管理人のセイジは新卒就職からほぼずっと社内SEをやっています(一時期、リストラされた3ヶ月のみ、SIerにいましたが)。

社内SEは大きく、1)アプリ:アプリケーション、2)インフラ:インフラストラクチャの2つに分かれますが、今回はアプリ系の仕事内容について解説します。

アプリと言っても会社によって業務内容は大きく異なります。細かく分けだすときりがないのですが、私は大きく以下の4つだと思っています。

1.企画取り纏め:丸投げ型

仕事内容がシステムの企画や実際にプロジェクトが始まった際のPM(プロジェクトマネジメント)業務を中心としたものであり、実作業のほとんどをベンダーに丸投げするパターンです。

丸投げ型はシステムの企画が必要になった際に、お抱えのベンダーに提案を依頼します。

プロジェクトが開始すると、管理業務や業務側との大きな調整作業は行いますが、実際の作業はベンダーが全て行い、結果だけを聞く。という形になります。

社内SEの醍醐味とも言うべき、最も仕事が楽なパターンです。

社内SEがパっとしない会社は大体はこのパターンで、社内SEはほぼ購買管理程度にしか機能していません。

ベンダーとの要件調整も業務側の人間がほとんど行っていることがほとんどなので、業務側から見ると「社内SEは一体何をしているんだ?」と思うケースが多いです。

社内SEがリストラされたりSIerとの合同会社に出向・転籍させられることが多い背景は、業務側のこういった疑心暗鬼が積み重なっている故でしょう。

 

2.企画取り纏め:提案・PM型

ユーザ部門に積極的にヒアリングし、自ら(若しくは業務部門に依頼し)企画書を仕上げ上層部を説得、予算が取れたらRFPを書いてベンダーに提出します。

プロジェクトが開始すると、管理業務なども自らこなし全体の取り纏めを行うため、かなりのプレッシャーとなります。場合によっては、設計・開発の現場にまで顔を出し、ユーザへのヒアリングの実施、ベンダーの設計レビューや要件を詰めたり、と色々な役割を担うことになります。

丸投げ型から一変し、下手するとベンダーと同等、若しくはそれ以上に大変なので、楽を求める人には不向きです。

ただ、纏め役としての力が身についていきますし、業務や技術にも詳しくなります。加えて、社内外の人とのコネクションが築けますので、出世や転職先の候補拡大にも繋がってきます。

人材はどの業種でも万年不足しており、社内でも末永く重宝されるので、見返りは大きいです。

SIerに長年いた人は難なくこなせると思いますので、SIerで幾つかプロジェクトをこなした人で、今後はもう少し楽な生活がおくりたい人向けです。

 

3.運用・管理型

システム企画・導入は別の人が行い、完成したシステムを実際に使って運用するものです。

社内SEの中には、ベンダー丸投げであってもシステム企画をうまくできない人がいますが、これらの人は完成したシステムの使い方だけを覚えて実際に使い運用する役割になります。

ユーザ問い合わせには対応する必要はありますが、多くは保守ベンダーに丸投げできるため、残された仕事内容はシステム作業は楽なものが多いです。あとは経費を利用部門に振り替えたり、契約更新時に手続きしたりするくらいです。

ほぼ事務作業に近いような作業内容であることから、本当に楽なパターンです

 

楽を求める人には天国のような仕事内容ですが、実際、これに近いことしかしていない社内SEはかなりいます。

全く体力、精神的にきつくないため年をとっても働ける上、大きめの会社だとこれだけの労働で年収700万などもらえたりします。PM、設計、開発業務などをやっている人が発狂しそうな話ですが、古き良き日本社会には本当にこういった人が大勢いました。

個人的には、ある事柄のスペシャリストでも管理職でもないなら、50歳で年収500万貰えてれば良いのでは、と思うのですが甘い企業が意外と多いです。

ただ、今日日は企業側も緩い人を養う余力もないので、今後は徐々に減ってくると思います。

 

4.自社開発型

自分達でシステムを作り、運用してしまおうというパターンです。

中小企業や、IT予算に余裕のない企業はこれに該当することがあります。また、大企業でも小さな本部や事業本部では勝手にシステムを作ってしまうことがあります。

実際、日立製作所やシャープなど、技術職が毎年入社する会社では、それらの人員を使って自社システムを開発しています。

自分で開発をしたい人には向いていますが、大きい会社だと仕事はかなり大変になります。

便利なIT屋さんは周りからかなり重宝されますが、そこで終わってしまうことが多いので個人的にはお勧めしません。所詮、世間的な格付けはプログラマーの域を出ません。

開発に没頭せず、管理職になることを意識しておかないと、低賃金のまま良いように使われてしまいます(逆にこれで年収600万等もらっているなら大問題)。

経営者の視点から考えると、開発・保守費用がかからない点が魅力的ですが、個人的にはあまりやらない方が良いと感じます。

重要度の高いシステムは、やはり投資対効果を算出し、幹部を説得した上で、外部ベンダーに委託する方が賢いです。素人が作ったシステムは穴が空きやすいので、それにより個人情報や会社の機密情報を流出させてしまうと、洒落になりません。また、セキュリティ上の脆弱性が見つかってもスキル不足で塞げない、ということも起きかねません。

社外公開サイトやBS/PLに影響するシステムは、やはり外注かパッケージが良いと思います。

一方、ちょっとしたシステムなんかは自社スタッフで開発しても良いでしょう。

 

どれを選ぶかは仕事感次第だが成長したいなら「企画取り纏め:提案・PM型」

転職するときに、どれを選ぶのが良いのでしょうか?

これは、その人の仕事に対する考えによりますので、答えはありません。自分のスタンスに最も合う、というものを選ぶと良いでしょう。

ただ、キャリアを積み上げていく・会社が傾いても転職して食っていきたいなら「企画取り纏め:提案・PM型」がおすすめです。

これ以外は、転職市場で人が余っている、年齢が上がった際に市場価値が著しく落ちるので、有事の際にも仕事に困らないためには「企画取り纏め:提案・PM型」の経験を積んでいくべきです。

転職エージェント経由で転職する際は「社内SEになりたい」と漠然と伝えずに「社内SEの中でも企画取り纏め:提案・PM型のキャリアを重ねたい」と伝えるようにしましょう。

おすすめの転職エージェントは以下で解説していますので、併せてご覧頂けますと幸いです。

 

できるだけ一通り経験はしておこう

面白いことに、同じ会社内でも上記4パターンが入り乱れていることがほとんどですので、一通り経験しておくと幅が利いて良いです。

幸か不幸か私がこのパターンですが、色々と経験できて楽しませてもらっています。

後は、器用貧乏にならないよう、各要素を深化させつつ、「企画取り纏め:提案・PM型」に専念してキャリアを積んでいきたいと思います。

なお、インフラ系の仕事内容やおすすめのパターンも紹介していますので、併せてご覧頂けますと幸いです。