国内大手某製薬会社Cの二次面接(最終面接)

転職活動日記

某製薬会社の最終面接に行って参りました。

駅前のコンビニでトイレを済ませ、ネクタイを直してから会社へと向かいます。

正直、募集要件にもほぼ届いていない上に、筆記も悪かったという最悪な状態だったのですが、なぜか1次面接に通過して会社の前に立っています。

今ある状況に何とも違和感を覚えると言いますか、

もしかしたら夢オチなんじゃないのか

と思いたくなるくらい現実味がありません。

 

まあ、そう言っても仕方がないので覚悟を決めて面接へと向かいました。

 

面接場所は意外なスペース

受付を済ませると、まずは交通費清算用の紙を渡され、ロビーの椅子に座って記入をします。

しばらくすると、人事のお姉さんがやってきて軽くご挨拶。一次面接で応対してもらった人でした。清算用紙を渡ししばらく待っていると、代金を持って現れました。

「それでは、早速面接に移りますので、こちらへどうぞ」

と言ってエレベーターに乗り部屋まで案内されました。かなり老舗の会社で、社屋も外から見ると古めなのですが、中は意外と綺麗で落ち着いた感じでした。

 

ある程度進むと、ドアが全開の部屋があり手前まで行って止まります

 

「それでは、中におりますので、よろしくお願いします」

…ノックしない面接は初めてだな。ドア全開とはこれいかに…

などと少し驚きながらもそのまま中に進みます。

「失礼致します」

 

と言って中に入ると、何とまさかの円卓テーブル!! 椅子はフッカフカ

それを囲むように3名が座っておられました。

…なんじゃこりゃ

 

「お忙しいところお時間頂きありがとうございます。Sayseと申します。本日はよろしくお願い致します」

向こうもニコニコしながら挨拶をして下さり、その中の1つの席を勧められました。

 

相手は本部長、副本部長、部長クラスの3名でした。

時給数万円の方々が勢揃いしているのは圧巻というか、こんな得体の知れないケチのついた若いモンに時間を割いて下さるなんて…

 

雰囲気はかなり和やかで本部長は常に笑顔、両サイドは一応神妙な面持ちですが、一生懸命話をきいてやろう、というような誠意に溢れていました。

大手の上の方なんて偉そうなおっさんばかりだと思っていましたが、かなり印象が違いました。

正直、転職活動の大手企業でこのレベルの人に会ったことは初めてでした。ベンチャーなどでは社長が出てきますがそれほど緊張はなく、やはり大手の本部長クラスになると重みがかなり増します。

 

本質を問われた面接内容

まずは、簡単な経歴、転職の理由、志望動機をお願いしますと言われました。

経歴、転職の理由は用意したテンプレート通りに喋っていましたが、このレベルの人を前に一方的に話すのはなかなか勇気がいるもので、転職理由を言った時点で様子を見ると、やや退屈そうにしている人もいたので、志望理由は簡単に済ませてしまいました(正直、これは失敗したなと後悔しています。)

続いて質問タイムになります。

「1社で携わったプロジェクトの中で、ご自身が中心となって推進したプロジェクトの説明をお願いします」

「その中で、仕事の概要、その意義、何に苦労し、どのように克服し、どのような事を学んだか、など説明して下さい」

 

一次面接でも感じましたが、この会社はこのパターンがひじょうに多いです。一応それっぽく説明しました。

 

…さあ、どんな質問がくるでしょうか?

 

「そのシステムの効果は何だったんでしょうか?」

導入の意図を再度軽く説明し、効果が数的に示せたことを話しました。

 

「…それって、その方法以外に何かなかったんでしょうか?。なぜそうしたんですか? そんなことをしなくても現場の改善はできたとは思いませんでしたか?」

 

!!!

一瞬びっくりしましたが、相手が言いたい意図は分かりました。システムありきで考えていないか、その時自分なりの疑問を持たなかったのか、もしもったのならどうして行動しなかったのか。

そういった本質的な事柄を問いかけてきたのです。

今となっては思うことですが、と前提を置き、例えばシステム化ではなく業務内容の調整等で済んだかもしれません。例えば、こういったことをすれば良かったとは思います。

などとしどろもどろになりつつも、具体的に例を挙げて説明をしました。

 

ただ、簡単な説明では相手はなかなか折れてはくれません。

こちらの目をしっかりと見つめ、真剣な態度でじっくりと聞いてくれ、そして言葉を投げかけてきます。

その時あなたは何を思ったか、どう悩んだか、などを何度も何度も繰り返し尋ねられました。

 

続いて、2社目についても、同様に中心となって行った事例を尋ねられました。

あるデータ情報を収集しそれを全社で共有するWEBシステムの例を挙げました。

 

「情報をただ見せるだけですか? それは投資に値するのですか?」

といった突っ込みが入ります。まあ、至極ごもっともです。箱だけ作っても業務運用ができていない失敗事例は山ほどありますからね。そのへんの考え方を伝えた後に、本案件ではただの情報公開・共有に留まらず、現場の業務の中でリファーされ、業務の改善に寄与するプロセスの1つになっていることを説明しました。

これは、まあとりあえず納得いって頂いた模様です。

 

最初に質問者は一通りの質問を終えて、続いて真ん中の偉いさんです。

「新しいことに果敢に取り組んだり、粘り強く解決した事例を1つずつ挙げてもらえますか」

両方とも端的に回答したところ、うなずいてもらえました。

真ん中の方は優しい。

 

「では、粘り強さが発揮されて、その結果プロジェクトがうまくいった事例を挙げて下さい」

やっぱり、しっかり聞いてきますね…

あるプロジェクトで、非協力的な業務部門を時間をかけて口説いた話をしました。まあ、それとなく納得してくれた模様でした。

その後、一周して再び最初の方にターンが戻りました。

「これまで、色々とシステムを導入したわけですが、本当にそれらは良かったんでしょうか。もっと、色々と議論して他の選択肢を探さなかったのですか?」

「問題を解決するためにシステムを導入したあなたの判断は正しかったのですか?」

…本当にこの方は良いことをおっしゃる方だ… と心底思いました。

 

確かにその時システム以外にも選択肢はあったと感じ、多少の後悔や思い悩みも持ちました。

この経験から、私は思考のプロセスを改め、まず最初に「我々のサービス・商品を買って下さるお客様」「そして、そこと直に触れ合う業務部門」であり、両者が本当に求めていることが何かを考えるようになりました。

そして、それを達成するための解決法が何かを良く議論し、最適なソリューションを講じるよう努めております。システムとは一つの表現法に過ぎず、それに捉われずに業務視点で改革を進めていくことが我々の責務だと考えます。

…てな回答をしたように思います。こちらも熱が入り色々言ったので、ややうろ覚えです。

 

「プロジェクトで少しでも導入に疑問を感じたことがあったなら、どうしてそれをその時言わなかったんですか?」

まだ認識の浅い時期(新人)だったからであり、現在の自身の立場なら違った行動を取る。と回答しました。

あまりの追求っぷりに隣の面接官さんが笑いながら、まあまあ遥か昔の話じゃないですかとたしなめられていました。

 

私の年収で全製薬会社が泣いた

最後に年収の話

「今、いくら貰ってますか?」

と聞かれたので、正直に現在の額を述べると、

「えぇぇぇぇぇぇぇl!?」

と部屋中に響き渡る声を発せられました。あまりの低さにドン引きしたようです。

さらには、その声の大きさに私もびっくりして思わず少し体を後ろに反らしました。

ほんともう、例えここが道頓堀だったとしても全員振り返るくらいのボリュームでした。

 

他のお二方も、死ぬほど残念そうな表情で、

「あ~、その額はあんまりだよね…」

みたいなリアクション。ハイ、私も現状はちょっとひどいと思っております。

 

ところが、次の質問が意味不明でした。

「年収は現在の値より低かったら当然うちには来ませんよね?」

…え、ビビった額よりまだ減るんですか?

これ以上下がると一般的な新卒の給料より少なくなりますが…

足元見られてるのだろうか…、まあリストラ会社で天井が閉ざされてるんで、今後昇給できる可能性のある会社に行けるならまあ良いか…

ということで、金額よりも御社で働けることが第一の報酬です。と伝えました。「はい」とか答えて年収300万とかを提示されても困ります。

「入社時期はどうですか?」

そちらのご都合に合わせますが、1.5~2ヶ月程度引き継ぎの期間を頂けると嬉しい旨を伝えました。まあ、そんなもんですよね。みたいな顔でした。

最後にこちらから2つ程質問をして終了しました。明確な会社の成長戦略をうかがうことができ、そこに現実味と具体性を感じたので、かなり志望度が高まりました。

 

総括

この会社は今後絶対伸びるなと感じました。

システムの在り方や、それに向けた考え方をとても良く認識しておられます。

質問もうわべな内容は一切なく、どのような信念・価値観で動き、その結果についてどう思考するかばかりが問われました。

面接でここまで本質を問いかけられたことはありません。逆に言うと、私のスキル的なPRにはほとんどなっていない面接だったのですが、まあそれは、職務経歴を見れば分かるから別に良いよ、ということでしょうか。

かなり泥臭い展開になり、結構変な事も言ってしまいましたが、不思議と満足感のある面接でした。

感触はあるようなないような…、まあ多分ない方に針は振れていると思うので、出来としては40点ですかね。

ただ、落とされても悔いはないくらいの気持ちでした。システムの本質を理解されている上位職の方と議論ができて本当に楽しかったです。

…とは言え、この会社に入ったら絶対に成長できそうな気がします。

運良く通過しないかなぁと淡い期待を抱いて帰路につきました。

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