面接官から「最後に何かいいたいことがありますか?」と聞かれることがあります。最後だし適当に答えればいいかと思っていませんか? 実はこの質問、面接官もただなんとなく聞いているのではありません。

「何かいいたいこと」という最後の質問には、あなたのことをもう少し知りたい!」という面接官の意図が隠されていることがあります。

面接官にとっては既定の質問だけでは聞き出せない就活生や転職志望者の人柄、本音や仕事への意気込み、能力、臨機応変力を確認したいという思いや意図が見え隠れしています。「何か言いたいことがありますか?」というのはあなたに興味があるというサインでもあります。
百戦錬磨の面接官が就活生や転職サイトを使った入社志望者の不完全燃焼ぶりを察知して、最後のチャンスを与えようと、投げかけたアシストパスのようなものです。できればスマッシュヒットを返したいです。

もしかすると、この質問に一生懸命、精一杯、うまく答えられた方だけに、ゴールが見えてくるのかもしれません。

ですので、アンケート回答によく見られる、「頭がまっしろになり、何も出てこず「特にありません」と落ちるに決まっているセリフをいってしまいました…」と答えたり、しばらく黙り込むなどのようなことは極力避けてほしいNGです。

何も難しく考える必要は無く、人柄や能力、本音や仕事への意気込みをストレートに伝えられたら、大丈夫でしょう。

これまで就活や転職活動を経験されてきた方は、この質問をどうやって乗り越えてきたのか興味深いのではと思い、独自に100人の方にアンケートをとってみました。諸先輩方がどのような受け答えをしてきたのか順に見ていきましょう。

 

「何かいいたいこと」に諸先輩方はこう回答した

アンケート概要

実施媒体:クラウドワークス
実施日時:2018年6月12日

1.PRできなかったことを最後に伝える

  • 私のモットーは「いつも笑顔」です。周りのみんなも笑顔になれるよう、周りを明るくできるような存在になれるよう頑張ります。
  • 私は責任感が強く、任されたことはしっかりやり、なおかつ能動的・効率的に動くことができます。

2.ストレートに仕事の意気込みを伝える

  • 採用していただけましたら会社に貢献できるよう精一杯ベストを尽くします。
  • お客様のために力を尽くしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

3.この会社で働きたいという意思を伝える

  • 御社にぜひ入社したいです。コツコツと努力して自分の個性を生かし、みなさんの力になれるよう頑張ります。よろしくお願いいたします。
  • この会社でいろいろなことに挑戦し、失敗をおそれずに自分の可能性を広げていきたいです。

4.感謝を伝える

  • 本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
  • お忙しいなか、面接のお時間をいただきありがとうございました。

5.1~4の合わせ技(転職とキャリアアップ推奨)

  • 御社とご縁があればと思っています。勤務地は御社のご判断にお任せいたします。本日はありがとうございました。
  • もし入社できたら、自分の強みである特技の計算を生かしたいです。御社に貢献できる人材でありたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
  • 私はずっと御社が第一志望でした。競合他社と呼ばれる企業も受けましたがその気持ちは揺らぎませんでした。本日はお時間をいただきありがとうございました。

「ありがとうございます」といわれると人は気分がいいものですし、感謝の気持ちを躊躇なく伝えられる人材であることがしっかりとアピールできますので、①最初に一番いいたいことを伝え、②さらに一言添えて、③最後に感謝の気持ちを伝える。この三段構成がマストではと思えます。

6.製品・サービスが好きであることを伝える

  • 私は御社の○○が好きです。仕事を通じて私のようなヘビーユーザーをどんどん増やしていきたいです。

ありがとうと同じように、好きです。といわれて悪い気がする人は基本的にはいません。志望動機がその会社の製品を愛用している、サービスを利用していて気に入ったということは大いにありえます。
もちろん、ただ好きですと伝えるだけでは足りません。製品・サービスのどこがいいのか、どこを気に入っているのか、簡潔に根拠を示すと、よりベストな回答になります。

 

最後に「何かいいたいこと」を問われているのに逆質問をするのは危険!

アンケートで散見できたのが逆質問という受け答えです。アンケート回答のひとつですが、こちらから質問するようにしています。後日、採用され、面接をしてもらった今の上司に「面接したときに質問され、やる気を感じたから採用にした」といわれたことがありました。

このように逆質問は面接においては大チャンスです。質問を通じて、

  • やる気があること
  • 会社に興味があること
  • 自分の能力や知識

をアピールできます。

逆質問の内容を見て採用するかどうかを決めている会社は「最後に何かいいたいこと質問はありませんか」と聞きます。その場合は逆質問が正解です。

しかし、「いいたいことは?」と問われているのに逆質問をすると、

  • 質問を真面目に聞いていない
  • 質問に答えていない
  • コミュニケーションがとれない

と厳しい解釈をしてしまう面接官もいるかもしれません。

こんな時には、どうしても質問をしたいのであれば、きちんと受け答えをしたあとに、面接官に向け「最後に質問をさせていただいてもよろしいでしょうか?」と質問の許可を求め、了承があったあとに質問するのがよいでしょう。

 

逆質問してしまった場合は、軌道修正を試みる

アンケート回答のひとつですが、

サービス・接客業の分類を尋ねてしまいました。しかし最後に「とにかく未経験ですので合う・合わないは飛び込んでみないとわかりません。果敢に挑戦したい!と思っております」と笑顔で答えて締めくくりました。ダメかなと思っていましたが採用いただきました。

このように最初に質問をしてしまったものの、直後に機転を利かせ、最後に仕事への意気込みを伝え、締めくくったのは本当にお見事でした。しかし、基本は「まず聞かれたことに答える!」です。

誤解のないように補足しますが聞かれたことだけ答えるのもNGです。結論から答え、そう答えた理由や具体的なエピソードも交えます。

面接官の質問をよく聞き、求められているのは、いいたいことなのか、逆質問なのか、瞬時に判断しましょう。

ところで、逆質問にはNGになるものがあります。やる気を見せる、自分の能力をアピールするどころか、逆効果となり不合格、不採用になりかねません。

どのような質問がダメなのか、確認していきます。

逆質問のNG事例

1.リサーチ不足が露呈してしまうような質問
「御社の主要事業は何でしょうか?」
「御社は上場している企業でしょうか?」
「将来的に海外勤務を考えています。ヨーロッパに支社はありますか?」
ホームページやパンフレットを見ればおのずとわかるようなものや実際に書いてあるようなことを質問すると、下調べせずに面接に来たのか(たとえそうではなかったとしても)と調査不足と詰めの甘さを見破られます。
企業ホームページや会社のパンフレットは面接前に一度は目を通してください。
2.募集要項や採用情報を明らかに見ていないことがわかる質問
「御社の初任給はいくらでしょうか?」
「私はどのような部署に配属される予定なのでしょうか?」
「転勤はありますか? 転勤する場合は社宅を用意してくれますか?」
など、多くの場合、募集要項や採用情報を事前に確認しておけば、わざわざ聞くほどでもないような質問を指します。また、面接官から資料をなにひとつ確認せずに面接に来たのか(たとえそうではなかったとしても)と社会人になろうとする人・社会人としての自覚や資質を疑われます。
採用情報や募集要項をよく見ずに企業名だけでエントリーしていませんか?
3.権利だけを主張しているように聞こえる質問
「残業代は出ますよね?」
「有給休暇はとりやすいですか?」
「研修ではどのようなことを学ぶのでしょうか?」
この手の質問は権利だけを主張しているように聞こえます。義務を果たしてから、もしくは権利が生じてから聞くべき質問ばかりです。残業が発生したら通常、労働基準法で会社は労働者に残業手当を支払わなければなりませんので、残業代について聞くこと自体ナンセンスです。
また、有給休暇も法律で認められている労働者の権利です。しかし、会社や部署によっては有給がとりにくい時期はあります。
研修については、導入している会社ばかりではありません。OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で職場での業務を通じ教育・訓練を行っている会社も実際問題、少なくないのです。研修について聞くのは「やる気があります」と伝えたかっただけかもしれませんが、面接官はそう受け取ってくれない可能性も。OJT主体で全体研修がない会社の面接官は「全体研修が当たり前と思っていないか」と眉をひそめることになります。仮に知りたかったとしても、この手の質問はなるべく避けましょう。どうしても知りたい場合は、かなりひねる必要があります。
「御社で最も忙しい時期はいつでしょうか?」→その時期は有給がとりにくいと判断
「入社後の流れをより詳しく教えてください」→研修日程が長いと教わることが多い
ただし、会社の雰囲気や面接官の見た目や言動で「ブラック企業っぽいな」と感じたら、敢えてストレートに質問するのはアリです。
ブラック企業の特徴についてはリンク先の記事を確認いただければと思います。
4.考えの甘さを露呈するような質問
「入社するまでに何を勉強しておくべきでしょうか?」
「地震や台風が起こったら会社は休みになりますか?」
「勉強します!」とやる気を伝えたいのでしょうけど、入社するまでに自分が不利にならないよう、弱点を克服すべく勉強をするのは普通のこと、みんながやっている当たり前のことです。
どうしても確認したいのであれば、
「入社後、即戦力として活躍されている先輩方が持っている資格はありますか?」
「御社で働くときに、職場で役に立ちそうなビジネス書を教えてください」
と具体的に聞くなら許容されるでしょう。
後者は、地震や台風のときは「状況に応じて決定している」としか面接官の方も答えられません。考えが甘いのでは? と思われやすい質問です。
「地震や台風のとき、新人に求められる御社での役割は何ですか?」
と聞くほうがまだ建設的です。
5.内定辞退にまで発展しないようなどうでもいい質問
「プレミアムフライデーは早く帰れますか?」
「研修旅行はありますか? 海外に行けますか?」
プレミアムフライデーがないなら入社は考えもの、海外への研修旅行がないなら好きな仕事だけど入社はやめておこうなどと考える方はほぼいないでしょう。
面接官は、内容によっては「思いつきで質問した」「入社意欲が低い」と判断することもあります。
ここまで、理想回答も少し交えご紹介してきましたが、次章では理想的な質問をポイントごとにまとめ、お伝えします

 

逆質問の理想

逆質問を面接官が聞く意図は、主に次の2点を確認するためです。

  • 逆質問を通じて自己PR・能力を示すことができるか?
  • 他社ではなくこの会社に本当に入社したいのか?
1.自分が会社で活躍できる姿を面接官に想起させられるような質問
この会社で活躍している方の共通点があるとしたら、どのようなことでしょうか?
面接官は応募者の「共通点を把握して自分自身も活躍したい」という意気込みを感じ、彼(彼女)に足りない部分や能力は何だろう、どうアドバイスすれば活躍できる人材になるのかなと考えをめぐらしてくれるはずです。
そのほか、面接を成功させるための考え方とは?という記事でも先にお伝えしていたとおり、「入社後の最初の業務」、「入社後の所属部署」など活躍している将来像が見える質問をすることで面接官に前向きな回答をアシストすることができます。
2.打たれ強さ、向上心、変化をおそれていないことをアピールできるような質問
「今日の面接での私の言動について、評価(フィードバック)をお願いします」
なかなか自信や勇気がないとできない質問ですが、次の面接で改善しますという意気込みを伝えられ、どう改善してくるのか楽しみだ、また会いたいと思ってもらえる可能性もあります。
3.実際に入社しないと知り得ない、わからないような質問
職場にはどのような方が多いですか? もし私が採用されて御社で働くようになった場合、うまくやっていくコツなどがあればアドバイスもお願いいたします」
転職活動中、欠員補充の採用面接なら下線部を「直属の上司となる方はどのような方ですか?」に換えるのも一手です。そのほか「前職では社内で勉強会グループをつくり、情報共有をしてきましたが、御社にも勉強会グループはありますか? つくるのは可能ですか?」、「今後の事業戦略や方針について教えていただけませんか?」でもいいでしょう。
大事なのは会社に興味があるとアピールすることと長く働きたいという意思表示をすることです。どの部署に配属されるかわかっていない場合もありますが、前任者が辞めた理由を面接官が知っていれば、的確にアドバイス(うまくやっていくコツ)を受けられる可能性があります。
逆質問は以上を踏まえ、どうでもいいことではなく自分のプラスになるような質問を考えてみられてください。

 

まとめ:面接の質問には大きな意味が隠されていた

  • 最後にいいたいこと=面接官の「もっと知りたい」「チャンスをもう一度」という意味合い
  • 逆質問を求める=自己PR力と能力、入社意欲を最終確認する手段

でした。一つひとつの質問に意味があり、重みがあります。

面接官も仕事とはいえ、貴重な時間を割いて臨んでいます。

緊張しても動揺しても大丈夫ですが、「特にありません」と回答する、黙り込むようなことはないよう、ベストを尽くしましょう!