夏場にTシャツでも張り出した胸、目を引きますね。
今日はデカイ大胸筋を作るのに非常に有効でオススメな種目「ケーブルクロスオーバー」について解説していきます。

「ケーブルを使う意味は?」「ダンベルフライやベンチプレス、チェストプレスでことたりるのでは?」という疑問や、
「いまいち胸に効かない」というような悩みも大胸筋の解剖図なども使って順を追って解決していくので安心してください!

この記事をしっかり読み込んでケーブルクロスオーバーをおこなう意図や、コツが理解できればきっと今まで以上に効率よく大胸筋の成長をさせることができますよ!

この記事では正しくケーブルクロスオーバーを理解していただくために

  • ケーブルクロスオーバーの効果
  • 大胸筋に効かせるためのフォームとコツ
  • より効率的にトレーニングを進めるための大胸筋におけるセットの組み方
  • ケーブルクロスオーバーで大胸筋上部・中部・下部を鍛え分ける方法

などについて解説していきます。

ケーブルクロスオーバーは大胸筋をパンプアップさせ、科学的にアプローチするのに最適な種目です。
この記事をしっかり読んで分厚い大胸筋づくりに役立ててくださいね。

 

1.ケーブルクロスオーバーとは?

トレーニングにおけるケーブルクロスオーバーの位置づけ

ケーブルクロスオーバーはトレーニング中級者以上の方は胸のトレーニングとして良く積極的に取り入れられている方も多いトレーニングです。

一方でトレーニング初心者の方は胸のトレーニングといえば、「ベンチプレス」や「ダンベルフライ」などから入る方が一般的で、ジムでやっている人は見かけるけど、ケーブルクロスオーバーの優位性や、やる意味がわからない。という方がほとんどではないでしょうか?

ケーブルクロスオーバーはそういった意味では胸のトレーニング中級者の入り口的な位置づけのトレーニングと言えるでしょう。

ベンチプレスやダンベルフライなどの重量によるダイレクトな刺激に加えて、パンプアップ(ターゲットがパンパンに張る感覚)させて科学的なアプローチを加える意味で胸の日の最後に持ってくることが多い種目です。

どんなトレーニングなの?

写真のようなケーブルマシンを利用して後ろから前にもしくは上から下、下から上にケーブルを引く種目です。

ケーブルマシンは上腕二頭筋や上腕三頭筋、背筋群、腹筋など多くの部位を鍛えるのに役立つ非常に汎用性が高いマシンですが、ケーブルクロスオーバーでは、大胸筋上部、中部、下部をメインターゲットとしておこないます。

種目の分類としては単関節種目であり、メインターゲットである大胸筋のみを稼働させ追い込むことが目的です。

単関節種目のため、重い重量は扱えませんが、ケーブルマシンの特色上負荷を継続的に大胸筋に与え続けることで、トレーニング中の筋肉の緊張時間を長く保ちやすく、パンプアップを狙ったトレーニングに特に有効です。

 

2.ケーブルクロスオーバーの効果

あえてケーブルを使う意味はあるの?

ベンチプレスやダンベル、もしくはマシンではなくあえてケーブルクロスオーバーをやる意味はあるのでしょうか?
https://youtu.be/y4z_ksqOfCo?t=131
(2:11〜)
https://youtu.be/tDwS0XRzRlQ?t=728
(12:08〜)

この動画はジェイ・カトラー選手とフィル・ヒース選手と言って、どちらも世界最高峰のボディビルディングコンテストである「ミスター・オリンピア」で優勝したこともある非常に有名なボディビルダーです。

彼らほどの巨大な肉体であれば200kgもあるベンチプレスを持ち上げることも100kgのダンベルプレスだってできるでしょう。

しかし動画で彼らはケーブルクロスオーバーをメニューに取り入れています。
専属のトレーナーまでついてトレーニングをおこなう彼らに無駄はないはずですね。

紹介している動画は一例ですが、他にも世界中の多くのボディビルダーやフィジーカーがこのメニューを取り入れています。

同じ重さを引くにしても、「ケーブルで引く」という行為にダンベルやバーベルのトレーニングよりも優位な何かがあると睨むのが自然ですね。

ケーブルを使うことによって得られるメリット

多くの巨大な人たちがケーブルでトレーニングをおこなうことによって狙っているのは具体的にどういったことなのでしょうか?

ケーブルを使うことによって得られるメリットは3つあります。

  • 滑車の位置と自分の身体の傾きによる角度調整の自由度が高い
  • 動作中どの場面でも負荷が逃げにくい
  • 重量の変更が容易

一つは滑車の位置と身体の角度を容易に変更できることで安定して様々な角度から大胸筋に刺激を入れられる点です。

ベンチプレスやダンベルフライなどほとんどの胸の種目では重力を利用するため、「下から上」というウェイトの移動になります。

その為、ベンチの角度を変えることでインクライン(斜め下→斜め上)、デクライン(斜め上→斜め下)というように変化をつけるのが一般的です。

その点でケーブルは滑車を移動させることで身体の角度以上に角度に変化をつけることができるのです。

また、ケーブルマシンの構造上動作中のどの場面を切り取っても負荷が逃げないというのも大きなメリットです。

ベンチプレスのように上から下に押す種目の場合、動作中のウェイトを挙げきった状態の際大胸筋の負荷が抜けてしまいます。ここで止まってしまうと休憩ができてしまいますね。

しかしケーブルはトップポジションからフィニッシュまで常に滑車方向に引く力がかかっているので筋肉の緊張時間を絶やさず、長く保つことができます。

最後に重量変更が容易である点に関しては、「そんなことか」と思ってしまいがちですが、トレーナーがつくわけではない一般のトレーニーは特にメリットを享受できる重要なポイントです。

これについては後ほど解説します。

ここで覚えておいて頂きたいのは、

  • 動作中どの場面でも負荷が逃げにくい
  • 重量の変更が容易

この二つのメリットは
「筋肉の緊張時間をなるべく長く保ち、インターバルを短くする」
という点にベクトルが向かっているという点です。

ベンチプレスやダンベルプレスではこのようなことはあまり重視しないのではないでしょうか?
その通りです。
ケーブルクロスオーバーには上の二つの種目とは違った狙いがあるのです。

 

3. 効率的に胸を鍛える種目の組み方|POF法とは?

様々な種類のトレーニングをメニューに組み込もう

同じトレーニングボリュームでもベンチプレスだけをおこなうのと様々な種類の胸の種目をおこなうのとでは、様々な種類をおこなった方が良いのではないかな?というのはなんとなく感覚でほとんどの方がご理解されていることではないでしょうか?

その通りです。
筋肉というのは刺激に対応して成長しますが、同じ量や同じ質のトレーニングでは筋肉が慣れてしまい、これ以上の筋肉は必要ないだろう。と成長を止めてしまうのです。

ここで言う量というのは回数や重量を上げていくこと、そして“質”はトレーニングの種類のことを指しています。

これは、「漸進性過負荷の原則(オーバーロードの原則)」といってトレーニングにおける重要な原理原則の一つです。

もし、同じトレーニングだけでも効果が出るとしたらボディビルダーは最も得意なトレーニングをひたすらやり続けるはずですよね?
でもそんな選手は世界中でほとんどいないはずです。

多くの種類の種目をおこなうことで生じる弊害

なるほど。トレーニングの種類が必要なのはわかった。とりあえず色々な種類のトレーニングをすれば良い訳だね。と、ここまで読んだ方は思われているかもしれません。

ここで一つ問題が生じます。
それは、「トレーニングが長く乱雑になりすぎる」という点です。

トレーニングはなるべく短い方が良いのです!
これは、かかる時間のことももちろんありますが、それ以上に「やりすぎはむしろオーバーワークを招く」というのが問題です。

このことは筋肉を大きくさせるためになぜトレーニングをするのかを考えれば理解できます。

傷つける(カタボリック)

食事、休息で回復する(アナボリック)

以前より増える(超回復)

筋肉はトレーニングを通してこのようなフローを経て大きくなっていきます。
ところが、「傷つける(刺激)」の比重が大きくなりすぎることで、回復が追いつかなくなり、

傷つける

少し回復

傷つける

の繰り返しになり、成長できないどころか、萎縮していってしまう可能性まである。これがオーバーワークです。

よく筋肉痛の時はトレーニングを避けたほうが良いなんて言われますね。
それはオーバーワークを避けるためなのです。
(筋肉痛→トレーニングをしてはいけない。は厳密には間違っていますが。)

これは、何も頻度の問題だけではなく、一回のトレーニングにおいても応用できる事象です。

1回の「傷つける」つまりカタボリックな状態が長くなりすぎることで「カタボリック>アナボリック」な状態を招いてしまい筋肉を成長させることができなくなってしまうのです。

解決策 〜POF法の提案〜

「いろんな種類のトレーニングをしたい」
「トレーニングは短く終わらせたい」

この二つの一見矛盾した考えを両立させるための解決策をここで提案しましょう。
それは「POF法」と呼ばれるトレーニングの組み方です。

この考え方に添ってメニューを組むことで、必要最小限かつ的確にトレーニングを組むことができますよ!

POF法におけるトレーニングの“種類”

POF法ではまず、トレーニングを3つの種類に分類して考えます。
どういった点で、分類するのでしょうか。

ずばり「負荷のかかるタイミングの違い」です!

もう少し具体的に説明しましょう。

負荷のかかるタイミング

動作の中間 伸展した状態 収縮した状態
ミッドレンジ種目 ストレッチ種目 コントラクト種目

このように3つに分類し、トレーニングを構成します。
一つの部位につきこの3種類のトレーニングをそれぞれ役割分担して配置することが最も効率的なトレーニングメニューの組み方だ。というのがPOF法の考え方です。

長らく出てきませんでしたが、今回の記事のメインテーマであるケーブルクロスオーバーがどこに分類されるか考えてみてください。

他の胸の種目と共に一部ではありますが一覧にしますね!

ミッドレンジ種目(中間) ストレッチ種目(伸展) コントラクト種目(収縮)
・  ベンチプレス(リンク)

・  ダンベルプレス

 

・  ダンベルフライ

・  ペックデック

・  ケーブルクロスオーバー

・  チェストプレス(リンク)

ケーブルクロスオーバーは収縮種目なのですね!

POF法それぞれの特徴と狙い

ミッドレンジ、ストレッチ、コントラクトにはそれぞれ特徴や狙いがあります。メニューの組み方だけでなく、構成や重量、回数の設定、おこなうタイミングにも関わってくるので抑えておきましょう。

ミッドレンジ種目
大胸筋のミッドレンジ種目で挙げたのは、「ベンチプレス」、「ダンベルプレス」です。最大の特徴は高重量が扱えるという点ですよ!

その為、POF法における狙いはその圧倒的な刺激量です。
また、ミッドレンジ種目はアイソレーション(単関節種目)よりもコンパウンド(複関節種目)である割合が高いので、ターゲット部位付近の細かい筋肉にも刺激を与えることができます。

扱える範囲でなるべく高重量を扱って大きな刺激をターゲットに入れましょう。

なるべく高重量を扱うために
重量・回数設定
・ 高重量低回数(約5〜8回程で限界が来るように設定)
タイミング
・最も高重量を扱えるトレーニングの最初に持ってくる(怪我や故障をしないように特に肩の準備運動を念入りにしてください。まず軽い重量から入って動作の確認と準備運動を兼ねるのがオススメですよ。)

ストレッチ種目
大胸筋のストレッチ種目で挙げたのは、「ダンベルフライ」、「ペックデック」です。特にダンベルフライは非常にオススメな種目ですよ!

筋肉が伸び切った状態で負荷がかかることで直接筋繊維にダメージを与えるイメージでおこなう狙いがあります。

重量、回数設定
・ 中間(約9〜12回程で限界が来るように設定)
タイミング
・ミッドレンジ種目とコントラクト種目の間に挟むのが最も有効

コントラクト種目
今回の記事のメインテーマ「ケーブルクロスオーバー」と以前紹介した「チェストプレス」が大胸筋におけるPOF法のコントラクト種目です。

「チェストプレス」の場合はやり方によってミッドレンジ種目やストレッチ種目としてもおこなうことができますが、コントラクト種目としておこなうのが有効であるという判断からコントラクト種目に分類しました。

狙いはズバリ「パンプアップ」です。
大胸筋をパンパンに張らせて、成長ホルモンの分泌を促進する科学的なアプローチができます。

パンプアップを狙うために
重量・回数設定
・ 低重量高回数(約13〜18回程で限界が来るように設定)
タイミング
・ 既にターゲットが疲労している最終種目がおすすめ

長くなったのでまとめます。

ミッドレンジ種目 ストレッチ種目 コントラクト種目
負荷のかかるタイミング 中間 伸展した状態 収縮した状態
狙い 大きな刺激、周辺への刺激 直接筋繊維の分裂 パンプアップ
重量・回数 高重量・低回数

5〜8回が限界

中重量・中回数

9〜12回が限界

低重量・高回数

13〜18回が限界

タイミング トレーニングの最初 中間 トレーニングの最終種目
休憩(インターバル) 長め 中間 短め

ちなみに先程
2.ケーブルクロスオーバーの効果

ケーブルを使うことによって得られるメリット
で出てきた

  • 動作中どの場面でも負荷が逃げにくい
  • 重量の変更が容易

というのはコントラクト種目でパンプアップを狙うために必要な要素だったのですね。

動作中どの場面でも負荷を逃さないことで筋肉の緊張時間を最大まで長くし、パンプアップを狙うため。

そして、重量の変更が容易なことでインターバルを短くし、限界になったら重量を落としてすぐに次のセットというようなセットの組み方(ドロップセット)をすることもできるのがケーブルを使うメリットですよ!

 

4.ケーブルクロスオーバーの基本フォームとポイント

ここまでケーブルクロスオーバーの効果やPOF法について詳しく紹介してきました。
ケーブルクロスオーバーの種目としての狙いはここまで読んでくださった方はしっかり理解して頂けたことと思います。

この章ではいよいよ具体的にケーブルクロスオーバーのやり方やコツ、注意点について解説していきますよ!

ケーブルクロスオーバー|スタートポジション

  • 滑車の高さを設定
  • 一歩前へ出る
  • 胸をしっかり張る

【ポイント】
ケーブルクロスオーバーにおいて滑車の位置は重要です。
詳細については後ほど解説しますが、滑車の位置とケーブルを引く方向によって大胸筋のどの部分に効くかが変わります。

ここでは大胸筋中部を狙う基本のケーブルクロスオーバーを解説しますので、滑車を中間くらい、自分の胸の高さに設定しましょう。

両手にケーブルとつないだアタッチメントを持ったら一歩前へ踏み出しましょう。

ケーブルがどの局面でも引かれているという状態を作ることが筋肉の緊張時間を長く保つ秘訣です。

一歩前に出ても上の写真のように身体ごと引っ張られていては的確に胸に負荷を与えることはできません。

ケーブルの引く力に対抗して少し前傾を保つような意識でおこないましょう。

加えてここでは大胸筋をしっかりストレッチさせましょう。

大胸筋をターゲットにした種目全般に共通することですが、しっかりと肩甲骨を寄せて下制し、胸を張るようにすることで肩や腕でなくダイレクトに大胸筋に刺激を与えることができます。

左の×がついた写真は肩甲骨が広がってしまっています。
これでは、せっかくの負荷が胸ではなく肩に逃げてしまいます。

右の○がついた写真は大胸筋付近が盛り上がっているのがわかりますね。

スタートポジションから胸を張ることで押し切った状態でもこのような姿勢がスムーズに作れますよ!

ケーブルクロスオーバー|ケーブルを引く

  • 大胸筋を絞りケーブルを引く

【ポイント】
「大胸筋で引く」ということが重要です。
形だけ見れば腕でも肩でも似たような形は作れます。

しかし、大胸筋を絞り込んで大胸筋だけで引くようにしてください!
そのためには、スタートポジションでしっかり寄せたまま下制した肩甲骨をここでも保つことと、肩をしっかり落とすことを意識してください。

左の×の写真は肩が上がってしまっています。
これでは大胸筋にしっかり負荷をかけることができません。

右の写真は

この写真の○に近いかたちが作れていますね。

もう一点ここで重視するのはケーブルを引く方向についてです。
ケーブルと引く方向が一致するのが理想的です。

悪い例①

悪い例②

良い例

違いがわかりましたか?

引く方向とケーブルの向きが一致しているかどうかですね。
意識としては前腕とケーブルが常に連動するようなイメージでおこなうと良いでしょう。

ここで、じゃあ大胸筋の上部や下部を鍛えたい場合はどうするの?と疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ご安心ください。解決策があります。
後ほど解説しますね!

ケーブルクロスオーバー|スタートポジションまで戻る

  • スタートポジションまでゆっくりと戻る

【ポイント】
せっかく収縮させた大胸筋を脱力しケーブルの引く力に任せてストンと戻してしまうことがないように注意してください。

ケーブルクロスオーバーはパンプアップを狙うために大胸筋の緊張時間を最大限長く保つ必要があるのでしたね?

脱力してスタートポジションに戻すということは緊張を保てていないということになります。

時間をかけて大胸筋の緊張を保ったままケーブルに徐々に引かせるようにしましょう。ケーブルの引く力に対抗する大胸筋を脱力してはいけませんよ!

上の写真は「さあ行くぞ!」というような姿勢に見えなくもありませんが、ケーブルクロスオーバーに勢いは不要です!

軽い重量で多い回数をおこなう場合にチーティング(勢いで押す)を使うことはマイナスでしかありません。

地味に地味にで良いのでねちっこく大胸筋をいじめてパンパンにパンプアップさせましょう!

 

5.大胸筋上部・下部の鍛え分け

大胸筋は上部中部下部の三箇所分けて考えることができます。

このように分けて考え、トレーニングも分別することはバランスの取れたキレイな大胸筋を作る近道になります。

鍛え分けるといっても上部を使う意識を持てば上部を優先的に使える。というようなトレーニング上級者を除いて種目も工夫する必要があるでしょう。

大胸筋下部を鍛えるケーブルクロスオーバー

大胸筋下部は腹筋との境界線を作る上で非常に重要な部位です。

大胸筋下部を鍛えるためには、大胸筋の停止である上腕骨外側を下部の起始である腹筋部分に向かって引きつけるような動き、簡単に言うと大胸筋で斜め上方向から斜め下方向に引くような動きが必要です。

この部位をケーブルクロスオーバーで鍛えるためにポイントになるのは滑車の位置です。

滑車の位置を高い位置に設定することでケーブルを上から引くような動きが可能です。

重要なポイントは先程の基本のフォームと何ら変わりません。
あくまで肩甲骨を寄せて下制し、胸を張ったままおこないましょう。

ケーブルと引く方向が一致するようにここでも気をつけてください。

先程悪い例として挙げた下の写真と比較してみましょう。

一見こちらも下にひけているように見えますが、前腕とケーブルが一致していませんね。

今回のように滑車を上に設定することで前腕とケーブルの方向がほとんど一致し下に引くという動作が自然なものになります。

ここでもう一点重要なのはあまり前傾しすぎないことです。
下部に刺激を与えるために滑車を上に設定したのにその分前傾してしまっては、結局身体の傾きとケーブルの位置関係が変わらず、地面との関係だけが変化し、大胸筋中部に効いてしまいます。

大胸筋上部を鍛えるケーブルクロスオーバー

大胸筋上部はぱっと見のボリューム感を出す上で重要です。
例えばTシャツを着ているだけで「お、分厚い胸板だな。」と感じさせるのはこの部位です。

大胸筋上部を鍛えたい場合は先程の下部とは逆に、停止の上腕骨外側を上部の起始である鎖骨部に引きつけていく動作が必要です。

もうおわかりですね?
ケーブルクロスオーバーにおいては下から上に引けるように滑車の位置を下に配置しましょう。

ここでもやはり重要事項は同じですよ!

ケーブルを引く際に身体が反ってしまってはいけません。
大胸筋を絞り上げるようにしてケーブルを引きましょう!

 

6. 身体が前後にブレてしまう場合の対処法

ケーブルクロスオーバーでは身体を安定させたまま反動を使わず、胸の筋肉だけでストリクト(ターゲットの筋肉だけを使って)にケーブルを引くことが重要です。

しかし一方でどうしても身体が前後にぶれてしまう。というような悩みもよく耳にします。

ここではそんな場合の対処法についていくつか紹介します。

重量を見直す

注意していても身体が揺さぶられてしまう場合は重量が重すぎる可能性があります。

そもそもの狙いに立ち返ってみましょう!
ケーブルクロスオーバーはPOF法におけるコントラクト種目で、パンプアップを狙っておこなうのでしたね!

そのためには低重量高回数
13〜18回ほどを目安にと先ほど紹介しましたが、ケーブルクロスオーバーに慣れないうちは思い切って30回程できる重量設定にしてみましょう

ひたすら繰り返していくうちに大胸筋が焼けるように熱く、そして適度に痛くなってきませんか?これは「バーンアウト」と呼ばれる現象で、強烈なパンプアップを引き起こします。

重い重量を扱うのはPOF法におけるミッドレンジ種目でこそ有効なのです!
扱えない重量でケーブルクロスオーバーをおこなってフォームが崩れてしまったり、狙った部位から刺激が逃げてしまうのであれば思い切って重量を落としてみましょう!

フォームを見直す

身体を安定させるためにはケーブルに引かれる力に対抗して少し身体を前傾させる必要があります。

また、スタートポジションに戻していく動作を脱力しておこなってしまうと胸ではなく身体の軸で引く力を受け止める形になり、結果として身体は前後にぶれてしまいます。

基本のフォームをもう一度見直すというのも手ですね。

インクラインベンチを使う

どうしても身体が前後してしまうという方はインクラインベンチを使うと強制的に身体を固定することができるのでオススメです。

中部を狙う場合はインクラインベンチを90度に立てて背中を支えるようにしてケーブルを引きつけましょう。

滑車の位置は座った時点での胸の位置似合わせるようにしてくださいね。

余談になりますが、筆者はトレーニングを始めたての頃に胸を使うという感覚が掴めず、どうしても腕や肩を使ってしまうという悩みを抱えていましたが、この方法で胸を使うという感覚が初めて掴めました

一度感覚が掴めてから、今まで何をやっても成長しなかった大胸筋がトレーニングを繰り返すたびに少しずつ大きくなっていく。という嬉しい経験で、トレーニングにおける喜びを存分に味わえた私には思い入れのある種目です。

もちろん個人差はあると思いますが、大胸筋を使う感覚が掴めず悩んでいるという方にもぜひおすすめしたい方法です。

 

7. まとめ

ケーブルクロスオーバーの記事はいかがだったでしょうか?
少しでも今後のトレーニングの参考になっていれば幸いです。

最後にケーブルクロスオーバーの重要なポイントをおさらいしましょう。

  • 肩甲骨を寄せて下制する
  • ケーブルと引く方向を一致させる
  • 身体を前後せず安定させて大胸筋だけでケーブルを引く
  • パンプアップを狙って低重量高回数のトレーニングにする
  • 胸の種目の終盤でおこなう

序盤で紹介したPOF法は何も大胸筋をターゲットにしたトレーニングだけに有効なものではありません。

背中や脚、肩や腕に至るまでほとんどの部位を鍛える上で非常に有効な考え方ですよ!

この記事をしっかり読んでマスターしたら他の部位のトレーニングでも、「この種目は筋肉が伸びたところで負荷がかかるからストレッチ種目かな?」という風に考えながらぜひ応用してみてください。

きっとあなたのトレーニング効率を加速させるテクニックの一つとして活躍してくれるはずですよ!