この記事でわかること
- リテラシーとは?
- リテラシーの種類
- 働き方改革によって導入されること
- 企業が求める人材像
これから就職活動を展開していく方、まずはリテラシーという言葉をご存知でしょうか?
デジタル大辞泉では次のとおり定義されています。
でもこれって社会人としてというよりも生きていくうえで必要な能力ですよね?
そうですね。定義にはまだ続きがあって、
“コンピューターについての知識および利用能力。→コンピューターリテラシー
情報機器を利用して、膨大な情報の中から必要な情報を抜き出し、活用する能力。→情報リテラシー“
とも記載されています。
これらは社会人1年目から必要というより、就職活動前の時点ですでに持っておくべき能力だわ。
今どきの筆記試験や面接では、自分がいかにこれらのリテラシーを持っているか、アピールしていくことが求められているように感じています。
そして就活生はもっとリテラシーを意識したほうがいいとも内心、思っています。
転職とキャリアアップがお伝えしている逆質問のNG事例として、
- リサーチ不足が露呈してしまうような質問
- 募集要項や採用情報を明らかに見ていないことがわかる質問
があるのですが、これはまさに情報リテラシーの欠如が招く結果であり、そのような人材だと判断された場合は、二度とその会社からは呼ばれることはないでしょう。
またパソコンを適切に使いこなすことができなければ、就職活動を制するだけの情報を収集することも難しく、ワードやエクセルの操作もろくにできないようであれば、たとえ無事に内定を得て入社しても同期から遅れをとることになるでしょう。
今はもうワードやエクセルだけの時代ではないわ。会社によってはクラウドサービスも活用しているから、コンピューターリテラシーを身につけておかないと、なぜそのツールを使っているのか? どのように活用すべきか? も理解できないかも…
クラウドサービスの例
- Googleの各ツール(カレンダー・マップ・ドライブ)
- Evernote
- Dropbox
- Sansan
- kintone
このなかで名前を知っていても、どのようなツールか? どう使うのか? わかっていない方は正直、情報及びコンピューターリテラシーが不足しているといえます。
多くの職場がパソコンで業務管理していますし、会社が情報及びコンピューターリテラシーを重視していたら、その会社の採用試験で不利になる可能性も。
でも安心してください。就職活動が始まる前、今のうちから勉強し、覚えていけば大丈夫ですよ。
パソコンを購入して、いずれか興味が沸いたツールを使ってみれば、
- 操作がそれほどむずかしいものではない
- 就職活動や卒業論文の管理などでも役に立つ
ツールもあることがわかると思います。
ただSansanやkintoneは法人向けツールですから、学生のうちから使うのはちょっと現実的ではないように感じます。ただし有名なツールです。
パソコンは就活のために1台、所有したほうがいいわ。
インターネットプロバイダ、Office365Soloに加入し、情報収集と最低限、ワード・エクセルの操作を習得してほしいところです。
モデル、お店、時期により価格は変動しますが、新品で2万円台くらいのパソコンで十分です。中古はあまりオススメできません。
セイジさん、就職活動前からリテラシーを意識していくべきというのは伝わったと思うけど、タイトルにあるとおり企業がなぜリテラシーを就活生に求めているのか、明確に説明しておいたほうがいいかも。
そうですね。次章で説明しましょう。
企業側がリテラシーを求めている理由
それは企業側がリテラシーで、就活生の伸びしろを測ろうとしているからです。
リテラシーとは基盤的能力です。その基盤の上にさまざまな能力を横・縦、自由自在に乗せられる人材がほしいと思い、予算をかけて採用活動をしているのです。
詳しくは後述しますが、企業は幅広くて(横)深い(縦)能力を持てる伸びしろがある人材がほしいのです。
あくまでも一般論ですが、リテラシーが不足または欠如している方は、
そう判断されてしまいがちです。逆に基盤がしっかりしていると判断した人材には、
と期待し、最終面接まで残し、内定を通知するのです。
筆記試験もそつなく通過し、面接でも緊張せず、難なく質問に受け答えしているはずなのになぜか選考で落ちてしまう場合、あくまでも推測ですがリテラシーの部分で落とされている可能性もあります。
学生時代、サークルや趣味、アルバイトに没頭し、テキストを開くのは講義のときと試験前だけだったという方は、リテラシーの強化が必要かもしれません。
転職とキャリアアップでは、
- 一般常識
- SPI
- 時事問題
についてオススメの書籍や問題集をご紹介しています。
これらを参考にして自分に合ったものを購入してぜひ、リテラシーの強化も意識しながら取り組むようにしていただければ幸いです。
リテラシーの種類
もちろんリテラシーは、読み・書き・情報・コンピューターだけではありません。
これらを含め、これから就活生、社会人が身につけるべきリテラシーの種類とポイントをここでまとめてみました。
種類 | ポイント |
読み・書き | 職場で周囲から笑われることがない、恥をかかない程度の読み・書きができるようにしたい |
計算 | とくに経費精算や取引先への請求など金銭面は自身・会社の損得に関わるため四則演算で間違わないようにしたい |
コンピューター | ワードやエクセルは日々の社内文書、パワーポイントも企画書を作成するときに必須で重要だが、最重要なのはクラウドシステムへの理解。この分野はサイクルが早いので注意 |
情報 | 情報入手方法の知識を持つだけではなく、そのインプットとアウトプットの方法、真偽を見極め取捨選択する力が必要 |
リーガル(法律) | どのような法律があり、そのなかで何が認められ、何が禁止されているのかなどを把握し、知らなかったで済ませないようにしたい |
マネー | 経済、いわゆるお金がどのように流れていくのか、金融商品や金融資産などの情報や知識、関連する法律も学んでおきたい |
英語 | 読み・書きはもちろん、希望するなら海外赴任も可能な会話能力があるとなおいい |
経営 | マネジメント・戦略・マーケティングなど事業を興し会社を経営していけるだけの能力。組織に属していても管理職などへと出世していきたいのであれば持ち合わせておいたほうがいい |
「企業がそういう人材を求めているならリテラシーを身につけていこうと思った」でもいいのですが、リテラシーを身につけることでかしこくなり、なによりも自分が損をすることが少なくなります。
ところで働き方改革関連法案が通過して、2019年卒・2020年卒の入社に合わせて施行される内容というのをご存知ですか?
知らない方はその内容も把握しておくべきですね。
2019年4月以降、導入される働き方改革
2019年より働き方改革関連法が順次施行され、まずは次の3点が実行されていきます。
- 時間外労働に上限を導入
- 確実な年次有給休暇の取得
- 不合理な待遇差の禁止
これらについて詳しく説明していきます。
時間外労働に上限を導入
労働基準法で雇用主は休憩時間を除き1日8時間を超えて、労働者を働かせてはならないのですが、会社の事情や仕事の状況によっては残業(時間外労働)をしなくてはならないときがあります。
これって毎月45時間残業させていいっていう意味ではないのよね…
そうです。毎月45時間残業した場合、年間540時間になってしまいますのでかなりのオーバーです。
年間通して残業がある会社もこれからは月30時間が相場。導入後は毎日2時間以上残るということはなくなるわけね。
確実な年次有給休暇取得
経営者や雇用主は社員に年次有給休暇を確実に取得させなければならなくなります。
これからは毎年、経営者や雇用主が指定した時季に5日、有給休暇を取得できることになります。
有給休暇を取得させない会社があったから、こういう法律ができたのよね…
不合理な待遇差の禁止
いわゆる正社員とそれ以外の非正規社員、全体的に見て、少なからず待遇に格差があったように感じていますが、あと数年で不合理な差別は禁止となります。
同一企業内で同じ仕事に従事している場合、正社員と非正規雇用労働者の間で基本給や賞与に不合理な差別があってはならないとしています。
セイジさん、不合理ってどういう意味です?
合理は物事の理屈に合っていることですよね。
ですからここでは、理屈に合わない、筋が通らない、誰も納得しない、そのような待遇を指します。
これらは入社時研修などで教えてくれそうなものですが、私の経験上これまで、労働関係法を座学で教えてくれるようなやさしい会社はありませんでした。
これって法律リテラシーだけど本当は、一般常識でもあるわよね? たしかに調べればわかることを、ことさら予算をかけて教えるような会社はないと思うわ。
ここまででリテラシーの重要度と種類、必要性をおわかりいただいたところで次に、企業が求める人材についてもお伝えしていきます。
企業が求める人材は幅広くかつ深い能力保持者
上記表でご紹介した読み・書きからはじまり、計算、コンピューター、情報、リーガル(法律)、マネー、英語、経営といった分野について幅広く、一定の能力が兼ね備わっている人材を企業は求めています。
なんでもそつなくこなせる器用な人っていますよね? 多才な人ともいいますね。
そしてすべての分野においてが理想ですが、複数もしくは一つの分野で深い知識を持っている人も企業は求めているということです。
造詣が深い人ともいうわよね。あとは専門家かしら?
もちろん業界や職種、企業、部署によって、
- 多才な人がほしい
- 専門的な人がほしい
- 多才かつ専門的な人がほしい
とニーズが分かれます。
多才だけなら①、専門的だけなら②とその門戸は、狭いものとなるのですが、多才かつ専門的な人は、①②③のどこででも通用しますので、内定を得やすくなるのです。
自分の可能性を決めつけ、自分で芽を摘むことなく、多才かつ専門的な人になることを目指しましょう。
私は能力が優秀なだけではダメだと思うんですけど、そこのところはどう考えますか?
まさにそのとおりで、たとえ能力があっても、
・上司にかわいがられる
・同僚から頼られる
・後輩から慕われる
そのような人材にならなければ、企業という組織では実力を発揮しにくいかもしれません。
そういう人材になるためには、どうすればいいのかしら…
能力だけではなく知・情・意も必要
結論からお伝えしますと仕事をしていくうえで知・情・意を兼ね備えた人材が重宝されていきます。
知・情・意ですが、知=知性、情=感情、意=意志のことで、これらは人間が持つ3つの精神・心のはたらきを指します。
知=知性
知性というのは物事を知り、考え、判断する能力のことを指します。これもリテラシーのひとつといえます。
たとえば営業マン、10分というお約束でお客様と会話をする場合、瞬時に何が必要なのかを考え、提案内容を判断し、10分以内に買っていただくことが求められます。
そのためには提案する理由を用意しなければならず、複数の製品情報、比較結果、具体的事例などの物事をあらかじめ知っておかなければなりません。
むずかしいように思えますが、相手の気持ちに立って考えれば、何が必要なのかを判断するのは容易なことです。
実感としてもそうですが仕事は、物事を知る、考える、判断するの連続です。根底には相手の立場に立つことが必要です。
情=感情
感情は気持ちのことです。現パナソニックの創業者・松下幸之助は著書、人生心得帖において、まず信頼すること、感謝する心、素直な心の大切さを説いています。
また人の心は理屈で割りきれない、人情の機微を知り、それに即した言動を心がけることで人間関係は豊かになるとも説いています。
仕事を大きく左右するのは人間関係です。お互い信頼し、感謝し、素直に接することを心がけることで周囲から認められる人材になれると感じています。
意=意志
意志は心組み、心組みは心構えともいいます。意志を決定づけるのは善悪の判断です。通常私たちは、正しい方法、信じる道なら迷わず突き進め、不正な方法、信じられない道なら進むのを躊躇できます。
以上、知・情・意について説明しました。この知・情・意をバランスよく兼ね備えた人材が企業で活躍できるのです!
まとめ:リテラシーと知・情・意にあふれた人になる
企業が求める人材になるためには、
人材になることを目指したいものです。
まずは勉強をし、多才かつ専門的な人材の基盤であるリテラシーの獲得を目標に行動します。
そして知・情・意にあふれた人材になるために、相手の気持ちを考え、良好な人間関係を心がけ、自分が信じる正しい方法・道を歩んでいきましょう。
コメント