・会社人格付与のメリット
・会社で働くために必要な心構え
・会社とのミスマッチが起こったときの対処法
義務教育を終え高等学校を卒業し大学に進学し3年次←今ココという方も多いと思うのですが、そのあとに続く言葉はやはり、就活して会社に入るではないでしょうか。
私たちは普段何気なく「会社」という言葉を使っていますが、では会社がどのようなもので、どのような意味を持ち、なぜそこに存在しているのか考えたことはありますか?
今回はそんな「会社」について解説したいと思います。
会社とは?その定義、企業とどう違う?
会社とは何か? ですが、会社とはコトバンクによると次のように説明されています。
営利とは調べなくてもわかりますが利益を追求することです。営利目的という四文字熟語でよく見かけます。社団とは意外にも人の集まりという意味です。対義語としては財団があり、財団は資金の集まりです。社団・財団ともに人・金がなくなれば消滅してしまうということです。そのため人材を募集して労働力を確保したり、資本を結合して(具体的には株式の発行による増資や企業合併、買収があります)存続を図ろうとします。法人ですが人という文字が使われています。本来会社は人なのかといえば違いますよね。
しかし会社に人格を与えることにメリットがあるため、日本では民法および会社法という法律で会社に人格を与えているのです。だから法による人で法人なのです。
セイジさん、会社に人格を与えることのメリットって何なの?
メリットがあるといいましたが、厳密にいえば多数のメリットがあります。ここでは3つほど取り上げます。
会社人格付与のメリット1 永続
ヒトには寿命があります。ある人が素晴らしい事業を興し、周囲の多数の人が助かっていたとします。しかしその人が事業から身を引くか志半ばで死去すれば、周囲の人たちがたちまち困り果てることになります。
事業を後世に遺し存続いえ、永続させるために会社人格付与は有効なのです。
会社人格付与のメリット2 信用
会社は社団、人の集まりですから、事業は後世に引き継がれ、倒産しないかぎり継続していきます。人々は安心して事業を利用することができるでしょう。また個人で事業を行うよりも多人数で事業を行ったほうが、やれること、実現できること、その規模や収益も大きいということは考えなくてもわかります。
そのため銀行などは永続できかつ大きな会社を信用し、大きな資金を融通しやすいのです。日本の多くの上場企業や大企業は江戸~明治時代に創業し今まで存続しています。私たちは老舗、創業〇年という言葉が事実ならその会社に不信感を持つことはまずなく、信用するでしょう。
会社人格付与のメリット3 責任
先ほど個人で事業を行うよりも、多人数で事業を行ったほうが、やれることなどが大きいと述べましたが、その失敗、損害、社会に与える影響も大きくなります。個人でその責任を負えるかといえばあまりにも大きすぎて負えません。社員の失敗などはすべて会社がとりまとめて責任を負えるようにすることで、社員は個人として全責任を負う危険を分散でき、また損害を被った個人や他社がその会社に責任を追及できなくなるという危険も回避できるのです。
ご存じのとおり会社(代表取締役など代表権者)は、裁判で原告になったり被告になったりすることができ、裁判所から判決命令がでればそのとおりに責任を負わなければなりません。
また日本にかぎっていえば会社に法人税を課し、納税の責任(義務)を果たしてもらうことで国に資金が入り、存続できるというメリットもあります。
そのほかのメリットは会社に入り、社会人として動くことでいろいろと享受できるでしょう。
ここまで説明すれば会社が何なのか掴めたのではと思います。会社とは
・事業を行い
・利益を上げ
・納税をする
人の集まりということになります。
会社と企業の違い
ねえセイジさん、企業っていうじゃない? 会社とどう違うのですか?
企業というのはですね…。(事)業を企(画)すると分解できますよね? 日本では事業を企画することができるのは会社だけではないということです。
わかった! NPO法人とか公益社団法人とか…。
そうです! これらは営利を目的としないんですよね。でもNPO法人が福祉施設を運営し利用料を徴収することも、公益社団法人が有料イベントを開催することもあります。そのほか独立行政法人、公営企業、第三セクター、協同組合も企業のひとつです。
会社は誰のものか?
日産のカルロス・ゴーン氏が報酬をめぐり逮捕されましたよね? 真実はこれから明らかになるとしても、一連の報道を見るかぎり会社を私物化していたと感じるわ。
私物化ということは、会社は誰のものでもないと考えているのですか?
そうじゃなくて私は、会社は働いている社員みんなのものだと思っているんだけど、そうじゃないの?
間違いではないけど、もっと会社を取り巻く世界は広いということですよ。
会社はみんなのもの
ここで会社を取り巻く人間模様を見ていきましょう。会社には次の人たちが関わっています。
・役員含む社員(従業員)
・取引先
・顧客(利用者・消費者)
・株主(株式保有者)
・金融機関(融資元)
・国・自治体(税金・許認可関係)
・社会
そして会社は上記に掲げたみんなのものだといえます。
えぇ! どうして? 会社はみんなのものなの?
もし会社が倒産、不正、違法行為をしたら、誰に迷惑がかかりますか?
あ、たしかにみんなが迷惑するわ。
規模の大小にかかわらず社会全体になんらかの影響を及ぼします。
私が思いつくのは耐震偽装とか無許可営業とか…。
そうですね。せっかく買ったマンションが地震に遭ったら、無許可営業のお店で食中毒が出たらと考えるだけでも怖いです。ですから会社には健全経営、コーポレートガバナンスが必要なのです。
コーポレートガバナンスとは?
コトバンクによると次のような説明がされています。
ここでいう利害関係者ってみんなのことですね?
そうです。経営の神様だった松下幸之助も「会社は社会の公器である」としています。そのことからもやはり会社は社会を構成するみんなのものなのです。
会社は社会に恥じない行動が求められているというわけね。ところで会社がどのようなものかわかったけど、私たちは会社で働くためにどのような心構えを持っていたほうがいいの?
いい質問です。次章で説明していきますね。
会社で働くために必要な心構え
会社で働く理由はみんな共通していると思います。それはもちろんお金を稼ぐためです。よほどの資産家でないかぎり稼ぎがなければ、現代社会を生き抜くことはできませんから。
お金がすべてではないと思うけどな…。
もちろんお金だけではありません。私も含めみなさん、次のような心構えをもって会社で働いているはずです。
・定年退職まで働きたい
・個人ではなく会社人として働きたい
・会社から認められたい
・社内で出世していきたい
上記は会社からすれば理想的な社員でしょう。しかし会社で働く人すべてがそうではありません。
・個人として活躍し働きたい
・会社と社員は対等なはず
・会社の評価なんてどうでもいい
・好きな仕事ができればそれでよし
一見、こういった考えを持つ社員は、会社には不向きに思えるかもしれませんが、なくてはならない存在です。仮に前者は集団主義、後者は仕事主義としましょう。
※もちろん集団主義・仕事主義どちらにも偏らないバランスのとれた考えを持つ方もいます
集団主義の人間ばかりだと会社は安泰かといえばそうではなく、会社上層部が所属する社員をまったく評価しないようであれば、自己承認欲求が満たされず会社に見切りをつけ、転職を考えるようになり、やがて自分のことを認めてくれるような会社に入り直すことでしょう。
また社内で出世争いが絶えず起こり、出世争いに負ければ、たとえ会社に必要とされていた優秀な人材だったとしても、ヘッドハンターから管理職として、役員待遇でと引き抜きの話があれば転職を決意することもあるでしょう。
しかし会社の評価なんてどうでもいい、好きな仕事ができれば出世しなくてもいいという仕事主義の社員が会社の顔色をうかがわなかった結果、イノベーションを生み出し会社を飛躍的に成長させたり、熟練の職人として会社に大きく貢献したりする場合もあります。
集団主義・仕事主義、どちらがブラック企業の餌食になる?
今思いついたんだけど、集団主義の人のほうがブラック企業の餌食となりやすかったりします? 私は社会貢献したいと考えてるから完全仕事主義。会社がブラックだったら「即効辞める」と思います!
転職とキャリアアップでは2018年の勤労感謝の日に開催したブラック企業をリアルに体感できる参加型演劇イベントTHE BLACK HOLIDAYのスポンサーをさせていただいたのですが、各メディアでも取り上げられ、大きな反響をいただきました。
キャリコネニュース
ライブドアニュース
どちらも過激なタイトルですね(汗)
一般論としてブラック企業は社員の自己肯定感を奪うため、集団主義の人は「会社に認められたい」という自己承認欲求が満たされませんので、早い段階で反旗を翻すこともありえます。
またライブドアニュースのタイトルにもあるとおり、ブラック企業の手口はある意味「洗脳」に近いため、仕事主義の人でもブラック企業の餌食になりえます。
洗脳されるのはイヤだな…。何かいい予防法はないの?
All Aboutの「洗脳って怖そうな言葉だけど、これだけ知れば大丈夫!」という記事に以下の趣旨の予防法が載っていました。
・愚痴をこぼせる友達に会う
・特定人物にべったりしない
・家族、友達を大切にする
・仕事や学業など第一に
・一つのことに打ち込み自信をつける
・対人の悩みは第三者に相談する
会社の話から洗脳の話になるとは思いませんでしたが、長く生きていればその手のことが起こらないとはいいきれません。これは予備知識として持たれておいてくださいね。
会社とミスマッチは起きる?対処法は?(新卒入社組必見)
セイジさん、仕事上のミスマッチという言葉をよく耳にしたり、使ったりしますけど、これは業務上の合う・合わないと認識していました。会社とのミスマッチを起こすことも十分ありますよね?
doda調べの転職理由ランキング2018によると、ベスト3は、
・ほかにやりたい仕事がある
・会社の将来性が不安
・給与に不満がある
で仕事のミスマッチが1位ですが、2位・3位はどう見ても会社の状態や方針とのミスマッチです。
就職活動準備期にいくら入念に調べても、入社後に状態が変わることも、入社後にはじめてわかることもあるわよね…。何か対策はありますか?
そうですね。残念ながらこうしたら100%防げますよという有効な対策はないと考えます。
え~、セイジさんなら知ってると思ったのに…。
就職活動中に、まだ起こるかどうかもわからないミスマッチなんかをおそれるな! そういいたいんですよね。
でも新卒入社して、すぐ辞めるという新社会人もここのところ毎年、話題になってるじゃないですか?
かつては3年は我慢しなさい! と親世代からいわれてきた同年代、先輩方も多いのですが、それは終身雇用が保証されてきた時代、第二新卒の概念がなかった時代のお話です。今は自分が信じた道を突き進むほうが後悔しないと考えます。
第二新卒ってたしか、新卒入社経験がある卒業後3年に満たない求職者のことですよね?
解釈はさまざまですが、そうですね。新卒入社経験がない既卒とは区別され、おおむね20代半ばで少なからず社会人経験があり、そこが実は転職市場ではウリ、強みとなっています。
じゃ、新卒で入社した会社が合わない、自分に向かないとわかったら、速攻、退職したらいいというわけ?
それは違いますね。第二新卒で再就職を目指すにしても、履歴書に「退職」と書くのと「在職中」と書くのとでは大きく印象が変わります。新卒入社の会社で仕事を覚えながら、第二新卒での内定獲得を狙うべきです。
まとめ
・会社は社会の公器=みんなのもの
・会社で働くとき、その心構え・考え方は自分に正直なもので大丈夫
・就職活動中はミスマッチをおそれなくていい!
・今は在職中、第二新卒で内定獲得を狙える世の中になった
みなさん全力を尽くして。悔いのない就職活動をされてくださいね。
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