ダンベルフライ徹底解剖 大胸筋を追い込む!基本やコツについて解説

筋トレ

ダンベルフライといえば大胸筋を鍛えるフライ系の代表種目ですね。

皆さんの中にもすでに取り入れている。という方や、これから挑戦していこうと考えている方がほとんどだと思います。

代表種目になるだけあって、ダンベルフライは多くの海外ボディビルダーも取り入れていますし、初心者からプロフェッショナルまで多くのトレーニーに愛されている優秀な種目ですよ。

しかし一方で、初心者の方にとっては

「イマイチ胸に効いていない?」
「効果があるのか実感が持てない。よくわからない。」

といったような意見も挙がりやすい種目です。

一見シンプルな動作に見えて実は奥が深い種目ダンベルフライをしっかり理解していただくため、この記事では

・ダンベルフライの概要
・大胸筋の構造
・ダンベルフライとダンベルプレスの違い、POF法概要

等で大枠を理解していただいた後、

・具体的な方法論
・重量と回数設定
・起きがちな問題と解決法

について更に詳しく解説していきますよ!

既に大胸筋フライ系種目としてガッツリ取り組んでいる方もしっかり読み込んで確認、復習にお役立てください!

またこれから取り入れようかな?と悩んでいる方はこの記事で基本中の基本から学ぶことでダンベルフライはもちろんのこと、多くのトレーニングに共通する考え方やコツのようなものを身に着けて頂けるはずです!

それではいきましょう!

 

 ダンベルフライ概要

ダンベルフライをまだ良く知らない、という方のためにこの章では種目の概要について解説していきます。

既に取り入れているという方はこの章は飛ばして読んでいただいて構いませんよ!

どんな種目なの?

ダンベルを保持した状態でベンチ等に寝てウェイトを下ろすことで大胸筋にストレッチ刺激を与える種目です。

このあたりはやったことがない方でもほとんどの方がご存知かもしれませんね。

ダンベルフライで勘違いしてしまいがちなのは、「ダンベルを腕を伸ばして持ち上げる」という認識です。この認識は正しくありませんよ!

ではどういう意識が正しいのか、この記事が読み終わる頃には理解していただいているはずですよ!

トレーニングにおけるダンベルフライの位置づけ

大胸筋を鍛えるための特にフライ種目として最有力という位置づけで多くの方が取り入れるメジャーな種目です。

著者自身もトレーニングを開始した段階で何故かなんとなく知っていた記憶がありますし、それだけ知られた種目ということでしょう。

一方でいまいち効果を実感できないままなんとなく効くらしいという認識で続けている人も実は多い種目です。

しっかり順を追って考えればそういった問題は解消できるのでご安心を!

メインターゲットとなる部位

ダンベルフライは一つの関節しか稼働しない単関節種目であり、メインターゲットとなる部位は大胸筋の一箇所のみです。

中には三角筋前部(肩の前側)に効いてしまう。という方もいらっしゃるかもしれませんが、そういったターゲットのズレの修正に関してもこの記事で解決していきますよ。

 

ターゲットとなる筋肉の構造

ダンベルフライのターゲットになる大胸筋の構造について詳しく見ていきましょう。

なぜ構造を学ぶ必要があるのか

大胸筋は胸にある筋肉でしょ?

という程度の認識では、大きく筋肉を成長させられるかどうかがある意味博打になってしまいます。

筋肉がどのような構造をしているか、ということを理解せずしてなんとなくこの種目が良いらしいというトレーニングへの向き合い方では確実な成長は見込めないのです。

なぜなら同じ種目でも別の筋肉を使ってすすめることができてしまうから。

ベンチプレスで考える起きがちなミスの例

例えばベンチプレスの例を見てみましょう。

ベンチプレスは本来主に大胸筋をメインターゲットにした複関節種目ですね。

もちろん複関節種目ですので大胸筋以外にも多くの筋肉が稼働されますが、一番刺激を入れたいのはスタンダードなベンチプレスであれば大胸筋です。

ところが、

「ベンチに寝てバーベルを持ち上げる」

という動作は大胸筋を使わなくても、できてしまいます。

よくやってしまいがちなミスとしては上腕三頭筋に刺激のほとんどが逃げてしまうパターン

上の画像のように大胸筋の収縮ではなく、上腕三頭筋の収縮によってでもはたから見れば似たような動作になってしまいます。

これでは、本来のターゲットに刺激が与えられず、いつまでたっても得意な部位以外成長しない。という結果を招いてしまうのです。

つまり、ベンチプレスによって大胸筋を鍛える場合「ベンチに寝てバーベルを大胸筋の収縮によって)持ち上げる」ことが必要なのです。

当然のように聞こえるかもしれませんが、驚くほどこのミスは起きがちです。

根本的な原因とは

これは何もベンチプレスに限った話ではありません。

トレーニングにおけるほとんどの種目において、多かれ少なかれ初心者の方がやってしまいがちな現象なのです。

そしてこの現象の根本的な原因は、「ターゲットとなる筋肉の構造」を理解していないことにあります。

裏を返せば、しっかりと構造を理解し、理解した構造に沿った動作、意識を心がけることで的外れなトレーニングは無くせるはずなのです。

大胸筋の構造

大胸筋

起始:鎖骨、胸骨、腹筋の一部
停止:上腕骨外側
作用:腕を起始方向に動かす、腕を内側に捻る

起始、停止、作用

起始と停止という言葉はこのサイトでは馴染み深く、解説に必要不可欠なものとなっていますが、このサイトに初めていらっしゃった、という方にとっては馴染み深いものではないかもしれませんね。

「起始」とは筋肉の起点であり、主に骨格のどこに付着しているかというポイントを指しています。

対して「停止」は終着点、こちらも主に骨格のどこかについています。

これら二点(あるいは複数点)にかけて走っている筋肉が縮まることで起点である「起始」に向かって終着点である「停止」を近づけるような動きをします。

それぞれの筋肉が持つこの役割を「作用」と呼びます。

これらを把握することでその筋肉はどこからどこについているのか、どのような役割を持っているのかが理解できますよ。

この感覚がつかめてくると筋肉の起始と停止を見ただけでその筋肉の作用、どのようなトレーニング、つまり負荷のかけ方をすればその部位が発達するかがわかるようになってきます。

大胸筋の起始、停止、作用

大胸筋の起始、つまり始まりは「鎖骨、胸骨、腹筋の一部」と大きく分けて3方向に付着しています。

対して停止は上腕骨の外側に収束しています。

筋肉は収縮によって停止を起始に向けて近づけるのでしたね。

つまり大胸筋は上腕骨、腕の骨を鎖骨、胸骨、腹筋方向の大きく分けて3方向に動かす、あるいは腕を内側にひねるための筋肉です。

大胸筋停止から見て起始が3方向に分かれている珍しい筋肉です。

確かに起始が複数点ある筋肉は多くありますが、その方向が分かれる筋肉は決して多くありません。

ここが特徴的であり、鍛える際にも「起始に向かって停止を引きつける。」という筋肉の構造上、上部、中部、下部と3方向に分けてのトレーニングが最も効率的であることが理解して頂けるのではないでしょうか。

 

ダンベルフライの基本フォームとポイント

大胸筋の構造は概ね頭に入りましたか?

それではいよいよ基本フォームの解説に入っていきます。

全体を通してのポイントは前章で触れたとおり、負荷を他部位に逃さないための工夫です!

とくに単関節種目であるダンベルフライはいかに負荷を大胸筋だけに集中させるかがトレーニングの肝になります!

ダンベルフライ|スタートポジション

・ダンベルを両手に持ちベンチに座る
・膝を使ってダンベルを持ち上げつつベンチに寝る
・ダンベルを向かい合わせる形で挙上する
【ポイント】

オンザニー

ダンベルを持ってベンチに座ります。

スタートポジションまで体を持っていく際には、「オンザニー」というテクニックを使うことで怪我や故障のリスクを抑えられます。

オンザニーとは体をベンチに倒すのと同時に膝を蹴り上げ、膝の上に乗せたダンベルをスタートポジションまで持っていくテクニックです。

「オンザニー」なんていうと大げさですが、要は膝を使ってダンベルを持ち上げるだけですね。

軽い重量では必要ありませんが、後々重量が上がってきた際にこのテクニックがないと、無理なスタートポジションへの移行で肩関節に負担がかかり、怪我や故障の原因になってしまいかねません。

軽い重量のうちから当然のようにクセづけておくことで後々の大きな事故を未然に防ぐことができますよ!

肘の角度

ダンベルを向かい合わせるようにして持ち上げますが、この際に肘はまっすぐではなく、若干曲げた状態を保つようにしましょう。

また、この角度はダンベルフライの動作中固定です。

これは主に肘の怪我や故障を避ける目的と、切り返しの際に負荷を抜かない目的があります。

大胸筋に負荷を集中させる準備

大胸筋に負荷を集中させるため、つまり肩や二頭筋など他の部位に負荷を逃さないために準備をしましょう。

肩甲骨を寄せて胸を張り出すようなスタートポジションを作ります。

少しダンベルを揺らしてみた際に刺激を真っ先に大胸筋に感じられるようなら、スタートポジションは整っていると言えるでしょう。

トレーニングでは初動で負荷がかかった部位に動作中負荷が集中しやすい傾向にあります。

悪い例でいうと初動で肩に負荷がかかるようなフォームでは途中から刺激を胸に移すのは難しいということですね。

しかし、裏を返せば初動で大胸筋に刺激を入れてしまえば動作中も大胸筋が稼働されやすいとも捉えられます。

特に大胸筋に刺激を入れるのが苦手という方は多いかもしれません。

これは日常生活でよく使う腕や脚に比べて意識するシーンが少ないため、動かす感覚がわからないという原因が大きく関係してます。

しかし、初動だけで良いならハードルが下がった気はしませんか?

また肩甲骨を寄せて下制し、胸を張ったポジションはダンベルフライ中常にキープすることが重要ですよ!

まとめ

・「オンザニー」でダンベルを上げる

・肘は若干曲げた角度を保つ

・肩甲骨を寄せて胸を張り出す

ダンベルフライ|ダンベルを下ろす

・ゆっくりコントロールしながらダンベルを下ろしていく
【ポイント】

コントロールすることの重要性

後ほど詳しく解説しますが、ダンベルフライはストレッチ種目です。

つまり、ダンベルを持ち上げるポジティブ動作(負荷がかかりながら筋肉が縮むような動作)より、ネガティブ動作(負荷がかかりながら筋肉が伸ばされるような動作)を重視すると効果が出やすい傾向にあります。

やってしまいがちなミスとして持ち上げる動作に意識を集中してしまい、下ろす動作がおざなりになってしまうこと。

ストンと重力に任せてダンベルを落とすように下ろしてしまうことは絶対にしてはいけません。

これではダンベルフライの効果は半減どころか、肩への負担にもなってしまいかねません。

大胸筋を緊張させたままの状態で、重力によって徐々にストレッチされる感覚を最重要視してください!

よりストレッチをかけるために

ここでも大胸筋を張り出した状態を作ることが重要です。

そもそもストレッチした状態、最もここで作りたい状態とはどんな状態なのかを理解しておく必要がありますね!

最もストレッチした状態とはつまり、

「最も起始と停止が遠い状態」

です!

大胸筋中部をメインターゲットに捉えてダンベルフライをおこなう場合、起始である胸骨から停止である上腕骨が可能な限り離れた状態を作る、またそのポジションに向かってウェイトを下ろしていく必要があります。

これを実現するためにはやはりここでも肩甲骨を寄せて胸を張り出した状態が欠かせませんよ!

まとめ

・コントロールし、ネガティブ刺激を感じつつ下ろす

・✗「ただ腕を広げる」

・○「起始と停止が離れたポジションに向けてウェイトを下ろす」

ダンベルフライ|切り返しスタートポジションに戻る

・  切り返す
・スタートポジションに戻る
【ポイント】

やってしまいがちなミス

よくやりがちなこととして、せっかく腕を開くような軌道でダンベルを下ろしてきたのにも関わらず、直線的にダンベルを挙げてしまうことがあげられます。

ここでの理想的な動作は大木を抱えるようにしてダンベルを持ち上げるイメージで、スタートポジションで作った肘の角度を保ったままなるべくダンベルを遠回りうさせるように持ち上げましょう!

動作中負荷を抜かない

ダンベルフライの一連の動作中に負荷が抜けるポイントを作らない工夫も、より高いレベルでダンベルフライをすすめるためには重要です。

といっても下ろしている途中や、挙げている途中に負荷が抜けるということはあまりありません。

負荷が抜けやすいタイミングはズバリ“切り返し”です!

初心者の方ほど切り返し動作で一段落ついてしまいがちですが、一段落つくということは休憩できるポジション。つまり、負荷が抜けてしまっているポジションを作ってしまっていると解釈できます。

トレーニングの最終盤なら仕方ありませんが、最初の1〜5回であるとか、早い段階で休憩が必要になる場合、ダンベルフライとしては重量が重すぎる可能性があります。

正しいフォームでストリクトなトレーニングを、かつ負荷を抜かずにおこなった場合、今まで扱えていた重量から大きく重量が下がってしまうことは確かにあります。

しかし、狙った部位にどちらが重量を乗せられているかというと間違いなく後者のはずです。

より重い重量を上げる目的でおこなうならそれも良いですが、あくまで体づくりを目的とするなら重量は関係ない。と割り切って思い切って重量を落とすことも必要ですよ!

 

ダンベルフライとダンベルプレスの違い

ダンベルフライと似た種目にダンベルプレスがあります。

ダンベルプレス、ダンベルフライの使い分けについて気になっている方も多いではないですか?

この章ではダンベルフライとダンベルプレスの違いを解説することでトレーニングに共通する種目構成についてPOF法を使って説明していきます!

 

ダンベルフライVSダンベルプレス比較
ダンベルフライダンベルプレス
POF法における分類ストレッチ種目ミッドレンジ種目
扱える重量軽い重い
使用関節単関節種目複関節種目

 

主な違いを上記の表にまとめてみました。

違いはわかったけれど、これだけ見てもどちらが筋肥大するのかなんて判断できませんよね。

当然です。

ここはPOF法というスキームに則って考えてみましょう。

POF法に則って考える

POF法における分類とありますが、そもそもPOF法とは何かについて軽く触れておきます。

POFとは「Positions Of Flexion」の略称であり、直訳で「屈曲位置」を意味しています。

トレーニングにおいては同じ部位であっても、どの種目をどのくらいおこなえば筋肥大するのか迷ってしまうところですが、このPOF法に則って考えることでその悩みは解決できますよ。

全てのトレーニング種目は最大負荷がかかるタイミングによって大きく3つに分けられます。

この3つに分けた種目をそれぞれおこなうことで、バランス良く種類の違う刺激をターゲットに入れることができるという考え方がこのPOF法なのです。

 

ミッドレンジ種目

トレーニング動作中盤で最大負荷がかかる種目

例)ベンチプレス、スクワット、ダンベルプレス

ストレッチ種目

トレーニング動作中筋肉が最大伸展したタイミングで負荷が最もかかる種目

例)ダンベルフライ、インクラインダンベルカール

コントラクト種目

トレーニング動作中筋肉が最大収縮したタイミングで負荷が最もかかる種目

例)ケーブルプレスダウン、トライセプスエクステンション

 

また、それぞれの種目には目的や狙いがあります。

ミッドレンジ種目

大きな重量を扱うことで機械的で大きな負荷をかける。

大きな重量を扱うため予備負荷が少ない状態でおこないたい→POF法においては最初に持ってくるのがセオリー

ストレッチ種目

負荷をかけながら筋肉を伸ばすことで物理的な負荷をかける。

POF法においてはミッドレンジ種目とコントラクト種目の間でおこなう場合が多い

コントラクト種目

継続的に負荷をかけることでパンプアップを促し、科学的な刺激を与える。

低重量高回数、パンプアップを狙う→最後に持ってくるのがセオリー

 

以上の3つのアプローチから、ターゲットである筋肉に刺激を加えることで効率的に成長させることができるというわけですね。

POF法におけるダンベルフライとダンベルプレス

さて、POF法におけるダンベルフライストレッチ種目でした。

対してダンベルプレスミッドレンジ種目

それぞれ種目、負荷がかかるタイミングが違うため同列で比べる種目ではなく、違う役割を持ったトレーニングと捉えられることがおわかりでしょうか?

また、ストレッチ種目であるダンベルフライ単関節種目であり、大胸筋だけに刺激をフォーカスしやすい反面大きな重量を扱うのに適していません。

対して、ミッドレンジ種目であるダンベルプレス副関節種目、大胸筋だけでおこなうのは難しい代わりに比較的大きな重量を扱うことができますね。

これらは全てPOF法における種目ごとの役割に準じています。

どちらがオススメ?

結論として、どちらがおすすめです。というものはありません。

それぞれの種目の役割をしっかり分けて考え、どちらも取り組むことが重要です。

また、POF法にはコントラクト種目もありますね。

ダンベルプレス、ダンベルフライに加えてコントラクト種目であるケーブルプレスダウン、トライセプスエクステンションなどの種目と組み合わせて最後にパンプアップで仕上げることで大胸筋の筋肥大効率は最大になるはずですよ!

 

ダンベルフライの重量設定

ダンベルフライの重量設定についても触れておきますね!

大前提としてトレーニングにおいて何キロでやるのが良い!ということはありません。

これは当然ですが、個人差があるためここで何キロという具体的な数字は挙げられないということですね。

それでは何が目安になるのかというと、回数です!

ストリクトなフォーム、つまり他の部位を使わないかつ負荷を抜かず正しいフォームで何回程度おこなえる重量設定にするか、というのがこの章の議題になります。

ダンベルフライは重量を重くしてしまうと肩への負担が大きくなり故障のリスクになってしまいます。

そのため、高重量低回数のトレーニングはおすすめできません。

また、筋肥大を狙うトレーニングの場合概ね回数は8~13回程度で限界がくる重量設定が効果的です。

これはダンベルフライも例に漏れません。

以上のことからダンベルフライの重量設定は

「ストリクトなフォームで8~13回程度おこなえる重量」

が安全かつ効果的ですよ。

 

起きがちな問題|ダンベルフライで肩が痛くなってしまう

ダンベルフライで起きがちな問題の一つに肩が痛くなってしまう

もしくは肩に負荷が逃げてしまうというものがあります。

この問題の考えられる原因と対策についても見ていきましょう!

全く心当たりがない!という経験者の方は飛ばしていただいて構いませんよ!

・胸が張れていない
・重量が重すぎる
・下ろす動作でコントロールできていない
・オーバーストレッチ

以上の4点が、ダンベルフライで肩が痛くなってしまう方がやってしまいがちな問題です。

胸が張れていない

ダンベルフライは大胸筋のストレッチ種目であり、ストレッチポジションで大胸筋の起始と停止をいかに離すかが一つのポイントになっていると述べました。

また、起始と停止を最大限離そうとした場合、必然的に肩甲骨が寄り、胸を突き出すようなポジションになるのも既に解説したとおりです。

しかし、いざダンベルフライになった途端、胸が張れず肩を突き出すような姿勢でダンベルを上下してしまうという問題は起きがちです。

肩が張り出した状態で負荷をかけても三角筋の前部がストレッチしてしまい、負荷が逃げてしまう。肩が痛くなるなどの問題を引き起こしてしまいます。

対策として、「ダンベルを上下する」という意識ではなく、「大胸筋をストレッチする」という意識でダンベルフライに挑むことで胸が張れていないという問題は解決できるはずです。

重量が重すぎる

扱っている重量が重すぎるというのも肩を痛めてしまう原因になります。

自分の大胸筋だけでフライ動作をできない重量を手にした場合、ほとんどの方が

「重すぎる→重量を落とす」

ではなく、

「他の部位も使って挙げる」

という選択を無意識に選んでしまいがちなのです。

単関節種目で、大胸筋にフォーカスして刺激を与える目的があるダンベルフライにおいて、これは大きなマイナス要素ですし、肩のトレーニングのつもりで重量設定、回数設定をしていないため当然肩にも負担がかかってしまいます。

対策として、大胸筋だけでダンベルフライをおこなう感覚を養うために、1kgなどまず極端に軽い重量で動作を繰り返し徐々に重量を上げていくというアプローチがおすすめです。

特にダンベルフライに限らず多くのトレーニングに言えることですが、フォームの確認、整理をせずになんとなくトレーニングを進めたところで、効果が出るか出ないかはギャンブルでしかありません。

いくら知識があっても、実際に体を使ってできるかどうかとは別問題なのです。

これは今までスポーツをされたことがある多くの方に共感頂けるのではないでしょうか?

そんな時スポーツであれば対策はイメージし、そのイメージに近づくため体に刷り込んでいく練習しかありませんよね。

実はトレーニングも同じです。

しっかりこの記事でイメージと知識を得たら次はそれを体に落とし込むというアプローチが必要であり、そのためにあえて軽い重量で整理しながら練習するというということを繰り返すことでトレーニング全体を通してうまくなっていくはずですよ!

下ろす動作でコントロールできていない

ダンベルを下ろす動作においてコントロールを失い、勢いでダンベルを下ろしてしまうと切り返しの際に大きな負荷が肩にかかってしまう場合があります。

ストンと重力に任せてダンベルを下ろすのではなく、ダンベルをコントロールしながらネガティブ刺激を大胸筋に与えることが重要だと先程解説しましたね。

あくまで大胸筋に刺激集中させるためには大胸筋から常に負荷を抜かず、コントロールを失わないことが必要なのです。

オーバーストレッチ

自分の大胸筋の可動域、最大伸展を越えて無理にストレッチをかけてしまった場合、二次的に肩のストレッチ領域に入ってしまいます。

この問題も、軽い重量で胸のストレッチ感を確認しながらダンベルフライを練習することでフォームが安定し、回避できる問題ですね。

また、オーバーストレッチは重量が重すぎること、下ろす動作でしっかりダンベルのコントロールをできていないことが原因でも起きてしまいます。

 

問題となる動作は、単体ではなく副次的に連動して起きてしまっている場合がほとんどですので、この記事で解説した正しいフォームを一つずつ確認しながらおこなうことで悪い癖を網羅的に解決するアプローチが問題解決の近道です。

 

まとめ

ダンベルフライの記事はいかがでしたか?

いくつかツボを抑えてしまえば、シンプルな動作で効果が見込める素晴らしいトレーニングであることがわかっていただけのではないでしょうか。

ダンベルフライの肝

・大胸筋の起始と停止を最大限離す意識
・胸を張り、肩甲骨を寄せておこなう
・自分にとって重い重量は避ける
・ダンベルをコントロールしつつネガティブ刺激を重視する

でしたね!

筋トレというのはある意味穴の空いたバケツに水をため続けるようなもの。

継続しなければバケツからは水が抜け続けるばかりで、いつまで経っても体は大きく成長できません。

そういった意味では強制的にトレーニングを休まざるをえない怪我、故障こそ最も避けるべきものなのです。

なんとなくのフォームでただ重い重量を扱うトレーニングから、戦略的で知識に基づいた効率の良いトレーニングへの移行の手助けにこの記事がなってくれれば幸いです。

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