英語圏にしばらく滞在していたことがあることが分かると、決まって「じゃあ英語ペラペラだね!」と言われます。
そのたびに「出たな!ペラペラ!!」とため息をつきたくなるのですが、そういう私も実は海外に出る前は、英語が話せる=留学経験ありだと思っていました。
果たして本当に海外に行けば英語が「ペラペラ」になるのか。自分の経験や留学、駐在経験のある方の意見などを基に考えてみました。
留学しただけで英語ペラペラになるのか?
結論から言うと、留学しただけでは英語ペラペラにはなりません!!
もしあなたの周りに海外在住経験があり、英語を流暢に話している人がいるならば、その人はきちんと自力で勉強した人です。決して英語圏に住んでいたからペラペラになった訳ではありません。
ペラペラの実態とは?
日本人が思う「英語ペラペラ」とは、英語ネイティブのように流暢に英語を操り、外国人にも引けを取らないくらい立派にディスカッション出来る人を指すのではないでしょうか。
確かに全く英語を話せない人から見ると、英語圏で生活できるレベルであれば「英語ペラペラ」だと思ってしまうかもしれません。
ところが、海外に住むだけであれば、必要最低限の会話が出来ればそれで良いのです。
私は大学生の時に1ヶ月イギリスの語学学校で英語を勉強しました。そこで日本人女性とクラスが一緒になり、生活面でいろいろとお世話になりました。
彼女はイギリスの語学学校に9ヶ月通い、地下鉄に乗って買い物に行ったり、カフェで注文したりは難なくこなしていましたが、実は殆ど話せませんでした。
また、アメリカで働いている期間、多くの日本人と知り合いましたが、2-3年の滞在期間でネイティブ同士の会話を難なく聞き取り、会話に混じることが出来るレベルになる人はあまり多くありません。
それでも海外での生活は成り立つのが不思議なところです。実際海外で生活してみると、買い物などで問われる質問のパターンは決まっています。
レジでは「袋がいるか」「スプーンをつけるか」、ファストフード店では「セットか単品か、ラージ、ミディアム、スモールか」くらいです。
たとえ「ケチャップがいるか」が聞き取れなかったとしても、店員さんが勝手に判断するので問題ありません。
海外にいるだけでは英語ペラペラにならない理由
1. 英語を“勉強”する時間が無くなる
海外にいるのに英語を“勉強”する時間が無いというのは意外かもしれませんが、国外への引っ越しは手間がかかりますし、生活のセットアップなどでバタバタします。
見るもの全てが珍しく、気持ちが落ち着くまでに時間がかかります。それに、せっかく海外にいるのですから、自宅に引きこもって英語の参考書を読むよりも、外で色々と体験したくなります。
日本では出来ない体験をすること、それが海外生活の醍醐味ではないでしょうか。
ですので、思ったよりも英語自体を勉強する時間が取れません。
2. 聞き取れるようになるまでには時間がかかる
海外に行って1-2週目から英語が聞き取れるようになるには、日本でかなり英語を勉強しておかねばなりません。
個人差があるとは思いますが、英語を全く聞き取れない人が海外である程度英語を聞き取れるようになるまで10ヶ月近くかかることが多いようです。
学生さんの交換留学であれば、少し聞き取れるようになった頃には帰国・・・ということになってしまいます。
また、10年もいれば字幕なしの英語でも聞き取れるというわけではないようで、何年英語圏に住んでいてもテレビの討論番組や映画は理解出来ない人もいます。
海外在住で英語を理解し、流暢に話すのは、生活できているだけでは満足せず、しっかり勉強した人なのです。
英語は留学前に勉強しておく
海外に来てから英語がどれだけ伸びるかというのは、日本でどれだけ英語を勉強したかに大きく左右されます。
海外に出る前に、ニュースの英語くらいはある程度聞き取れる状態にしておくと、海外生活初日から聞くもの全てが“意味のある”インプットとなります。
とにかく英語圏で生活すればなんとかなる!と日本での英語学習を疎かにすると、海外での貴重な時間を無駄にしてしまうことになりかねません。
留学前に机に座って出来る勉強は全て済ませておくことをお勧めします。
まとめ
残念ながら「留学したら英語ペラペラ」は幻想です。
ただし、行けばなんとかなるというのは正しい。英語を話せなくても海外でなんとか生きていくことは出来ます。
もし、英語力アップのために留学を希望されている方がいたら、留学前に日本で必死に勉強しましょう!
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