太くてたくましい脚は、トレーニングを熱心にされている方であれば憧れる方も多いのではないでしょうか?

しかし一方で、スクワットは鍛え上げてもほとんどズボンに隠れてしまい、なおかつトレーニングは上半身と比べてハードです。

「スクワットはきつい割に、ズボンに隠れてしまうから鍛えても鍛えなくても意味が無いのでは?」という疑問や、
「膝や腰の故障・怪我が怖い」というような悩みもよく聞きます。

トレーニングを熱心にされている方の中でも下半身のトレーニングをするかしないかと言うのはよく議題に上がるテーマですが、下半身をスクワットで鍛えることで、太くたくましい脚が手に入ることに加えて実は多くのメリットを享受できます!

この記事では、スクワットをトレーニングに取り入れるか取り入れないかの判断に役立つメリット・デメリットの解説や、怪我・故障の予防に役立つ重量設定、正しいフォーム、コツの解説をおこないます!

しっかり読み込むことで下半身だけでなく全身のバルクアップにも効果的で、ダイエット効果も絶大なスクワットをマスターできます。

まだメニューに取り入れたことのない方や、今までなんとなく敬遠してしまっていたという方、既にトレーニングに取り入れている方の再確認まで、この記事をぜひしっかり読み込んでスクワットをマスターしてくださいね!

 

1.スクワットとは?

トレーニングにおけるスクワットの位置づけ

以前解説した「ベンチプレス」、「デッドリフト」(それぞれリンクの挿入お願いします。)の2種目に「スクワット」を加えた3種目は、トレーニングにおける“BIG3”と呼ばれています。

主に大胸筋など上半身前面をターゲットにする「ベンチプレス」、背筋群など上半身背部をターゲットにする「デッドリフト」そして今回のテーマである、下半身全体をターゲットとしている「スクワット」で全身が網羅できてしまいます。

パワーリフティングの競技においても、この3種目の合計を競うことが多いこと、下半身の筋肉は、全身の筋肉の約70%を占めていると言われており、その下半身を鍛えるメインの種目であることなどから、非常に重要度の高いトレーニングとして位置づけられています。

どんなトレーニングなの?

簡単にいうと、重りを担いで、屈伸運動をおこない、下半身を鍛える種目です。

効果は多岐にわたりますが、

  • お尻の筋肉である「大殿筋」広背筋
  • 脚の前部に位置する「大腿四頭筋」
  • 脚の背部に位置する「ハムストリングス」

の3ヶ所が主なターゲット部位です。

上記の部位の他にも、下半身には筋肉が密集していますが、そのほとんどを総合的に鍛えることが可能です。

多くの筋肉が動員されるトレーニングですので、特定の筋肉と単関節を使うアイソレーション種目ではなく、複数の筋肉や関節を使うコンパウンド種目に分類されます。

全身の70%を占めるとも言われる下半身の筋肉を網羅して鍛えられ、扱える重量も高重量ですので、正しいフォームとコツをしっかり抑えれば非常に効率的で、有効な種目になります。

スクワットの語源

スクワットは英語表記すると「Squat」となります。

「しゃがむ」、「うずくまる」と和訳するのが最も一般的です。

このトレーニングの動きをそのまま表現していますね!
余談になりますが、スクワットの動作には「しゃがむ、うずくまる」動作と「立ち上がる」動作が含まれています。

ポジティブ動作(縮みながら力を発揮するような動作)である、立ち上がるに主眼を置く方も多いかもしれませんが、実は、高重量を扱うスクワットでは特にネガティブ動作(伸びながら力を発揮するような動作)による負荷も非常に重要です。

「Stand up」ではなく、「Squat」と表現されるようになったのは、このトレーニングの本質を指し示しているのかもしれませんね。

 

2.下半身を鍛えるメリット・デメリット

具体的な方法論に入る前に、悩まれている方も多い議題、下半身を鍛えるメリット・デメリットについてここでは説明していきます。

デメリット

まずはデメリットから解説します。
良い効果が大きく期待されますが、一方でデメリットもいくつか存在します。
両方把握した上でメニューに取り入れるかどうかの判断に役立ててくださいね。

デメリット1 キツい!

これは多くの方がまっさきに思いつくデメリットではないでしょうか?
スクワットを一度でもトレーニングに取り入れた事があるという方はもちろんご存知のことと思いますが、下半身のトレーニングは非常にハードです。

そもそも筋力トレーニングは、簡単に言うと筋肉を傷つけ、その反動による回復を利用して筋肉を強くしていく行為です。

肩、腕、胸、背中など他の部位に一日を割いてトレーニングを割く方もいらっしゃると思いますが。

下半身には一般的に全身の筋肉の6〜7割が集中しているので下半身の日だけ、動員され、傷つけられる筋肉の比率が他の日と比較して非常に多いことがわかります。

また、単純に筋肉の量が多いことから運動中に供給する必要のある酸素量、血液量が多いのでなおのことハードです。

以上のことから「キツい!」というデメリットに関しては基本的に避けようがありません。

デメリット2 膝や腰の怪我・故障リスク

既に故障しているケースと、そうでないケースここでは2つのケースについて考えてみましょう。

まず、膝、腰を既に故障しているという場合、もしくはヘルニアなどなにかしらの持病を持っている場合、スクワットは避けたほうが無難でしょう。

たしかにスクワットという競技はコンパウンド種目(多関節種目)で、高重量を扱えるので、効率的に下半身を鍛えられますが、他の種目でも補うことは十分可能です。

ボディビルダー、フィジーカーの中にもスクワットをおこなわず、大腿四頭筋であればレッグエクステンションやレッグプレス、ハムストリングスはレッグカールというようにアイソレーション種目(単関節種目)で太くたくましい脚をつくりあげているという選手も多数います。

下半身を鍛えるアプローチは絶対にスクワットでないといけない。ということは無いので、故障や怪我を既にしてしまっている。という方は無理に高重量を扱わず、無理のない範囲で別の種目をおこなうことをおすすめします。

それ以外の方に関してはスクワットによる怪我や故障は、フォームに問題があるケース、身の丈を大きく超えた重量を扱うことでフォームを崩してしまっているケースがほとんどです。

後ほど解説する正しいフォーム、重量設定を身につけることでリスクを最大限まで下げられますよ。

それでも怖いという方は、パワーベルトや膝のサポーターなど補助器具の使用をおすすめします。

デメリット3 筋肥大効率

特に初心者の方が見落としがちなポイントです。

筋肉を動かす為に心臓から血液を送り込む必要がありますが、特に脚部や背中のように大きな筋肉はそれに比例して必要な血液量が多く、もし無限に筋肉が大きくなると心臓は負担に耐えられません。

そこで全体の供給が無理なくできるほど心臓が強くなるまで、筋肥大には制限がかかってしまいます。

つまり、身体全体でみて、一定期間に筋肥大させられる限界値というものが存在するわけです。

これは同じトレーニングをしていても筋肥大の効率に差が出ることの大きな要因の一つで、もともと心臓が強い方や運動経験が豊富な方ほど筋肥大させやすい傾向にあります。

例えば大胸筋を大きくさせる目的でトレーニングをしている方がスクワットを積極的におこなって下半身を大きくすることで、下半身のトレーニングをおこなわなかった場合と比べて本来の目的である大胸筋の肥大を遅らせてしまう可能性があります。

理想とする身体や目的によっては下半身を鍛えることがデメリットになってしまうと考えられるでしょう。

メリット

主なデメリットについてはご理解頂けましたでしょうか?
続いてメリットについて解説します。

メリット1 かっこいい!

個人の価値観の領域で、中には下半身がごついのがカッコ悪い。と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、著者個人的には下半身を鍛える理由はここに尽きます!

上半身の発達と比較して下半身が全く発達していないという方もジムではよく見かけます。もちろん、トレーニングを仕事にしている方以外は趣味の領域なので、そのことに関して揶揄するつもりはありませんが、

いかがでしょうか?
惜しいですよね。
かっこいい上半身をしていても下半身が貧相だと、少し残念な印象になってしまいます。

本場アメリカでは「チキンレッグ」という言葉もあり、上半身だけでなく下半身も鍛えることは非常に重視されています。

メリット2 痩せやすい

ランニング、トレーニングなどの「身体活動」によって消費するエネルギーは、1日に消費する総エネルギー量のうち20〜30%と言われており、ほとんどのエネルギーは「基礎代謝」によって消費されます。

そしてこの基礎代謝の大きな範囲を占めるのが筋肉です。

加齢によって太りやすくなってしまったり、女性の方が男性よりも太りやすく痩せづらいことというのは筋肉量が少ないことや、もともとあった筋肉量が落ちてしまうことで基礎代謝が減少してしまうことが主な原因なのです。

下半身の筋肉が全身の筋肉の6〜7割を占めているという話は先程もデてきましたが、ここではもう少し細かく見ていきましょう。

細かい数字はここでは割愛しますが、通常筋肉毎の体積は、

1. 大腿四頭筋

2. 大殿筋

3. ハムストリングス

4. 三角筋
5. 大胸筋
6. 上腕三頭筋
7. ヒラメ筋

8. 広背筋
9. 僧帽筋
10. 上腕二頭筋

この様な順の大きさで並んでいます。

TOP10の内、スクワットのメイン種目となりうる筋肉だけでも、TOP3独占含む4部位が当てはまっていますね。
加えてコンパウンド種目ですので、補助的に全身の筋肉が動員されます。

全身の筋肉からの比率で見てもいかに大きいか視覚で理解で来たのではないでしょうか?

これだけの大きな筋肉ですから基礎代謝上昇を狙うのであれば最も効果的な部位であることは言うまでもありません。

減量や、ダイエットを目指す方は下半身のトレーニングが最優先でおすすめです。

メリット3 成長ホルモンの分泌

成長ホルモンとは「若返りホルモン」とも呼ばれる筋合成、脂肪分解、肌の修復、再生など、身体を作るために不可欠なホルモンです。

この成長ホルモンは、大きな筋肉を高重量で動かすほど分泌が促進され、ベンチプレス、デッドリフトなど、の種目も非常に有効とされていますが、中でも最も分泌される効果の大きいのが大きな筋肉を動かし、高重量を扱える
スクワットでしょう。

更にスクワットはターゲット部位である、「大殿筋」「大腿四頭筋」「ハムストリングス」以外にも補助的に多くの筋肉が動員される種目です。

デメリット3として挙げた筋肥大効率と矛盾するようですが、成長ホルモンの分泌によって他の部位にも筋肥大を促す効果があり、トレーニングの効率化がはかれます。

特に上半身のトレーニングを今まで続けてきたけど、スランプに陥ってしまった。という方は突破口として下半身のトレーニングを採用してみてはいかがでしょうか?

結局スクワットはしたほうが良いの?

メリット・デメリットについては把握できたのではないでしょうか?
スクワットを採用するか、下半身のトレーニングをおこなうかどうかについては、目指す身体や目標、目的によります。

もし先ほど説明したメリット・デメリットに鑑みて、スクワットをしよう!という気になった方はこれから重量設定や、怪我をしにくく効果的なフォームなど具体的な説明をしていきますのでしっかり読み込んで、スクワットの技術を身につけてくださいね!

 

3.スクワットの重量設定

スクワットの具体的なやり方を解説する前に、重量設定と回数設定についてここでは説明します。

目的毎の回数設定

トレーニングの目的とそれに適した回数設定というものが存在します。

下記の表は目的別の推奨回数を示したものです。

強度(最大筋力に対する割合のパーセンテージ) RM(最大反復可能回数) 主な効果
100 1 神経系の発達・筋力強化
95 2
93 3
90 4 神経系の発達・筋肥大・筋力強化
87 5 筋肥大・筋力強化
85 6
80 8
77 9
75 10-12
70 12-15 筋肥大・筋力強化・筋持久力強化
67 15-18 筋持久力強化
65 18-20
60 20-25
50 30-

以上のようになります。

表左の強度の列は100%が1回だけ反復できる重さを表しており、そこから95,93と100%の重さに対する割合が表されています。

筋力と筋量は概ね比例するものの、完全に比例はせず、より的確に目的に向かうためには回数を分ける必要があります。

例えば筋肥大を目的にするのであれば、4-15回の挙上が限界である重量設定で1セットを組むことが推奨されています。

更に、例えば筋肥大と筋力強化、筋持久力強化と筋肥大というように領域が重複しているため、より筋肥大という目的にフォーカスしたトレーニングをするためには、5-12回でセットを組むのが良いでしょう。

スクワットの扱える重量を伸ばしたいのであれば、1セット1-4回で組むべきですし、脚の筋持久力を伸ばすことが目的であれば、15回以上で組むべきです。

重量設定

自分の目的に添った反復回数が上の表で概ね決まったのではないでしょうか?

次はその回数設定に従って重量を決める必要がありますね。

具体的な重量設定は、自分で試していく方法に加えて1RM(1回最大反復できる重さ)を計測した上で、RM換算表を使って概ねの重量設定をする方法があります。

RM換算表は例えば60kgで10回反復できるので、MAX重量は78kgだな、というように、使用重量と回数からMAX重量(1RM)を推測するための表ですが、それを利用してMAX重量から目的の反復回数に適した重量設定を導き出すことも可能です。

RM換算表

引用:BODIX https://bodix.jp/29322

表で見ると一目瞭然、78kgですね。

逆に、99kgがMAX重量の方が、筋肥大目的、例えば1セット8回で重量設定をしたい場合は80.0kgでセットを組むのが適切であるということですね。

あくまで参考値ですので、勧めながら自分で微調整をする必要があることに注意してください。

また、トレーニングの非常に重要な原理原則の一つに“斬進性の原則”というものがあります。

この斬新制の原則によると慣れてしまった刺激量では身体を成長させることはできません!
つまりトレーニングを有効にすすめるためには、常に自分の限界を少しずつ超え続ける必要があります。

最初の重量、回数設定として上の表やRM換算表は有効なものですが、それ以降に関しては前回の自分のトレーニングをメモしておいて、常にそこに停滞せず今回は1回多くやろう、今回は2.5kgだけ重くしてみよう。というように常に負荷をあげていく工夫が止めどない成長をつくります!

セット間のインターバル(休憩時間)も筋力強化のトレーニングほど高強度の為長くとる必要があり、強度が弱まるほどインターバルは短くとったほうが効果的になります。

 

4.ハイバー?ローバー?

具体的なスクワットの解説に入る前に、スクワットの種類についてここで触れておきましょう。

スクワットには大きくわけて「ハイバースクワット」「ローバースクワット」の2種類あり、初心者の方であればあまり見た目に違いがわからないこともあるかもしれませんが、それぞれ扱える重量や効果、ターゲット部位に違いがあります。

最も大きな違いはバーを担ぐ位置です。
ハイバースクワットは僧帽筋上部にローバースクワットは三角筋後部にバーを担ぎます。

このようにバーを担ぐ位置が変わることでフォームが変化し、効いてくる部位や扱える重量にも変化が出てきます。

 

違い1 扱える重量の差

ほとんどの方にとってローバースクワットの方がハイバースクワットよりも高重量を扱えます。

扱える重量
ハイバースクワット
ローバースクワット

いかに重い重量を挙上できるかを競うパワーリフティングの選手のフォームもローバースクワットを採用している場合が非常に多くなっています。

では、なぜバーを担ぐ位置を少し下げるだけで挙上重量に差が出るのでしょうか?

違い2  ターゲット部位

着目していただきたいのが、上半身の前傾角度の違いです。

ハイバーに比べてローバーのスクワットは前傾の角度が深くなっているのがおわかりいただけるのではないでしょうか?

後ほど詳しく解説しますが、スクワットの基本の一つに足の中心部から垂直のラインにバーを維持するというものがあります。

そのため、バーの位置が地面に近い位置になればなるほど上半身の前傾角度を深くする必要があるのです。

上半身の前傾角度が深くなることで股関節にストレッチがかかり、ハムストリングスをより活用できます。

Medicine & Science in Sports & Exerciseがハイバースクワット、ローバースクワッにおける大腿四頭筋、ハムストリングスにかかる作用の大きさを調べた実験の結果があります。
https://www.researchgate.net/publication/14427971_High-_and_low-bar_squatting_techniques_during_weight-training

大腿四頭筋 ハムストリングス
ローバースクワット 139 324
ハイバースクワット 191 230

ローバースクワットの方がハムストリングスに強い刺激が入っていることがわかります。

また、トータルを見比べると、ローバースクワット463、ハイバースクワット421とローバースクワットの方がより多くの筋出力ができています。

これらがローバースクワットのほうが大きな重量を扱える要因です。

ハイバー?ローバー?

先程の違いから当然効果にも差が出てきます。

大腿四頭筋 ハムストリングス、大殿筋
ローバースクワット
ハイバースクワット

つまり、大腿四頭筋をメインターゲットにしたい場合はハイバースクワット、ハムストリングス、大殿筋も同時に鍛えたい場合にはローバースクワットを採用するのが最も的確であると言えるでしょう。

ここで一つ注意したいのは、背中に関してです。
高重量を扱うスクワットでは、メインターゲットではないものの背筋群にも負荷がかかってしまいます。

特に、前傾姿勢を深くするローバースクワットにおいては、脊柱起立筋などの背筋群に大きな負荷がかかります。

また背筋群のメイン種目である、デッドリフトはハムストリングス、大殿筋などの筋肉にも大きな刺激が入ります。

 

以上のことから背中の日の翌日、もしくは前日にスクワットをおこなうという場合には、ローバーでなく、ハイバースクワットをおこなう
なるべく背中の日と脚の日を離し、間に胸の日を挟む
一日でデッドリフト、スクワットをおこなう場合にはハイバースクワットを取り入れ、背筋、ハムストリングス、大殿筋はデッドリフトで補う
など、多少の工夫が必要でしょう。

 

5.スクワット基本のフォームとポイント

スクワット|スタートポジション

  • ラックの高さを調整
  • バーを担ぐ
  • ラックアップ

【ポイント】

まず重要なのはバーを据え置くラックの高さです。

特に高重量になると、スクワットを終えてバーを戻す際に疲労からラックにしっかと戻しきれず事故になってしまう可能性があるので、多少余裕を持って、目安としては直立して前に立った際に自分の肩よりも少し下の位置にバーがくるようにしてください。

ただし、逆に低すぎるとラックアップ(ラックから持ち上げる)時に腰が前傾したまま持ち上げるような状態を引き起こします。

そうすると、まず腰に力が入った状態から開始することになり、正しい姿勢で
スクワットをおこなうことが難しくなります。

また、ターゲット部位では無い部位に疲労感が来てしまい、本来のターゲット部位である大腿四頭筋やハムストリングスを追い込めないまま種目を終了してしまう事態を引き起こしかねません。

目安はありますが、個人差がありますし、ハイバーかローバーかによってもラックの位置は異なります。

楽にラックアップ、戻せる範囲でなるべく高いラックの位置を探してみてください

足幅は肩幅よりやや広いくらいを目安とし、つま先の方向は約30度〜40度の範囲でやや開くようにしましょう。

スクワットをする際、特にローバーの場合には膝を外に開く必要があります。
この時、膝の向きとつま先の向きを一致させないと、ねじれた状態で大きな重量を上げることになるので膝に負荷がかかってしまいます。

ですので、つま先は膝の開く方向に合わせて開くようにしてください。

バーがぐらついていては安定したスクワットはできませんし、事故や怪我の原因になってしまいます。

肩甲骨をしっかり寄せた状態でなるべく固定する意識を持っておこないましょう。

スクワット|腰を落とす

  • 太ももが地面と平行になる位置まで腰を落とす

【ポイント】

先程も軽く説明しましたが、ハイバー、ローバー共に、バーが上下する軌道がミッドフット(足の中心部)から垂直に上げた線を通るように意識します。

上の写真は緑のライン(ミッドフットから出た垂直のライン)と黄色のライン(バーの軌道)に大きなずれがあります。

このように重心と負荷のベクトルが大きくずれてしまうと、腰や背中に大きな負荷がかかってしまいます

一般的に膝をつま先より出してはいけない。というのが通説となっていますが、一概にそうとは言い切れません。

一点は特に足の長さなどの個人の身体的特徴によるという点、もう一点はハイバースクワットなのか、ローバースクワットなのかという点です。

ローバースクワットの場合は状態の前傾がハイバースクワットよりも深い分、お尻を後ろに引き、ハムストリングス、大殿筋のストレッチから得る反発も利用して挙上するため、膝は基本的につま先のラインより前に出ることはありません。

しかし、ハイバースクワットの場合、ローバースクワットと比較して状態の前傾が浅いため、その分膝を前に出す事によって腰を落とします。

この際には、膝がつま先よりも前に出てしまっても問題はありません。

ハイバースクワットにおいてお尻を後ろに引き膝を前に出さないフォームにしてしまうと、バランスを取るため必然的に前傾姿勢が深くなり、バーの軌道と重心であるミッドフットとの距離が大きく空いてしまいます。

これがスクワットで腰を痛める大きな原因です。

まずどのような目的でどちらのスクワットを採用するかを明確にした上で、それにあったフォームでスクワットをおこなう意識が肝要になります。

 

もう一点注意していただきたいのは、胸を張りすぎないことです。
高重量を扱う際に、勢いをつけて持ち上げるため、ぐっと腰をそらし、胸を張るようにしてバーを持ち上げるフォームをしてしまう方が多くいらっしゃいます。

また、重さに負けてしまい、骨盤を後屈させることで猫背のような状態になることも起こりがちな間違いです。

骨盤から背中、バーまで前傾をしつつも一直線のラインをキープするように心がけましょう。

重さに負けてしまったり、無理な姿勢で挙げなければならない重量でセットを組むことはそもそもおすすめできません。

これはスクワットに限らずトレーニング全般について初心者の陥ってしまいがちな罠で、私自身このことをいつの間にか勘違いしていたばかりに数ヶ月分は損してしまったと後悔しています。

これからトレーニングに取り組むぞ!という方は特にぜひ知っておいて意識していただきたいことです。

ほとんどの方にとってスクワットの挙上重量を上げていくことが目的ではなく、たくましい脚を手に入れること、脚にしっかりと筋肉量をつける、ボディメイクが目的ではないでしょうか?

先程も触れた斬新性の原則から、成長し続けるために新たな刺激を入れる必要があるので、結果として挙上重量をある程度上げていかざるを得ないだけで、本来挙上重量を上げること、バーにたくさんの重りをつけることは目的ではなく、更に筋肥大をし、目標に近づくための経過でしかありません!

その点を間違ってしまうとその競技はうまくなっていって徐々に重量は上がるものの身体が変わらない。ということが起きてしまいがちです。

正しいフォームで的確にターゲット部位に効かせていくことで必ず身体は変わると断言できます。

何なら最初はバーだけでも構いません。
ダンベルであれば最も軽い重量でこの種目はどこに効いているのか、どのような動作をすればよりターゲットに刺激が入るのか、模索しながらトレーニングに励むようにすれば一気に成長できますよ!

スクワット|挙上

  • しっかりと脚で重さを受け止めたまま一気に持ち上げる

【ポイント】
最も背中が反ってしまいがちな局面です。

ここでも反ってしまわずに、背中を真っ直ぐ保てるよう意識してください。

一気に脚の力を爆発させるイメージで挙上しましょう。

筋肉は扱っている重量ではなく、一瞬の筋出力の大きさに反応します。
扱う重量は筋出力を上げやすい環境作りの一つでしかありません。
たとえ15kgのバーを持ち上げるとしても強く一気に持ち上げることで脚を成長させられますよ。

身体を下ろしてきて持ち上げる切り返しの際に、一度力を抜いてしまいがちですが、下方向にまだ重力がかかっている瞬間に切り返し、上げるようにすると緊張時間と出力を高められます。

こういった技術は他の種目にも応用できますので、ぜひ身につけたいですね。

スクワット|注意点まとめ

思っていたより、注意点が多く混乱されているのではないでしょうか?
スクワットは扱う重量が大きい上に全身運動で、効果の大きさと比例して注意点を押さえていないと怪我や故障の危険の多い種目です。

ここで状況ごとの注意点についてまとめておきます。

スクワットにトライする前にもう一度ここを見てから取り組んでくださいね!

【スタートポジション|注意点まとめ】

  • ラックの位置設定に気をつける
  • つま先を少し開き、膝の方向とつま先の方向を合わせる
  • 僧帽筋を寄せてバーを安定させる

【腰を落とす|注意点まとめ】

  • 重心とバーの上下軌道を一致させる
  • 腰、背中を真っ直ぐに保つ
  • ハイバーの場合はつま先より前に膝を出しても良い

【挙上|注意点まとめ】

  • 腰・背中を真っ直ぐに保つ
  • 切り返しで脱力せず、力を爆発させる

 

6. まとめ

全身に波及する大きな効果と、その反動とも言える多くの注意点が存在するBIG3の一角スクワットの記事はいかがだったでしょうか?

細かい注意点はいくつもありましたが、重心とバーの上下軌道を一致させること、腰、背中を真っ直ぐに保つことなど実は重要な原則は数点しかなく、それらをしっかりと抑えることで安全にトレーニングを進められます。

一気にやろうとしなくても大丈夫です!
軽い重量から徐々に、コツや注意点を押さえながら一つずつ進むのが一番の近道ですよ!