【就活生必見】自己分析のすべて、定義、目的、方法、手順、着地点についても解説

大学・専門学生の就職活動
この記事でわかること
  • 自己分析作業のヒント

2021年卒の就職活動がいよいよ本格的に始まります。これまで

  • 一般常識
  • SPI3
  • フェルミ推定
  • ケース問題

など対策を講じ、準備してきたみなさん、

  • インターンへの参加経験

も糧に、これから時事問題にも目を向けつつ「本格的に自己分析を始めていこうか!」と考えている段階ではないでしょうか?

 

セイジさん、ということは、今回は自己分析について説明してくれるのですか?

はい。今回、自己分析の定義や目的、具体的方法、着地点についてもお伝えしていきます!

 

自己分析の定義・目的

自己分析とは?

自己分析という4文字はそのまま一字一句、分解でき、

自(みずか)ら己(おのれ)のことを分(わ)けて解(と)く

ことです。

ちょっとセイジさん、「析」という字が「解」に変わりましたけど?

析はさすがに言い換えたほうがいいと思いました。

コトバンクには「こまかく分かつ。こみ入ったものを解きほぐす」と解説してあります。そのため解という字をあててみました。理解の「解」です。

なるほどです。自己理解のほうがしっくりきますね。ところでどのように分けるのですか?

そこは追って説明していきます。

自己分析は自己理解と言い換えることができます。自分を知るために行う作業全般のことを指していて、その精度によって、内定など就活の結果が変わってくるといっていいです。

ここではそんな自己分析の「定義」「目的」についてまとめます。

自己分析の定義

転職とキャリアアップでは次のように自己分析を定義することとします。

就職活動の各選考をうまくクリアできるように、自分のことを3つの視点で分け、理解していく作業のこと

セイジさん、3つの視点って何よ? ってみんな思っているはずですよ!

ここでいう3つの視点とは「シャインの3つの問い」と同義です。シャインは人名で、エドガー・H・シャイン博士のことを指しています。

アメリカの心理学者で1928年生まれ。「キャリア・アンカー」という下記概念を見出した方でもあります。

“個人がキャリアを選択する際に、自分にとって最も大切で、これだけはどうしても犠牲にできないという価値観や欲求、動機、能力など”

すなわち3つの問いとは

  • 価値観
  • 欲求・動機
  • 能力

この3つについて自問自答することです。

価値観、欲求などよくわかりにくいですよ…。

言い換えると
・価値観 → 基本的な考え方
・欲求・動機 → やりたいこと
・能力 → できること
です。

これでわかりやすくなりました^^ でも自己分析をやるのはなぜです?

自己分析は何のためにやるのでしょうね? 次項で説明します。

自己分析の目的

あくまでも自分を知るための作業ですが、以下の目的を叶えるため行っていきます。

  • エントリーシートを作成するため
  • 面接でうまく受け答えするため
  • 企業から内定をいただくため

それぞれ解説していきます。

1.エントリーシートを作成するため

エントリーシートはgoo国語辞書によると、企業が就職希望者に提出させる人物調書で、まずは来歴を書くのですが、ご存じのとおり新卒就職活動は“ポテンシャル採用”です。

 

人材の伸びしろを見るんでしたよね?

企業は画一教育を受けてきた大学4年生の時点ではみな、同じような能力や経験値があるとみなし、どちらかといえば将来性、人間性のほうを重視する傾向にあります。そのため学歴は参考程度。

  • 自己PR
  • 志望動機

などを人事担当者は、よりこだわって見ていきます。

ただしこれらは自己分析がうまくできていないと書けません。就活関連コンテンツで「自己分析が大事ですよ」と叫ばれるのは、こういう事情からです。

まずはエントリーシートをうまく書けるよう自己分析を徹底します。

2.面接でうまく受け答えするため

面接会場で面接官の手元には実は、履歴書のほかに(最初に提出した)エントリーシートが用意されています。

それは面接の受け答えとエントリーシートに書かれている内容が一致しているかどうかを見るためです。実は面接官は面接中、脳内で答え合わせ作業をやっています。

もしエントリーシートに書いていることとは違うことを答えたら、どうなるのです?

いい結果につながらないと思います。

企業や面接官の立場とすれば、

エントリーシートに書かれていた内容を見て(惚れ込んで)面接に呼んだのだが…。

と心穏やかではなくなり、怒り心頭となるわけです。

受け答えがエントリーシートに書かれている内容と違えば、やさしい面接官は「あれ? 考えが変わったのかな?」と心で思いながら軌道修正のチャンスを出してアシスト。

厳しめの面接官は「適当にESを書いたな、こいつ!」と徐々に圧迫気味の質問カードを切り出しはじめます。

厳しめの面接官はもちろん、軌道修正を試みてダメならやさしい面接官もその学生を落とす準備に入っていきます。

そのため就活関連コンテンツでは、「面接前に必ず、エントリーシートを見返しましょう」と呼びかけているわけです。

面接でうまく受け答えするためにエントリーシートはしっかりと作り込む必要がある。そのためには自己分析が不可欠なのです。

3.企業から内定をいただくため

とりあえずの最終的なゴールは企業から内定をいただくことです。ただしみなさん、内定を出してくれる企業ならどこでもいい。そうではないでしょう。

・ブラック企業
・不祥事企業
・倒産寸前の企業

からの内定は蹴りたいはずで、願わくは

  • 自分の考えに合った
  • 将来的にやりたいことができそうな
  • 倒産の心配がない

企業から内定を得たいはずです。特に自分の考え、やりたいことは自己分析を納得いくまでしないと判明しません。

したがっていい企業から内定を得るために自己分析を行っていきます。

詳細は後述しますが業界、職種、企業研究も自己分析と同時に行うべきと私は考えています。

自己分析の目的は、いい企業から内定を得ること。そして究極の目的は「自分のため」となります。

以降どのように自己分析をしていくのか、具体的手法について解説していきます。

 

自己分析の方法

ここから自己分析の具体的手法を流れに沿って説明していきます。

あくまでも一例であり、必ずしもこの手順でやらなければ、もろく崩れ去ってしまうということではありません。

自分のやりやすい方法で、自由に取り組まれてくださいね!

1.自分のことを自分でどう思っているか書き出してみる

自分のことをよく知っているのは自分です。というわけでまずは、自分がこれまでどのような人生を送ってきたか? 性格は? 好き嫌いは? 頑張ってきたことは? 趣味は? と書き出していく作業をしてみてください。

ノートにバァっと一気に書き出すのもいいですし、スマホのメモ、マインドマップアプリでスキマ時間にアウトプットしてみるのもいいです。

そして自分のことをある程度書き出したら、次の工程に移ります。

2.自分のことを家族や友人はどう見ているのか聞いてみる

恥ずかしい、照れくさい、ときに耳の痛い話も出てくるかもしれませんが、就職活動をうまくいかせるために必要な儀式と思われて(笑) 身近な人に自分のことを聞いてみましょう。

その際、工程1で書き出したノートやデータを開示することで「あぁ、そうだね」「わかる」「いやいや、それはない」「違う、そうじゃない」など、スムーズに教えてもらえるはずです。

本人的には「納得いかない」意見も取り入れるべきと感じたら取り入れ、ノートやデータに追記していきます。

3.自己分析<ツール>を活用する

質問に答えていくと診断結果が出るなど、大手就職支援サイトが自己分析ツールを提供・運用していますので、それらを活用するといいです。

厚生労働省の一般職業適性診断(GATB)もオススメです。

4.自己分析<シート>に書き出してみる

1~3の工程である程度、自分に関する材料が揃ったら、インターネットで検索して出てきたサイトや就活本に載っている自己分析シートで構いませんので、ダウンロード・コピーし、早速書き出してみましょう。

念のためお伝えしておきますが自己分析シートを書き終えたからといって、そこでゴールではありません。この工程は折り返し地点、いえ、むしろスタートラインといっていいです。

5.先輩や同期の自己分析シートを見せてもらう

一期上のゼミやサークルの先輩、できることなら仲の良い同期にもお願いし「自己分析シートを参考にさせてほしい」とお願いしてみましょう。

先輩・同期の自己分析シートを見せてもらい、自分の自己分析内容が

  • 稚拙
  • 甘い
  • 負けた

と感じたらやはり、修正、見直しが必要です。

もちろん「いいな」と思えた文章などをそのまま盗用すべきではありませんが、自分に欠けていた視点や、加えるべき情報など“ヒント”や“気づき”があれば、即反映させましょう!

6.ブラッシュアップしてみる

まだまだエントリーまで多少の余裕があるはずです。ここで大切なことをお伝えしますが、

項目をすべて埋めたからこれで終わりと満足するのはキケンです。

箇条書きで記した項目は別として、文章で書き出している項目については、今一度読み返してみましょう。きっと、

  • 読んでいて釈然としない
  • 意味が通らない
  • 書き直したくなる

文章が出てくるはずです。

たしかに一度、書き出してしまった文章を見直す作業は正直、面倒くさくて手間ですが、この作業をやっておくと、あとあとラクになります。

文章をスリムでキレイなものに生まれ変わらせることをブラッシュアップといいます! いわゆる推敲です。

ブラッシュアップはできれば、2、3回は行っていただきたいです。このくらい万全を期せば、自身でも納得のいく自己分析シートが完成するはずです。

ねえセイジさん、自己分析シートを客観的に評価できる基準みたいなものってないのですか? あれば自己満足で終わらずに済むかも…。

そうですね…。

自己分析は常に更新(アップデート)していけます。そのため完成品という概念はありません。ただし「着地点(ほぼ完成した状態)はこうですよ」ということならお教えできます。参考までに次章でまとめます。

 

自己分析の着地点(ほぼ完成した状態)

ではブラッシュアップの工程まで終えた自己分析シートが手元にあれば、ご用意いただけますと幸いです。まずは読まれてみて自分の

  • 価値観
  • できること
  • やりたいこと

が本音でウソいつわりなく、明確に書かれているかをチェックします。

冒頭部でいわれていたシャインの3つの問いの答えですよね?

さすがです! これら3つが明確に書かれていれば、自己分析シートはほぼ完成した状態といっていいです。念のため、詳しく解説しておきます。

価値観が明確に書かれている

価値観イコール基本的な考え方です。自己分析シート中に自分の考えとは相容れないものが入っていないか念のためチェックします。

できることが明確に書かれている

自己分析後は、今の自分にできることが、すべて可視化できているはずです。強みになるはずの能力や才能について書き漏れがないか今一度、チェックします。

できることが自己分析シートに書かれていれば、面接でよくある

「特技はありますか?」
「自己PRをお願いいたします」
「あなたの成功体験を教えてください」

といった質問の答えを準備しやすくなるはずです。

やりたいことが明確に書かれている

自己分析後は(将来的に)やりたいことが明確になっているはずです。作業後、就職活動で目指すべき業界、職種、会社もある程度、絞り込めたでしょう。

もし絞り込めていなかったのであれば、業界、職種、企業研究にもっと力を入れるようにします。

自己分析でやりたいことが見つからなかったら、研究でやりたいことを見出しましょう。

具体的にはどのようにして、見出していくのです?

直感を大切にするということですよ。

シンプルに「かっこいい」「おもしろい」「スゴイ」と感じた仕事を深掘りしてみるといいです。その仕事の詳細を調べ、魅力的とわかればそのまま「やりたい!」「やろう!」「就活頑張ろう!」と思えます。

だから自己分析と各種研究の同時並行をオススメしているのですね?

はい。やりたいことが見つからないと悩む時間が、もったいないですから^^

ちなみにやりたいことが明確になると、面接でよくある

「志望動機は何ですか?」
「入社後に希望する仕事は何ですか?」
「5~10年後、どうなっていたいですか?」

といった質問の答えを準備しやすくなるはずです。

 

まとめ

自己分析がいかに就活で大事なものか、肌で感じ取っていただけたのではないでしょうか。

なるべく早い段階から自己分析に力を入れていきましょう。そして悔いのない就職活動ができることを心から願っています!

自己分析の段階で第一志望の会社がポンっと決まり、内定をいただける日が来るよう私も陰ながら応援してますよ!

参考文献

こうすれば楽しめる「就活」の戦略と戦術 高野一郎著 セルバ出版

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