ゲームの中で、好きなキャラクターは何人思い浮かべられますか?
魅力的なキャラクター設定は、ゲームプランナーによって作られたものです。ゲームプランナーは、イラストレーターやアニメーションデザイナー、シナリオや世界観を設定するプランナー達と連携して、魅力的なキャラクターを作り上げていきます

ゲームプランナーになると、最初は脇役のキャラクター作りからスタートすることが多いですが、経験を積むと徐々にメインキャラクターを任されるようになり、やりがいが増していきます。
実際、ゲームプランナーはどのようにしてキャラクターを作っているのかを紹介します。

 

キャラクター設定の仕事について

ゲームのキャラクターに関わるのはゲームプランナーだけでなく、イラストレーターアートディレクターデザイナーなど様々です。
ビジュアル面を決めるのはイラストレーターの仕事ですが、キャラクター設定を決めるゲームプランナーはどのような仕事をしているのでしょうか

キャラクター設定とは、どのような性格で、こんな時どんな行動をとるかなど、キャラクターの内面部分を決めていくことです。
まず、ゲームの世界観から先に決めてしまい、メインのキャラクターの性格やビジュアルを決め、そこからシナリオが派生して決まっていくことが多いですが、ゲームによってどこから手をつけるかは変わってきますし、開発途中に「こっちの方がいいかもしれない」と、変わっていくことも多い部分です。シナリオ上「こういうキャラクターを追加したほうが盛り上がる」と、途中からキャラクター追加することもあります。

キャラクター設定が決まらなければ、シナリオを決める際にどういった風にキャラクターを動かしていいか分からなくなってしまうため、キャラクター設定を先に行ってしまうことが多いですが、状況によって作業は前後していき、ゲーム制作のなかでもキャラクター制作は長期戦になるパターンが非常に多いです。

キャラクターのプロフィール作りとは?

ゲームの公式サイトや雑誌を見ると、キャラクターの名前やビジュアル、年齢、身長、体重、趣味、特技などといったことが書かれていることが多いでしょう。
実際にユーザーの目に触れるプロフィールのほかにも、ゲームプランナーは膨大な量のプロフィールを決めています。たとえば、「朝食はあまり食べない」「寝相が悪い」といったゲームに関係ないところまで考えることもよくあります。ゲームに関係がなくても、関係者各位が想像しやすい形に残すことで、「このキャラクターはこんな感じ」と情報共有しやすくなるためです。
ゲームのプレイ前に、キャラクターを見るだけでも、「このキャラクターが好き」「推しキャラになりそう」と思うユーザーは多いです。現代にゲームは溢れているため、最初から推しキャラを決めてしまえるぐらいのビジュアルと設定のインパクトを残すことが大事になってきます。

ビジュアルや設定的に魅力的なキャラクターを用意し、まずユーザーをゲームに誘い込み、ゲームを遊ばせてからはまた他の魅力的なキャラクターを発見するといった風に、ユーザーが好きになるキャラクターには段階があります。
例えば、ゲームの序盤ではこのキャラクターが好きだったけど、終盤になってしまうと、敵役にも感情移入してしまうようになっていた、といった風な順序を想定して作ることが多いです。ユーザーが好きになるキャラクターの順番を操作できるのもゲームプランナーの仕事の醍醐味です。
最初では人気がなさそうなキャラクターでも、性格やシナリオの力で人気が出るキャラクターもいますが、その人気の根幹になるのがキャラクターのプロフィール作りになります。

 

キャラクター作り担当のプランナーの人物像

キャラクター作りはゲームプランナーの仕事の基本です。ゲームプランナーになれば最初に経験する仕事のひとつですので、学歴や経歴はあまり関係なく、平等にチャンスのある仕事内容です。

しかし、キャラクター作りのセンスや、向き不向きによって、メインキャラクターを任されるか、サブキャラを任されるか、モンスター系を任されていくかが変わってきます。キャラクター作りには想像力とイラストを絡めた作り方が求められるため、女性のゲームプランナーの方が多く活躍している傾向にあります。モンスターや召喚獣といった迫力が必要なキャラクター作りの場では男性ゲームプランナーが活躍していることが多いです。

具体的にどのようなスキルがあれば、キャラクター作りの場で活躍できるのかを紹介します。

国語が得意で、人間観察が得意

ゲーム内では幅広い性格や特徴をもったキャラクターを作る必要があります。
かわいいヒロインやかっこいいヒーローをはじめとして、メインキャラクターを引き立たせる脇役や敵といった、さまざまなキャラクターを考えなければならないからです。

自分と同性で、似たような性格のキャラクターや、自分の好きなタイプのキャラクターはすぐに思いつくことができるという人は多いですが、年代や性格の違うキャラクターを任されると、筆が止まってしまうという新人ゲームプランナーは多いです。
やはり自分の好みだけを参考にしてしまうと、キャラクターの描ける幅が広がりにくいため、自分の身近な友人や家族、小説や漫画に出てくるようなタイプのキャラクターをミックスさせて作れる人が重宝されます。「こんな時、このキャラクターならどういう行動をするか?」をうまく考えることができるのは、学生時代に国語が得意で、人間観察が好きなゲームプランナーが多いです。

残酷な敵キャラクターの設定もできる

しかし、先述したような国語の教科書に出てくるような「良い子」だけを想像できるようでは、まだまだベテランではなく、残酷なキャラクターの設定も考えられるようになると一人前です。

ゲームの敵キャラクターは殺人をものともしない残酷な性格で、目的のためなら手段を選ばないようなタイプも多く描かれています。いわゆる「サイコパス」のようなキャラクターも想像して描かなければならないときもあります。
そんなキャラクターでも、憎まれすぎず、ほどよくマイルドにするために「実は猫が好き」といったクスッと笑えるような設定を追加するのもゲームプランナーの役目です。

ファッションや色彩感覚に優れている

キャラクター設定を担当するゲームプランナーは、色彩感覚、ファッションセンスに優れているとかなり有利です。
センスのいいファッションや配色を提示できるだけでなく、モブキャラらしい地味な色合いや悪役らしい派手でトリッキーな色合いのファッションなど、色々な引き出しがあると、よりイラストレーター達との連携がスムーズになります。

たとえば、イラストレーターやアートディレクターは、より魅力的に見えるようにキャラクターを作り出すのが仕事ですので、たとえば性格の悪い悪役でもオシャレでスタイリッシュに見えるような服装を提示してしまう場合があります。しかし、シナリオや世界観を知っているゲームプランナーなら「もっとセンス悪くしてほしい」と指摘できます。
ただ「センス悪くしてほしい」と指摘するだけでは、センスの悪い服装とはどういったものかは人それぞれ違うため混乱してしまいます。ある程度どのような配色やファッションにすればいいかを提示できれば、コミュニケーションが円滑になります。

実際には、ファッション用語を覚えるのが有効です。例えば、「帽子」ときいて、どれぐらいの種類の帽子を思い浮かべることができますか?
南国から来たキャラクターなら麦わら帽子、マジシャンのようなキャラクターならシルクハットといったように、実際にファッション用語を提示できると、イラストレーターとのやりとりがより円滑になります。

ゲームプランナー志望の方は、ぜひ好きな漫画やゲームに出てくるキャラクターのファッションまで気を配って「どうしてこの服装になったのか」を考えてみるようにしてください。

幅広いキャラクターやモンスターの設定も

キャラクター作りの大変なところは、幅広いキャラクターを作っていかなければならないところです。
ポジティブなキャラクターを考えているときや、自分に似たようなキャラクターを考えていくのは楽しいという声が多いですが、心に闇を抱えているようなキャラクターを掘り下げていくときには、犯罪心理や、そのキャラクターが抱えるトラウマはどういったものなのかを考えていくことになります。猟奇的なキャラクターを作らなければならないときもあり、なかなか人物像が想像できずに筆が止まってしまうことも多いです。ゲームの敵キャラクターのような残酷な人物はなかなか身の回りにいないことも多く、インタビューすることもできず、映画や漫画でも「なぜこの行動に至ったのか」はあまり描かれないこともあります。

新人ゲームプランナーはサイコパス的な敵役の作り方に苦戦することが多いです。
もちろん、こういった部分まで楽しめるゲームプランナーならよいのですが、キャラクター心理を掘り下げるあまり、人の闇について考えすぎて鬱々としてしまうゲームプランナーも多いです。

しかし、ゲームには敵役がつきものですので、ゲーム作りのうえでは敵の人物像を設定することが必要不可欠です。しかし、敵役の作り方はじきに慣れ、敵の人物像をすぐに考えつくようになったという声も多いです。

また、敵役だけでなくモンスターの設定などを任される場合も多くあり、オークのような獣タイプのモンスターや、カッコいい召喚獣の設定を作ってほしいと言われることもあります。

このように、ゲームプランナーは人物キャラクターだけでなく、モンスターや召喚獣といったタイプのキャラクターの設定を任されることも多くあります。その場合も、人物キャラクター作りと同じように「どんな性格なのか」「どんな風に生活しているのか」などを考えて、モンスターや召喚獣の攻撃の仕方などを考え出していきます。大きなくちばしのあるモンスターなら、くちばしで攻撃してくるし、空も飛べるから意外とすばやいといったことを考えて、ゲームに落とし込んでいきます。

 

実際のキャラクターの作り方

これから、実際のゲーム開発でのキャラクターの作り方の一例をみていきます。
ゲームの作り方によって前後することはありますが、まず、キャラクターの「設定」「性格」「外見」「声」といった順番で決めていくことが多いです。

ゲームプランナーはどういったことに考慮して、キャラクターを作り上げていくのかを紹介していきます。

キャラクターの設定の決め方

キャラクターの設定とは、立ち位置や武器の種類、属性などを指します。
キャラクターには「クール」「ポジティブ」「頭が悪い」「物知り」などといったさまざまな特性がありますが、ゲームに出てくるキャラクター全員がクールなキャラクターなら、シナリオで困っている人がいても「興味ない」と言ってしまい、話が盛り上がらなくなってしまいます。また、全員が物知りなキャラクターになってしまうと、ボケ役がいなくなってしまい、世界観の説明がうまくいかなくなってしまうことが多いです。

実際よくあるパターンでは、主人公は「世間知らず」という設定にして、次に「物知り」なキャラクターを絡めていって、ユーザーに世界観の説明をしながら話を進めていきます。キャラクターの設定はバランスをとって、似たような設定のキャラクターが何人も出てこないように調整する必要があります

キャラクターの設定が決まれば、その設定は顔つきやファッション、武器にも現れていきます。このため、最初に設定を決めておかないと、イラストレーターは絵を描きづらくなってしまいます。
また、キャラクターが持っている武器は「剣」「槍」「銃」など、何を持っているのか決めておくのも重要です。

あまりきっちり決めずに進めてしまい、うっかり剣ばかりを持ったキャラクターばかりになってしまえば、ゲームバランス的にも困ることになります。「魔法を使えるキャラクターがいない」「弓や銃といった遠距離攻撃ができるキャラクターがいない」となると、敵を効果的に倒す方法が限られてくるため、ゲームを戦略的に攻略しづらくなっていき、ゲーム性が失われていくからです。

キャラクター設定によって「天使」のキャラクターは回復魔法の「杖」、「騎士」のキャラクターは「大剣」といった風に、キャラクター設定と武器を絡めていくことで、ぼんやりとゲーム性とキャラクターの性格や外見が想像できてくるのではないでしょうか。

キャラクターの性格の決め方

次に、ゲームプランナーはキャラクターの性格を決めていきます。
性格をきっちり決めて、文章に落とし込むことができれば、チームメンバー全員が「このキャラクターはこういう時にこういう行動をとる」と理解でき、これからキャラクターのイラストを描くイラストレーターや、世界観やシナリオを決めるゲームプランナー、これからキャラクターに動きをつけるアニメーションデザイナーも考えやすくなっていきます。

お姫様のキャラクターなら「本当に面白いときだけしか笑わない」という設定をいれておけば、イラストレーターは「通常はツンとした表情」「笑うとすごく可愛い」といったことを想像して、イメージイラストを描くことができます。シナリオを書くゲームプランナーは「主人公がバカなことをして、お姫様を笑わせる」ようなシナリオを思いつくことができます。

また、いわゆるキャラぶれ」を起こさないために、ゲームプランナーはキャラクターを作り込んでいく必要があります。
「キャラぶれ」を防ぐには、「このキャラクターはこんなことはしない!」という禁止事項を決めていきます。
例えば、ゲームのシナリオで激辛料理を食べた時に、主人公が「辛い!」と火を吐くようなモーションがあったとしても、お姫様には食べさせないといった配慮です。
普段は高貴なイメージのお姫様がギャップとして、激辛料理を食べて「辛い!」と言っているのが面白い、というシナリオも作れますが、ゲーム内でお姫様のイメージが崩れてしまって高貴さを維持できず、ギャグ系のキャラになってしまうと、ゲームで感動のラストにもっていけなくなってしまいます。一度崩れてしまったイメージはなかなか取り戻せないからです。
しかし、ユーザーに親しみをもってもらうために、ちょっとしたギャップを入れることがあります。高貴なお姫様だけど、「パパからもらったクマのぬいぐるみがないと眠れない」という設定があるとどうでしょうか。かわいらしく、親しみが持てるようになります。
こんな設定があると、「いつも無理をして、高貴さを保っているのかもしれない」とも考えられますし、「パパとは王様のこと?どうしてクマのぬいぐるみをプレゼントされたのか?」と、疑問点が出てくるかもしれません。

このようにキャラクターの性格や設定からどんどんシナリオがふくらんでいき、キャラクターの表情を想像できるようになれば、イラストレーターと一緒に、キャラクターの外見を起こしていきます。
このように、設定ひとつで想像がどんどん膨らんでいくのが、キャラクター作りの醍醐味です。

キャラクターの外見の決め方

キャラクターの設定や性格、武器が決まれば、次は実際にキャラクターの外見を決めていきます。外見的な要素に関しては、アートディレクターやイラストレーター主導で行われるため、ゲームプランナーはフォロー的な立ち位置になっていきます
キャラクターの外見ビジュアルを決めるといっても、この段階では世界観やシナリオに変更が発生する場合も多いため、ラフ画のまま進めていくことが多いです。

キャラクターのビジュアルは、ラフ画のまま全員並べてみて、「似たようなキャラクターがいない」というのが理想です。外見が似たようなキャラクターが混在しているとユーザーは混乱しますし、同じ役割のキャラクターがいれば、どちらも霞んでしまいます。
外見はイラストレーターやアートディレクターと一緒に見ていくことが多いですが、ゲームプランナーはキャラクターの性格や世界観を熟知しているという強みを生かして、「キャラクターの性格に合ったイラストかどうか」を見ていきます

ゲームプランナーは、自身のこだわりやゲームへの情熱をキャラクターの外見に落とし込めるように指摘を出していくのが仕事です。イラストレーターのラフを見てインスピレーションが湧き、「もっとこうしてほしい」という気持ちが出ることは多くあり、メインキャラクターのデザインは長期戦になりがちです。
メインキャラクターはゲームの顔ともいえる存在ですので、「これでいいや」と妥協せず、きっちり作り込んでいく必要があります

ただ、世界観やシナリオは、いろんなインスピレーションを受けてどんどん変化していくため、キャラクターイラストはゲーム開発の中盤頃にならないと完成しない場合も多くあります。
ゲーム雑誌やプレスリリースでキャラクターがラフ画の状態で載せられることが多いのも、きっちり世界観やシナリオを作り込んでから、それに合ったキャラクターイラストを完成させたいというゲームプランナーの思いがあるのです。

有名画家や漫画家を起用するときも

イラストに関しては、社内にいるイラストレーターがゲーム内全てのイラストを描くこともありますが、ゲームによっては人気絵師や漫画家に依頼するパターンもあります。
人気の絵師や漫画家に頼むメリットとしては、やはり出来上がってくるイラストのクオリティの高さや、ネームバリューがあり、ファンがつきやすいため人気が出やすいという点があります。

ゲームプランナーになると、自分の考えたゲームのキャラクターイラストを自分の好きな漫画家や絵師に描いてもらいたいと夢見る人も多いです。
実際、それは夢のような話ではなく、ゲームの雰囲気にあっていれば自分の好きなイラストレーターをゲームプランナーが提案できる場合も多くあります。
ゲームプロデューサーから「このゲームの企画に合いそうな絵師を探してきて」と言われることもよくあります。
ゲームプランナーは、漫画家やイラストに詳しければ自分の仕事と直結できる場合もありますので、積極的に流行りの漫画や絵師の情報を仕入れておくことが大事です。

キャラクターの印象に合わせて声優を決める

キャラクターの声優を決めるのも、ゲームプランナーの仕事です。
フルボイスのゲームもありますが、重要なシナリオにだけボイスをつけて、そのほかのセリフにはボイスをつけないこともあります。ただし、ボイスの量はゲームプランナーの情熱や熱意で決められるわけではなく、ゲームの予算によって変わります

声優を決めるには、ゲームプランナーは声優事務所と連絡を取る必要があり、スケジュールと予算の兼ね合いで、候補を選び、声優を誰にするか決めていきます
多くは、声優事務所から候補の声優のサンプルボイスを用意してもらい、若手声優やベテラン声優を聞き比べて、キャラクターに声優を割り当てていきます
人気が出そうなキャラクターには、人気声優に担当してもらうこともあります。

声優を割り当てることができれば、ゲームプランナーは台本を用意し、レコーディングに同席し、実際のキャラクターのイメージに合っているかをチェックしていきます。
キャラクターに合った声優を探さなければいけないため、ゲームプランナーは声優に詳しいと重宝されます。ゲームプランナーは人気声優のレコーディングに同席できるチャンスも多くあり、声優好きのゲームプランナーには大きなモチベーションになっています。

 

まとめ

ゲームのキャラクター作りの仕事は、ゲームプランナーの花形ともいえる仕事です。
キャラクター設定や性格を考えるのはとても奥が深い仕事です。キャラクターに人気が出るも出ないもゲームプランナーの実力次第です。

自分の考えたキャラクターがゲーム内で活躍している姿を見るのはとても嬉しいものですし、有名声優や有名絵師、漫画家と仕事ができる場合も多くあり、サブカルチャーが好きな人ならやりがいをもって楽しめる仕事です。
このような仕事にチャレンジしてみたいと思った方は、ぜひゲームプランナーを目指してみてください。