ここ数年、続けてきて良かったと思える学習法の一つにシャドーイングがあります。
即効性のある学習法ではありませんが、続けることによって確実に効果を実感することが出来ました。
今回は、スピーキング、リスニング、発音、表現力など、全てにおいて役立ったシャドーイングを紹介します。
シャドーイングとは
シャドーイングとは、読み上げられる英語の文章を聞きながら、1〜2単語遅れて影のように後から追いかけて発音していくという方法です。
耳から聞いた音をそっくりそのまま口から出します。
シャドーイングのメリット
毎日1時間ほどのシャドーイングを半年ほど続けた時点で実感した効果は以下のとおりです。
- 英語らしいリズムが身についた
- 正しいイントネーションで話せるようになった
- 発音が良くなった
- リスニング能力がアップした
特に、英語らしいリズムが身についたのが一番の収穫でした。
今振り返ってみれば、シャドーイングをしていなかった頃の自分のスピーキングは、“音程を外しまくった鼻歌”のようだったのではないかと反省しています。
英語を話す際には、正しいアクセントの位置やイントネーションが重要です。
あまりリスニングやシャドーイングをしていなかった頃は、英語のリズムを無視し、日本語のような平坦なイントネーションで話していたと思います。
シャドーイングを始めてから半年ほど経過した時に、オンライン英会話の先生から“あなたの話す英語が聞き取りやすくなった”と立て続けに言われました。
その時に言われたことで印象に残っているのは、“日本人が話す英語は平坦で聞き取りにくい。
どこで区切れているのかも分かりにくい”ということでした。
シャドーイングで耳から聞いた音声をそのまま口から出す練習をしたことで、英語らしいリズム、イントネーション、発音が身につき、スピーキングが改善したのだと思います。
シャドーイングと音読の違い
音読も効果があると言われていますが、やり方によっては効果がないばかりか、悪影響さえ及ぼす恐れがあります。
正しい音読をするためには、とにかくお手本に忠実に、正しく読むことが必要です。
お手本となる音声を数回しか聞かず、回数をこなすためにお経のように読み上げていたのでは、間違った読み方が定着してしまいます。
その点、シャドーイングは常にお手本となる音声が先行します。
このため、日本人発音のまま、素読のように読み上げるといった初心者にありがちな失敗はありません。
シャドーイング素材の選び方
1.やさしいレベルのものを選ぶ
全く聞き取れず、単語の切れ目さえ聞き取れないレベルのものよりも、頑張ればついていける易しい素材から始めたほうが良いでしょう。
あまり難しいものに手を出すと挫折する可能性が高くなります。
2.自分の理想とする話し手を選ぶ
イギリス英語かアメリカ英語か、などアクセントの好みや声のトーンなど、“自分もこのように話したい”と思える人を選ぶと良いです。
特に好みのナレーターがいない場合でも、訛りが強い人や、“you know, like”や、“um”などの口癖を繰り返す人などは避けたほうが無難です。
今後の自分の話し方に大きな影響を与える可能性がありますので、心地よい話し方をする人を選んで練習素材にすると良いと思います。
シャドーイングのやり方
私は3分〜5分の素材を集めて1時間程度にまとめたものを1ヶ月ずつ毎日練習しました。
まずはテキストを見ずに4−5回聞き、その後、知らない単語や文章の意味を調べます。
そうやって下調べをしたものを、iPhoneのプレイリストにまとめ、毎日1時間、一ヶ月間同じプレイリストで練習し続けました。
シャドーイングの前に意味を調べるか、後に調べるかは人によって違いますが、意味を調べてから1ヶ月同じ素材でシャドーイングすることで、使われている単語や表現を丸ごと覚える事が出来ました。
表現を覚えることで、会話の時にある程度まとまった“塊”として英語が出てくるようになりました。
特に覚えるつもりはなくても、1ヶ月間同じ素材を繰り返していれば、ナレーターと同じ声のトーン、同じタイミングで話せるくらい素材に馴染んできます。
お手本をそっくりそのまま真似出来るようになるのがシャドーイングの目的なので、同じ素材を繰り返すほうが効果が現れやすくなります。
慣れてくると、初めて聞いた音声でもシャドーイング出来るようになるので、そのレベルになったら、どんどん新しいものを取り入れると良いと思います。
まとめ
慣れないうちは負荷が高いと感じられるかもしれませんが、続けていくうちにスピーキングやリスニングに効果を発揮します。
英語らしいリズムを習得するためにも、学習メニューに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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