作家が小説を書くために必要なパソコン・ソフト・キーボードの選び方と助けになるアイテム

作家

小説家になるために最低限必要な執筆機材や、あると便利なアイテムについて解説します。本記事を読めば、小説執筆に必要なアイテムについて網羅することができると思います。

記事の信頼性としましては、筆者自身が今年にデビュー予定の小説家であり、複数の出版社との交渉経験があります。

 

1. 小説を書くために最低限必要なもの

小説家というのはあまり一般的な職業ではありませんので、始めるのに最低限必要な物は何か、あると便利な物は何かというのはわからない部分が多いと思います。

小説家といえば、原稿用紙に万年筆といったイメージを持たれている方もいるかもしれません。ただ、そのようなイメージは現代的ではありませんね。むしろ、今どき手書きの原稿を受け取ってくれる編集が存在するのかは怪しいところです。本項では、現代の小説家にとっての必需品をご紹介いたします。

1-1. PC一台あれば、小説家になれます

結論から言ってしまいますが、作家に最低限必要な物はPC一台だけです。極論ではありますが、他の物が一切なくても、執筆に利用できるPCがひとつあれば小説を書くことができます。

筆者も今でこそ執筆環境を色々と整えていますが、デビューが決まる前は、3万ほどの格安ノートPC一台だけで小説を書いていました。ただ、格安ノートPCゆえにキーボードの打鍵感はあまり良くありませんでしたし、別のソフトを開くとすぐに動作が遅くなるような代物で、お世辞にも執筆環境が良かったとは言い難かったです。

ただ、それでも10万字程度の小説を書いてデビューを決めることができましたので、「小説家にとって最低限必要な物はなんですか?」と聞かれたならば、「ノートPC一台」と答えることができるでしょう。

しかし、いくらなんでもWindows XPが動いているようなPCだと色々と厳しいものがありますね。以降の項目では、肝心のPCのスペックや種類、執筆ソフトについても解説いたします。

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※参考までに、筆者がデビュー前まで執筆に使っていたノートPCがこちらです。3万円ほどの安物ですが、ワープロソフトを走らせる分には問題ありませんでした。

1-2. 執筆用PCの選び方

PCにもWindows機にMac機、デスクトップにノート、スペックも上から下まで色々な選択肢があります。しかし、「小説家ならPCはこれ!」ということは特にありませんので、自分の予算と用途に合ったものを選びましょう。最低限、ワープロソフトがストレス無く動けば十分です。

WindowsかMacかという問題はありますが、正直どちらでもよいと思います。ただし、クリエイターの中でも画像編集などに携わる方からはMacの評判が良いようですが、小説家がMacから得られる恩恵はフォントが綺麗なことくらいしか思いつきませんので、こだわりがなければコストパフォーマンスに優れたWindows機をオススメします。

デスクトップかノートPCかについても、自分のライフスタイルに合った物を選ぶといいでしょう。ただし、どうしても集中できない時などは外で書いた方が捗るという方も多いですので、出先でも作業が行えるノートPCを選んでおけば、基本的に間違いは無いものと思います。

PCのスペックにつきましては、あまり高スペックな物を無理に買う必要はありません。前述しました通り、筆者がデビュー前に使用していたPCはCPUがCeleronのメモリ2GBという最小も最小の構成でした。現在は様々な作業がストレスなく行えるように、CORE i7のメモリ16GBといったハイスペックなPCを利用していますが、執筆に使うにはかなりオーバースペック気味ですね。実際かなり持て余していて、このようなスペックは必要なかったと思っています。最低限、ワープロソフトが動けばよいでしょう。

1-3. 執筆ソフトの選び方

さすがにWindows OSに標準装備の「メモ帳」で小説を書くのは色々と厳しい物がありますので、何らかのワープロソフトは導入しましょう。その代表格とされるのは、『一太郎』やMicrosoft Officeの『Word』でしょうか。

小説執筆者から評判がよいのは『一太郎』の方ですね。日本語の文章作成に特化しており、校正能力や書籍化の編集作業に優れているという話をよく聞きます。シリーズの累計発行部数が2000万部を超える超人気作家、川原礫氏も『一太郎』のユーザーとして知られており、この執筆ソフトだけで小説を書いているという商業作家は少なくありません。小説家だけでなく、その編集者の方も『一太郎』を利用されているみたいです。

ただ、筆者が使用しているのはMicrosoft Officeの『Word』の方です。理由はそもそも『一太郎』単体の価格が高いということ、互換性に優れるところ、また『Word』で不都合があったことがないからです。そもそもページ調整など書籍化に直接関わる作業は作家ではなく担当編集の仕事ですし、今のところ『一太郎』に乗り換える必要性は感じておりません

他に無料のオフィスソフトとしては、インターネット環境とGoogleアカウントさえあれば『Google Drive』のドキュメント作成が利用できます。筆者は利用していませんが、本格的に執筆に打ち込むのであればもちろん『一太郎』もおすすめです。ただ、基本的には『Word』で事足りると思います。最低限、執筆中の自動保存のような、テキストを保護する機能を持ったソフトであれば何でも良いです。自分の予算や用途にあったものを選びましょう。

代表的なワープロソフト価格・特徴
一太郎最新の通常版が2万円弱。日本語特化のワープロソフトで、書籍化編集にも強いプロ仕様。
Microsoft Office

Word

月額契約で900円から。もしくは最初からPCに入っている。高機能かつ、無難な選択肢。
メモ帳Windows標準装備のテキストエディタ。自動保存やバックアップ機能が無いため、執筆に用いるのは不安。
Google Drive無料で利用できる、クラウド上の文章作成ソフト。インターネットに接続する必要があるが、これでも十分。
他無料のフリーソフト『LibreOffice』や『Open Office』など、高機能な無料フリーソフトは多く存在します。自分に合ったものを選びましょう。

 

2. 小説を書く助けになるガジェット

最低限PCと執筆ソフトさえあれば小説を書くことはできますが、あると作業効率が大幅に向上するガジェットについても紹介いたします。小説を書くことは長距離のマラソンを走り続けるのと同じです。なるべく負担を減らし、効率的な作業の助けとなるアイテムを揃えましょう。

2-1. 高級キーボード

筆者がPCの他に何を取られたら執筆に大きな支障が出るかといいますと、間違いなくキーボードです。

小説家の作業の大部分を占めるのは、キーボードをカタカタと打ち込む執筆作業ですので、その出力装置であるキーボードにはある程度こだわった方が良いかと思います。

キーボードの好みも人それぞれです。ノートPCに備え付けの薄いキータッチが好きな人もいれば、1000円くらいの安いキーボードで良いよね、という人もいます。日本を代表する作家である村上春樹さんは、Macの薄いMagic Keyboardを使用されているようでしたタイピングしていて指や腕が疲れてしまうという人は、まずキーボードが自分に合っていない可能性がありますので、ストレスなく打鍵し続けることのできるものを探しましょう。

筆者はPFU社のHHKB(Happy Hacking Keyboard)という高級キーボードを愛用しています。というより、もはやこれがないと文字が打てないというレベルの中毒者です。価格は3万円ほどと非常に高価な代物ですが、それに見合った性能があります。静電容量無接点式という特殊な構造を採用したキーボードで、これと同様の構造を持つキーボードとしましては、REALFORCEシリーズなどが存在します。

小説家であれば、触れている時間が最も長いのは間違いなくキーボードです。ここにストレスや疲労がかからないか、そもそもタイピングしていて楽しいと感じられるかは、10万字単位の作品を仕上げていくうえで非常に重要な要素となります。ですので、ちょっと高価な買い物だとしても、投資価値は十分あると筆者は思います。

※キーボードには英語配列と日本語配列が存在しますので、購入の際には注意しましょう。日本の通常のキーボードは当然、日本語配列です。キー配列やEnterキーの大きさなど様々な違いがありますので、特に拘りが無い場合は、基本的に日本語配列の物を購入しておけば問題ありません。

URL:https://www.amazon.co.jp/PFU-Hacking-Keyboard-Professional-PD-KB420WS/dp/B008GXUDBO/ref=sr_1_6?adgrpid=55024585162&hvadid=338520118485&hvdev=c&hvlocphy=1009054&hvnetw=g&hvpos=1t1&hvqmt=e&hvrand=13931135883045136729&hvtargid=kwd-299382630708&jp-ad-ap=0&keywords=hhkb&qid=1554097473&s=gateway&sr=8-6

2-2. 外部モニター

小説を執筆するうえで非常に重要なのは、いかに精神的・身体的な疲労・ストレスを軽減し、執筆に集中する状況を作るかです。その一助となる物としてキーボードを紹介しましたが、外部モニターの利用もとても効果があります。

外部モニター利用のメリットはいくつかありますが、作家にとって最大の恩恵は、執筆の姿勢が良くなるということです。ノートPCで執筆をする場合、目線が下になり背中が曲がることによって、姿勢が悪くなり疲労が蓄積します。作業空間も窮屈になりがちですので、疲労によってせっかくの集中力が途切れることもしばしばです。

対して外部モニターに画面を出力することにより、目線に合わせて正しい姿勢で執筆を行えるため、長時間の執筆でも疲労を感じにくくなります。またモニターアームを導入すれば、執筆に伴う身体的なストレスをさらに軽減することができるでしょう。

作家の大敵は執筆に伴う身体的なストレスと疲労ですので、本格的に執筆を行いたい方には外部モニターとキーボードの導入をおすすめいたします

ワープロソフトを開きながら、別ウィンドウで調べ物をする際にも大画面だと何かと都合がいいです。外で執筆する際にはノートPCの画面で、家で集中する際には外部モニターを使用するなど使い分けてもいいですね。また、ノートPCスタンドの利用等によっても同じ効果を得ることができますので、スペースや予算が無いという方はそちらをチェックしてみてください。

※モニターやノートPCを選ぶ際、画面はグレアかノングレアか、という問題もあります。
小説家は長時間に渡ってモニターを眺め続けることになりますので、ここも大事なポイントですね。筆者は光沢のあるグレア画面だと目が疲れてしまうので、光沢のないノングレアのモニターを好んで使用しています。これは、芥川賞作家の羽田圭介さんも同様であるとインタビューで語られていました。

2-3. プリンター・タブレット

モニターとキーボードに比べれば優先度は落ちますが、プリンターやタブレットも非常に有用です。執筆の用途としては、一度書いた文章を見直したり、添削したりする際に非常に役に立ちます。

筆者も以前は、書いた小説をプリンターから直接出力して、一旦紙の形にしてガリガリと赤ペンを走らせたりしていました。モニター画面から見る文章と実際に紙の形で見る文章は見え方が異なりますので、文章のリズムや語感など、今まで見えなかった修正点がいくつも見つかります。

ただ現在は、プリンターではなくiPadなどのタブレットを利用しています。Apple Pencilなどのタッチペンを利用すれば、紙に書き込むような感覚で添削作業を行うことができますので、非常に重宝しています。添削したデータをそのままPC上に送ることができるのも嬉しいですね。

予算との兼ね合いにはなりますが、こういった作業は文章のブラッシュアップに直接繋がります。筆者はこの作業を現在タブレットで行っているわけですが、とりあえずはプリンターから出力してみるのをおすすめします。モニターを見続けて目が疲れた時や執筆に行き詰まった時など、ちょうどいい気分転換になってくれますよ。

 

3. 小説を書く助けになるアイテム

基本的には、上のアイテムを揃えておけば執筆環境としては非常に良いものが出来上がっていると思います。本項ではプラスアルファとして、比較的安価に購入できる、小説執筆にとって有用なアイテムをいくつか紹介いたします。

大型のホワイトボード・コルクボード

小説の構成段階において特に役に立つのが、大型のホワイトボードコルクボードです。複数の登場人物やストーリーの流れなどを整理・構築する際に、ノートやワードファイル上だけでなく、こういった広いスペースを使って視覚的に整理することによって、より効果的に物語を構築することができます。

作家にホワイトボードやコルクボードというのはあまりイメージが湧かないかもしれませんが、これは著名なハリウッドの脚本家であるブレイク・スナイダー氏(注1)が勧めているアイテムでもあります。ストーリーをロジカルに詰めなければならない脚本家等の職業にとって、これらのアイテムは非常に心強い相棒です。

特に複雑なストーリーを構築している時など、いざプロットをホワイトボード上に広げて俯瞰して見てみると、このキャラクターが上手く動いていない、ここの時系列がおかしい、この章の内容が弱いということがすぐにわかります。筆者にとっては、小説を執筆するうえで必需品レベルのアイテムです。

ホワイトボードやコルクボードに付箋を貼りつけたり整理したり眺めたりするのは、執筆に疲れた脳を一旦リフレッシュするのにも効果的です。Amazon等で探せば大型で安価なものが手に入りますので、ぜひ探してみてください

※注1:ブレイク・スナイダー:脚本家。ハリウッドの映画脚本家の育成に大きな貢献をした人物。代表的な著作『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』の中で提唱された「ビートシートメソッド」という脚本公式は、現在でも映画脚本の基礎となっています。

URL: https://www.amazon.co.jp/gp/product/B016D8FAHK/ref=ox_sc_act_title_5?smid=AN1VRQENFRJN5&psc=1

アウトラインプロセッサ

アウトラインプロセッサは、情報を階層構造で整理することのできるソフトのことです。主に、小説の設定や登場人物、プロットを整理して保存する際に役立ちます。情報をツリー型に管理することのできるテキストエディタ、という風に理解することもできます。

通常のワープロソフトであれば、文章情報は羅列するか別ファイルに分けて整理するしかありませんね。しかしアウトラインプロセッサがあれば、性質の異なる様々な情報をタグ付けして、ファイルを分けることなく一目でわかるように管理することができます。小説家やライターなど、膨大な情報を整理して長文を執筆する必要のある職種に重宝されているソフトです。

これに色々な情報をツリー状にまとめておくと、執筆に必要な情報をいちいち探す手間が省けます。現在どういう情報があり、小説の設定がどこまで固まっているというのを視覚的に理解することもできます

筆者は『Nami2000』というフリーのアウトラインプロセッサを利用していますが、他にも色々なソフトが存在していますので、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。そもそもアウトラインプロセッサというソフトの存在を知らなかったという方は、ぜひ調べてみてください。

小説の執筆指南書

ノウハウコレクターのようになってしまうのも問題ではあるのですが、自分に合ったハウツー本、または信頼できる本が一冊でもあれば、執筆の心強いパートナーになってくれるでしょう。これについては数多くの作家が色々な本を出していますので、自分の執筆スタイルに合った物を選ぶ必要があります。

筆者の場合、執筆やプロットの構築に悩んだ際には、編集や作家の友人に電話やメールで相談したりします。ただ、そういった適切な相談相手はなかなか居ないものですよね。筆者もそういった信頼できる相談相手が最初から居たわけではなかったので、その時に頼っていたのがこういった指南書でした。

この類の本で世界的に有名かつ必読書の一つとされているのは、シド・フィールド(注2)の『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術』です。これは厳密には小説指南書ではなく、商業映画脚本を書き上げるためのハウツー本ではあるのですが、エンターテイメント作品の原則を基礎部分から学ぶことができる、非常に良質な本です。

こういった本を一冊味方につけておくのは、孤独な作業になりがちな作家業にとって非常に有効です。しかし同時に、小説家が誰かの意見に振り回されすぎるのも考え物ですね。一冊これといった相棒を見つけたら、あとは執筆に集中するのが良いと思われます。

※注2:シド・フィールド:脚本家。映画脚本の国際的な基本モデルである三幕構成を発見した人物。日本では物語の基本構成といえば起承転結が一般的ですが、国際的には、映画脚本はこの三幕構成に倣うのが一般的です。

URL: https://www.amazon.co.jp/%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%82%92%E6%9B%B8%E3%81%8F%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%8C%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%81%A6%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8-%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%AE%E8%84%9A%E6%9C%AC%E8%A1%93-%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89/dp/4845909278/ref=pd_sim_0_4/358-2911002-2325026?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4845909278&pd_rd_r=58795036-5c38-11e9-b5a3-69c22e5fd3ff&pd_rd_w=6Ug49&pd_rd_wg=3EgXm&pf_rd_p=b88353e4-7ed3-4da1-bc65-341dfa3a88ce&pf_rd_r=QR1CV21AETX1MNRPYPTP&psc=1&refRID=0N3BJ3C02D98V4GY2TQE

番外編:赤いマグカップ

余談気味ですが、筆者は小説執筆の際に、珈琲を飲むために赤いマグカップを愛用しています。これは村上春樹氏に倣ったものです

嫌でも目立つ赤色のマグカップにしておけば、執筆中に手をひっかけて珈琲をこぼすことが少なくなると村上春樹が語っていたのを見て、筆者はずっと赤いマグカップで珈琲を飲みながら執筆作業に励んでいます。

朝にこの赤いマグで熱い珈琲を飲んで、小説を書き始めるのが筆者のルーティーンの一つです。小説執筆には、こういうルーティーンが一つくらいあると良いですよね。

 

4. 小説を書く助けになる環境

最後に、もっと大きな括りとして小説を書く環境についても紹介いたします。小説執筆は基本的に、かなりの集中力と膨大な時間を必要とする作業ですので、執筆に理想的な環境を整えることが非常に重要です。

大型の机

人によっては、執筆に集中するために無駄な物は一切置かないというスタイルの小説家もいますし、逆に机の上がゴチャゴチャと散らかっているような人も様々です。筆者は整理している方ではあると思うのですが、それでもノートやiPadに資料など、執筆時には色々な物を机上に広げることになります。

基本的には、机は広ければ広いほど良いでしょう。そして横幅を大きく取ることは当然として、奥行きにも注意した方が良いです。せっかく広い机を買っても、奥行きが狭いと窮屈な姿勢でキーボードを打ってモニターを見つめることになり、ノートや資料も展開しづらいです。

筆者が現在使用している机の奥行きは70cmほどで、これくらいがちょうど良く感じます。ただし、筆者はモニターアームを使ってPCモニターを机上から持ち上げていますので、机にモニターやPC本体を置く場合は、もう少し奥行きがあると良いかと思います。

※参考として、ニトリの組み合わせデスクは天板の奥行きが59cmです。おそらくこれくらいあれば十分だとは思いますが、筆者はほんの少しだけ手狭に感じます。

椅子

小説家に限らず、ブロガーなどライター業全般に言えることですが、椅子が非常に重要です。執筆に本格的に打ち込むことになると、一日中椅子に座りっぱなしということもあります。腰痛対策にも快適な執筆を続けるためにも、椅子については出来るだけ高品質な物を使った方が良いでしょう。

高品質なオフィスチェアとして有名な物は、アーロンチェアやオカムラコンテッサ、エルゴヒューマンなどがあります。ただしこれらの高級オフィスチェアは10万円クラスになってくるため、予算との要相談になります。

安い買い物ではありませんが、それくらいの投資をしても良い部分だと思います。どちらにしろ、オーバースペックなPCを十数万円で買うくらいなら、もう少し値段を抑えてこのようなオフィスチェアをひとつ買うことをオススメします。

もちろんそんな高価な物は買えませんという方も、家具屋に足を運んでみて、安くて自分に合う椅子を選んでくださればと思います。オフィスチェアは値段が高ければ高いほど品質も良くなる傾向がありますが、じっくり選べば一万円台の低価格帯でも自分の身体に合う物は意外と見つかるでしょう。

 

まとめ

小説家は一般的な職業ではありませんので、その仕事道具というのもあまり広く知られた物ではないでしょう。本記事では小説家の作業にとって心強い味方となってくれるアイテムや必需品について、網羅的にご紹介したつもりです。

小説家はスーツを着る必要がありません。名刺もネクタイも資格も、普通免許すら必要ありません。必要なのは作品と、売上だけです。そのために小説家は、一つでも多く作品を仕上げ、その作品のクオリティを少しでも上げる手助けとなるアイテムを揃えることになります。

しかし結局のところ、小説というのはワープロソフトを積んだPCが一台あれば書けてしまいます。最初からこれらのアイテムを揃えるのも悪いことではありませんが、それよりは実際に小説を書きながら、必要だと思った物を随時揃えていくのが良いと思います。

基本的な方針は、執筆の疲労を最大限軽減し、創造力を助けるアイテムを揃えることです。なにはともあれ小説を執筆しながら、自分のマストアイテムを一つずつ見つけていきましょう。

コメント

  1. あばば より:

    某所のレーベルで現在進行形で書いてます。
    作家に必要最低限なのはPC一台だけ、というのは異論はありません。
    今時、手書き原稿を受け取ってくれる編集(編集部)はほとんどいませんね。手書きはよほど有名で古い作家でないと。最近の新人賞は手書き原稿はお断り、と投稿条件に書いてる所が多かったと思います。それに、印刷屋の組版からしてデータでの入稿を求めて来ますし、編集に小説データ打ち込み作業という結構時間の掛かる作業が入りますから、かなり嫌がられます。

    ただPCに関しては……私、基本はMacBookで執筆してますが、(Windowsも時々使います)Macは画面が非常に見やすくヒラギノフォントのお陰で目が疲れにくく、文字の判別もしやすいので(MS明朝は時々見辛い文字がある)、これはこれで長時間執筆に向いていると個人的には思いますけど、まぁ好きなのを使えばいいんじゃないんでしょうかね?芝村裕吏氏はキングジムのpomeraなんか使ってますね、知り合いの作家なんかも使ってます。これの何が良いかって「文字入力しか出来ないので余計なことに気を取られない」らしいです。

    ワープロソフトに関してはWordでも一太郎でも、どっちでもいいと思います。
    川原先生とその担当編集は一太郎らしいけれど、編集部全体としては確かWordだったかと。あと、作家側から提出される原稿の形式はプレーンテキストからWord、一太郎と結構色々だそうで、これは書いてる本人がやりやすいものでやればいいと感じのことを編集から伺ったことがあります。

    ホワイトボードに関しては箱書き(映像作品の脚本や撮影などで構成を行う技法ですね)でプロットを作る人には有用かもしれませんが、しない人には無用の長物ではないかと。

    それと、アウトラインプロセッサ、これ、Wordや一太郎に付属しているアウトライン機能でもそれなりに使えます(すくなくともこれで私は構造を作ってます)

    なんてことを、執筆の現場から。