職歴や学歴がなくても、短期間でしっかり稼げる仕事が「期間工」です。
とはいえ、具体的に期間工とはどんな仕事なのか、どんな職場で働くのか分からない人も多いですよね。
ここでは、初めて期間工で働きたいという方にも分かりやすく、期間工の仕事内容や仕組みについて解説します。期間工の基本的な情報をまとめてありますので、ぜひ参考にしてくださいね。
期間工とは?仕組みや働く期間について
まず、期間工の仕事内容や働き方のしくみについて見てみましょう。
期間工の仕組みについて
期間工とは、自動車メーカーや精密機器メーカーの工場で決められた期間だけ働く従業員のことです。
メーカーはその名の通り、何か物を作って世の中に出す企業ですが、季節や流行など需要によって物を作る量を調整しなければいけません。売れ行きが良い時に生産が間に合わないと、物を売るチャンスを逃すことになりますし、逆に売れない時に物をたくさん作ると大量の在庫を抱えることになります。
物をたくさん作りたい時、つまり工場の生産量を上げたい期間に雇われるのが期間工なのです。契約期間が決まっているとはいえ、期間工として働く間は、働く工場の親企業から直雇用になります。
例えば、トヨタ自動車の期間工として働いている間は、トヨタ自動車の従業員という立場になるのです。
期間工はどのくらい働けるか
期間工の契約期間は3ヶ月、半年、1年など、メーカーによって異なります。
契約期間が満了になるとそこで期間工としての仕事は終了となりますが、雇用しているメーカー側の判断で契約期間が更新されることがあります。契約期間が更新されると、さらに新しい期間働き続けられます。
ただし、契約期間が更新されても期間工として働けるのは最長3年までです。これは、期間工は契約期間が定められた働き方である「有期労働契約」に該当するからです。
労働基準法によって、有期労働契約の更新は最長で3~5年まで、それ以上働かせたい場合は有期労働契約を無期にしなければいけないのです。
そのため多くのメーカーでは、契約更新をしても期間工として働ける期間は、最長でも2年11ヶ月までと定めています。2年11ヶ月まで働き続けた後は、契約満了となり期間工としての仕事は終了します。
ただし、メーカーによっては正社員登用制度を設けているところもあります。
これは期間工として働いた後にメーカーの正社員として雇用される制度です。
契約満了後に正社員になれば、ずっと働き続けることもできますし、ボーナスや有給休暇、企業独自の福利厚生なども受けられ、社会的にも安定した立場になれます。
期間工の仕事とは?内容とメーカーについて
期間工はどんな仕事をするのか、どのメーカーが期間工を募集しているのかを見てみましょう。
期間工の仕事内容
期間工の仕事は、工場の製造ラインで組立てや検査、溶接などの作業を行います。いずれも単純作業のため、特別な資格も必要なく働けます。具体的な期間工の仕事を見てみましょう。
ある部品と部品を繋ぎ合わせて形にする作業です。自動車のドアやボンネットから、精密機器まで実際に組み立てる部品は働くメーカーによって異なります。
高温で金属を溶かして繋ぎ合わせる作業です。
作った物を塗料で色付けする作業です。人がハケやスプレーを使って塗る場合もあれば、作業ロボットを操作する場合もあります。
作った物を倉庫やほかのラインへ運んだり、配送のために梱包場所に送ったりする作業です。手で運ぶこともあれば、フォークリフトなどの機器を操作して多くの物を運搬する作業もあります。
出来上がった物のサイズや形が合っているか、正しいところにパーツが入っているか、正常に動くかを調べる作業です。
期間工を募集しているメーカーについて
期間工を募集しているメーカーは、大きく分けて4種類あります。
トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダなど、大手自動車メーカーの各製造工場で働く期間工です。大きなパーツを組み合わせる作業が多く、体力が必要な場合が多いです。
日野自動車、小松製作所、日立建機など、トラックなどの大型車両や重機、建機メーカーです。取り扱うパーツが大きいため、普通自動車メーカーよりもさらに体力が必要な場合が多いですが、その分給料や待遇が手厚いところも多いです。
アイシンAW、太陽誘電ケミカルテクノロジー、ハーモニック・ドライブ・システムズ、イーグル工業など、自動車や産業用ロボットなどの機械部品を作るメーカーです。細かいパーツを扱うため、体力は必要なく女性も活躍できるメーカーも多いです。
タイヤメーカーのブリヂストンや東洋ゴム、プラスチック部品メーカーの住電装プラテックなど、自動車や精密機器以外のさまざまなメーカーでも期間工を募集しています。
期間工の生活とは?働く時間や休日について
期間工はメーカーの工場勤務になるため、寮生活になります。期間工で働く時間や生活内容を見てみましょう。
期間工の勤務体系は?夜勤はある?
期間工は2交替制または3交代制で働く場合が多いです。交代制とは、早番、遅番、日勤、夜勤などのあらかじめ決められた時間帯を、シフト制で働くことです。
例えば、トヨタの期間工は2交替制です。日勤に当たる1直(6:25〜15:05)を5日間働いた後、次の週は夜勤に当たる2直(16:00〜翌0:40)を5日間働く、の繰り返しです。夜勤をこなせば夜勤手当も付きます。
期間工の休日は?
期間工の休日は、工場のある親企業と同じ「企業カレンダー」に準じていることがほとんどです。
企業が土日休みなら工場も土日休みですし、祝日や長期休暇も休みならゴールデンウィークやお盆、年末年始も休みになります。
休日は寮でゆっくり休む人もいれば、買い物に行ったり繫華街で遊んだり、日帰りで地元に帰省したりする人もいます。
期間工の仕事以外の生活は?
期間工として働く間は寮生活になります。寮は工場と同じ敷地内にある場合もありますし、工場から寮までバスなどで送迎される場合もあります。
期間工の寮、というと少し前までは相部屋でいわゆる「タコ部屋」というイメージが強かったのですが、今の期間工の寮はほとんどがワンルームタイプ、一人一部屋与えられますので、プライバシー管理も安心です。
さらに、テレビや冷蔵庫、テーブルなど生活に必要な家具や家電もそろっています。お風呂やトイレはユニットバスがついているところもあれば、共同の場合もあります。
そして、寮は無料または格安で住めます。なお、男性が多い期間工ですが、女性も多く働く精密機器メーカーなどの期間工の場合は、男子寮と女子寮に分かれています。
食事も、食堂が利用できる期間工がほとんど。寮のみだけでなく、工場にも食堂が用意されている期間工メーカーも多く、格安でおいしい食事が食べられます。
メーカーによっては、メニューのバリエーションが豊富だったり、日替わりだったり、ご飯のお代わりが自由だったりなど嬉しい特色もあります。
住むところも食事も心配なく、仕事に集中して働けるだけの快適な環境が整っています。
まとめ 今後も期間工は活躍が期待されている
期間工の概要や仕組み、仕事や募集しているメーカー、勤務体系や休日についてご紹介しました。
労働力不足が叫ばれる今日、今後も期間工の募集は増えていくことが予想されています。
人手を確保するために、高い給料や良い待遇で期間工を募集する大手メーカーも多くありますので、今期間工に挑戦したい、という方はチャンスといえるでしょう。
コメント