今すぐリスニング学習を始めるべき3つの理由とコツ・英語初心者向け易しいリスニング素材4選

英語学習

英語のやり直し学習を始めて間もない方とお話をしていてよく言われるのが、「リスニングが苦手だけど、どこから手をつけていいのかわからない!」ということです。

中学校・高校と真面目に英語を勉強していても、英語圏の子供向けのテレビや簡単なオーディオブックなどが聞き取れないという方も多いのではないでしょうか。

聞き取れないものを長時間聞くのは辛いものです。

しかし、リスニング学習を先延ばしにしてしまうと、自己流の読み方や発音などが身についてしまい、英語学習の効率がかなり悪くなってしまいます。

今回は、英語学習初級者の方が、今すぐリスニング学習を始めるべき理由を紹介します。

リスニング学習を始めるべき3つの理由

1.スキマ時間を有効活用出来る

リスニング学習の効能として最も大きいのは、スキマ時間を最大限に活用出来ることです。

忙しい社会人や、お子さんのいる家庭では、きちんと机に座った状態でたっぷりと学習時間を取るのは大変難しいのではないかと思います。

耳から英語情報をインプット出来るようになれば、歩きながら、家事や雑用をしながらでも英語学習を進めることが出来るようになります。

また、耳から英語情報を得られるようになることで、学習者用のテキストだけではなく、CNNやBBCなどのテレビニュース、ポッドキャスト、オーディオブックなど、リスニング素材の幅が大きく広がります。

これまでテレビで日本語のニュースを見ていた時間に、英語ニュースを視聴することで、普段の生活時間を英語学習にあてることが出来るようになります。

ちょっとしたスキマ時間も、チリも積もれば山となります。

たった5分を積み重ねることで、数年後には何百時間もの差が出るのです。

英語学習を始めたならば、できるだけ早い時期にリスニング力を鍛え、机の前以外でも、どこでも英語に触れる体制づくりをすることをお勧めします。

 

2.英会話にも効果が出る

会話のキャッチボールにはリスニングが不可欠です。

せっかくオンライン英会話などを始めても、相手の言っている事がサッパリ分からないと、会話レッスンの効果が半減します。

ゆっくり話してもらえれば理解出来るという程度にはリスニング力を上げておきたいものです。

また、内容を理解しながらたくさんの英語を聞くことで、英語のイントネーションや、正しいアクセントの位置、英語らしいリズムなどが自然と身につきます。

リスニングを後回しにして、音源なしでの単語学習に集中したり、精読の練習のみしたりしていると、間違った音で覚えてしまう危険性が出てきます。

脳内で勝手に作り出した音と、実際の音が違うと聞き取ることは出来ません。

英語の文字と音を正しく一致させることが大事です。

早い時期からリスニングに取り組むことで、正しいアクセントやイントネーション、リズムを身につけ、英会話レッスンに活かしましょう。

 

3.英語をインプットするソースが増える

英語学習の初期段階から意識的にリスニングの時間を取ることで、文法書や単語集で学んだ項目を、違う経路でインプットする機会が増えます。

教科書で覚えた文法のルールや構文、単語集で覚えたばかりの新しい単語にpodcast やニュースなどで出会うことで定着率が上がります。

口語で話される文法は、必ずしも教科書的なルールに従っているわけではなく、また、音の脱落や連結など、文面からだけでは得られにくい情報がたくさんあります。

より実戦的な英語に触れるためにも、早い段階から少しずつでもリスニングをすることが重要です。

 

英語力を高めるには、どれだけ英語に触れたかが大事になってきます。

文法や単語学習の段階から、音源つきの教材を選んだり、理解出来る内容のpodcastを聞いたりして、日々の生活を出来るだけ英語漬けにする工夫をしてみてください。

1週間や10日で効果が出るわけではありませんが、ある程度時間がかかるからこそ早めにとりかかりたいものです。

 

初心者向けのリスニング学習のコツ

ここまでは、今すぐリスニング学習を始めるべき理由を説明しました。

リスニングを早期に始めることで、その後のスキマ時間を有効活用出来ますし、英会話にも効果が出ます。

また、できるだけ色々な経路から英語をインプットすることで、定着率も増します。

文法学習やボキャビルと共に取り組んでほしいリスニングですが、気をつけなければならない事があります。

今回は、英語学習者が注意すべきリスニングのコツを紹介します。

 

聞き流さない

聞き流すだけで英語が話せるようになる!

という、有名な英語学習法があります。

スポーツ選手を起用し、テレビCMも流していますので、目にされた方も多いのではないかと思います。

1日5分からでもOKとのことですが、聞き流すだけでは英語を聞き取ったり話したりすることは出来ません

英語→日本語の順で収録されているので、テキストをみなくても大丈夫、とのことですが、このような方法で何百回聞いたとしても、覚えているのは日本語の部分のみです。

聞き流すだけで効果があるのは、聞いただけで9割がた理解出来る上級者レベルになってからです。

そこまでくると、始めて出会った単語でも文脈から予想して新出単語を覚えたり、以前学んだ表現に出会って再確認することで定着率が増したりするなどのメリットがあります。

逆に、全くの初心者の場合、「英語の音に慣れる」くらいの意味合いはあるかもしれません。

リーディング素材として学んだ文章の音源を聞く、またはCD付きの単語集を記憶するための補助として聞く、という目的で英語を流すのは良いと思います。

ただしこの場合も、日本語の本を読みながらバックグラウンド・ミュージックのように流すのではなく、しっかり集中して聞くべきです。

 

ボキャビルを同時にする

聞き取れないのが、単語力不足であるとすれば、単語力を増強することで聞き取り能力がアップします

ボキャビルの際に、音源付きの教材を利用すると良いでしょう。音源がない場合は、必ず発音記号を確認しましょう。

読み方を間違って覚えてしまうと、リスニングの際に「知っている単語なのに聞き取れない」ということになります。

様々な分野の単語を知ることで、幅広い話題のリスニングが理解出来るようになります。

基本的な単語をひと通り覚えてしまった後も、少しずつでもボキャビルを続けるとよいでしょう。

 

音と文字を一致させる

ボキャビルの部分と重複しますが、どれだけたくさんの語彙を知っていても、間違った発音で覚えていては、文章中で聞き取ることは出来ません。

音源とスクリプトが揃った文章を使って、目で読んでいる文字と耳から入ってくる音を一致させましょう

音源付きのCDで覚えた単語でも、文章の中では連結や音の脱落のために違って聞こえる事があります。

音源付きの文章を使って、文字と音が一致するよう心がけましょう。

 

リーティングレベルを上げる

リスニングが苦手という方は、聞けないどころか読めていない可能性もあります。

ニュースやオーディオブックなどは、150〜200語/分程度で読まれていますし、若者の会話などは200語/分以上で話されていることもあります。

ある程度の長さの文章を聞いて理解出来ない場合、スラスラと読めるのか、ということを確認してみると良いと思います。

スラスラ読めない文章を聞いて理解するのは不可能です。

読める英文のレベルを上げる努力をするか、読めるレベルより少し下のレベルのものをリスニング素材として選ぶと良いと思います。

聞き流すだけで英語が流暢に話せるようになる、という謳い文句に惑わされず、意味のわかるレベルの素材を集中して聞くようにしてください。

最初は難しいかもしれませんが、耳だけで理解出来る文章のレベルが上がってくると、後は聞くだけでどんどん新しい内容が理解出来るようになります。

ここまでくれば、聞き流しからでも十分に情報を収集出来るようになります。

それまでは集中して聞きましょう。

 

初心者向け易しいリスニング素材4選

これまでに、理解出来ない英語を何時間聞き流しても得られるものは少ない、ということを説明しました。

リスニングに時間を割くのであれば、意味のわからない音源をお経のように聞くより、耳だけで聞いて8−9割わかるものを聞くのが理想的です。

今回は、初心者用のリスニング素材を紹介します。

 

Spotlight

無料で手に入れられるスクリプト付き音源のなかで、いちばん易しいレベルではないかと思います。

Spotlightでは、毎日15分の音源つき記事が提供されます。

こちらのサイトの特徴は、1500語以下の語彙を使用しているところです。

中学校で覚えるべき英単語がおよそ1200個とされていますので、中学英語レベルで理解出来るレベルです。

「1つの文章に1つのアイデア」のルールで書かれているため、構文も複雑ではありません。

 

また、90語/分と、通常ニュースや会話などで話される半分のスピードで収録されています。

かなりゆっくりのスピードで読み上げられていますので、これを耳だけで理解出来ないのであれば、スクリプトを読み込み、文字と音を一致させる作業から始めましょう。

全くリスニングをしてこなかった人が耳慣らしとして始めると良いのではないでしょうか。

 

VOA Learning English

Spotlightよりは少し早め、普通のニュースよりはゆっくりめなのが、VOA Learning Englishです。

こちらも語彙1500個以内で書かれており、Spotlightの語彙リストと90%以上重複しています。

Spotlightは、通常会話の約半分のスピードでしたが、VOA Learning Englishでは、通常会話の2/3程度のスピードとなっています。

レベル1〜3に分けられており、分野からも好きなトピックが選べるため、Spotlightよりは自由度が高くなります。

もちろんスクリプトと音源がありますので、聞いて分からない箇所はスクリプトをみてしっかり確かめましょう。

易しい英語で書かれていますが、取り扱っている内容は、時事問題や世界で話題のトピックなど、情報収集手段としても役立ちます。

 

実践リスニングNEWS

こちらはVOAの最新トランスクリプト付英語ニュースをダウンロードすることが出来るiPhone、iPadアプリです。

アプリ自体は400円ですが、アプリ購入後は、月額0円でほぼ毎日ニュースをダウンロードすることが出来ます。

電車通勤などされる方は、通勤時間にiPhoneで音声とトランスクリプトを確認することが出来るので、非常に便利です。

巻き戻し時間も設定出来るため、聞き取れなかった部分のみを何度も巻き戻して聞き直す事も出来ます。

音声は標準スピードですが、再生スピードを調整出来ますので、自分のリスニングレベルに合わせて聞くと良いと思います。

 

バイリンガルニュース

厳密には初心者向けではありませんが、人気のポッドキャストです。

世界で話題のニュースを、日本語と英語のバイリンガル会話で配信しています。

女性が日本語で話した記事を、男性が英語で話し、その後日本語と英語の会話が続きます。

ポッドキャストの音声は無料。

スクリプトは有料で、iPhoneアプリで1話100円でダウンロード出来ます。

英語音声は通常スピードで話されているため、ゆっくりめのスピードで聞きたい時は、自分のデバイス側で再生スピードを変更します。

特に語彙制限もないため、初心者用ではありませんが、日本語と交互に話されているため、初心者向け素材から英語だけの素材へ移行する際などに用いてみると良いかもしれません。

 

まとめ

今回紹介したSpotlightとVOA Learning Englishは、基本語彙のみを用い、ゆっくりめのスピードで話されている初級者向けの番組です。

まずはこれらの番組で話されている内容を、「なんとなく言っていることが分かる」程度ではなく、一語一句、くっきりはっきりと聞き取れることを目標としてみてはいかがでしょうか。

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