現在、社内SEで転職活動をしていますが、面白いことに1つの共通点が見えてきました。
それは、「顧客満足度の向上に係るシステムの開発・運用経験があると有利」ということです。例えば、営業支援やマーケティング支援のシステムですね。
各企業は以前にもまして顧客の情報を把握し、そのニーズに即したサービスを提供することが求められています。それをサポートするシステムに関する知見があると、かなり有利になります。
企業は一言目には「顧客第一」を挙げる
私は、自分が受験する企業が公表している中期計画をまず見るようにしていますが、そのほとんどには「顧客を第一に」「お客様の気持ちになって」というような文言を見かけます。
最近は、企業側で商品を考えて製造しとにかく売りまくるというセリング志向から、顧客の情報を把握して適切な商品を開発・提供するカスタマ志向になっており、よりユーザのことを分析し、最適なサービスを提供できるようマーケティングを頑張る企業が増えています。
近年、いずれの市場も飽和状態です。その中で生き残っていくためには、顧客満足度 = CS(Customer Satisfaction)向上に努めることが必要不可欠です。顧客の声を聞きニーズを引出し、それに見合ったサービスを展開してくことで、限られたパイの中でシェアを取っていくことができます。
私個人の意見でもありますが、今後は顧客の顔を見ずに(思い浮かべずに)商売をしてもきっとうまくいかないと思います。顧客志向を最重視し、個々のニーズに合わせて自社のサービス内容を充実させていける会社のみが最終的に生き残ると思います。
そんな状況ですので、それに係るシステム、例えば、SFA・CRM・BIなどをやっていると先方が大変興味を示してくれます。実際、これらのスキルを名指しで指定してくる求人も以前に増して出てきており、いかにしてデータを分析し、施策をうち、ユーザの満足度を向上させるかが大きな課題となっていることが分かります。
社内SEとして経験があっても良いですし、SIerでそういったソリューションを提供していた人でも良いです。とにかく、この経験が履歴書に書けると採用側がかなり乗り気を示してくれます。
SFA・CRM・BIとは?
略称英語をパっと書いてしまいましたが、SFA・CRM・BIとは何でしょうか。簡単に説明してみたいと思います。
SFA(Sales Force Automation):
情報通信技術を駆使して企業の営業部門を効率化すること。または、そのための情報システムそのものを指す。
CRM(Customer Relationship Management):
情報システムを応用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法のこと。詳細な顧客データベースを元に、商品の売買から保守サービス、問い合わせやクレームへの対応など、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理することにより実現する。
BI(Business Intelligence):
業務システムなどから蓄積される企業内の膨大なデータを、蓄積・分析・加工して、企業の意思決定に活用しようとする手法。ERPなどからもたらされるデータの分析を専門家に依存せず、経営者や社員が必要な情報を自在に分析し、経営計画や企業戦略などに活用することを目指している。SAPのBusinessObjectやIBMのCognosなんかが有名ですね。
会社によって対象や用途が微妙に違いますが、おおむねこんな感じです。
3つの意味合いは異なりますが、基本的にこれらを複合的に用いていくことで、顧客満足度の向上を図ります。
大手企業の社内SE案件で営業・マーケティングシステム担当募集を良く見る
私が転職して見ている範囲では、ある程度成熟した大手企業程こういった経験を好む傾向があります。
基幹システムは既にしっかりしたものが出来上がり、次のステップとして営業支援やマーケティングシステムを拡充し攻勢をかけていこう、という会社が大手には多い気がします。逆に言うと、大手でもやっとこさ基幹システムが整ったレベルの会社では、まだまだこういったノウハウが不足しがちです。
よって、数年程度でも良いので、ある程度この方向のスキルのある人なら、かなりの大手でも募集が出ていれば楽に入れてしまう可能性が高いです。
ということで、基幹業務システムとはちょっと趣の違う外様分野のようなシステムですが、需要は旺盛ですので、関われた人はラッキーだと思います。
コメント
こんにちは。
これも興味深い記事ですね。
最近社内SEというものにもいくつかの種類があることが、みえてきました。もし宜しければ御意見をいただけないでしょうか?
1.新規サービス構築時に、ベンダーにサーバ、ネットワーク構築等をまかせて、上流のフェーズを自社でするケース。監視ツールもベンダーの物を使用。
2.全行程を自社の社内SEが担当するケース。
1は、大企業に多く、2はお金がない中小企業に多い気がします。
いま私の会社は、ケース2なのですが、サーバの監視ツールもできる人がphpやperlでお手製で作って運用している現状なのです。
監視スクリプトの仕様書もあるわけでは無いので運用にあたり、監視スクリプトが読める人、カスタマイズできる人という有難い条件がついてくるのです。苦笑
監視ツールが導入されているなら、マニュアルを読めば誰でもある程度予測がついたりすると思うのですが。笑
saysaさんなら、会社が今後大きくなった時を考えて、ベンダー監視製品の導入を提案されますか?
私的には、社内SE運用で監視ツールを作るのはチームメンバーが増えた時のことを考えたりすると、ナンセンスだと思っているのですが。笑
長文失礼しました。
>testさん
いつもお世話になります!&コメントありがとうございます!
あくまでわたし個人の意見となりますが…
ベンダー製品ですと属人化から解放されるだけでなく、保守サポートがつくので、OS等の環境変化にも耐え得ますし、トラブルの早期解決も見込まれます。特に、サーバ監視は会社の業務継続に直結する大変重要なものですので、私ならマニュアルや手順書が完備されたベンダー製品を使うよう提案すると思います。
…ただ、やはり投資可能な金額との兼ね合いもあるとは思いますので、投資対効果が示せず予算がおりないようであれば、先を見据えて製品導入を提案はしつつも、せめて仕様書やマニュアルだけは早期に作成するように努めると思います。