かりました。
さらに、当時発言を良くしていた人が利益重視のキヤノンの御手洗会長だったので余計にその雰囲気が強かったと記憶しています。
私は2005年当時は大学4年生であり大学院への進学も決まっていたので就職はまだ先の話。
あまり実感がなく「実現したら嫌だなぁ」程度に思っていました。
ただ、同い年の人の中には4月から働く予定の人もそれなりにいたので、かなり気にしていました。
当時はmixiが丁度出だした頃で、大体はそこで仲間内の会話をしていたのですが、
「これはやばいって…!」
「こんなの導入されたら死んでまう…」
とあれこれ騒いでいました。
私の周りは情報工学科や電気工学科の友人が多く、ITや組込系のエンジニアリング業界へ進む人が大半でした。
これらの業会は、労働条件がとにかく過酷で、長時間労働が当たり前でした。残業代が貰えるからまだやっていられる、という状況です。
そういった人からすると、ホワイトカラーエグゼンプションの適応は致命的であり、絶対に施行して欲しくない、というのが本音でした。
2014年7月時点でのホワイトカラーエグゼンプション施策の現状
その後、マスコミでの報道が極端に少なくなったホワイトカラーエグゼンプションの議論
私自身も最初に入社した1社目が残業代がほぼつけれない風土の会社で、それに慣れてしまっていたため気にせず暮らしていました。
当時、私が属していたのは電機業界でした。電機業界は基本的にすぐに裁量労働制になりますし、適用前であっても残業代をつけさせてくれない部署はたくさんあります。
久しぶりに情報を集めてみると、2014年6月の安倍首相による新たな成長戦略発表の中で言及されていたらしく、その内容は、
年収1000万円以上の高度専門職を対象。2016年春の施行が目標
ただ、これでは導入したい側の企業は納得しないでしょうね。年収1000万円を超えている一般企業の社員なんてそうそういません。
この額を貰っている人はすでに管理職相当だと思うので、コストカットのメリットはあまり出ないでしょう。500~700万円くらいまで落としてくるのではないでしょう。
最終的なアウトプットがどうなるかは分かりませんが、労働者にとっては良い方向には進まないでしょう。
よりいっそう働かされ、ますます生き辛い世の中になりそうです。
プロブロガーのイケダハヤトさんが高知へ移住しのんびり生活されていますが、都市圏で会社に酷使されて生きるよりも、ああいった生活の方が相当幸せに感じますね。
会社員の消耗する生活はますます加速化しそうです。
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