今日は私が海外生活で一番苦労し、多くの日本人も同じように苦戦を強いられるであろうこと・・・
海外でのリスニングについてお話したいと思います。
コミュニケーションはまず聞くことから
日本語の通じない国で一番ストレスを感じたのは、「意思疎通が思うようにいかない」ことです。
自分の話す英語がわかってもらえないのもショックでしたが、それよりも一番困ったのが、「相手の言っていることがわからないこと」でした。
話せなくても、身振り手振りや辞書の指差しなどで伝えたい事は何とか伝えることが出来ますが、相手の言っている事がさっぱり分からなければ会話になりません。
コミュニケーションが成り立たなくても用事を済ませることは出来ますが、こちらが相手方の言っている事を理解していない事が分かった時にイラついた表情をされたりすると、本当に残念な気持ちになりました。
英語ネイティブの容赦ないスピードに打ちのめされる
英語試験のリスニングと、一般の方が話す英語はスピード、訛り、音の脱落などの点においてかなり異なります。
試験では150語/分程度の早さで、かなりクッキリハッキリ話された模範的な英語を聞かされますが、一般の方々の話す英語はとても早く、特に若い世代の弾丸トークは余裕で200語/分を超えています。
私は海外に短期滞在する前のTOEICリスニングパートは満点だったので、それなりに大丈夫だと思っていましたが、スーパーのレジの人が言う“Need a bag?”がしばらく聞き取れなかった事に衝撃を受けました。
非英語圏の方々の訛りに悩まされる
英語を話すのは英語圏に生まれた人だけではありません。
色々な国の人々が、母国語の影響を受けた英語を話します。
インド英語などは、日本にいる間はほとんど接する機会がなかったため、「本当にこれが英語か?」と疑うほどでした。
また、スペイン語を話す方の“young”という言葉が“ジョング”に聞こえたこともありました。
”You are young (ジョング).” と言われ、“No, I’m not ジョング”とまったく噛み合わなかったことも。。。。
また、ヨーロッパ出身の男性から、「ヴァルがるキングに行こう」と言われ、全く分からないまま着いていったら「バーガーキング」だったり・・・。
各国の訛りについては、そのうち慣れるとは思いながらも、やはり「こんな簡単な会話もわからないのか・・・」とがっかりしました。
日本人相手の英語講師にはテレパシー能力が備わっている・・?
上記のような体験から、オンライン英会話や、日本在住の英語講師にはテレパシー的な理解力が備わっているのではないかと思うようになりました。
彼らは日本人生徒に慣れている上、仕事上、こちらがどんなに下手な英語を話そうとも会話をしなければなりません。
そのため、生徒の発音が間違っていても、言葉の途中で詰まっても、「こういう事が言いたいんだな」と“察して”くれ、助け舟を出してくれます。
また、生徒相手に話す時も、相手のレベルに合わせてゆっくり話します。それが良い英語講師としての能力ではないかと思います。
ところが、日本国外にいる“普通の”人々には“相手の言いたい事を察する”という能力も気遣いもありません。
こちらが大事なお客さんでもない限り、相手を気遣ってゆっくり話してくれる事もありませんし、こちらの言っている事が分からないと“ハァ?”と言われたりもします…。
国外に出たこともなく、外国人相手に話した経験も少ない人であれば、こちらが聞き返すと更に早口で情報を詰め込んでくる事もあるほどです。
海外生活に必要なリスニングレベル
「海外に行けば自然に英語が聞き取れるようになる」と思っていらっしゃる方も多いようですが、自然に英語が聞き取れるようになるまでには時間がかかります。
高校や大学で留学した方達の話では、“だいたい6ヶ月〜10ヶ月目あたりから相手の言っている事がわかるようになるものの、その頃には帰国しなければならなかった”とのことでした。
これからずっと英語圏の国で生活するのであれば、10ヶ月かかってもいいと思いますが、1年〜2年の短期留学や海外赴任で学習や仕事の効率を高めるためには、留学当初からある程度聞き取りが出来たほうが絶対有利です。
最低でもニュース番組のキャスターが話している事が分かるくらいのリスニング力が欲しいところです。
「行けばなんとかなる」とたかを括らず、国内で出来る限りリスニング力を伸ばしてから留学する事をお勧めします。
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