- ジョブスイートを活用している企業
- コーポレートサイト中途採用情報から直接応募するメリットとデメリット
- 若手は直接応募すべき深い4つの理由
転職活動では転職サイト・転職エージェントを利活用し非公開求人を紹介いただくのが転職成功の早道のひとつなのですが、もちろんそれ以外にもそれらを介さずに企業へと直接応募する方法があります。
ただし、ただやみくもにネームバリューのある有名企業や大手企業にいきなり中途採用情報が出ていないにもかかわらず応募書類を送るのは、オススメできません。
会社がインターネット上にコーポレートサイトを出しているのがほぼ当たり前の時代になりまた、サイト内に「採用情報」として今まさに募集中である求人を公に開示する企業も増えてきました。
その多くは新卒入社を対象としたものでしたが近年、中途(キャリア)採用の求人も見かけるようになりました。掲載されているのは
- 募集要項
- 応募方法
のほかそこから直接、エントリーすることができる場合もあります。
私、管理人セイジがはじめて転職活動をした際も実は、企業に直接応募していました。
とくに20代前半、若手の転職活動では今でこそ、
- 第二新卒を支援してくれる
- 未経験者を支援してくれる
- フリーター・ニートを正社員に導く
ような転職エージェントが登場していますが、2019年現在でも私は
若手の転職活動は基本的に転職エージェントよりも直接応募が望ましいと考えています。その理由は追い追い、ご紹介していくことにします。
まずは転職エージェントの支援を受けずに直接、応募してきてくれた人材を企業がどう受け入れているのかについてまとめます。
企業は直接応募してくる人材もしっかりと受け止め迎え入れてくれる
私たちがコーポレートサイトの中途採用情報から企業に直接応募する方法は、
- 人事採用担当者に問い合わせたうえで応募書類を送付する
- コーポレートサイトの中途採用情報から直接エントリーページにアクセスし応募する
- コーポレートサイトに貼られたリンクから外部サービス経由で応募する
の3パターンがあります。このように企業は、直接応募の人材を迎え入れる体制をきちんと整えています。
1つめは正直、予算がない弱小会社か、もしくは採用予定人数が圧倒的に少ない会社で、わざわざエントリーページを設置してまで対応する必要がない場合、アナログ的対応で済ませてしまおうとするパターンです(ただし稀です)。
2つめはある程度大きい企業でよく見られるケースで、自社内でシステム化し、エントリーページを用意しています(たとえ弱小でも採用予定人数が少なくてもIT部門があるもしくはIT企業ならシステム化はお手の物でしょう)。
3つめは意識しないとなかなか気づくことができませんが、「株式会社ジャパンジョブポスティングサービス」という会社が提供している「ジョブスイート」というWebサービスを利用してつくられた中途採用情報ページです。
見分けるポイントですが、ページのアドレスが「https://progres12.jposting.net/」などから始まっていればほぼ間違いなく、ジョブスイートで作成されたもので、そこからカンタンに応募することができます。
この仕組みが普及して以来、自社ホームページで中途採用を行う企業が増えたと感じています。しかもジョブスイートを採用している会社は意外にも名だたる企業が少なくありません。
2012年当時、確認できていたのは
でしたが、2019年5月現在、
などが活用していました。
企業は直接応募してくる人材もしっかりと受け止めて迎え入れてくれるのですね!
そうです。ただ直接応募にはいくつかのメリットもありますが、デメリットもたくさんあり、どうしても転職エージェントを利用しがちです。そのため企業直接応募はまだまだ開拓者が少ない転職市場におけるブルーオーシャンともいえます。
ここからは企業直接応募のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
コーポレートサイト中途採用情報から直接応募する3つのメリット
1.転職エージェントによる足切りをされなくていい
基本的に転職を希望する求職者なら無料でサービスを受けられますが、転職エージェントは人材紹介が成立したあと企業から報酬を受け取ります。そのため確実に内定を勝ち取れるような人材をピックアップし、紹介しなければなりません。
私たちが希望する企業とその企業が欲している人物像がマッチしてはじめて、転職エージェントは紹介へと進みます。
希望者が1人だけなら問題はないのですが、同一転職エージェントから複数、出てきた場合は転職エージェント内で協議し、確実に内定がもらえそうな人物に絞り込み、企業に紹介します。つまり足切りが行われるのです。
しかしコーポレートサイトの中途採用情報を見て、直接応募すれば転職エージェントやキャリアアドバイザーなどの思惑によってジャマをされることがなく、確実に応募書類を送ることができます。
2.日程や条件も意のままに伝えられる
転職エージェントを利活用するとありがたいことにキャリアアドバイザーが面接当日も同行してくださります。
ということは、人事採用担当者(面接官)・キャリアアドバイザー・私たちと三者の日程が合わなければ日程が延びたり、変な時間帯にセッティングされたりする可能性もあるということですね?
はい。その可能性は否めません。また転職エージェント及びキャリアアドバイザーは転職市場の相場をわかっているため、相場に基づいて求職者の希望をバッサリと斬ってしまうことがあります。
えっ、そのまま伝えてくれないんですか?
伝えてくれる場合もありますが、転職エージェントとして「自分たちの常識を疑われてしまうような筋違いの条件」はまず、伝えてくれないでしょう。
たとえばどんな条件ですか?
スキルも経験も人並みで管理職経験もないのに、今の1.5倍の年収がほしいと伝えても、その企業にとってそれは部長クラスの年収だったとしたらムリな話ですよね?
企業に伝えるまでもなく「考え直してください」とキャリアアドバイザーから釘を刺されて終わりです。
転職エージェントに頼らない。その代わり日程や希望を意のまま、伝えることができます。
3.ライバルを出し抜ける
企業によってはもしかすると誰の力も借りずにブルーオーシャンに果敢に挑戦しようとするライバルを出し抜けるような人材を捕まえるために敢えて、非公開求人という策をとらずに求人を公開している場合もあるでしょう。
転職サイトや転職エージェントを通して応募する人が多いなか、人材紹介業を通すと採用コストがかかると企業の資金のことやコストパフォーマンスまで考えられるようなコスト意識が高い人材を見出そうとする企業すら、なかにはあるかもしれません。
なによりも企業に「自社に並々ならぬ興味を持って応募してきてくれた」と認識され、熱意や意欲も買われやすいため、人事採用担当者や面接官に好印象を抱かれる可能性はグンと高くなります。ゆえに直接応募は有利なのです。
今度はデメリットです。
コーポレートサイト中途採用情報から直接応募するデメリット
1.自分で何もかもしなくてはならない
直接応募をする場合、求人探しから内定、入社に至るまですべて何もかも自分でしなくてはなりません。
これは働きながら転職活動をする場合も免除されることはありませんから、かなりの覚悟と初志貫徹の気持ちがなければむずかしいでしょう。直接応募は正直、負担大です。
2.時間がかかりすぎるかも
人事部や人事採用担当者の対応が常に迅速とはかぎりません。人事採用担当者は会社によっては、専任、兼任、特に定めていないという3つのケースが考えられます。いずれにせよ企業人である以上、多忙ですから書類選考、面接日程の決定など、会社からトップダウンでこの日までにと明確な期限が切られていない場合は、優先すべきを優先し採用活動は後回しにすることも十分ありえます。また、
- 採用情報の更新を忘れていて実は採用活動は終わってしまったあとだった
- 付き合いの長い転職エージェントから人材紹介があり採用の方向で進めている
などの事態も想定でき、その場合でも応募書類を見て優秀な人材と感じた、間違いなくほしい人物だった、そのほか光るものがあったとすれば、スグに「お祈りメール」などは送ってこないでしょう。
見送るべきか、ムリしてでももう一人採用すべきかで社内調整(稟議)が進められることになりますので、結果が出るまで相当の時間がかかると予想できます。
ここで私、管理人セイジの体験をご紹介します。私の場合は2週間待ちました。
私がとある会社に直接応募した際の実録ですが、所有するGmailのアドレスを入力していたところ、応募完了後、以下のようなメールが届きました。
2010/05/15
この度は○○のキャリア採用にエントリーいただき 誠にありがとうございます。 エントリーを確かに受付いたしました。
書類選考結果につきましてはご登録いただいたメール アドレスに後日ご連絡いたします。 |
そして応募して2週間くらいして、ようやく2通目のメールが届きました。
2010/05/31
○○(株)人事部採用担当 ××
セイジ 様
この度は弊社キャリア採用にご応募頂きありがとうございます。 厳正な審査の結果、セイジ様は募集テーマ『○○』で書類選考通過となりました。 つきましては1次選考を下記の通り実施致します。 内容をご確認頂き、返信頂きます様お願い申し上げます。
記
1.日時 直近2週間でご都合の悪い日程、時間帯をご連絡下さい。 日時調整の上、確定次第改めて連絡させて頂きます。
※原則平日9時~17時の間に面接を設定いたします。 ※所要時間は1時間程度です。
2.場所 ○○株式会社 ○○ビル 弊社ホームページの下記アドレスで地図をご確認頂けます。
※1階受付にて面接で来社頂いた旨お伝え頂き、人事部採用担当 ○○までお訪ね下さい。
3.ご郵送頂きたいもの ・履歴書(市販フォーマット、写真貼付) ・職務経歴書 ・最新の給与明細コピー ・過去2回の賞与明細コピー ・直近の源泉徴収票コピー ・最終学歴の卒業証明書、成績証明書
[郵送先] 〒XXX-XXXX 大阪府~ ○○株式会社 人事部採用担当 ○○宛
[郵送期日] 2010年6月9日(水)必着 ※ご準備頂ける書類のみで結構です。 (履歴書、職務経歴書は必須)
4.面接当日の持ち物 ・郵送に間に合わなかった書類 ・筆記用具 ・銀行の通帳またはキャッシュカードのコピー (郵便局不可・交通費お振込み先確認用) ・印鑑
※給与・学校関連書類が間に合わない場合は、後日でも 結構です。 ※ご来社頂く際の交通費は、一旦立替をお願い致します。 後日ご希望の口座にお振込み致します。 交通費の振込には、下記情報が必要です。 コピーに記載がない場合はメモをご持参下さい。 【銀行名・支店名・支店番号・口座番号・名義】
5.連絡窓口 人事部採用担当 ○○ 電 話 : XX-XXXX-XXXX(直通) E-MAIL: XXX@XXX
6.その他 今回の「一次選考」では、主に専門能力を評価させて頂きます。 一次選考を通過された場合、後日実施の最終選考にお進み 頂きます。 一次選考は面接と試験を予定しておりますが、詳細については日程とともに後日ご案内いたします。 以 上 |
このあとメールで、お礼を述べ日程調整に入りました。
このやりとりは正直、時間がかかり疲れます。複数の会社に応募していた場合は手が回らないというのが所感です。当時私が直接応募していた会社は1社のみでしたから、なんとかなった感じです。
しかし面接日程さえ決まれば、そこからは逆にテンポよく進んでいくものと考えます。条件交渉など転職エージェントを介した話し合いではないため、「求職者に確認します」「人事採用担当者に確認します」というひと手間がなく、その分スムーズです。
人を介するとたしかにタイムロスが生じますね…。
おわかりのとおり直接交渉ならYES・NOでよく、秒速で交渉が成立していきます。
3.公開求人となるため応募多数の可能性大
企業直接応募はブルーオーシャンとお伝えしましたが、なかにはレッドオーシャンになるケースも散見されます。それはやはり、
- 大々的に告知された求人
- 大手・上場・有名企業の求人
- 好条件すぎる求人
の場合です。この3つの条件が重なると応募者は殺到することが予想できます。大々的に告知する理由は、募集しているのに応募が来なかったから、オープニングスタッフなど大量採用を予定しているからなどです。
私たちは常にアンテナを張り、大々的に告知される前に企業へ直接応募する必要があります。
4.転職エージェント経由でも募集している可能性
直接応募を受け付けている企業=アンチ転職エージェントではありません。良い人材を獲得できるのであれば、公開求人・非公開求人問わず、
- コーポレートサイト
- SNS
- 転職サイト
- 転職エージェント
と手段も選ばず募集をかけます。そのため前述したとおり付き合いの長い転職エージェントから人材紹介があり採用の方向で進めることも十分、起こりえるのです。
5.転職活動ノウハウがないとツラい
企業直接応募が向いていない人は残念ながら存在します。それは、
そして、
- 転職活動のノウハウがない人
です。無知とはおそろしいもので、どんなに行動力や熱意があってもルールやマナーを心得ていなければ、書類選考の段階で落とされてしまいます。
手間や時間がかかるうえ、書類選考落ちが度重なるとツラくなることもあります。運よく面接に進めても面接官によっては模擬面接を受けている人、想定問答を頭に入れている人と比べ「見劣りする人材だな」と判断するかもしれません。
6.給与・条件面で不利を強いられるかも
これまでお金や権利にまつわる交渉ごとに臨んで、満足のいく結果を出せたことがない方、また交渉力に自信がない方は、企業直接応募は避けていただきたいところです。
人事採用担当者は基本これまで、数多くの給与・条件交渉をしてこられた方たちですから、私たちが丸腰で挑んでも論破され、言い負かされるのは目に見えています。
給与・条件面で惨敗、不利を強いられる。そうならないためには普段から交渉の機会を自分からつくって交渉慣れするように持っていくのも手です。
そんなことってカンタンにできます?
仕事やプライベートどちらでもいいのですが、ありとあらゆることに交換条件を付して、相手と交渉してみるのです。
優秀な後輩に「残業手伝うからプロジェクトに参加してくれる?」とか、行きつけのカフェのマスターに「プラス1,000円出すから一品、裏メニューつくってくれる?」とか…。
それだったら私にもカンタンにできるわね!
また交渉においては相手を納得させられる理由や根拠を明示することが求められます。そのうえでロジカルシンキングは、大いに役立ちますから、これまで無縁だったという方はよく調べられて、仕事や生活に取り入れてみられるといいです。
以上ここまで企業直接応募のメリット・デメリットをお伝えしましたが、転職とキャリアアップでは基本的に転職エージェントを介して応募されることを推奨します。ただし若手(20代前半中心)を除くです。
どうして若手限定なの?
どうして若手限定なのでしょう? 次章で説明いたします!
若手は直接企業に転職応募すべき深い4つの理由
1.転職エージェントは本来、即戦力向けサービス
転職エージェントは本来、社会人経験をある程度積んだ人材を紹介することを想定して生まれたサービスでした。
関連記事でもお伝えしているとおり、多くの転職エージェントが想定している支援対象は、概ね35歳前後のスキルやキャリアを積み重ねてこられた方で職歴10~15年、在籍中の職場でもバリバリと働いておられる即戦力です。今も昔もそれは変わっていないとは思います。
2.企業は若手採用にコストをかけられない
企業は即戦力を雇い入れるためなら採用コストを惜しみません。なぜなら相応の働きをしてくれる(決定した年収と転職エージェントへ支払う報酬以上の売り上げや成果を出してくれる)ものと信じているからです。
ねえセイジさん、ところで転職エージェントが企業から受け取る報酬ってどのくらいなのですか?
あくまでも一説ですが
紹介した人材が転職後に得る年収の3割
といわれています。
えっ? 転職エージェントってそんなにもらっているんですか?
はい。そのくらいが相場とされています。
年収600万円で180万円。企業は780万円もコストを支払っているのですね…。もしかして転職エージェントは会社の予算提示を受け、それに自分たちの報酬を加味して求職者の年収を調整していることもあるということですか? 採用予算700万円の会社だとすれば530万円まではギリギリ交渉できるとか?
そこまではわかりかねますが、そういうことも容易に想像できますよね。しかし20代前半の若手ならどうでしょう。若手についてはまず新卒採用でかなりの時間・コストをかけてしまっています。
会社説明会や面接など新卒採用活動時の費用のほか、内定式、入社式、入社後の新人研修、OJTなど枚挙にいとまがありませんよね。
ですがそういった費用を回収できないまま若手がどんどん辞めていく企業は、人手不足を解消したいという気持ちがあるものの、転職エージェントに報酬を支払ってまで即戦力とはいえない若手を募集できない懐事情もあるのです。
そこで重宝、大歓迎されるのが「若手の企業直接応募」なのです。
ご存知のとおり今は人手不足の企業も多いです。そんななか転職エージェントへの報酬は出せないけど、その会社の若手の年収レンジと応募者の希望年収が合致していれば、人事採用担当者は面接をセッティングしてくれる可能性が高いです。
3.感謝されたうえに内定率が上がる
少なくとも転職エージェント経由で人材を採用すると、前述したとおり企業は報酬を支払う必要があり採用コストが直接応募の1.3倍はかかります。もちろん企業は予算組みして採用活動を行っているわけなのですが、直接応募で採用できればその分のコストが浮くため、非常にありがたいお話になってきます。
ただし企業が求めているレベルをクリアしているのが大前提です。申し分なければ内定を出してくれるでしょう。特に若手のスキルや経験についてはたかが知れています。ここはどちらかといえば就活同様、ポテンシャル(潜在能力や可能性を見ての)採用になりそうですから、たとえ相手が大手・上場企業だったとしてもひるまずに果敢に応募してほしいものです。
4.年収アップも図れる
企業から感謝されるわけですから内定の獲得もスムーズかもしれません。前述したとおり、若手は基本ポテンシャル採用という対応をされるはずですから、たとえ今の会社が中小企業、地場企業だったとしても、そこから大手・上場企業へと転職できる可能性を秘めています。
当然、中小企業、地場企業の基本給と、大手・上場企業の基本給には差があるはずです。さらにボーナス・賞与や各種手当、歩合給なども含めると年収は交渉しなくても、自動的に大幅にアップしてしまうことも大いにありえます。
以上4つの理由から、若手は企業に直接応募すべきなのです。
まとめ:若いうちに果敢に企業へ直接応募する
コーポレートサイト中途採用情報から直接応募するメリットは
- 足切りをされなくていい
- 日程や条件も意のままに伝えられる
- ライバルを出し抜ける
で、デメリットは、
- 自分で何もかもしなくてはならない
- 時間がかかりすぎる
- 応募多数の可能性大
- 転職エージェント経由でも募集
- ノウハウがないとツラい
- 給与・条件面で不利かも
でした。くどいようですが若手は除き、転職エージェントを介した活動を推奨したいところです。
若手は、
以上の理由から果敢に企業に直接応募し、可能性にかけていただきたいのです。またコーポレートサイトを見る機会を今後、増やせば、転職へのチャンスもその分、訪れるはずです!
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