ラットプルダウン徹底解剖 正しいフォームとコツについて解説【完全保存版】

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ラットプルダウン徹底解説|基本や効かせるためのコツを解説

ラットプルダウン徹底解剖|腕に効かせず広背筋に効かせる!基本やコツについて解説

ラットプルダウン徹底解剖|広い背中を作る為の必修種目!

どうすれば腕じゃなくて背中に効かせられるの?ラットプルダウンのコツについて徹底解説!

どうしても腕に効いてしまう!正しいラットプルダウンの身につけ方!

「背中のトレーニングは直接見えないからモチベーションが上がりづらい。」
「胸や腕と比べて目立ちづらいし…」

と特にトレーニング初心者の方は背中のトレーニングを怠りがちです。

また、背中のトレーニングに励んでいる方でも

「背中に効かせる感覚が掴めない。」
「どうしても腕が先に疲労してしまう。」

というように悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

この記事では、背中に取り組むべきか悩んでいる方や、背中のトレーニングでコツが掴めず悩んでいる方向けに、特に広背筋をターゲットにした代表的種目である「ラットプルダウン」について解説してきます。

この記事では正しくラットプルダウンを理解していただくために

  • ラットプルダウンの狙いや効果
  • 背筋の構造と広背筋の構造
  • より広背筋に効かせるためのフォームとコツ
  • より効率的にトレーニングを進めるためのオススメアイテム

などについて解説します。
この記事をしっかり読み込むことで、背中の広がり、身体のアウトラインを作る上で最も重要な広背筋をより効率的に広くできますよ!

 

 ラットプルダウンとは?

トレーニングにおけるラットプルダウンの位置づけ

ラットプルダウン主に背中を鍛える目的で取り入れられる種目です。

「ベンチプレス」、「スクワット」などほどではありませんが、比較的一般的なトレーニング種目と言えるでしょう。

背筋、特に広背筋を鍛える為に有効な種目として懸垂も非常にメジャーですが、懸垂は自分の体重を支える必要があるため、負荷の調整が困難です。
加えて、懸垂は身体を持ち上げておこなうことで姿勢も限定されてしまうのに対し、ラットプルダウン負荷や姿勢の調整が容易です。

そのため、懸垂と動作は良く似ていますが、女性やトレーニング初心者の方でも取り組みやすく有効なトレーニングができるのがラットプルダウンです。

どんなトレーニングなの?

簡単に言うと、懸垂のような動作で重りを上から下に引き下げるトレーニングです。

上から下に重りを引くために滑車を利用する場合が多く、

上の写真では、ケーブルクロスオーバーマシンの滑車を上に設置することで代用していますが、

写真のようなラットプルダウン専用のマシンがあるジムも多くあります。

・ 広背筋

・ 僧帽筋(特に中部・下部)

・ 大円筋

の3ヶ所が主なターゲット部位です。

特に広背筋をターゲットにする場合が多く、手幅や順手か逆手か、など少しの工夫で多くの種類の刺激を入れられます。

 

ラットプルダウンの効果

具体的な方法論に入る前に、ラットプルダウンの効果についてここでは説明していきます。

背中の広がりを作りだす!

@instaglam|mikeohearn

広い背中はウェストを相対的に細く見せ、逆三角形の身体を演出します。

@instaglam|mikeohearn

また、広背筋を鍛えることで背中側から見たときはもちろん、前面から見たときの身体のアウトラインも大きく変化します。

また、服を着ている時でも背中の大きさを演出するのが広背筋という筋肉です。

写真のような広背筋にたどり着く道は非常に険しいですが、一般的な「広い背中」はラットプルダウンで的確に広背筋を刺激することで効率よく作れますよ。

広背筋をターゲットにした場合、懸垂と比較しても優秀

懸垂における負荷設定は自重かそれ以上という条件がつきます。
それに対して、ラットプルダウン軽い重量から自分の体重を超えた重量まで細かく、素早く重量設定が可能です。

また、効果的に広背筋に刺激を入れるための基本については懸垂と同様ですが、宙にぶら下がる懸垂では難しく、座っておこなうラットプルダウンだからこそ得られる大きなメリットがもう一つあります。

それは、姿勢の自由度の高さです。

トレーニングにおいては対象筋の起始停止をいかに離し(ストレッチ)、近づけ(完全収縮)られるか、が非常に重要です。

ここで簡単に広背筋の起始及び停止を確認してみましょう。

起始:第6胸椎から第5腰椎にかけての棘突起、正中仙骨稜、腰骨稜後方、
第9から12肋骨、肩甲骨下角
停止:上腕骨小結節稜

広背筋は人間の筋肉の中で最も大きな面積を持つ筋肉ですので起始となる部分が多く、少し複雑ですので、ここでは背骨、骨盤、肋骨から腕にかけて伸びていて、腕を動かすための筋肉である。ということがわかれば構いません。

ここで特に注目して頂きたいのが背骨だけでなく、骨盤部にも広背筋は起始をもっているという点です。

骨盤に起始を持つことで、広背筋のトレーニングの際に最大限ストレッチ、収縮を繰り返すためには、背中のポジションだけでなく、骨盤が前傾しているか、後傾しているかということに注意する必要があるのです!

そのため、懸垂よりも骨盤のコントロールが比較的しやすいラットプルダウンの方が、広背筋のトレーニングにおいてより効率的に負荷をかけられると言えます。

 

 広背筋に効かせるコツ

ラットプルダウンは広背筋の他に、僧帽筋もターゲットになりうるトレーニングです。

負荷を逃さずより的確にターゲットに効かせるためのコツについて、ここでは説明していきますね。

ターゲット筋肉と種目の適正

ラットプルダウンは僧帽筋ではなく広背筋を鍛える目的で採用すべき種目です。

そもそもトレーニングは種目ではなく、どういった動作をするかによってどの筋肉に負荷がかかるかが大きく変わります。

極端な例で言えば、本来大胸筋をメインターゲットにするベンチプレスでも広背筋を鍛えることはできます。

しかしこれは効率悪い、というのは直感で理解して頂けるのではないでしょうか?

ターゲットとする筋肉をより効率的に鍛えるためには、求められる動作に最適なトレーニングを採用するべきですね。

では、なぜラットプルダウンが広背筋を鍛える為に最適なのか。これを理解するためには広背筋がどのような動きをするための筋肉なのか、その構造について知る必要があります。

広背筋と僧帽筋それぞれの構造について解剖学的にチェック

広背筋

起始:第6胸椎から第5腰椎にかけての棘突起、
正中仙骨稜、腰骨稜後方、第9から12肋骨、肩甲骨下角
停止:上腕骨小結節稜

背骨から骨盤、肋骨の一部に起始腕の骨に停止があるのでしたね。
筋肉というのは縮む動作しかしませんので作用

  • 腕を前から後ろに引く(伸展)
  • 真横に挙げた腕を下に下ろす(内転)
  • 腕を内旋させる(内旋)
  • 真横に挙げた腕を水平に背中側に引く(水平外転)

です。

僧帽筋

起始:後頭骨の上項線、外後頭隆起、項靭帯、
第7頚椎以下全胸椎の棘突起、及び棘上突起
停止:鎖骨外側(1/3)、肩峰、肩甲棘

字にすると複雑ですが、背骨に起始、肩甲骨周辺に停止というイメージです。
起始の範囲が広いため、収縮させる方向によって上部(下方向に収縮)、中部(横方向に収縮)、下部(上方向に収縮)の3部位に別けてトレーニングをするとより効果的な部位です。

作用は、
上部:
・ 肩甲骨を上に上げる動き(挙上)
・ 肩甲骨を上に回旋させる動き(上方回旋)
中部:
・ 肩甲骨を引き寄せる動き(内転)
下部:
・ 肩甲骨を下に下げる動き(下制)
・ 肩甲骨を上に回旋させる動き(上方回旋)

と作用も上部、中部、下部に分かれています。

僧帽筋は主に肩甲骨を動かすための筋肉であるのに対して、広背筋腕を動かすための筋肉のようです。

広背筋を効率的に鍛える動作

これは広背筋のトレーニングだけでなく、全般に言えることですが、ターゲットとする筋肉に最も負荷を乗せ、有効なトレーニングをおこなうためには、ターゲットを最大限収縮、伸展させる動作を繰り返す必要があります。

例えば、上の写真はベンチプレスをおこなっています。

下の画像の方がより深く下げターゲットである大胸筋を最大限ストレッチしています。
同じ重量を扱って同じ種目をおこなったとしても、どちらがより筋肥大に有効かは一目瞭然ですね。

ターゲットの筋肉を最大限ストレッチした状態から収縮させるというのは、要するに起始停止を最大限離し、最大限近づけるということです。

広背筋背骨から骨盤、肋骨の一部に起始腕の骨に停止があるのでしたね。

・背骨、骨盤から上腕骨を最大限離せる姿勢は、肩を上げ、腕を少し前方に上げたような状態
最大限近づける姿勢は、肩を下げ、腕を後方に引き下げた状態、骨盤を前傾させるとより起始と停止は近づきます。

試しにこの2つの状態を行き来してみてください。
気づいた方も多いのではないでしょうか?
これはまさにラットプルダウンというトレーニングの動作と一致します!

これが広背筋を鍛えるのにラットプルダウンが最も適している理由であり、このことをしっかりと意識してラットプルダウンをおこなうことで、しっかりと広背筋で負荷を感じながらトレーニングを進められます。

 

背筋種目必須!トレーニングアイテム(リストストラップ・パワーグリップ等)

このままラットプルダウンのフォームとポイントについて入っていきたいところですが、その前に、ここでは簡単にトレーニングアイテムについて紹介していきます。

背筋はその名の通り身体の背面についている筋肉で、鍛えるための動作は引く動きになります。

この引く動作というのが曲者で、背中をうまく鍛えるイメージができない。という方の悩みの原因にもつながっています。

そして、ここで紹介するアイテムがその解決の糸口になる可能性があるので、具体的な動作の説明に入る前の章で紹介します。

なぜ背中が発達しないのか

背中のトレーニング種目をおこなっているのにうまく発達しない。という方は多いのではないでしょうか?

「背中は腕や胸と違って目視できないこと」や「普段の生活で腕や脚を意図して動かすことは多いが背中を意図して動かす機会が無い」など原因は様々です。

結果として
背中の筋肉を使えておらず、使い慣れた腕の筋肉を使ってトレーニングをしてしまっている
という事態が問題の本質です。

例えばラットプルダウンはこれまで説明してきたとおり、広背筋を使うことで重りを引き下げるトレーニングですが、

上の画像のように上腕二頭筋を使って腕を曲げることでもバーを引き下げられます。

このバーを引き下げようと考えたときに、普段頻繁に使用している腕の筋肉を使用してしまうことはある意味自然ですが、これでは広背筋に効かせられていませんね。

このように腕を使って背筋系のトレーニングをしてしまうのを避けるために役立つのが、今回紹介するトレーニンググッズです。

リストストラップ

ラットプルダウンだけでなく、背筋の種目をおこなう際に大活躍するのがこのリストストラップです。

写真のようにバーに巻き付けて握力を使用せずに腕の力で引っ張ることが出来ます。

ゴールドジム(GOLD’S GYM) リストストラップ G3500 ゴールドジム(GOLD’SGYM)

Schiek(シーク) 【正規品】 ダウェル付 リフティングストラップ No.1000-DLS フリーサイズ ブラック [トレーニング用リストラップ]

パワーグリップ

パワーグリップも同じ目的で使用するアイテムですが、より楽に巻ける利点があります。

私の場合以前はリストストラップを使用していましたが、現在はもっぱら写真のパワーグリップをほとんどの背筋のトレーニングにおいて使用しています。

コブラグリップス(Cobra Grips)(ブラック ラバー)Cobra Grips

ゴールドジム(GOLD’S GYM) パワーグリッププロ G3710 Lサイズ ゴールドジム(GOLD’S GYM)

背中のトレーニングにアイテムは必要か

これは個人的な意見ですが、全てのトレーニングアイテムの中で最も優先して手に入れていただきたいのが、このリストストラップもしくはパワーグリップです。

これは、背中の余力を残したまま握力が尽きてしまいトレーニングを中断してしまうことを避ける意味合いに加えて、背中で引くという感覚を早く身につけられることが最も大きな理由です。

対象部位以外は脱力している状態がトレーニングの一つの理想ですが、重いものを引く際にはどうしても他の部位にも力が入ってしまいます。
また、握力を使ってしまうことで連動して腕をどうしても使ってしまいます。

今回紹介したようなアイテムを利用することで、そういった事態を避け、しっかりと背筋で引っ張る感覚が手に入りますよ!

このようにデッドリフトなどラットプルダウンだけでなく、別種目でも使用できます。

 

ラットプルダウンの基本フォーム

それでは、具体的にラットプルダウンのフォームと気をつけたいポイントについて解説します。

ここまでしっかりと読んで頂いた方は既に理解できている内容も多く出てくるかもしれませんが、おさらいの意味で読み進めてくださいね。

ラットプルダウン|スタートポジション

  • 肩、肩甲骨を上げ広背筋のストレッチを感じる
  • サムレスグリップで小指側を強く握る
  • 手幅は肩幅より少し広めに持つ
【ポイント】
  • 肩、肩甲骨を上げ広背筋のストレッチを感じる

スタートポジションで最も意識していただきたいのは、広背筋しっかりとストレッチされているかという点です。

ラットプルダウンをおこなう際に肩や肩甲骨を上げずに、収縮したままのポジションで上げ下げしてしまっている方をよく目にしますが、これは間違いです。
ストレッチを得るために、肩甲骨を外転、肩関節の外旋をおこなった状態で上方向に上げ、最大限のストレッチを得るのが正解です。

骨盤を前傾させると広背筋は収縮するのでしたね。
そこでスタートポジションではその逆、骨盤を後傾させた状態が最もストレッチが得られた状態です。

ゴムをイメージすると理解しやすいかもしれません。
既に縮んでしまっているゴムでは反発が得られません。
一度伸ばすことで強い反発が得られますね。

引く際に強い収縮をうむために、前段階としてしっかりと対象筋をストレッチすることを意識しましょう。

  • サムレスグリップで小指側を強く握る

背筋を鍛える場合、小指側を握る方がより強い収縮が得られる場合が多いです。

これはラットプルダウンだけでなく、他の種目でも使えるテクニックですのでぜひ覚えておいてくださいね。

これは先程解剖図を見ながら説明した部分ですが、広背筋の作用の一つに
腕を内旋させる(内旋)
というものがありました。

スタートポジションにおいて小指側で引く意識を持って置きましょう。
また、重りによって上半身が上に引かれる力を利用してストレッチしていますので、小指側をこの段階で引っ掛けておいたほうが広背筋はストレッチしやすいのです。

  • 手幅は肩幅より少し広めに持つ

ラットプルダウンは手幅やバーの種類、手の向きによって刺激の入る位置が変化する種目です。
頭の後部に向かってバーを下ろす、ビハインドネックラットプルダウンという種目もあります。

広背筋に最も効かせるためのスタンダードなラットプルダウンの手幅は、肩幅から拳1つずつ外が一つの目安です。

手幅が狭くなるにつれて上腕二頭筋への刺激が大きくなり、広背筋への刺激はその分逃げてしまいがちです。
逆に手幅をワイドに取ると、広背筋上部に刺激が入りやすくなり、大円筋への刺激も得られます。

よく広背筋上部の盛り上がった部分を大円筋だと勘違いしてしまっている方がいますが、正確には大円筋は下の写真の部位です。
背中の凹凸感や広がりの起点となる部分なので、広背筋と一緒にしっかり鍛えるとより広い背中が演出できますよ!

最も広背筋の筋活動が得られるグリップは、今回おすすめしているミディアムグリップ(肩幅より少し広め)のラットプルダウンです。

ラットプルダウン|プル!

  • 手の小指側を使ってバーを強く引く
  • 腕ではなく肘を引く意識
  • 身体を傾ける
【ポイント】
  • 手の小指側を使ってバーを強く引く

小指側を使うというのは、先ほど説明したとおりです。
引く方向は鎖骨とみぞおちの中間の胸骨に向かって引くと良いでしょう。

注意したいのは、腕ではなく背中で引くという点です。

コツはなるべく腕を脱力し、初動において腕で引かずにあらかじめストレッチした肩、肩甲骨をまずぐっと下ろす意識を持つと良いでしょう。

初動で負荷を受けた筋肉は、そのままその動作中使われ続けやすい性質があります。
まずはターゲットに初動で負荷をかける意識を持つ。
これも他のトレーニングでも利用できるテクニックですよ。

  • 肘を引く意識を持つ

加えて腕ではなく背中で引くために重要なのは、この肘で引く意識を持つという点です。
どうしても腕を使ってしまうという方にとっては、この記事中で最も重要なポイントかもしれません!

これは説明が難しく、実際に体感していただいたほうがわかると思います。
人によっては肩関節で引く、というイメージが合う方もいらっしゃるようです。
どちらも試してみてください。

〇単純にこのバーを下げる、という感覚でラットプルダウンをおこなうと、どうしても腕で引いてしまいがちです。
肘から先を忘れて肘を下に移動させるイメージを持つことで、急激に広背筋で引くという感覚がつかめる場合があります。是非試してみてください!
〇どうしても感覚が掴めないという方は、「腕で引く。」ということに関しても一度極端に意識的にやってみてください。
悪いとされていることを意識的におこなうことで、正しいフォームを同時に理解できる場合があるのです。
〇トレーニングは漫然と一生懸命やるよりも、どこのトレーニングを今やっているのか。その筋肉はどのような構造なのか。そこを最大限働かせるためにはどのような動きが必要なのか。としっかり考えながらやることが成果に繋がります。
正しいフォームでトレーニングをおこなえば、少ないトレーニングでも特に初心者の方はみるみる成長できますよ!

成長しないのは量ではなくて、しっかり狙った部位に負荷をかけられているか。まず質の問題を疑ってみてください。

  • 身体を傾ける

上半身は少し後ろに傾けたほうが、広背筋への強い収縮を得られます。

この際に注意していただきたいのは、骨盤は前傾させたままであることです。
上半身を後ろに傾けようとすると骨盤も同時に後傾してしまいがちですが、これでは強い収縮は得られません。

胸を張るような意識でしっかりと骨盤を前傾させたまま維持しましょう。

ラットプルダウン|フィニッシュ

  • 胸骨近くまで引き切る
  • スタートポジションまで戻る
【ポイント】
  • 胸骨近くまで引き切る

しっかりと最大限広背筋が収縮する位置まで、バーを引き切りましょう。
これは手の長さなどの骨格によりますので、どこまでというのは特に気にする必要はありません。

しっかりと狙った広背筋が収縮できていることを確認してください。
ここでも腕をぎゅっと引くのではなく、肩甲骨、肩を下制し、肘を引き切るという意識の方が広背筋は収縮しますよ。

感覚がうまく掴めないときは、

思い切って軽い重量でまずは正しい動きを確認する。

感覚を保持したまま重量を上げていく。

という流れを試してみてください。

例えば、腕を使えば引けるが、腕を使わず広背筋単体では引けない重量でおこなってしまっている可能性があります。
たしかに、「ラットプルダウンで何キロ引けるか」という競技であれば腕も僧帽筋も肩も使えるすべての筋肉を総動員して引くべきです。
しかし、これを読んでいただいている方の多くはボディメイク目的で、かっこいい体をつくりあげたいと、日々トレーニングをおこなっているのではないでしょうか?

もしそうであれば、トレーニングは狙った部位に効かせる。
扱う重さではなく、筋肉の成長を最重視すべきです。

不利な条件(動員する筋肉の種類を少なくする。)でおこなうので扱う重量が落ちるのは当然です。
しかし、その部位は確実に成長します。

重さ重視になってしまうと、弱い部位や神経が発達できていない部位はいつまでたっても他の部位に負荷を横取りされて成長できませんよ!
  • スタートポジションまで戻る

広背筋の収縮をしっかりと感じながら、ゆっくりとスタートポジションまで戻りましょう。最終的にはスタートポジション同様に、ストレッチをした状態にしてください。

繰り返しになりますが、トレーニングで最も重視していただきたいのが、このストレッチした状態と最大収縮した状態の行き来です。

また、勢いに任せてストンとスタートポジションに戻してしまうのでなく、収縮時に一度動きを止めた後、ゆっくりとスタートポジションに戻るようにすることで、緊張時間をより長く保てます。

また、こうすることでネガティブ動作による刺激もターゲットに入ります。

トレーニングにおける動作にはポジティブ動作(短縮性収縮)ネガティブ動作(伸張性収縮)という考え方があり、筋肉が短縮しながら収縮する場合はポジティブ動作、伸ばされながら収縮を維持しようとする動作をネガティブ動作といいます。

例えばラットプルダウンであれば、引く動作は広背筋を縮めながら収縮しているのでポジティブ動作です。
逆にスタートポジションに戻す動作は、伸ばされながら収縮しているのでネガティブ動作です。

ほとんどの方の筋力トレーニングのイメージと言えば、常にポジティブ動作の方がメインで先行しがちではないでしょうか?

しかし、実はこのネガティブ動作は、ポジティブ動作と比較しても筋合成において優位である、という研究結果も多数発表されています。
調べていくとそれに対する反対論文も多く挙げられており、どちらが優位とは言い切れませんが、せっかく異なる刺激を得るチャンスを棒に振る理由にはなりません!

バーを下ろす際だけでなく、スタートポジションに戻す際にもゆっくり収縮を感じながら戻し、ネガティブな刺激も享受しましょう!

 

ターゲット別ラットプルダウンのバリエーション

ラットプルダウンはバーの持ち方や、方向、手幅の広さやどこに下ろすかなど条件下によって刺激が変化します。

また、広背筋は非常に大きな面積を持つ筋肉ですので、同じ広背筋と言っても上部と下部ではフォームが異なります。

ここでは、目的とターゲットごとにいくつかラットプルダウンの種類をご紹介します。

自分の目的に合ったラットプルダウンを見つけてぜひ試してみて下さい!

広背筋中部、僧帽筋に集中的に負荷をかける|ナローグリップラットプルダウン(パラレルグリップ)

ナローグリップラットプルダウンでは、グリップ部分を変え、

写真のようなパラレルグリップのアタッチメントを使用するのが一般的です。

肘の方向が身体から見て横方向ではなく前を向きやすく、広背筋の中部に特に集中的に負荷をかけやすい種目です。

スタートポジションのストレッチもかかりやすいので、おすすめの種目です。

通常のグリップを使用してもパラレルグリップにはならないものの、ナローグリップ(手幅の狭いグリップ)でおこない、肘の方向に気をつけることで同様の効果が得られるでしょう。

他の点は通常の基本のラットプルダウンをおこなう場合と同じです。

広背筋下部を鍛える|リバースグリップラットプルダウン

スタンダードなラットプルダウンと比べて少し手幅を狭くし、手のひらが上になるように逆手でラットプルダウンをおこないます。

このラットプルダウンは、特に広背筋の中でも骨盤に近い部分である広背筋下部鍛えるのに適している種目です。

肩関節の構造上スタンダードなラットプルダウンと比較して、より深い位置収縮まで引き込みやすい方がほとんどだと思います。

しっかりと広背筋下部の収縮を意識しましょう。

広背筋の左右差を解消する|セパレートプルダウン

ケーブルを片手ずつのものに変更しておこなうことで、それぞれ協力せずに分離してラットプルダウンをおこなう種目です。

実はラットプルダウンも利き手側が強い方が多く、両手で引いているつもりでも、実際には利き手側の引く力が強く働いてしまっているという事態が起こりがちです。
そういった事態を避けるために有効なのが、このセパレートプルダウンです。
このように持ち手とウェイトを分離することで左右差を埋められます。

また、上の写真のようにクロスさせておこなう「Xプルダウン」は左右差の問題に加えて

上の動画のように持ち手を外旋、内旋させながらおこなうことで肩への負担を大幅に軽減できます。

今回紹介したラットプルダウンの他にも
頭の後ろにバーを引き下げる「ビハインドネックラットプルダウン」アタッチメントをケーブルに変更しておこなうなど、少しの変化でも刺激の種類は変わります。
人間の身体はうまくできていて、同じ刺激には慣れてしまいます。
広背筋を巨大に成長させ続けるために、色々バリエーションを試してみてはいかがでしょうか?

 

まとめ

ここまで読んで頂いてありがとうございました!
ラットプルダウンの記事はいかがだったでしょうか?
少しでも参考になっていれば嬉しいです!

最後にラットプルダウンのポイントを再度お伝えします。

  • 腕ではなく背中で引くこと(ヒントは本文にて)
  • 大体で構わないので広背筋の構造を理解すること
  • 広背筋の収縮とストレッチを最大限おこなうこと

広い背中からできる逆三角形は男性の方は男らしさの象徴、
女性の方はくびれとメリハリのある身体を演出します!
次のトレーニングでこの記事を読みながら色々と試してみてください。
背中の使い方にピンとくる瞬間がきっと訪れます!

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