夏場は特に目を引く太い腕。
誰しも一度は憧れたことがありますよね!
そんな太い腕を手に入れるため、上腕二頭筋種目の基本「アームカール」
に加えて「ハンマーカール」も良く取り入れられている種目です。
しかし一方で
このように感じていたり、悩んでいる方も実は多いのではないでしょうか?
この記事ではそんな方に向けて
・ターゲットとなる筋肉の構造
を説明した後
・バリエーション
・アームカールとの違い
について詳しく解説していきます!
ハンマーカールは正しいフォームとコツをしっかり抑えて取り組めば「上腕二頭筋」だけでなく、「腕撓骨筋」や「上腕筋」を鍛えるのに非常に役立つ種目。
この記事を読んで「ハンマーカール」をマスターすることで、これまでより更に効率的でスピーディに“腕を太く”することができますよ!!
ハンマーカールとは?
そもそもハンマーカールとはどんな種目なのか、ここでは見ていきましょう!
どんな種目なの?
ダンベルを使用し、肘関節を屈曲、伸展によって上げ下げする種目です。
アームカールとの違いは持ち手の向き。
上の写真、左側がハンマーカール、右側がアームカールです。
たったこれだけの違いで効果に差が出るの?
結局微調整レベルで効果は同じじゃないの?と思ってしまいがちですが、“差は出ます!”
根拠については後ほど筋肉の構造も交えて詳しく解説しますね。
単純な種目に見えて実は大きく成果が出る人と、全く効かない人に二極化しがちな種目です。
構造自体は単純なので、しっかりコツを掴めばすぐに誰でもしっかり効く種目にできるはずですよ!
ターゲットとなる部位
上腕筋
腕撓骨筋
上腕二頭筋(特に長頭)
の3ヶ所が主なターゲット部位です。
アームカールと比べると上腕二頭筋の稼働が少なくなり、負荷が上腕筋、腕撓骨筋にかかりやすくなっています。
これは最大収縮したポジションで手のひらを上に向けるアームカールに比べて、ハンマーカールでは手のひらが常に身体の内側を向くことから、上腕二頭筋の作用「肘関節の外旋」が抑えられる為起こる現象です。
つまり、通常のアームカールであれば肘関節の外旋によって上腕二頭筋の負荷が強くなるところ、肘関節の外旋を抑えつつ同量の負荷を与えることで必然的に他の部位(上腕筋、腕撓骨筋)に負荷がかかりやすくなる。ということですね!
このことから
- 上腕二頭筋狙い▶アームカール
- 腕撓骨筋、上腕筋狙い▶ハンマーカール
とするのがそれぞれ最も効率的に部位毎にフォーカスできる鍛え方であると言えるでしょう。
トレーニングにおけるハンマーカールの位置づけ
メジャーな「アームカール」に比べると少し知名度では劣る種目ですね。
また、アームカールの変形版として、アームカールかハンマーカールどちらかを取り入れる。とされている方も多い種目です。
しかし、上で述べた通りターゲットは被ってはいるものの、得意とする(より効く)領域がそれぞれ異なるため、厳密には異なる種目として使い分けながらどちらも採用するというのが“太い腕”を作るためには最も効率的です。
ハンマーカールの効果
ハンマーカールの概要を理解したところで、次はハンマーカールをおこなうことで期待できる効果について見ていきましょう。
ハンマーカールをやりこむことで期待できる主な効果は以下の3つです。
・前腕も太くなる
・腕相撲が強くなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
上腕が太くなる
ハンマーカールをやり込むことで上腕を太く見せることができます。
先程も触れたとおりハンマーカールのターゲット部位は上腕筋、腕撓骨筋という筋肉で、通常のアームカールではフォーカスして鍛えづらい部位に積極的にアプローチが可能です。
中でも上腕筋は上腕二頭筋の深部に隠れているためトレーニング初心者が意識しづらく、マイナーな部位ではあるものの、実は上腕の太さを作り上げる上で非常に重要な役割を担っている部位です。
表層の上腕二頭筋だけでなくハンマーカールで深部の上腕筋もしっかり鍛えることでメリハリがつき、より腕の迫力が演出できますよ!
前腕も太くなる
ハンマーカールでは腕撓骨筋という前腕部の筋肉も優位に鍛えることができます。
その為、上腕だけでなく前腕も太くすることができますよ。
前腕は初心者の方はターゲットにして鍛える機会が少ない部位かもしれません。
しかし、前腕部は特に夏場、最もと言っても過言ではないほど露出が多く、目立つ筋肉なのです!
これを読んでいるあなたも、シャツから伸びる太い前腕に目を奪われた経験が一度や二度はあるのではないですか?
鍛え上げた前腕はその迫力を周囲に主張し、注目を集めること間違いなしです!
腕相撲が強くなる
ハンマーカールをやり込むことで腕相撲が強くなる。と言われています。
ハンマーカールは実際にアームレスリングの選手もよくやっているトレーニングのようです。
ハンマーカールの動きを確認してみましょう。
手のひらを横方向に(親指を上に)したままウェイトを手前に引き込むような動作です。
この動作、腕相撲のフォームと非常に似ていますね。
もちろん上を目指すとなれば細かいテクニックや体重は必要ですが、一般レベルで勝ちたい、強くなりたい。というレベルであればハンマーカールをやり込むだけで無双できることでしょう。
ターゲットとなる筋肉の構造
ハンマーカールの概要と効果が頭に入ったところで、ここではハンマーカールのメインターゲットとなる筋肉の構造についてそれぞれ学びましょう。
先程概要で触れた
腕撓骨筋
上腕二頭筋(長頭)
がメインターゲットです。
このサイトでは恒例ですが、具体的な方法論に入る前にターゲットをビジュアライズし、明確に「起始」「停止」「作用」を把握しておくことでトレーニングの効果や理解度は段違いに上がりますよ!
上腕筋
停止:前腕(尺骨)の肘付近
作用:肘関節の屈曲
まずは上腕筋です。
「上腕二頭筋」といえば力こぶを形成する非常に有名な部位の一つで、混同してしまいがちですが、「上腕筋」は「上腕二頭筋」よりも深層、上の図や説明の通り上腕骨前面の下半分から前腕の肘付近にかけて走っている筋肉です。
「上腕二頭筋」だけでなく「上腕筋」もしっかり鍛えることで“太い腕”を底上げ的に作ることができますよ。
ちなみに後ほど説明する「上腕二頭筋(長頭)」は肩甲骨から前腕にかけて走っているのに対して「上腕筋」は上腕骨に起始を持っているため、前腕のポジション(回内、回外等)に影響を受けず、肘関節の屈曲にて力を発揮します。
このことが、「ハンマーカール」が「上腕二頭筋」ではなく、あくまで「上腕筋」を優先して鍛えることを可能にしている大きな要因となっています。
例えば、10という力を発揮すれば、ウェイトが持ち上がる場合を考えてみましょう。
ウェイトを持ち上げるためには、負荷がかかる比率が、
・上腕筋:1
以上のような比率でも持ち上がりますね。
しかしこれでは、上腕筋の稼働が少なく、優先的に鍛えられているとはとても言えない状態です。
ではどうすればよいのか。
上腕二頭筋の稼働を減らし、
・上腕筋:8
としてしまえば良いのです。
では、上腕二頭筋はどうすれば稼働されないのか。
これについては次の「上腕二頭筋」で詳しく解説します。
上腕二頭筋
停止:前腕(橈骨)の前面肘側
作用:肘関節の屈曲、前腕の外旋
先程説明したとおり上腕二頭筋は肩甲骨に起始を持ち、肩、肘2つの関節をまたぐ複関節筋です。
上腕二頭筋が肩甲骨に起始を持つという点は、意外に思われる方も多いかもしれませんね。
上腕二頭筋という筋肉は前腕を肩甲骨に引きつけるための筋肉なのです!
上腕骨に引きつけているというイメージではなかったですか?
細かい差ですが、知っているのと知っていないのでは大違いです。
起始を上腕骨に持つのであれば、肩甲骨のポジションや腕の方向というのは直接関係しません。
しかし上腕二頭筋は肩甲骨に起始を持っていることで、特に肩甲骨のポジションによって収縮の度合いが変わるのです!
いろんな形のカールがある意味がぼんやりでも見えてきませんか?
トレーニングはこのように知識から根拠を探っていき、自分の体で試す。効果を検証するという行為の繰り返しなのです!
ということで停止である前腕を起始である肩甲骨に引きつける「肘関節の屈曲」、「前腕の外旋」が主な作用です。
さて、先程「上腕筋」の章で「どうすれば上腕二頭筋の稼働を減らせるか」というお話がありましたが、そのための鍵がここにあります。
「前腕の外旋」という作用を抑えるポジションでカールをおこなえばよいのです。
前腕を外旋する動作というのは、手のひらが上を向くような動きのことですね。
この動作を抑えるとどうなるか。
そうです。
手のひらが向かい合うような形で横を向いたままカールをおこなうことになりますね。
つまり、先程の例でいうと
「上腕二頭筋が強制的に稼働されづらいポジションでかつ10を持ち上げよう。」
というのがハンマーカールの動作の目的と言えます。
腕撓骨筋
停止:前腕(橈骨)の手首付近
作用:肘関節の屈曲(回内)、前腕の回内及び回外
「腕撓骨筋」は上腕気筒から前腕にかけて走っている筋肉です。
作用は肘関節の屈曲(回内)及び前腕の回内及び回外です。
要するに肘を曲げたり前腕を回したりするための筋肉ですね。
勘違いしがちですが、上の図で分かる通り停止が手首の関節をまたいでいないため、手首関節の屈曲には関与しませんよ!
前腕の回外時は回内方向、回内時は回外方向へ収縮するような法則がある為、手のひらを横に向けた状態(親指を上に向けた状態)でのカール、つまりハンマーカールが非常に有効となる部位の一つです。
前腕は最もと言ってもよいほど露出の多い筋肉であり、その前腕の筋肉の中でもトップクラスの体積を持っているのがこの腕撓骨筋です。
しっかり鍛えることで大いに主張する前腕を作り上げることができるでしょう。
ハンマーカールの基本フォームとポイント
ここからはいよいよハンマーカールの基本フォームとポイントについて解説していくとしましょう!
アームカールの記事を既に熟読していただいたという方にとっては、おさらい的な内容も多くなりますが、各所に違いがありますのでしっかり読み込んでくださいね!
ハンマーカール|スタートポジション
足は肩幅ほど広げる
姿勢は直立
まずはダンベルを持ち、足を少し広げて直立の姿勢を保ちます。
手に持ったダンベルは、この時点で既に親指が前方を指すようにしましょう。
スタートポジションの段階で、両腕を脱力するのではなく、少しだけ上腕、前腕に意識をやって、ターゲット部位で重みを感じておきましょう。
トレーニング全般に言えることですが、初動で使った筋肉がそのまま継続して動作中稼働されやすくなる傾向があります。
これはデメリットにもなり得ますが裏を返せば、使いたい筋肉を初動で意識してやるだけで、ある程度自動でその部位に負荷を集中させることができるとも取れますね!
スタートポジションの段階で少し意識をして準備しておくことで、スムーズかつ的確に狙った部位に効かせることができますよ!
ハンマーカールの場合のメインターゲットは
- 上腕筋
- 上腕二頭筋
- 腕撓骨筋
でした。
なお、この中で上腕二頭筋はターゲットというより、動作上使わざるを得ない筋肉であり、上腕二頭筋を鍛えたい場合は「アームカール」をおこなった方が効率的です。
つまり、ハンマーカールのスタートポジションで意識するべきなのは、上腕筋及び腕撓骨筋ですね。
というご意見はごもっともです。
ご安心ください。
ハンマーカールという種目は親指を前に向けた状態(手のひらが横を向いた状態)でカールをおこなうことで、ある程度優先的に「上腕筋」、「腕撓骨筋」に負荷がかかるような動作です。
ハンマーカール|ダンベルを持ち上げる
肘の位置は固定しておく
ダンベルを持ち上げます。
特に重要なポイントは
- 肘の位置を固定する
- 直立の姿勢を維持する
の2点です。
意識することが多いな、と戸惑われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
一つずつ順番に見ていきましょう!
肘の位置を固定する
カール系の種目で最も重要なポイントがこの「肘の位置を固定する」という点であり、ハンマーカールにおいても例に漏れずとても重要です。
肘の位置が動いてしまうことで、上腕筋や腕撓骨筋の作用である『肘関節の屈曲』を使わなくてもダンベルが持ち上がってしまいます。
しかしこれでは「上腕筋、腕撓骨筋を鍛える」ことが目的ではなく、「ダンベルを持ち上げる」ことが目的になってしまっており、決して有効なトレーニングとはいえません。
疲労はしているのに筋肥大しない、という最悪の結果を招く一番の要因です。
必ず肘関節を固定し、屈曲することで角度を変化させる。
直立の姿勢を維持する
「直立の姿勢を維持する」これは言い換えると「勢いを利用しない」ということを意味しています。
これも先程と同様に有効なトレーニングにはならず、「ダンベルを持ち上げる」が目的となってしまっている悪い例です。
ハンマーカール|スタートポジションまでゆっくり戻る
ゆっくりスタートポジションに戻る
ターゲットである上腕筋、腕撓骨筋に負荷をかけたままゆっくりとスタートポジションに戻ります。
ここで重要なのは「肘とダンベルが地面と垂直に並ぶ前に切り返す」ことです。
動作中は常にターゲットに負荷がかかっている状態が理想的です。
負荷を一瞬も抜かないためには工夫が必要ですね。
ここでは負荷が抜ける前にダンベルを下ろし始めましょう!
また、肘が下がってしまうと肘関節のストレッチができません。
ダンベルを持ち上げる動作同様に、下ろす動作でも肘の位置をしっかり固定しましょう!
ハンマーカールで扱う重量と回数
やり方が分かったところで次は重量と回数についてここで学んでいきましょう!
筋トレと重量、回数は切っても切れないほど密接な関係にあります。
しっかり頭に入れることでより効率的にターゲットを筋肥大させることができますよ!
重量と回数の基本
ひとまとめにトレーニングと言っても目的は人それぞれ違います。
例えば「筋肉を大きくしたい(筋肥大)」、「筋力を強くしたい(筋力強化)」、「長く稼働させたい(筋持久力強化)」という具合ですね。
そして、これら目的によってより効率的なアプローチの仕方、つまり「重量と回数」にも違いが出ます!
具体的には以下の表を見てください。
重量 | 回数 | 見た目の変化 | |
筋肥大 | 75〜87% | 5〜12回 | 筋肥大(大) |
筋力強化 | 90〜100% | 1〜4回 | 筋肥大(中) |
筋持久力強化 | 〜74% | 13〜回 | 筋肥大(小) |
重量がパーセンテージで表現されていますね。
これは1回だけ挙上できる重量(1RM)に対する重量比を表しています。
個人差について
筋肥大を目的としたトレーニングの場合
・最大挙上重量の75〜87%で5〜12回
が有効ということでした。
しかし、一方で私の場合はハンマーカールを回数にして20回程度、最大挙上重量の70%前後でよくおこなっています。
早速先程の記述と違いますね。
これには2つ理由があります。
- 先程の図はあくまで基本であり個人差があること
- 腕のトレーニングに関しては低重量高回数の方が反応が良い場合が多いこと
まずそもそも、先程の図は全ての部位かつ全ての人を対象とした原則でしかない。という点に注意が必要です。
トレーニングを少しでも過去やってきた方であれば心当たりがある方も多いかもしれませんが、自分にとって得意な部位(成長させやすい部位)と苦手な部位(何故か成長させづらい部位)がありますよね。
得手不得手の原因は「正しいフォームでおこなえているか否か」「その部位の意識のしやすさ」「形や才能」と様々ですが、大きな要因の一つに「回数と重量」が挙げられます。
つまり、なんとなくいつも設定している回数と重量が、たまたま合っている部位もあれば合っていない部位もあるということですね。もちろんそれでも何もしないより成長は見込めます。
しかしより効率的に筋肥大させるためには、原則となる重量回数を知った上で部位ごとに、アレンジを加えていく必要があるのです。
これに関しては個人差が大きな要素ですので自分の体を使って試し、見つけていくしかありませんが、腕に関しては比較的低重量高回数が反応しやすい傾向にあります。
また、正しいフォームでなければターゲットに刺激をうまく伝えられず、そもそも有効なトレーニングができていない。という可能性もあります。
ハンマーカールの種類
ここまでハンマーカールの基本について解説してきました。
しっかり頭に入りましたか?
続いてこの章では更に細かく分けて、目的ごとに効かせるためのハンマーカールのバリエーションについて解説していきます!
インクラインハンマーカール
インクラインと名にある通りインクラインベンチ、つまり角度のついたベンチ(30〜45度)に寝ておこないます。
ベンチの角度が変わると何か変わるの?というようにイメージしづらい方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
腕だけを見た時、地面に対しての角度や肘関節の角度は大差ありません。
それに対して大きく変わっているのは、上半身に対しての角度ですね!
インクラインベンチに寝てハンマーカールをおこなうことで、ストレッチポジション(ダンベルを下ろしたところ)において強制的に腕が体に対して後ろに引いたような姿勢になり、通常のハンマーカールより強くストレッチ刺激をターゲットに与えることが可能です。
上記に加えて腕が体に対して後方に引かれた状態でハンマーカールをおこなうことで、体を反りあげる動作による勢いを利用したり、肩の筋肉を動員するといった、いわゆる「悪い動作」を行いづらく出来ます。
こういった動作を強制的に封じることでより、「上腕筋」「腕撓骨筋」にフォーカスしたトレーニングができるというわけですね!
プリーチャーハンマーカール
プリーチャーハンマーカールは「プリーチャー台」を使っておこなうハンマーカール。
プリーチャー台を使う目的はズバリ“肘の固定”です。
台に肘を固定することで、カール動作においてどうしてもおこなってしまいがちな肘の前後運動を完全に抑え、ストリクトなフォームで負荷を集中させることができます。
ストレッチ時に最大負荷がかかるためPOF法における分類はストレッチ種目(伸展種目)です。
種目としての狙いは、筋肉が収縮しながら伸ばされていくことで物理的なダメージを筋繊維に与えることですよ。
まとめると、肘を固定しつつウェイトによって筋肉が伸ばされていくのに耐える感覚というのがわかりやすいかもしれません。
また、この種目は特に「意識してもどうしても肘が動いてしまう」という方にもおすすめです。
確かにストレッチ種目ですが、あえてそこは意識せず、肘を固定したまま腕撓骨筋でウェイトを挙げるという感覚を養う目的でおこなうのも“アリ”ですよ!
スパイダーハンマーカール
スパイダーハンマーカールは、トレーニングをそこそこされているという方でも聞き慣れない種目かもしれませんね。
この種目も「インクラインハンマーカール」と同様にインクラインベンチを使用します。
ただし、仰向けに寝た「インクラインハンマーカール」とは逆、つまりインクラインベンチにうつ伏せに寝て腕を前に出す形がスタートポジションです。
写真
この種目最大の目的、狙いは“動作中負荷を与え続けること”です。
実は、下の写真のように、通常のハンマーカールでは、地面と前腕が垂直になったタイミングでその都度負荷が抜けてしまっています。
写真
一方自分の体に対して腕を前に投げ出すようにしておこなうスパイダーハンマーカールでは、負荷が抜けるタイミングというのが極端に減ります。
このことを利用して、スパイダーハンマーカールは特に腕のトレーニング終盤、パンプアップを狙った追い込み種目に適していると言えるでしょう。
ケーブルハンマーカール
スパイダーハンマーカールと同様に、追い込み種目に適しているのがこのケーブルハンマーカールです。
アタッチメントに「ロープ」を使用することで、手のひらが向かい合う形、つまり、ハンマーカールと同様の効果が期待できます。
ダンベルを使う通常のハンマーカールは地面方向、つまり重力の方向にしかベクトルが向かいません。
そのためどうしても負荷が抜けてしまうタイミングができてしまいがちです。
対して、ケーブルハンマーカールではケーブルを使う特性上、常に負荷をかけることができます。
どのタイミングでもケーブル方向に対して力のベクトルがかかっているため、負荷が抜けるタイミングを最小限に減らせるというわけですね。
上の理由からこの種目も先程のスパイダーハンマーカールと同様に、最終の追い込み種目としておすすめです。
筋緊張時間を最大限に保つことで血流を制限し、開放からの強烈なパンプを味わいましょう!
ちなみにPOF法における分類でもスパイダーハンマーカール、ケーブルハンマーカールともにコントラクト種目(収縮時)に分類されています。
収縮時に最大負荷がかかる種目は、基本的には筋緊張時間を長くし、パンプアップを狙う。というのは原則ですね!
上腕と前腕を“パンパン”にパンプさせ、鏡を見て満足したら帰路につきましょう!
まとめ
「ハンマーカール」の記事はいかがでしたか?
よりメジャーな「アームカール」と混同されたり、違いがよくわからない、と言われてしまいがちなこの種目ですが、違いを理解し使い分けることでより効率的に「極太腕」に近づけます!
それでは最後にハンマーカールのポイントを再度おさらいしましょう。
・肘の位置を動かさない
・目的によって工夫し、バリエーションを使い分ける
・高重量よりも「パンプ」を重視する
前腕は年間を通して最も露出しやすい部位。
上腕と同時に前腕もしっかり鍛えられるハンマーカールを明日から取り入れて、かっこいい腕を周囲にさりげなくアピールしちゃいましょう!
コメント