- プラス思考のいい点・わるい点
- マイナス思考のいい点・わるい点
- ネガティブ→ポジティブ変換例
- 転職活動時における思考のプラス:マイナス黄金比
転職にかぎらず、すべてにおいて言えることですが、ある場面に直面したとき、たとえばトラブルに遭遇したとしましょう。
・解決しよう
・面倒くさい
など、どう捉えるかは人それぞれです。物事には必ず表裏、陰陽、明暗、善悪があるように、すべての事象にプラスとマイナスの両極があるといえます。そしてその見え方は私たちの心、思考に委ねられているような気がしています。
どういうことです?
私たちの心がけや考え方次第で、プラスにもマイナスにもなるということですよ。そしてその方向性によって私たちの運命も、大きく変わるといっていいでしょう。
私はときどき、マイナス思考に陥ることがあるのですけど、それならやっぱり常にプラス思考でいたほうがいいのですね?
まあ、そう言いたいところですが、実はプラス思考とマイナス思考、どちらもメリットとデメリットがあります。
そこのところ詳しく、教えてほしいです。
わかりました。まずはそれぞれの思考の
・メリット
・デメリット
についてお伝えしていきます。
プラス思考のメリット、デメリット
プラス思考=ポジティブな人といえます。そのメリットは実に多数です。
プラス思考のメリット5つ
プラス思考の人は変化に強くトラブルが起きても、寛容でいられることが多いです。例えば職場で、仲間が致命的なミスを犯したとしても笑い飛ばし、「ここからどうリカバーし、いい状態に持っていくか」を考えます。
そのためポジティブかつ寛容な人には、自然と人が集まり笑顔が絶えません。また各人、自分の持っている実力を発揮しやすく、業績も向上することがわかっています。
たしかに私だって寛容な人の部下になりたいし、そういう上司になってみんなから慕われたいな。お互い安心して仕事に取り組めればいい結果につながるのもわかります。
あらゆる事象をプラスに捉えることができる環境なら、たとえどんな逆境でもワクワクを感じるでしょう。遊ぶときは思い切り、仕事もやりがいを見出し、メリハリをつけ楽しく取り組めるはずです。
旧態依然を善とするいわゆる保守派は、どちらかといえばネガティブ度が高いといえそうです。そのため
- 大きな変化
- 新しい波
- 第三勢力
などに不安を感じ、なかなか動けません。その逆の革新派はポジティブ度が高いといえ、不満や問題がある今の状況を変えたいと思えば必要に応じて、
・大きな変化
・新しい波
・第三勢力
を受け入れ迎合するまたは、自らが当事者になり、うねりを生み出すこともあります。
このようにプラス思考になると新しいことにチャレンジしようという気概が強まります。
2で説明したとおりプラス思考の人はマイナス思考の人と比べ、挑戦する機会を敢えて見送り、チャンスを不意にする、そのような機会損失とは無縁です。そのため転職活動においてもチャンスを掴みやすいといっていいです。きっと
・ハイスペック求人
をタイミングよく見つけ、果敢に行動し結果、一部上場、大手、有名企業など望ましい会社、何よりも自分が心から入りたいと思えた会社から、内定を得ていきやすいといえるでしょう。
マイナス思考のときは好条件の求人票を見ても「自分にはムリ」と思ってしまいそうです…。
挑戦する姿を見て心を打たれない人はいません。誰もが挑戦する人を応援したいと考えますし、「この人になら仕事を任せても大丈夫だ」「お願いしたい!」と思うはずです。そのためポジティブな人には、さまざまな頼まれごとや試されごとが舞い込みます。
頼まれごとや試されごとは、信頼された証といえます。
プラス思考で前向きに動いていると、交友関係もいつの間にかポジティブになり充実します。結果、自然と笑顔にあふれ、笑う機会も増えます。もちろん誰もが笑っている人と一緒にいたいと思いますから、またさらに人が集まってくることになります。
そんなプラス思考に潜むデメリットとは? 次項で見ていきます。
プラス思考のデメリット2つ
メリットのところで信頼度が増すと説明しましたが、世の中にはいろいろな人がいてなかには、人を利用しようとするあくどい人もいます。「この人に任せたい」ではなく「この人に任せておけばいい」といった考えの人に頼られてしまうと、ひとりで何もかも背負わされ疲弊することになります。
いくらプラス思考で動いていても、人にはキャパシティ(限界)があり、それを超えると破綻します。「(誰でもいいから)頼られるとうれしい」と考えず、私たちのほうが「この人のためなら動ける」という明確な基準を用意し、人を見抜くべきです。
頼られすぎる関係性、他人から認められたいという承認欲求という闇も潜んでいそうですね…。
はい。評価のためなのか、自分のためなのか、何のためのプラス思考かは熟考すべきです。
プラス思考の人は基本的に、ネガティブな言動を好みません。そのためAとB、2つの事柄が対立するような場面に遭遇したときもA・Bどちらつかずで、双方にいい顔をしがちです。その姿を見た周囲の人らは、
と疎ましく思うおそれがあります。またネガティブモードの人が多い職場や組織で、ポジティブすぎる自分を前面に打ち出してしまうと、マイナス思考の人にはひときわ眩しく異端に見え、羨ましく、妬ましく思うおそれがあります。
「実に感情を持った人間らしく、怖いなぁ…」と思えるのですが、直接何をしたわけでもないのに異端に見られ、相手の劣等感や嫉妬心を芽生えさせると、人知れず嫌われてしまう可能性があるのです。
こんなときは首尾よく周囲に合わせ、共感してあげればいいのよ…。
プラス思考だと自分も周囲もいい方向に変わっていく
プラス思考についてまとめると、少なくとも
- トラブルが起きても寛容で楽しく取り組める
- チャレンジ精神が芽生える
- チャンスを掴み取れる
- 信頼度が増す
- 人が集まってきて笑顔に
これだけのいいことが起こりえます。
転職活動時、ポジティブに動けば、もしかするととてもいい流れが引き寄せられるかもしれませんね。
引き寄せの法則という言葉もありますし、書店に行くとそのようなタイトルの本も結構、並んでいますよね。次はマイナス思考についてお伝えしていきます。
マイナス思考のメリット、デメリット
マイナス思考=ネガティブな人といえます。しかしながら意外にもマイナス思考にはマイナス思考のよさというものがあります。
マイナス思考のメリット3つ
感覚的におわかりいただけると思うのですが、マイナス思考は「心配」や「不安」を生み出します。心配や不安が出てくると、人は熟考し、熟慮し、慎重にならざるをえません。
心配や不安が私たちを「一度は立ち止まるように」と、促すのでしょう。
ときには慎重を要する場面もありますから、マイナス思考は決して悪いことではありません。
これも前項の続きですが心配や不安は、失敗を「恐れる」というよりも「未然に防ごう」という心理を生み出し、私たちはとりあえず立ち止まり、一歩進む前に必ず
- 熟考
- 熟慮
を重ねるようになります。そのため失敗はしにくく、失敗したとしても軽いもので済むでしょう。回数も圧倒的に減り、信用失墜するようなことも少ないはずです。
マイナス思考はときに、私たちを失敗から守ってくれます。
プラス思考の人には多くの人が集まりますが、人を利用しようとするあくどい人らも近づいてきます。しかしマイナス思考の人は慎重に動く傾向がありますから、プラス思考の人のようにスグに行動に移さないため利用価値がないと判断し、離れていきます。そのため
・本当に自分のことを思ってくれている人
だけが残り、コンパクトで心地よい人間関係を維持できます。
そんなマイナス思考に潜むデメリットについては、次項で説明します。
マイナス思考のデメリット4つ
あくまでも一般論ですが、
主体性のない人=ネガティブな人
という方程式が成り立つといわれています。
主体性とは自分の意志・判断で行動しようとする(goo辞書)ことで、マイナス思考の傾向が強い人は他人の意志・判断でしか行動できなくなると言い換えられます。つまり他者の意志や判断=指示があるまでは自ら動けなくなるということです。
いわゆる指示待ち人間は、悲しいことに職場でも家庭でも思うように評価されません。上司や家族はイラつき、心配し、後輩からは蔑まれますから、主体性だけは奪われないようにしたいものです。
前項で述べたようにネガティブになると主体性が薄れ、行動が鈍くなります。とくに転職活動において主体性がないというのは致命的で、
- 未経験業界
- 異業種
などに転職すべき場面でも行動に移せません。何ひとつ挑戦できず、結果も残せず未だに不満を抱えたまま今の会社でくすぶるなんてこともザラにあるでしょう。
マイナス思考に陥ると、
・自分の意見を述べる
・企画を立案する
といったこともできなくなりそう…。
ネガティブを日本語に直すと消極的となりますが、まさしく仕事に消極的、やる気がないとみなされると評価はガタ落ちになります。またもうひとつネガティブには否定的なさまという意味合いもあります(goo辞書)。
マイナス思考に陥っているうちは「あれはダメ」「これもダメ」と否定的な考え方が優位に立ちます。そのうち目の前にある事象だけではなく自分自身もイヤになり、その人間性や存在意義までもを否定する「自己否定」に陥る危険性もあります。
自己否定、なんとなくダメなことであるのはわかるのですが、なぜいけないのですか?
いい質問です。自分自身を否定するということは、自分を信用できず、自信も持てず、本来持っている能力をいかんなく発揮できません。そしてなによりも自分で自分を責めてしまう点が問題です。
結果、自分で自分を精神的に追い込み、モチベーションやパフォーマンスが著しく低下していきます。
やだ。本当に転職すべき状況でこんな状態なら、応募も面接もうまくいくはずがありませんよね…。
はい。
いくら立派な経歴やスキルを持っていて、素晴らしい能力を兼ね備えていたとしても、それが発揮できる状態でなければ…。また本人的には思慮深く、慎重に動いているつもりでも傍から見ると、消極的、暗い、すべてにおいて鈍くさいと見られてしまい、本来の正当な評価につながりにくくなります。
メリットとして先に、必要な人だけが残りコンパクトな人間関係に落ち着く旨、お伝えしていましたが、超ネガティブ、度を越えたマイナス思考に陥ると、親友までもを寄せ付けなくなり、自分がさみしい思いをすることになります。
孤独な人ほど金銭詐欺などの犯罪被害者になりやすいといわれていますので、注意が必要です。マイナス思考もほどほどにしておきたいものです。
マイナス思考だと慎重に動け失敗も少ないのに評価されにくい
マイナス思考のまとめですが、心配や不安が熟考・熟慮する習慣を生み出し結果、慎重に行動できる人になるため、失敗も少なく、信用失墜することもそうそうありません。しかし世間一般、他人様からは
とネガティブな印象しか持たれず、正当な評価につながりにくいのが現実です。これは残念ながら面接官や人事担当者も例外ではありません。
ここまで読み進めていただき、ネガティブ強めのままではいけないということもおわかりいただけたのではないでしょうか?
就職・転職活動は「評価されてナンボ」の世界ですから、これから就職・転職を控えているのならネガティブ強めな状態の方は、ポジティブな状態に変えていく必要があります。
これって自己肯定感を高める作業といえるのでは? この前アサーションのところでいくつかヒントをお伝えしていましたよね?
はい。たしかに。でも実際はもっとカンタンな方法があります!
セイジさん、そこのところ詳しく知りたいです。
ではその方法は次章に譲ります。
ネガティブはポジティブに変えられる
プラス思考とマイナス思考の差は、実は「森羅万象をどのように捉えるか」の違いです。ひとつの物事に対してひとつの見方が「絶対的」ではありません。
ということは「見方」を変えればいいのですか?
そうですね。シンプルに自分が気持ちよく思えるように物事を見よ! ということですよ。
どのように変えればいいのかしら?
では2つだけ。わかりやすくまずは面接における「長所と短所を教えてください」という鉄板の質問で使えそうな事例を交え、解説しましょう!
性格的部分は都合よく変換する
×××はネガティブワード、○○○はポジティブワードです。たとえばネガティブな性格の代表格「落ち着きがない」を上書き変換してみます。
落ち着きがない=じっとしていられない
となります。しかしこれもまたネガティブ強めです。そこであと一歩、
落ち着きがない=思い立ったときにスグに行動に移せる
という意味にすり替えれば、印象はガラリと変わってきます。そのほかフットワークが軽い、行動派と変換するのもよさげです。面接などで
と答えればこれだけで、心証は変わるはずです。このように「落ち着きがない」と言われるとマイナスイメージを持たれますが、「スグに行動できる」と上書きするだけで、プラスイメージに早変わりするのです。
ポイントは必ずネガティブな情報を包み隠さず伝えたうえで、上書きをすることです。「落ち着きのなさ」を認めつつ、ポジティブな見方を提供するのです。
同様に、
変換前 | 変換後 | |
怒りっぽい | 感情が豊か | 何事にも真剣で正義感も強い |
傷つきやすい | 感受性が強い | 他人の心の痛みを知っている |
思ったことを言う | 素直で正直 | 相手が誰であろうと物怖じしない |
といった具合に、ネガティブに捉えられがちな性格的なものはほぼすべて、発想の転換、言い方次第で、ポジティブな心証に変えられるのです。そしてもうひとつです。
あらゆることにおいて、いいところを先に見つける
冒頭部でもお伝えしていたとおり、この世に存在するすべての事象には必ず表裏、陰陽、明暗、善悪とプラス・マイナスの両極があります。したがって性格がポジティブ変換できたように、物事はすべてネガティブからポジティブに変えられるのです。たとえば
この2つの事例を踏まえ次章に移ります。
転職動機・退職理由も積極的な内容で
前章でご紹介した上記2ケースにおいて、洋服の販売員、不動産賃貸の営業マンもまた絶対、
としか言わないでしょう。なぜなら
とネガティブな方向性で情報提示されて「これにします」「ここに決めます」と返す人はまずいないからです。
同様に私たちもまた、転職活動ではあらゆることをなるべくポジティブに変換し、自分を売り込まなければ、
という返事しかいただけなくなり、応募時にアッサリと落とされます。過去の転職・退職の理由を語るときもそうで、あまりにもネガティブで非合理的、納得いかない、整合性もとれないようでは、人事担当者や面接官は不安になり、次のような心配をするようになります。
採用側としてはせっかく入社したのに、スグに退職されてしまうと、採用担当者が責任を問われ会社からマイナス評価を付けられますから、採用に慎重にならざるを得なくなります。
心配や不安は先述したとおり、マイナス思考から生まれます。これは面接官が私たちを「採用することにネガティブになってしまった」ということを意味します。
マイナス思考になると主体性も奪われます。よって面接における面接官が1人だけなら自分の意志で採用を決めかねてしまいますから、どれだけスキルや経験に光るものがあっても必ず落とされます。しかし運よく役員面接などで複数の面接官がいて、筆頭面接官が「採用しよう」と指示を出してくれれば、他の面接官も従い採用される可能性はあるかもしれません。
よって転職動機や退職理由もポジティブなほうがいいに決まっているのです。どのような動機や理由がいいかですが、自分が採用担当者になったと想定して「採りたくないな」とネガティブに思える理由はダメです。
例えば、
- 年収が低かったから
- 仕事が合わなかったから
- 人間関係がイヤで悩んでいたから
など、ネガティブワードをやはりド直球に出すと、敬遠したくなるはずです。
転職活動では「また会いたい」と思わせなければなりませんので、やはり「今の仕事の経験を活かしてより幅広く、やりがいのある業務に携わりたい」などとにかくプラス思考に基づく積極的な理由を述べるのが肝要でしょう。以下、動機や理由に組み込んでいただきたいポジティブなエッセンスをいくつか、お伝えしておきます。
転職活動で伝えるべき積極的要素
- 役に立つスキルがある
- 成長できるという確信がある
- 売上や利益に貢献したい
というニュアンスを入れることで人事担当者も面接官もポジティブに捉えてくれるはずです。
そうそう。この前、私の職場に転職されてきた方が2人いるんですけど、1人は親御さんの介護でこちらに戻ってきて、1人はリストラでといわれていました。どちらも合理的ですけどネガティブだなと思って。セイジさんなら、どう伝えますか?
親の介護、リストラで転職する場合、どう伝える?
たしかに介護は合理的理由ですが、履歴書に書くのはやめ、面接でサラッと述べるくらいがよいと考えます。やはり積極的要素で動機・理由を考えていただきたいです。
私の場合も転職のきっかけはたしかにリストラでしたが、「リストラ」という単語を強調して述べることは避けていました。「同情を誘ったほうが有利になるのでは?」と思うかもしれませんが、企業はボランティアではありませんから実際はそうではなく、自社に貢献し売上を持ってきてくれる人材を採ります。
そこで
- 今までやってきたこと
- 転職後に活かせる強み
- 貢献したいという意気込み
をメインに、リストラについてはサラッと。それに対し先方が掘り下げて質問をしてきたら淡々と回答するスタンスにしました。
介護・リストラは正当かつ合理的理由ではありますが、どこかネガティブな印象は拭えません。とにかく転職活動では何事も前向きに積極的に方向づけすることが重要です。基本的に人事担当者や面接官は、積極的な理由で自分を売り込める人材を好みます。
まとめ:ポジティブとネガティブのバランスを7:3に保つ
ポジティブにもネガティブにも、それぞれメリットとデメリットがありました。しかし転職活動においては基本的にプラス思考であることが望まれます。ただし慎重に動くという意味では適度にマイナス思考であることも必要と、私は感じています。
セイジさん、比率でいったらプラス思考とマイナス思考、どのようなバランスがいいの?
そうですね。通常時なら6:4、転職活動時は7:3がちょうどいいと考えます。
チャレンジ精神とチャンスを掴み取ろうとする気概、そして笑顔が7、熟考、熟慮、慎重さで3、これが転職活動時の思考の黄金比ではないでしょうか。
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