インターネットで効果的な英語学習法をリサーチするということ、「英語を使えるようになりたい!」と考えているならば一度はやったことあるのではないでしょうか。個人の体験に基づいた学習法など、「なるほど!」ととても為になる情報が数多く見つけられると思います。しかし、情報に溢れているインターネットでは取捨選択がとても大事になってきます。というのも、一方で誤解を生みかねない怪しげな情報もあったりするからです。

今回は、英語講師歴を5年経験し、修士課程で英語教育を学ぶ私がよく耳にする誤解しやすい以下の6点を紹介・解説していきます。

  1. 英語はネイティブスピーカーから教わるのがベスト?
  2. ネイティブスピーカーのような発音や話し方ができることを目指すのが大事?
  3. 英語圏で留学すれば英語を使えるようになる?
  4. 英語をとにかく沢山聞けば英語力が上がる?
  5. 文法より話す練習の方が大切
  6. TOEICで900点代を出せたら英語がペラペラ?

それでは、1つ目のポイントから見てみましょう。

英語はネイティブスピーカーから教わるのがベスト?

英会話学校などの広告や謳い文句を見てみると、「ネイティブスピーカー講師であること」をとにかく押して宣伝し生徒を集めようとしているところがたまにあります。(このような広告が、日本の英語学習者が「先生はネイティブでなければならない」なんて間違った刷り込みをしてしまう原因になるのになあと思うのですが…。)

もちろんネイティブスピーカー講師からは、ネイティブならではの英語表現や発音を教えてもらえるといった良い点もあるのですが、ネイティブ講師の方が日本人講師より良い・優れているという図式には全くなりません

近年は日本の小中高の学校のALT(アシスタントランゲージティーテャー)の質が問題視されているなんて話もよく聞きます。日本で働く外国人(ALTはネイティブに限らない為ここでは外国人講師とします)の英語講師は、英語を教えた経験がゼロという人が実際にはわりと多く(事前の研修等で教授法の教育はある程度は受けるはずですが)、「先生」としての質が問われているのです。もちろん全ての外国人英語講師がこうではないですし(大学で働く外国人英語講師となると、教授経験が豊富なだけでなく英語教育の修士も持っているというプロフェッショナルも多いでしょう)、ネイティブ講師がいけないと言っているわけではありません

むしろ、ネイティブ講師・日本人講師それぞれで異なる役割があるといえるのです。ネイティブ講師の場合は、先ほど言ったように、発音・イントネーションやネイティブらしい表現を学ぶのにはとてもよいモデルになるでしょう。一方で、日本人講師は文法や複雑な説明を必要とする場合には日本語で説明できるという大きなメリットを持っています。また、英語初心者でまだあまり話すことに慣れていないという不安がある方でも、日本人講師相手の方が、プレーッシャーが少なく感じることもあるかもしれません。さらに、同じく英語を第2言語として学んできた同士のようなものであり、効果的な学習法を聞けたり学習における悩みを解消したりするのにぴったりと言えるでしょう。つまり、より近しい「学習モデル」となりえるのです。

以上のことから、ネイティブスピーカーとノンネイティブスピーカー講師のうちどちらが優れているとかそうでないといった比較はナンセンスなのです。学習者としては、自分の目的に合わせてどちらがより適しているかを選ぶといったことができます。

 

ネイティブスピーカーのような発音や話し方ができることを目指すのが大事?

ネイティブスピーカーレベルを目指して、英語学習を進めることは何の問題もありません。むしろ、それくらいの方がモチベーションが上がる学習者の方もいると思います。ただし勘違いすべきではないのは、ネイティブのような発音や話し方ができないからと言って、自分(や、おなじような状況の相手)を下げてしまうのは良いことではありません。このように考えに陥ってしまう原因には、ネイティブスピーカリズムという概念に囚われてしまっているからでしょう。

ネイティブスピーカリズムとは?

言語を学習する上では、ネイティブが何でも一番優れており、ネイティブでない人々はその下に位置するというヒエラルキーに囚われている状態です。そのため、ネイティブに慣れない自分に自信を持てないなどということに繋がってしまいます。

英語はもはやネイティブスピーカーだけのものではない

しかし、昨今のグローバル化で英語が世界中で話されるようになった今、そのような考えは古いと言われるようになっています。そして英語を話す人間の多くがノンネイティブ。また、シンガポールやマレーシア・インドなどは、アジアに位置する国ではありますが、英語を国内共通語として使う立派な”English speaking countries”です。彼らは、アメリカ英語やイギリス英語とはかなり異なるイントネーションやアクセントで英語を話しますが、誰もが自信を持って自分の意見を伝えることができる、英語力だけでなく「伝える力」を持った人々です。

表面的なことよりも、話す中身の方が大事。もちろんネイティブ発音を目標にすることはいいですし、通じる程度の発音を身につけることは必要ですが、「ネイティブさ」ばかりに囚われて自信を失う理由は全くありません。

 

英語圏で留学すれば英語を使えるようになる?

帰国子女など、幼い頃に英語圏へ身を置くようになるとあっという間に英語を話せるようになり、ネイティブの子供達のレベルに追いついたという場合が多くありますね。これを知っていると、じゃあ私も同じように英語環境に留学に行けば話せるようになるのでは?と思うことがあるかもしれません。あるいは、留学そのものが英語を身につけるための特効薬のように何となく思ってしまっている場合もあると思います。

結論から言うと、どれも本当ではありません。なぜなら子供の言語習得と大人のそれは全く違うからです。大人が英語環境に身を置いたからといって英語が話せるようになることはありません。つまり…結局は本人の努力によるということ。

あくまでも環境は、その努力をもって相乗効果で英語力アップを助け得る一つの要因でしかありません。しかし留学をしたとして、留学中も自分で英語の勉強を続け、日本人とばかりつるむのではなく、英語のアウトプットも欠かさなければ、英語力はきっとぐんと上がると思います。ここで大事なのは、留学すれば自動的に英語力も上がるということはないということ。

逆に言えば、日本にいても独学で英語力をアップさせることは十分に可能なのです。予算が…と心配している方も希望が持てるのではないでしょうか…!しかし日本での英語学習の弱点が、アウトプットする機会が非常に限られてしまうということ

ただし、自分でその環境を作り出すことは十分に可能です。例えば、毎日の日記を英語でつけてみるのはライティングの良い練習となります。ミートアップ等のイベントに行って英語でコミュニケーションできる友達を作ったり、英会話スクールでスピーキングの機会を設けることも良いでしょう。しかし、月々の月謝が予算オーバーという方に特におすすめなのが、最近ポピュラーになってきている「オンライン英会話」です。

オンライン英会話とは、スカイプなどを使って自宅から英語レッスンを受けることができるものを指します。施設費がかからない分料金もかなりお得なものが多いです。そして講師については、フィリピン人の比率が多いようです。とはいえ、日本語講師・ネイティブ講師が選択できる英会話コースもありますよ。また、ここでは「英会話」といっているものの、自分の書いた英文の添削もしてもらえたりと、自分の好きなように時間を使え、レッスン内容に融通が利くことが多いのも魅力です。ぜひ一度試してみては?

英語をとにかく沢山聞けば英語力が上がる?

英語に触れる時間をむやみに増やしたところで、きちんと理解できていないのであれば効果は薄いです。よく言われるリスニング対策の「聞き流し」ですが、これも同様です。「英語の音に慣れる」くらいならできるかもしれませんが、理解できていない英語をどれだけ聞き流しても、アウトプットの練習もなしに英語が勝手に話せるようになるどころか、リスニング力の向上にもつながることだってありません

しかし易しめと感じる、あるいは聴くだけで意味を理解できるレベルの英語をたくさん聴くのは、リスニング力アップにつながると言えます。CNNニュース(アメリカのニュースチャンネル)やBBCニュース(イギリスの国営放送チャンネル)などをよく聞き取れないけど流しっぱなしにするのはいいのかな?なんて思っている皆さん、代わりに何か一つ自分のレベルに合った好きな教材を使ってみてはどうでしょうか?自分が今使っている教材から選ぶのもいいと思います。

そしてアウトプット(ライティング・スピーキング)についても、しっかりとその練習をして初めてスキルが上がっていくものです。

次は英語全般の基礎となる、文法についての誤解です。

 

文法より話す練習の方が大切?

日本の学校の英語教育は意味がない!なんて話をたまに耳にしますが、果たして本当にそうでしょうか?確かに中学校や高校では定期テストや高校・大学入試で点数を取ることを主な目的とした文法に偏った英語の教育ですが、文法を重視するあまり他のアウトプットスキルをトレーニングする機会が極端に好きないことが問題であって、文法を習うのが悪いことではありません。

むしろ、文法はスピーキング・ライティング、そしてリーディングとリスニングという4技能全ての基礎の基礎となるとっても大事な部分。これをおろそかにすればするほどスキルの伸びが遅くなります。

英語を初めて学習する際は、まずはインプットをある程度してから初めてアウトプットとしてスピーキングなどの練習をすることになると思います。そしてその始めのインプットで語彙と並んで同じくらい大切なのが文法。とは言うものの、文法の正しさにとらわれるあまり話せなくなったりするのは逆効果ですし、アウトプットの練習を続けながら同時進行で抜けを埋めていけばいいので、もちろん完璧にする必要はありません。ただ、文法はおろそかにすべきではないと言うことを知っておいてくださいね。文法も話す練習も、同じくらい大事です!

 

TOEICで900点代を出せたら英語がペラペラ?

TOEICで800点や900点台というと、日本では「英語ができる人」というように思われます。しかし現実は意外にそうでもなかったりするんです…。筆者は900点台を初めて取得した時でも、英語を話すと言うことに慣れていなさすぎて、そして間違いを恐れすぎて全然会話ができなかった記憶があります。TOEICの対策しかしていなかったので、英語を話すという経験があまりにも少なかったのです。そしてネイティブの会話を聞き取ろうとしても、ちんぷんかんぷん状態。これは私だけではなく、皆さんにも心当たりがある方もいるかと思います。

しかしTOEICというテストを考えれば不思議ではありません。リスニングとリーディングだけしか能力を計らず、それぞれのセクションは英語学習者用の英語に近いもの。リスニングの音声はネイティブスピードでもありません。なので、TOEICはあくまでもインプット系の技能だけにおいて、英語学習者としてどれほどのレベルにいるかという指標くらいに思っておいた方がいいかもしれません。

とはいえ、この試験で700〜900点台の高得点を取れる方は語彙やその他の英語の知識やリーディング・リスニングスキルにおいては高い部類にいますので、英語を使いこなせるようになるためのポテンシャルはかなり高く持っているといえます。それに、日本の多くの会社はTOEICで英語力を評価しますので、この試験を目標に英語の学習をすることは全く問題ではありません。(なので、TOEICがダメな試験だという意味ではありません!)ただ、TOEICだけを目標に学習しているとアウトプットの機会がなくなってしまうので、英語力全般を伸ばしたいのであれば、アウトプットスキルの訓練も忘れずに行いましょう。

以上のことから、TOEICのオススメの利用方法は英語学習の目標の一つとして使うことです。ただ高得点を取れたからといって学習を止めるのではなく、ネイティブレベルの素材を使ってさらにスキルを高めたり、アウトプットの練習に焦点を当てて学習を進めたりするなど、あくまでも通過点として考えておくのがいいと思います。アウトプットスキルも図りたいのであれば英検もおすすめ。TOEICである程度の高得点を取得している方は、準1級から取り組んでみるのがいいでしょう。

 

目標を設定して楽しみながらこつこつと英語を学ぼう

英語力というものは短期間で身につけられるものではありません。どのレベルになってもいくらかの試行錯誤をしながら自分に合った学習の仕方で身につけることが大事です。そして少しずつでもそれを続けること。

今回のお話で少しでも皆さんのこれからの勉強法の参考になれば幸いです。一緒に楽しくこつこつと英語を勉強していきましょう!